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くらげのごとく…

好きなことを考えてふわふわ漂ってるような
時間が心地良かったりする。
たとえ時間の無駄遣いだったとしても…。

ケント君とカイト君

2010年08月07日 | 保育園
まだ、暑さもそんなに厳しくない6月の終わりごろ、園児がクワガタを一匹、持ってきた。自宅マンションの通路をよたよた歩いていたのを見つけたらしい。保育園で飼うことになったが、弱っているからすぐにダメになってしまいそうだ。とりあえず、箱に入れて、ラップをかけておいたところ、翌朝、箱の中がからっぽになっていた。よく見ると、ラップを引きちぎった形跡がある。脱走したのだ。誰かのロッカーとか机の引き出しとかに入っていたらどうしよう。広い園舎内、わずか数センチのクワガタが外に出られそうな隙間を見つけるのは容易なことではないだろう。職員一同、大慌てで探し回っていたら、手洗い場のバケツの底にへばりついているのが発見された。やっぱり湿気があるところを好むのだ。ロッカーの上からここへ辿りつけたのは根性、いや本能のなせるわざだったのか。なかなか生命力のあるヤツだなあと見直した。
 
このクワガタくんのために、立派な昆虫ケースとゼリーが用意され、飼育上手な若手保育士が面倒を見ることになった。ケント君という素敵な名前もついた。恵まれた環境を用意してもらったケント君、水を得た魚のように元気を取り戻し、たちまち子どもたちの人気者になる。彼を見つけてきた男の子も嬉しそうだ。

しばらくして…、他のお家からも、「カブトムシがいるのだが、保育園で飼ってもらないか?」という申し出があり、仲間が増えた。カブトムシはカイトくんと名付けられ、またまた人気者になり、ケースの周りには毎日子どもたちが鈴なりになっている有様だ。ケント君、お友達が出来て良かったねって。黒くて、固くて、その上角も生えている物体がのそのそと動き、地中にもぐったり、時にゼリーにしがみついている。子どもたちの興味は飽きることなく、目を離すと思わずツンツン触っていたりする。

さて…、ライバル出現に面白くないのか、大御所のケントくんは、カブトムシを攻撃し始めた。マンション通路から保育室脱走まで紆余曲折を繰り返し生き残ってきただけあって、喧嘩もなかなか強いのだ。自分も傷だらけだが、大きなカブトの方の傷はもっと深い。ついに、先日、カイト君が動かなくなった。体は穴だらけ…、自然界は残酷なのだ…。

子どもたちにカイト君を見せて死んでしまったことを話した。ムシさんには「かんがえる頭」や「やさしい心」がないから…、生きていくために、強いものが弱いものをやっつけちゃう。でも、みんなには、「かんがえる頭」も「おもいやる心」もあるから、大きい子や強い子は、小さい子や弱い子を守ったり、手伝ったりして助け合うことが出来るんだよね。う~ん、ちっと説教臭かったかな。でも、この出来事の中には子どもたちに伝えるべき大事なことがある筈だ。
いつも、キックやパンチで友達を攻撃するやんちゃ坊主が神妙な顔つきで穴だらけのカイト君を見つめている。君の心に何かが響いてくれたかな?それだけでも、カイトくんの死はとっても意味あることになってくれるんだけどなあ…。

最期にみんなでお祈りをした。

カイト君が天国に行きますから、お守りください。アーメン

とうもろこし

2010年07月10日 | 保育園
とうもろこしの皮むきを子どもたちとした。生のとうもろこしは青々とした葉に大切にくるまれている。一体、何枚あるか数えながらむくと、なんと15枚もあった。やっと現れた黄色い粒粒が鮮やかだ。もじゃもじゃとのびているヒゲを取り、余分な芯部を折って出来上がり。みんな、ずっしりと重たいともろこしを小さな手にのせて、慎重に皮をむいている。思いの外、力がいるみたいで、慣れてくるとだんだん大胆になる。外側の皮がわからなくなって、内側から引っ張って根元で止まってしまい、力任せにぐいぐいやりながらやっと実をとりだしていた。

このとうもろこしは本日のおやつになる。自分で皮むきをしたとうもろこしが出てくるとなると子どもにも特別な思いがある様だ。いつも、お昼寝で寝起きが悪い子も「さあ、とうもろこしのおやつだよ~」と声をかけるとガバっと起きた。現金な奴よの~。
茹であがったとうもろこしは、生の時より、濃い黄色になっていておいしそう~。手塩にかけとうもろこしだから、芯が食いちぎれるかと思うほどかじっていた。

ところで、とうもろこしには、どうしてあんなにもじゃもじゃヒゲがあるんだろう。昔、生物とかで習ったかなあ、全然、記憶にないっ。でも絶対、何か意味あるもんだと思って調べてみた。

以下、Wikipediaによると…

とうもろこしには、雄花と雌花がある。

 

ヒゲは、雌花が実になるため、上部に咲くススキみたいな雄花からの花粉をキャッチするめしべなんだって~。そうして、受粉すると実が皮に守られながらムクムクと大きくなり熟すと頭からもじゃもじゃ~と出てくるそうだ。まさに皮は人間の子宮みたいなもんなんだね。とうもろこしは粒粒ひとつひとつがおしべとつながっているのかしら~?なんだかとても神秘的なしくみをしているんだと感動してしまった。

ウィルス侵入

2010年06月11日 | 保育園
禅病ならぬ、ムサシ熱の余韻にひたりながら、お休みした分、あと一日、お仕事、がんばるぞと出勤したら…、なんと職員が5人もお休みだった。なんか、ノロウィルスが流行っているみたいなんだよね。昨日はみんな元気だったらしいが、突然、具合が悪くなってしまったそうだ。急性だからノロはこわいよね。

ということで、クラスの子との再会(ま、一日ぶりだけど)もままならぬまま、1歳児クラスのお手伝いに直行した。去年までみていた子どもたちと同じ年齢で、ひたすらかわいゆい。あの子たちもこうやって進級して元気でやっているかしらと想いを馳せてしまったよ。下のお部屋だと人見知りする子も、自分のお部屋だと大丈夫みたいで、泣かれることなく過ごす。なんじゃい、このババはって思ったかもね。

それにしても、なして今の時期にノロがでているんだろう。大抵、冬場が多かったのに。定まらない気候のせいもあるのかな。牛の世界でも口蹄疫なんぞが出てきてしまったし…。自然体系が乱れると、ウィルスも変化する様で怖い。めっきり聞かなくなった新型インフルはどうなってるのだろう。強い菌になっていないといいけどね…。

はらぺこあおむし

2010年03月13日 | 保育園
時代を超えて、こどもたちに受け継がれる絵本がある。「はらぺこあおむし」もそのひとつだ。はい、皆さまご存じ、食いだめするあおむしのお話ね。




卵からかえったあおむしが、食べ物を食べる。“大きくなるにはなんでも食べなきゃいけない”と日ごろ大人から言われる教訓通り、曜日ごとに食べ物の量がひとつずつ増えていく。「さすが、あおむしさん、偉いなあ~」と思ったところで、最後の土曜日、あおむしは暴挙にでる。なんでもかんでも、た~くさん食べてしまうのだ。チョコレートケーキ、さくらんぼパイ、アイスクリーム、ソーセージ、サラミ等々、日ごろあまり食べすぎてはいけないものまで登場するが、とてもおいしいそうな絵。半ば、こんなのたべてみたいなあとうらやましくもあり、半ば、こんなにたくさん食べちゃって大丈夫かな~とも思う。案の定、あおむしは、その夜お腹が痛くなってしまう。丸くなって泣いている小さなあおむしを「そんなに食べるからだよ、やっぱり、食べすぎちゃいけないんだ」と心配そうにみつめる目。次の日、葉っぱ(薬がわりかな)を食べたあおむしは、元気になり、食べた分大きくなり、さなぎになる。

グロテスクな茶色いさなぎの絵。ちっちゃなあおむしが、どうしてこんなものになっちゃったんだ、これからどうなるのだろう…。

そして、最後のページをめくると…

「あっ、ちょうちょ~
 あおむしはきれいなちょうちょうになりました~」

画面いっぱいに羽をひろげた、色彩豊かなちょうちょが登場する。
ここで、思わず、両手を合わせてひらひらとちょうを作り「ひらひら~」「ちょうちょっ」と言いながら「良かったね、すごいね」と共感する。

こういう展開は、「おおきなかぶ」や「ももたろう」なども一緒。小さい子は、繰り返しがあるものが大好きだ。

このお話に合わせて、新沢としひこさんが曲をつけた、『絵本うた』なるものが、保育園で大ヒット中。



CDプレーヤーを指差し、「あおむし」とリクエストをする。ほぼ毎日見ているから、私の頭の中も、♪げつようび、おあむしは、りんごをひと~つたべました、それでも、あおむしはおなかがぺっこぺこ~♪とあおむしでいっぱいだ~。この、新沢さんの曲も見事で、よりいっそう絵本を盛り上げる。ちょっとしたドキドキとわくわく、夢がある展開がこどもたちの五感を刺激する。

みんな、心豊かな人になって欲しい。

か・た・こ・と

2010年01月24日 | 保育園
もうすぐ、2歳になる子たちに出始めた“ことば”が実にかわいい。何にでも興味をもって、「これは~?」と聞いてくる。

保育室に貼ってある写真を指差し、
「これは~?」
「○○ちゃん」
「……」
「これは~?」
「ぞうさん」
「じょ~さん」
「これは~?」
「カエル」
「……」
「これは~?」
「しょうぼうしゃ」
「しょうぼうしゃ~!!」

自分で言えるようになった言葉だけ反復する。
試しにそのこを指差して「これは~?」って聞いてみたら、「○○くん」って名前を言った。お兄ちゃんのことは「△△~」って呼び捨てなのに、自分には“くん”づけかい?次に、自分を指さして「これは~?」と聞いてみたら「……」「せんせい」と教えてあげたら「しぇんしぇ」と言ってくれた。時々、「ママ~」なんて呼ばれたりする。「ババ~」じゃなくて良かった~。

食いしん坊のNちゃんは、いつも食べ物の本を持ってくる。自分で指差しながら、「バナナ」「ちゅるちゅる~(ラーメン&スパゲッティ)」と繰り返し、とどめが「おいち~!」彼女は、時々、お隣りの子や先生たちのおやつも狙っている。お家でバイキングへ行った時なんぞ大喜びだったそうだ。あんまり食べ過ぎると将来、後悔するぞ~。

一方、外国籍の子は、家では母国語、保育園では日本語という生活をしている。こういう環境にいると子どもなりに「言葉」を使い分けようとする。保育園では「日本語」を話そうとするから、言葉がでるまでに時間がかかる。でもしっかり、両親が使う言葉もわかっていくからすごいもんだ。かくして、バイリンガルは育っていくのね。異国で生活している人は賢い人が多い。切り抜け方が上手い。生活する中で必然的に身についていくのだろう。時々、都合が悪い時だけ、“外国人”になって物言わなくなっちゃう人なんかもいるけどね。

将来は、スポーツ選手、モデル、政治家?
この中から世界をまたにかけて活躍する子が出るかもしれないなんて密かに期待してしまう。ほい、「親バカ」ならぬ「保育士バカ」だね。

ウンがつく日♪

2009年12月18日 | 保育園
朝は冷え込んだが、日差しが出てきて穏やかな冬晴れになった。0,1歳児、ひさびさの全員出席でにぎやかだ。インフルエンザにも負けない元気な子どもたちを引き連れて近くの田んぼに散歩に出た。少し寒いけど、寒気に触れることも大切なことだ。「冬は寒い」ということを感じてもらわなくてはね。

稲刈りが終わった冬の田んぼは、草に覆われているが、稲株の間にぼこぼこと凹凸がある。0,1歳児が歩くには難度が高い場所だ。どこに穴がある予測できないから数歩、歩いてはズコッと転ぶ。懲りずに立ち上がりまた転ぶ。やがてどこを歩けば転ばないかがわかり走り始める子もいれば、転んだ先の稲株に興味を持ち、ひっぱり続ける子もいる。子どもっていろんなことを発見するもんだ。

さて、給食をおいしく頂いて、お昼寝の準備が始まる頃から、なんだか、ここかしこで臭ってきた~。皆、次々とウ○チをもよおしたのだ。こんな日、たまにあるのよね。ウ○チデーの始まり、始まり~。

Nちゃん、Eちゃん、Aくん、Jくん、Kくん(2回目~)、Hくん…

ホイ、私、今週は雑用担当だったもので、延々とトイレに籠って、かわいいお尻を洗ってた。はあ、ここまで続くと、なんだか楽しくなって、♪き~よし、この夜~♪と歌も歌いたくなる。快食快便、たくさん食べて、いいウ○チが出て良かったね~。

明日はクリスマス会だ~。
これだけ、ウンをつけたんだから、みんな、泣かないでね~。

バ~ラが咲いたら…?!

2009年05月21日 | 保育園
保育園前の田んぼの田植が今年は少し遅い。いつも連休明けごろ、景色が変わっていた気がするが、先日やっと水が入りだした。ここかしこで、蛙がゲロゲロ泣いている。窓からは新緑の景色が鮮やかで、真紅のバラの花も二つ咲いて揺れていた。ところが、そのひとつが、風か、はたまた鳥がぶつかったのか、ぽっきり折れてぶらさがったまま、天然ドライフラワー状態になってしまった。ひとつはみずみずしく咲いていてひとつはシワシワ~なのだ。二つとも美しく咲いたのに思わぬアクシデント発生!運命の別れ道、人生いろいろだね。かわいそうだからハサミで切って部屋の中につるして完全にドライフラワー化をしてあげた。これであなたは永遠に生き残るのよ…。

インフルエンザ騒動の世間とかけはなれたのどさだが、昨日、市かはお達しが届いた。今のところ、県内で人から人への感染が認められた場合、保育園も休園措置になり得ると…。まあ、園内で出たらわかるけど、県内って広い範囲だよなあ。それに今までインフルエンザでもなんでも保育園は休園にも学級閉鎖さえもなったことがない。もしも、休園になったとしたら、働く親は打撃を受ける。仕事が決まらなくてやっとこさ決まった人もいるのになあ。企業側も配慮してもらわないと困る。

なんだか必要以上に恐れられている新型インフルエンザだ。実際、感染力だけは強そうだから、ここまできたら、慢延するのも時間の問題だろう。幸い、タミフル等が効き即、命にかかわるようことにはならないようだが、よく寝て、よく食べて体力をつけ、手洗いうがいをして最低限の予防はしておくべきだろう。

それよりも、この過剰騒動の風評被害の方が心配だ。感染したら、罪悪人のような目で見るのは大人げない。なんで、生徒が羅患してしまった高校の校長先生が泣かなきゃいけないんだ?模擬国連とやらは、生徒にとって有意義な時間になったに違いないし、若いうちに海外に行って視野を広める機会ってとても大切だよね。

ウイルスなんてどこから侵入するかわからない。実際、国内初なんて騒いでいた以前にどうやら神戸には上陸していたらしいしね。こういう事態に対して、もう少し冷静な目を持つことが日本人は必要かもしれないね。

新年度

2009年04月11日 | 保育園
新たに入園してきたベービーちゃんたちが、畳の上でコロコロ、ずりずりしている。初めての集団生活だが、お母さんに愛情豊かに育てられたようで、みんなしっかりしている。特に、3人兄弟の末っ子なんぞはたくましい。あまり人見知りもしないし、これなら時間を延ばしても大丈夫だろうと少しばかり保育時間を伸ばしたら、まさにその日から突然、泣きはじめた。

あらら~、お主、昨日まではニコニコしてたじゃないの。なして、今日からなのよ。だっこをしても、おんぶをしても、おもちゃであやしても、音楽をかけても泣いている。お尻も濡れていないしお腹もそんなに空いていない筈だ。これはどうも人見知りらしい。

赤ちゃんは大人のように全ての環境を一度に受け入れられないのだ。今までは保育園という新たな環境に興味がいっていたのが、いざ慣れてきたら周りの人の顔も見えてきて、よく見たら知らない顔ばかりだったという感じなのだ。そうやって一つひとつ吸収していくんだね。泣き続ける日も必要といえば必要なのだ。でもあまり泣いてばかりいると心配になるよ。お腹が痛いんじゃなかろうか、熱があるんじゃなかろうかって。そういう日に限って、ママが哺乳瓶を忘れてきたりするものでお気に入りの乳首でミルクも飲めない。彼にとっては試練の一日だった。時間がきてママがお迎えにくると泣いていたのがウソのように満面の笑顔。安心できて良かったね~。

世の中、思い通りにはいかない。だから思い込むのは危険、いろいろなことを予測しておいた方がいい。当たり前のことだけど、たぶん大丈夫だって思ってしまうことが多い。反省、反省。

今回の給料改定もしかり。この業界だけ見ていれば、待機児童は多いし、保育士も不足しているのが現状だから、不況なんて関係ないなんて思っていた。でも、措置費というのは国や地方財政から負担いただくもので、それは税金でまかなわれいるもので、企業がダメになり税金が払われなくなると、当然、財政は厳しくなりばっちり福祉もとばっちりを受けるわけで…。世の中、いろいろなところでつながっているということを、身にしみて感じたわ~。

ポリッシャー

2008年12月20日 | 保育園
ただいま、保育園は大掃除中。保育におけるお掃除は、清潔な環境を整えるために大切なことだ。子どもも一緒に日ごろ使ったおもちゃやテーブル、椅子などを掃除する。子どもは、拭けば拭くほど、“ピカピカになる”と純粋に信じている。飽きることはあっても、限度や諦めや妥協を知らない。だから小さな雑巾で何度も何度もこすり続け「ほら、ピカピカになったよ!」と誇らしげに見せに来る。なんでも自分の力で出来るって嬉しいことなんだね。

一方、保育士は天井のすす払いから、窓ふき、蛍光灯と分担しながら進めていく。床は水ぶきをしてからワックスをのばし、仕上げにポリッシャーをかける。このポリッシャーというのを私は今までやったことがなかった。去年、試しに初挑戦してみたが、ものの見事に振り回され、もったまま1回転した…。若い先生はいとも簡単そうにかけているのになあ…。力を入れすぎても抜きすぎてもダメみたいなのだ。




今年も再度挑戦したが、やっぱり初日は振りまわされた。なんでもすぐに出来ない私、なんだかトラウマになりそうだ。でも出来ないと悔しい。めげずに再々挑戦したところ、やっとこさこつがつかめた。廊下が“ピカピカ”になってなんだか涙がでるほど嬉しかった。でも、これ1年に1回しか登場しないんだよな。来年までつかんだ“こつ”を覚えておかなくっちゃ。

固まる……

2008年12月13日 | 保育園
今日は保育園のクリスマス会 朝からお日柄もよく行事日より。私が担当の0,1歳児クラスは幼児組の聖劇にちょっこっとだけゲスト出演し、クラス発表で“赤鼻のトナカイ”をやる。

実際、0,1歳児の行事参加は難しい。お家の方が観に来てくれているからがんばろうという気持ちになるのは4、5歳ぐらいからだ。身も心も未発達の小さい子ほど、泣いて不安定になる。ママが同じ場所いるとなると「ママのところへ行きたい、どうして行っちゃいけないの?」と混乱する。期待して観に来る親ごさんも何もやってくれないととても残念がる。「練習の時は上手だったんですよ」と言ってもできることならなら自分の目で見たいのが親心だ。

さあ、いよいよ本番、朝の受け入れからなるべくいつもと同じ雰囲気で遊びながら落ち着かせ、少しでもやる気になってくれるようにひたすら“よいしょ”をして出番を待つ。ステージまでたどりつき、0歳児をおんぶからおろして準備OK!するするすると幕が開く…。

………………

その瞬間、全員固まった。いつもとまるで違う光景。なんで客席にママがいるんだ~カメラが光るんだ~0歳児の方がまだ何もわかっていないのでつられて拍手なんぞしてくれてた。歌が終わるまで、動いたのはごくわずか。保育士の歌声が空しく宙を舞っていた

少し休憩してから気をとりなおしてクラス発表だ。こうなったらかわいさで勝負よとトナカイのつのを頭にかぶり、鼻に赤いシールを貼って登場。少しは気持ちもほぐれてきたのか、“お返事ハイ!”はなんとかやってくれた。でも歌がはじまると再び固まった。ひきつる笑顔で歌う保育士たち。心の中で「やってよ~っ」って絶叫していた。さっきまで元気だった0歳児は、そろそろおっぱいとおねむの時間になり、ついに寝た… ステージの上ですやすやと 君は絶対、将来大物になるよ。

みんな予想はしてた、こういう場面。きっとお家の人が来たらやらないだろうなあって。だから、せめて泣かないでステージにあがって欲しい。その目標は達成できたはずなんだけど…、担任の欲目でやっぱりもうちょっとやって欲しかったよ。

来週、クリスマス会ごっこをしたら、みんなイキイキとやるんだろうなあ。他のクラスの出し物まで。驚くほど、子どもってよく観ているんだよね。数年後、「赤ちゃんの時はあんなだったのに」って言われる日がくることを信じてるよ。