林 住 記

寝言 うわごと のようなもの

大野君のマーチ

2006-09-13 | 歌の翼に

 朝日新聞記事から
                 

 Mr.筑哲は television で、
  「世界中の音楽が好き。でも、演歌はねぇ........」。
と気取っていた。
「異論・反論...。つまり、objection ですね」、とキザな言い方もする。

 長野県知事選で再任されなかった、田中康夫さんは、著書の「神戸震災日記」で、このMr.の報道姿勢を糾弾している。
森男はMr.の音楽鑑賞姿勢を object したい。演歌を見下げている。
 谷川俊太郎詞・武満徹曲・服部隆之編曲・石川セリの「翼」を、番組で賞揚したのは、4者が高名で、その筋の人だったからだろう。
でも、武満先生は本当は演歌も好きだった。
多分、Mr.がお好きだろうシャンソン、ブルース、フラメンコだって、意訳すれば「演歌」だ。

 長い間、この方の番組から遠ざかって、昔の片言をあげつらってしまった。
森男はこの方の、格好良さに、実は嫉妬しているんです。

 

 いま、指揮者の大野和士さんが帰国している。
大野さんは、ベルギー王立歌劇場の音楽監督を務め、ミラノ・スカラ座、メトロポリタン歌劇場、パリ・オペラ座への出演も決まっていて、大抜擢だそうだ。
 昨年、新作歌劇上演直前、オーケストラがストライキ入り。通常なら上演中止のはずが、管弦楽部分を3台のピアノ用に編曲して開演する荒業。「前代未聞の快挙」、と西欧各国のメディアに賞賛された。

 大野さん、ワーグナーも、武満徹も、演歌も好きだそうで、青江三奈や森進一の歌が上手い「カラオケの王者」なんだって!
Mr.とは大違いだ。

 森男は、この人の公開練習を聴きに行ったことがある。
演奏は「東京フィルハーモニー管弦楽団」。
平日昼間のすみだトリフォニーホールの2000席は、若い男女で満席になった。
 何曲か終えた後、最後にやったのは、モーツァルトの「交響曲40番」。
この有名な交響曲は、誰でも一度は聞いたことがあるはず。特に出だしのところは誰もが大好きだ。
大野さん、ここを何回もやり直した。
森男はどこが悪いのか、聴き分けられない。全ていいんですね。何回聴いてもいい。
つまり大野さん、聴衆に大サービスをしたんです。もちろん聴衆は大満足でした。

 ところが、連れの所沢偏屈さん(音楽通)に感想を聞いたら、大野さん、日本の音楽界の評判は悪いそうだ。
そういえば、この日、遅刻して来る団員もいれば、途中で出て行ってしまう団員もいた。どうも、団員を完全に掌握していないようだった。
海外の人気が高いばかりか、容姿容貌も格好良過ぎて、多分嫉妬されているんだろう。日本人は、お互い嫉妬深いからねぇ。
高尚なクラシック音楽界も、われわれと同じで、嫉妬が渦巻いているんだろう。

 大野さんは言う。

  「家事に忙しい主婦に、疲れたサラリーマンに、演奏会から縁遠い人々に、
  音楽を届ける事を、使命のように感じている」。

 また、横浜でのレクチャーコンサートの際、歌劇「カルメン」の誘惑シーンの直後に、映画「007」のボンドのテーマを豪快にピアノ演奏し、

  「危機が迫った時の人間の気持や恋心に、国境はないでしょ」。

 森男はこの人に「365歩のマーチ」を、フルオーケストラで演奏して欲しい。
もちろん、水前寺清子さんにも歌って貰いたい。

 ウィキペディアで、大野和士さんを調べた。
あれっ、この人、森男の高校(8/30「同窓会」)の後輩でした。
格が違う、なんでこうなるの、と森男もまた嫉妬。

 .......今更しょうがない。「人生いろいろ」だ。
「北の宿」に身を退いて、大野「クン」を応援しなくちゃ。
と演歌の世界。



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