飛耳長目 「一灯照隅」「行雲流水」

「一隅を照らすもので 私はありたい」
「雲が行くが如く、水が流れる如く」

「たんぽぽの ぽぽと綿毛の たちにけり」加藤楸邨

2024年08月02日 05時00分00秒 | 国語科
「たんぽぽの ぽぽと綿毛の たちにけり」加藤楸邨(かとうしゅうそん)

(現代語訳)「たんぽぽの綿毛が、ぽぽとした様子で立ち上がっていることよ。」

発問 「たんぽぽ」の花のイメージはどんなふうですか。
・元気がある
・きれい
・力強い

発問 たんぽぽはいくつ咲いていますか?
・複数……たくさん咲いているのをよく見るから。
・1本……一本だけすっくと立っているイメージだから。

発問 季節はいつですか?
・春……たんぽぽと書かれているから
※季節を表す語を季語といいます。

発問 この俳句には「ぽぽ」が2回出てきます。
   ①と②は、どのように違いますか。
・①は「たんぽぽ」という花の名前の一部で、②は「ぽぽと」という擬態語です。

発問 「ぽぽと」という擬態語は、たんぽぽの何の様子を表していると思いますか。
・綿毛の様子

発問 では綿毛のどんな様子を「ぽぽと」と表現していると思いますか。
・「ぽぽと」というのは、綿毛が一本一本立ち上がっている様子を表した擬態語。

発問 切れ字はどれですか?
・「たちにけり」の「けり」
※句切れなし

発問 5①・7②・5③の中で一番作者言いたい言葉は何番ですか。
・②……「ぽぽと」独特の擬態語を使って工夫しているから。
・③……「けり」という切れ字がついていて、この「けり」は、感動や詠嘆を表す言葉のこと。
     他に「かな」「や」「けり」が代表的なもの。
     「…だなあ」くらいの意味で、一句の中の感動の中心を表すから。

説明 作者はたんぽぽの綿毛の様子を通して何を伝えたかったと思いますか。
・力強さ
・可憐さ
・ふわふわ感

◎たんぽぽはキク科の植物で、春先に鮮やかな黄色い花を咲かせます。
 花が咲き終わると茎は一度倒れ、花を咲かせていた時よりもっと高くに再び持ち上がり、綿毛のついた種を風にのせて飛ばします。
 ちょっとした地面の割れ目でもたくましく根を下ろして成長する生命力の強い草です。

saitani