長岡京エイリアン

日記に…なるかしらん

ま~っさらぴんの晴天でした!!  『℃-ute 日本武道館初コンサート Queen of J-POP 』

2013年09月09日 23時13分45秒 | すきなひとたち
 あ~今日も楽しかった!! お仕事のあった方々も TEAM ℃-uteのみなみなさまも、大変にお疲れさまでございました~。そうだいでございます。
 けっこう疲れたね……でも、楽しんじゃったんだから仕方がない! いいステージでしたね、ホントに。


『℃-ute 日本武道館コンサート2013 Queen of J-POP たどり着いた女戦士』(9月9・10日 東京・九段下)


 いや~、晴れた晴れた。真夏なみにアツい太陽が照り輝くとんでもない青空! それでも、ときに吹く風がここちよかったり赤とんぼがちらほら飛んでいたりと、確実に季節の移り変わりを感じさせる時間もありましたが……まぁ~蚊がうざったいうざったい。そりゃ1万を超える人間がわんさとやってくるんだから、最後のかせぎどきなのはわかるけれども。
 てっきり大雨だと思ったんだけどなぁ~。昨日もけっこう夜半まで千葉では強い雨が降ったりしてて。
 でも、やっぱりこういう吉日は晴天がいちばんですよね。ほんとに良かった。とってもいい日になりました。


 現時点においてはもちろんのこと、半世紀以上続く戦後の日本女性アイドル史の中でも、群を抜いた「容姿・歌唱・ダンス・トーク・人柄」のバランスの高さを保ち続けている超絶グループ「℃-ute(きゅーと)」! 彼女たちが結成8周年にして初の日本武道館ソロコンサートを挙行するという報が今年4月に流れたとき、全米とか列島はどうだかわからないけど、少なくとも私は震撼しました。これは、私がもし9月に生きていとしたのならば、行かないわけにはいかないだろうと!!

 そして、なんだかんだやっているうちに、9月はあっという間に来てしまいました……ついにこの日がやってきた。
 いったい、彼女たちは悲願の地でどんなファーストステージを見せてくれるのだろうか。とってもうれしいしテンションが上がるんだけど、そんな奇跡的な瞬間に立ち会う権利を持つことができた五体満足の自分の身体に「よくぞここまで(おめおめと)生きてきた!」と声をかけてやりたいし、その幸福なひとときがたった2日間、2回の公演だけで通り過ぎて行ってしまい、「初!」という感覚がもう二度と帰ってこない過去のものになってしまうということを考えると、なんともいえない寂しさが観てもいない段階ですでに胸に去来したり。
 とにかく、気分がものす~っごく複雑なんですね! こんな気持ちは、自分がわずかな所領を拝借して奉公している「本貫地」ことモーニング娘。の日本武道館コンサートでもなかなか味わえないものですよ。やっぱり、これが「結成メンバーだけが残っているグループ(かつての増減こそあれ)」の歴史の重みなんでしょうねぇ。ほんとにしみじみ、おめでとうございますと御礼をのべさせていただきたいです。


 そんなこんなでせまってきた9月の9・10日だったのですが、まず、その2デイズのうちの「どっちの公演に行くのか?」という問題にぶち当たったとき、私の場合は迷わず「初日の9日」という選択肢に決しました。まぁ、ここで「2日間とも行くに決まってんだろ!」と威勢よく切り出せるような時間的余裕と経済的基盤は、現在のわたくしめにはないわけでして……

 なんで一般的に「℃-ute(9、10)の日」として長年親しまれている9月10日でなく、あくまでも「追加公演」という扱いになっている9月9日のほうを選んだのかといいますと、そりゃ~もうあーた、「初日だから!」。これにつきます。
 事務所さまも、よくぞまぁこんなに素晴らしいスケジュールを組んでくださいました。確かにこれまでずっと大事にされてきた記念日は9月10日なんですが、これからの TEAM ℃-uteのみなさんにとっては、初めて日本武道館公演を実現させた9日も新しい記念日になっていくわけなんですね。こりゃあもう、どっちに行ったほうがいいとか甲乙つけるなんてムリ!

 そして、無論のこと℃-uteというグループはエンタテインメント界のプロ中のプロであるわけですから、回によって気合いの入り方が違うとか、通常公演と最終日とで力の入れ方が違うなどということはまずありえないはずです。
 そういう意味では突き詰めればどの回を観たっていい、ということになるはずなんですが、やはり表面上同じプログラムだったとしても、プロフェッショナルの電子計算機のごとき怜悧さの裏には、必ず「生身の5人」の隠しようのないよろこびというものが、「初めての日」には垣間見えるはずなのだ! 観ることが可能である以上、私はなによりも、その躍動をこの目で確かめたかったわけだったんですね。

 そして、私のその選択は、おそらくは大正解だったのだ……10日のほうを観たわけじゃないから断言はできないんですが、少なくとも、私の観たいものはしかと見届けることができました!!


 お話は9月9日の前日から始まりますが、この日8日、チケットオデッセーのホームページでずっと「発売中」の表示になっていた9日ぶんの残りチケット情報が「完売」になりました。10日のほうはほぼ販売開始と同時にソールドアウトになってましたね。
 つまり、裏を返せば今回の℃-ute日本武道館初コンサートは、2デイズ公演になったことでチケット状況はかなり余裕のあるものになっていました。9日を観たいんだったら、さっさと予約をして比較的観やすい座席を早めにゲットすることもできていたわけなんです。

 しかし! 私は、前売りチケットがあたかも新幹線の御手洗いの水のように一瞬にして「しゅごっ」と消失してしまういつものモーニング娘。のコンサートと同様に、あくまでも「当日券」を購入して会場に入ることにしました。当日券である以上、あんまりいいお席は期待できないわけなんですけど。
 これはね~、前の日本武道館観戦記のときにもいいましたけど、やっぱりドキドキしながら当日券の販売開始を待つ、あの感覚に味を占めちゃったんですよね!
 観やすい座席よりも、どうしても私は、当日にまず武道館の大階段の上でコンサート記念グッズの発売ブースの開場を今や遅しと待つ数百人の長蛇の列にまじるところから会場のテンションを肌身で感じていき、グッズを買ったあとに武道館のいかにも老舗っぽい昭和の雰囲気ただようカフェ「武道」で昼食をとってから、当日券待ちの列に加わってやっとチケットを買うという、この一連の非効率的なスケジュールが生み出す「イベント感」をとっちゃうんだよなぁ!!
 つまり、どうやら私はアイドルグループのファンと同じくらい、50% -50% の割合で「日本武道館コンサートのファン」でもあるようなんですね。江戸城田安門 LOVE! 早く2014年4月になって、修復工事おわんないかナ~♡

 本当に私はコンサートを観ることができるのだろうか!? このへんのハラハラドキドキを噛みしめながら会場前のファンの混み具合の変化を眺めるのは本当に格別なお祭り感が満載です。これよねぇ~! これだから、ファンクラブに入ったり電話予約とかインターネット予約とかでちゃっちゃとチケットを取るのは二の足を踏んじゃうんだよなぁ。
 思い起こせば、今回の℃-uteと同じく日本武道館2デイズ公演だったためかチケットの先行予約をやっていて、私にとって初めての武道館体験だったので、それに乗って早めにチケットを買っちゃった2011年のモーニング娘。第6代リーダー高橋愛さんの卒業コンサートは、確かにステージど真ん前のいい席で観られて文句の言いようもなかったんだけど、開場時間に来てスムースに公演を観ちゃうっていうのが、なんだか物足りない感じもしたりしてて。

 そんなこんなで、今回のスケジュールはこんな流れになりました。


10:00
 JR 総武線と地下鉄東西線を使ったいつもの経路で九段下駅を降りて日本武道館に到着。
 コンサート記念グッズの販売開始待ちの列にならぶが、この時点ですでに200人ほどの精鋭TEAM ℃-uteのみなさんが集結していた。99.9% ほどの割合で男性。

10:30
 記念グッズのブースが開き、販売が開始される。少しずつ動き出す長蛇の列。
 列の前半で購入を終えた方が次々と後半の仲間の方に戦果を報告し、「6万使った」とか「11万使った」とかいう、私にとっては天文学的数字な金額が耳に飛び込んできて、内心であらためて「お仕事、明日からもがんばってネ!」との思いを強める。

12:00
 ならんで2時間後に自分の番がまわってきて、岡井千聖さんのソロTシャツセットと、グリーン(岡井さんカラー)とブルー(中島早貴さんカラー)のサイリュウムを1本ずつ購入することに成功。もちろん5千円もかかっていない。そんなもんで充分っすよ!
 グッズ販売の並び時間は、今までのモーニング娘。で体験してきた「3~4時間」にくらべて短かったのだが、やっぱり長いもんは長いね……

12:30
 グッズ購入後に、いつものように北西大階段を登った左手にあるカフェテラス「武道」で昼食をとる。
 ここのカレーライスはレトロな味わいで大好きなのだが、「1000円」はやっぱ高すぎなんじゃないの……と思いながらおいしくいただく。
 カウンターからふと外をながめた時に、記念グッズ販売ブースの購入者列がほぼ解消されているのを見て愕然とする。それじゃ、のんびりお昼すぎに来たほうがならび疲れずに済んだとでも言うのか……いいんだいいんだ、この徒労こそがお祭りよ!! 苦いブラックコーヒーをぐいと飲みくだす。

13:30
 食後に江戸城北ノ丸を出て本丸公園へ散策に行こうとしたのだが、月曜日だったために本丸は開放されておらず、仕方なく北ノ丸近辺をほっつき歩く。
 この段階で、どうやら雨が降ることはなさそうだということを身体でまざまざと実感する。あっちい……ジャケット着てくるんじゃなかった。

14:50
 今回の当日券販売時刻は、今までのモーニング娘。のときよりも遅い15時30分だったのだが、念のためにこのあたりから当日券窓口の近辺に張り込んでおく。
 しかし、あまり当日券待ちの人々で列ができるという状況にはならず、比較的のんびりした空気の中で10人前後のそれらしい人たちがそわそわしているという微笑ましい雰囲気になっていた。子ども連れのお母さん、アンタはエラい!! 実に素晴らしい教育です。

15:36
 予定通りに30分に当日券の販売が開始され、私は5~6番目というかつてない早さでお目当てのチケットを購入する。そのため、なんとか立ち見席ではなく一般席をゲットすることができた。2~3時間の立ちっぱはやっぱりキツそうだったから助かった。
 んが……座席番号は「2階スタンド 西X列」。
 X……? Xって、あの、アルファベットの Aから数えて「24番目」のやつ? ってことは、あなた……
 もともと近さで期待はしてなかった! してなかったけど……自然に遠い目になってしまった。準備は万端だ。

16:00
 夕方17時30分の開場を待って、北ノ丸公園の池の近くでぼんやりする。
 周辺には同じ理由でぼんやりしているピンクやレッドのTシャツ姿の集まりが多く、一言も言葉を交わしていないのに不思議な一体感はあるし、オッサンだらけなのに色彩がなんだかファニーな広場になっていた。いつもながら、徐々にテンションが上がっていく人々と変わりのない自然の景色との対比が、嵐の前という何かが起こる空気をいやがおうにも感じさせる。それにしても、晴れてホントに良かった。

17:30
 予定の時間になっても開場されないようで、武道館付近は尋常でない人の数でごったがえす。
 実はこの時間になるまで、不遜にも内心で「モーニング娘。よりも静かか?」「やっぱ男のファンが多いな~。」などと感じていたのだが、開場時間になるとあっという間にとてつもない人数が集結し、ところどころで「うおぉ~い」という鬨の声があがり、いっぽうで短時間のうちに若い女性ファンの割合がギュギュギュンと急上昇している事実(最終的には全体の3割弱くらい?)に直面し、思いを改めるとともに感動する。2デイズ公演の初日でこれだけの人数と熱量が集まるんだから、℃-uteはやっぱりキてる!!

17:45
 やっと開場し、総勢1万をゆうに超えるTEAM ℃-uteのみなさんが武道館に入っていく。
 武道館コンサートはなにがいいって、やっぱり微妙にもやがかかった程度にスモークがたかれてるのがいいのよね! それが「間違いなく日常でないスペシャルな空間に来たぞ!」っていう切りかえになるから。
 私の座席の両隣は、片方がお若くて美しい女性で、もう片方がいかにも純朴そうな大学生らしい青年。公演を楽しむ上でなんの支障も無い。ラッキー☆

18:15
 いつものように、ステージ奥の大画面でアップフロントグループ所属オールスターによる『愛は勝つ』のミュージックビデオが流れ、その後にハロー!プロジェクトの新人アイドルグループ「 Juice=Juice(ジュースジュース)」によるオープニングアクト1曲が披露され、いよいよ開演!

 ……とまぁ、こういった感じになりまして。

 いやぁ、実際に座席を探してみたらビックラこきまして。「X席」って、最後列じゃねぇかァア!!
 もう、文句なしにステージからいっちゃん遠い座席でありんした。後ろにだぁれもいないという、位置的には最上の眺めのいいとこでしたけれども、大画面を見ずにはメンバーの表情がまったく読み取れないという。決して「米つぶ」じゃあないんですけどね……

 列にほとんど並ばずにかなり早く獲得したといっても、やはり当日券となるとこのくらいが関の山なのかと、ふとステージ付近に目をやりますと、当日券を購入した時の私の今までの「定位置」になっていたステージわきの「北西・北東スタンド席」が、まるごと黒幕を張って閉鎖されていました。いや、ステージの真横でも、目の前にでっかい音響設備があってもいいからもうちょっとばかし近くに行かせていただきたかったんですが……
 そんな恨み節をいだきつつ、「やっぱり2デイズになると、最終日じゃない回を全席お客さんで埋めるのは厳しいのかな。今の℃-uteなんだから、もっと強気でいっても大丈夫だと思うんだけど。」なんてことも開演前につらつら考えていたのですが、開演してからその考えを大きく修正させるような事実にも思い至ったりしまして。

 つまり、℃-uteの日本武道館コンサートが客席をステージ横に配置しなかった、つまりは180°以上展開しなかったということは、集客の問題じゃなくてグループの戦法を熟知した演出上の問題。そして、私が今回、ステージから見ていちばん遠くの座席をゲットしたのは大大、だぁ~い正解だったのでした!! いや、ほんと。

 客席の演出については、要するにグループが5名なんですから、モーニング娘。のように10人くらいのメンバーが各自縦横無尽に走り回って広角度の座席にパフォーマンスを見せるというよりは、ステージ中央にしっかり陣取って照準を前面の客席にさだめ、お客さんの視点を一点に集中させる戦略で攻めていったほうが効果的だという選択があったのではないかと思われます。やっぱり日本武道館の大舞台は広かった!

 もうひとつの、客席が最後列でよかったという理由は、もうこれは……実際にあの位置であのステージを体感してもらうのがいちばんなんですが、ほんとにあの日本武道館初コンサートというステージは、℃-uteの5名も当然のことながら、彼女たちを心からの祝福で迎える1万人以上のTEAM ℃-uteの応援もコミコミになって「ひとつの作品」になっていたと思うんです。
 いつものようにテンション上げ上げの色とりどりなサイリュウムの振りや、「オイ! オイ!」という男女入り混じった会場いっぱいの声援もさることながら、℃-uteの入魂のアカペラ歌唱に聴き入るときの水をうったような静寂や、それが終わったときにしみじみと広がる拍手のあたたかさ、メンバーのMC を聴くうちに自然に遠くや近くから聴こえてくる嗚咽のさんざめき。
 決してしめっぽいシーンばかりではなかったんですが、基本的にひたすら明るいステージの連続の中ででも、ところどころでメンバーがうれし泣きを必死にこらえながら感謝の言葉を元気に口にするたびに、同じ「悲願成就」のひとときを過ごしているファンのみなさまにはこたえられない感動があったのでしょう。うん、これぞまさしくTEAM ℃-ute。

 そんなわけで、全員がひとつになった光景をもれなく視界におさめることができた私の「2階スタンド最後列」は最高でした!
 そういえば、私のとなりの青年が、誰のソロTシャツを着るでもなく、サイリュウムの1本も買うでもなく、普段着で何も持っていない両手をせいいっぱいに振り回しながらメンバーを応援していましたよ。
 まぁ、ただ単にグッズを買う主義じゃないってだけの人かもしれないんだけど、もしかしたら、なけなしのチケット代だけをにぎりしめて今日のこの日に駆けつけてきたのかもね。よかったな青年! ポスターとか DVDマガジンを買った人だけがファンってわけじゃないんだ。なぁ!


 さて、ここまでさんざん字数をついやしてきて、やっとこさここから肝心のコンサートの内容についての話になってくるんですが、最初のJuice=Juiceによるオープニングアクト! すでにここから、いろいろと感じさせられるものがありました。
 骨折という大ケガで満足なパフォーマンスができず、それでも舞台に立つしかないアイドルという世界の厳しさの、ほんの片鱗を垣間見た思いがしました。宮本佳林さん14歳、なんという修羅の道ゆきか……メジャーデビュー直前という大事な時期だし、誰かが休んでも他のメンバーで切り抜けられるという経験もないというのはよくわかるんですが、なんとも痛々しかったねぇ。しかし、あの状況で100% 笑顔でオープニングアクトを見事に演じきった根性は間違いなくプロ級! がんばっていただきたいです。

 そんな艱難辛苦のアイドル稼業を11年も続けてきた天才5人組、グループ結成9年目にしてついに日本武道館の大舞台にならび立つ!!

 ステージ奥の大画面で展開されるオープニング映像は、カメラが℃-ute歴代シングル26枚のジャケットがならぶ白い階段を駆け上がっていくという視点のもので、その頂点にはメンバー5名の黒いシルエットが。
 そして、そのシルエットが画面いっぱいになった瞬間に、映像が今現在の5名のアップの表情を5面マルチスクリーンで映すものに切り替わり、大音量で鉄板『Kiss me 愛してる』(2011年)のイントロがスタート!!

 いや~もう、ここだけでごちそうさまですよ。三つ指ついて「けっこうなお手前でございました。」と頭を下げざるをえません。

 この最初の最初のカットでの、生の5名の活き活きとした表情の輝き、明るさ、美しさ。すごいです。「あっ、こりゃあ史上最高のステージになるな。」と瞬時に悟らせる説得力ね。

 前半は『Kiss me 愛してる』に続いて『★憧れ My STAR★』(2009年)、そのあとで誰もが待ち望んでいた岡井さんによる「ライヴハウス武道館へようこそ!!」の辞。あたしゃもう、ここまででおなかいっぱいです。
 前半戦はハロプロ研修生選抜メンバー5名による『YES!しあわせ』(2006年 もともとは2000年の T&Cボンバーの楽曲を℃-uteがカヴァーしたもの)歌唱の間の衣装替えまで、次シングルになる予定の新曲の初披露や9月4日にリリースされたばかりのニューアルバム『8 Queen of J-POP 』からの楽曲、そして最近の名曲『悲しきヘブン』『悲しき雨降り』などの息をもつかせぬつるべ打ち。「悲しき」とかって言っておきなから、コンサートで唄われれば大盛り上がり必至の曲が続くんだからまいっちゃいました。

 中盤は先ほどにも触れた『 One's LIFE』(2009年)の完全アカペラ歌唱から『僕らの輝き』(2007年)のアコースティックヴァージョン、そして最新のバラード『たどり着いた女戦士』と『この街』の日本武道館ヴァージョンと。非常にしっとりした時間がしばし流れました。
 このコンサートは、タイトルの通りに今月リリースされたニューアルバムの収録楽曲を前面に押し出してはいるのですが、ここで魂を込めて唄いあげられた『 One's LIFE』や『僕らの輝き』のように、今日の日本武道館にいたるまでの長い道のりや、かつて所属していたメンバーのおもかげを強く意識させる名曲が随所に配されていました。なんと心憎い選曲か……完全に泣かせにかかってますね、これ。


 ところが、今回のコンサートの本当の妙味は、そんなしっとりした時間をぶった切るかのように、

「♪つっちゃかっちゃら ちゃっちゃらっ、ちゃっちゃかっ ちゃらっちゃっ」

 という軽すぎる『あなたなしでは生きてゆけない』(2004年)のイントロとともに、異常な腰の低さでアリーナ席にBerryz工房の7名さまが乱入して、5コの特大クラッカーで5名の初武道館コンサートを祝福するひと幕が差し込まれるという、この絶妙すぎる温度差にあったのではないのでしょうか。

 いや~、Berryz工房はやっぱりすごいです。涙で重くなりがちだった会場の空気が、一瞬にしてモンゴルのステップ気候なみにカラッと乾ききりましたからね。ほんとにいいなぁ~、この軽さ。こういう好対照な戦友がいる℃-uteは本当に恵まれているなぁ、と感じ入りました。
 このステージでは嗣永さんと、我らが『 Berryzステーション1422』の徳永・熊井ペアが板についた必死さで11月29日の自分たちの日本武道館初コンサートを宣伝していたのですが、行くに決まってるじゃないっすか……今からその日がとっても楽しみになるラフな時間でしたね。
 そんな全然びっくりしないサプライズをはさんで、Berryz工房は℃-uteとベリキュー楽曲の歌唱、そして自身の次シングル予定の新曲を披露して退場していったのですが、いつものことながら、私が愛してやまない菅谷梨沙子さんの、 MCでの目立たなさと歌唱での無双っぷりの落差にはさらに磨きがかかっていましたね。最初、金髪ロングヘアのかつらをのっけたお地蔵さんが後ろにつっ立ってんのかと思っちゃったよ! そしたら菅谷さんなんだものなぁ。


 そしてそこからは、後半戦からアンコールにいたるまで、『まっさらブルージーンズ・2012年ヴァージョン』、『都会っ子 純情・2012年ヴァージョン』、『 Danceでバコーン!』(2010年)、『アダムとイブのジレンマ』(2013年)、そしてもはや校歌斉唱に近い感覚の定番曲と化した『 JUMP』(2007年)などなど……まさに怒涛のひととき。めくるめく2時間30分の興奮はあっという間に過ぎ去っていきました。

 いやぁ、至福でした。
 同じことを何度も言うようなんですが、家のスピーカーから流れてくるのをいくら聴いていてもピンときていなかった曲が、コンサート会場で全身を動かしながら聴いているとびっくりするくらいにいい曲だなと感じてしまうことが私は毎回あって、今回は『悲しき雨降り』と『アダムとイブのジレンマ』がどんだけ気合いの入っている名曲コンボなんだろうかと感動してしまいました。あと、私の中ではこの日本武道館コンサートで初めて、萩原舞さんがセリフを務める『都会っ子 純情』が旧ヴァージョンにならぶしっくり感を持ってきたような気がしました。っていうか、この日の舞さんは仕上がってたよねぇ!

 でも、そんなこと言ったら5名全員が仕上がってたし、もっと言えば来場したTEAM ℃-ute全員が仕上がってました。とにかく理想的なコンサートだったような、そんな感じでしたねぇ。

 これまで何回かコンサートに客として参加して、そのたびに実感するんですけど、本物の生の舞台って、スモークとか巨大クラッカーとか天井から降ってくる風船とか、TV 画面のフィルターを通したらベッタベタにしか見えない演出にこそ、やたらと感動しちゃうんですよね。まごうことなき人の力で一面に輝き揺れるサイリュウムの波とか、ほんとに最高なんですよ。自分も参加してるし!
 しかも、他でもないプロ中のプロの℃-uteなんですからねぇ。無駄にお金のかかったステージ美術とか演出はいらないわけですよ! その点で言えば、わずかに『まっさらブルージーンズ』のときの全身電飾衣装でのダンスだけに不満というか、「そんなのいらないから、℃-uteの素の良さを見せてちょうだい!」という思いが残りました。そりゃあハデハデで盛り上がったんですけど、ああいうのはたぶん、精確な振り付けで観る者を魅了するだけのテクニックの足りないグループが、ごまかしのためにやる演出のたぐいだと思うんですよ。℃-uteの実力を信頼するのならば、ああいう人目を引くだけのアイデアはまったく不要のはずかと!


 他にも、メンバー各人の魅力などについて語りたいことは山ほどあるんですが、字数もいい加減にかさんできたので、まぁなにはなくとも「最高だったよぉおおおお」という結論をもって、今回の日本武道館観戦記をしめたいと思います。

 ただし、最高ではありましたが、「日本武道館サイズならばもっとこんなことができるだろう!」という課題も生まれたでしょうし、ニューアルバム中心の選曲だったので、「あの名曲をまだやってないじゃないか!」という感覚も残ったことでしょう。
 つまり、1日や2日じゃあ、まだまだ天下の℃-ute様は日本武道館をやり尽くしているわけがないと!! そういうわけなのです。


 誰も卒業しないし、つんく♂さんが登壇してなんのサプライズ発表をすることもなかった。それなのにこんなに楽しさいっぱいな公演だったし、これからも、このステキな5人組の活躍は変わらず観続けていけるんだという、この「まだまだ続いていくことの幸せ」、ね。
 ついつい当たり前のように思っちゃうんですけど、感謝しつつ大切にしなきゃいけません。いなくなってから懐かしむなんてクソ喰らえ! でございます。

 ℃-ute。5人ならんでステージに立つ勇姿がもっとも美しく、頭に「元」とつくのがもっとも似合わないグループ!!

 来年、再来年と、℃-uteと日本武道館の激突が引き続いて繰り広げられていくことを、心から祈っておりますぞ~!
 ……あ~、腰がいてぇ。
コメント (4)
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