林 住 記

寝言 うわごと のようなもの

原発事故調査報告書

2011-06-03 | 床屋放談

国際原子力機関が原発事故調査報告書概要(▼)を日本政府に提出した。
組織が複雑とか、責任の所在が不明とか、津波対策が不十分などと指摘しているそうだ。

6月2日朝日新聞朝刊から。

「1.情報公開」についての評価は大アマである。
今だから、また国際原子力機関だから、日本政府や東電は調査団の質問に全て答えたのであり、長い間、日本国民には不都合なことを隠蔽してきた。今でも何か隠しているに違いない。

「3.住民対応」は恐らく「チェルノブイリに較べれば」であり、被災者には納得できない評価だろう。
報告書は「原発事故は教訓の山」としているそうだが、日本人にはこの教訓は生かせまい。時が経てばきれいさっぱり忘れ去るはずである。

大震災直後から「日本人は強い」とか「へこたれない」とかヘンに自惚れる気分が蔓延した。
しかし事故の遠因や事故発生後の経緯は、いかにも日本人らしい愚かさや弱さや無責任さが歴然とし、世界大戦開始から敗戦に至る諸々と同じ過ちを再び犯したのではないか。

東北大震災と原発事故に、日本人は懲りてはいない。中でも一番懲りてないのは国会議員である。
「これまでの生活を見直そう」などは単なる今年の流行語である。
東北の人々にとっては甚大な被害だったが、東京は大したことはなかった。全国の都市が灰燼に帰した前の戦災のほうが遥かに大きかった。風評により食品を選り好みするゆとりはまだ残っている。

 「動物宴」藤田嗣治画。

菅は暫くの間、首の皮を繋げてしまった。鳩山はまだ生きていた。小沢はまた何かを画策しているだろうし、谷垣は原発を推進した責任を棚上げし、菅を批判するしか能は無い。
斑目というデタラメな原子力委員会委員長は、ワケの分からない言い訳をしただけで姿を隠し安泰である。原子力安全保安院院長はあの西山氏の陰に隠れ、東電は一体全体誰が代表してるのか。

狭い日本列島は地震の巣である。もっと大きい地震や津波が来ないとは言えない。
一旦大事故が発生すると制御ができず、悪影響が数万年も続く原発は日本には不適切な装置だった。
起きてはならないことは起きないとし、客観的分析的に考えるのが苦手な日本人に、原発は危険な存在である。

既得権益を守ろうと躍起になっている経団連会長や原発で甘い汁を吸った御用学者のウソにもう惑わされまい。
経済力で世界に存在感を示す必要はない。
例え現在の生活水準を落としても、原発は徐々に廃止すべきであると森生は考えるようになった。

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