NHKの大河ドラマ「真田丸」のホームページがオープンした。以下のページ。
http://www.nhk.or.jp/sanadamaru/
「真田丸」のメインポスターは、たなびく無地の赤旗を背景に、紅い陣羽織を着用して座る真田信繁(堺雅人)。
ツイッターでは、「堺さんカッコイイ」とか「『愛と勇気の旗』というキャッチコピーがアンパンマンみたい!」とかいった声が飛び交っていた。ちなみに、真田信繁のキャッチコピーとして「愛と勇気」というのは、けっこう的を得ていると思う。このメインポスターのコンセプトは、「ニッポンに赤い風を吹かせよう!」。
私はこのポスターを観たときかなり感動を覚えた。NHKは視聴者に迎合することなく歴史の真実を描こうとしているのではないか、と。
大坂の陣における幸村(私は真田信繁は大坂入城後に「幸村」と改名したと思っている)の真田隊の隊旗は無地の赤旗であり、六文銭の旗は使われていない。
テレビや映画で描かれる大坂の陣の真田隊の旗には必ず六文銭が描かれている。あれはウソである。大坂夏の陣における真田隊は、夏の陣図屏風で以下のように描かれている。一目瞭然であるが、隊旗は無地の赤旗であり、六文銭は使われていない。
大坂夏の陣図屏風に描かれた赤備えの真田隊
真剣に歴史を再現しようというのであれば、そして何よりも、この旗にこめた真田信繁本人の「想い」をドラマで再現し、それを伝えようというのであれば、旗は無地の赤旗でなければならない。
幸村の甥である信吉と信政の真田隊も、徳川の家臣となった叔父の真田信伊の真田隊も六文銭の旗を使っているから、それに配慮して、幸村は徳川方の真田家に迷惑をかけまいとして六文銭を使わなかったのだ。真田信繁がもっとも恐れていたのは、自分の活躍の結果として徳川方の真田家に迷惑をかけてしまうことであった。真田本家に与える迷惑を最小化するためには、六文銭の旗と信の字は捨て去るしかないのである。ゆえに私は、信繁から幸村への改名したのだと思っている。徳川軍を震撼せしめた亡き父の「幸」の字、信幸から信之へ改名した兄が捨て去った「幸」の字、これを拾ったに相違ないのである。
「六文銭」の旗と諱にある「信」の通字は、徳川方についた真田家を表象するシンボルであり、豊臣方についた真田信繁を表象するものではない。大坂の陣の真田幸村隊は、真田家という特定の「イエ」を表象する集団ではなかった。ゆえに家紋はいらない。「失うものは何もない」という境地の人々が幸村隊に結集し、ただ己の意地とプライドにかけて命と引き換えに名を残す。その「無の境地」を表象したのが無地の赤旗なのである。
「鉄鎖以外に失うべきものはない」という決意の赤旗を好んで使う左翼勢力は、その精神的ルーツとして大坂の陣における真田の赤旗を想起すべきだろう。実際、そういう境地の人々が真田隊に結集したのだから。
・・・・と思っていたのだが、「花燃ゆ」最終回に一瞬だけ流れた「真田丸」の予告編の動画を観たら、旗にはしっかり六文銭が染められており、兜から陣羽織から馬にまで六文銭の装飾が施されていた・・・・。ああ、それは幸村の本意じゃないのに・・・・。
http://www.nhk.or.jp/sanadamaru/
「真田丸」のメインポスターは、たなびく無地の赤旗を背景に、紅い陣羽織を着用して座る真田信繁(堺雅人)。
ツイッターでは、「堺さんカッコイイ」とか「『愛と勇気の旗』というキャッチコピーがアンパンマンみたい!」とかいった声が飛び交っていた。ちなみに、真田信繁のキャッチコピーとして「愛と勇気」というのは、けっこう的を得ていると思う。このメインポスターのコンセプトは、「ニッポンに赤い風を吹かせよう!」。
私はこのポスターを観たときかなり感動を覚えた。NHKは視聴者に迎合することなく歴史の真実を描こうとしているのではないか、と。
大坂の陣における幸村(私は真田信繁は大坂入城後に「幸村」と改名したと思っている)の真田隊の隊旗は無地の赤旗であり、六文銭の旗は使われていない。
テレビや映画で描かれる大坂の陣の真田隊の旗には必ず六文銭が描かれている。あれはウソである。大坂夏の陣における真田隊は、夏の陣図屏風で以下のように描かれている。一目瞭然であるが、隊旗は無地の赤旗であり、六文銭は使われていない。
大坂夏の陣図屏風に描かれた赤備えの真田隊
真剣に歴史を再現しようというのであれば、そして何よりも、この旗にこめた真田信繁本人の「想い」をドラマで再現し、それを伝えようというのであれば、旗は無地の赤旗でなければならない。
幸村の甥である信吉と信政の真田隊も、徳川の家臣となった叔父の真田信伊の真田隊も六文銭の旗を使っているから、それに配慮して、幸村は徳川方の真田家に迷惑をかけまいとして六文銭を使わなかったのだ。真田信繁がもっとも恐れていたのは、自分の活躍の結果として徳川方の真田家に迷惑をかけてしまうことであった。真田本家に与える迷惑を最小化するためには、六文銭の旗と信の字は捨て去るしかないのである。ゆえに私は、信繁から幸村への改名したのだと思っている。徳川軍を震撼せしめた亡き父の「幸」の字、信幸から信之へ改名した兄が捨て去った「幸」の字、これを拾ったに相違ないのである。
「六文銭」の旗と諱にある「信」の通字は、徳川方についた真田家を表象するシンボルであり、豊臣方についた真田信繁を表象するものではない。大坂の陣の真田幸村隊は、真田家という特定の「イエ」を表象する集団ではなかった。ゆえに家紋はいらない。「失うものは何もない」という境地の人々が幸村隊に結集し、ただ己の意地とプライドにかけて命と引き換えに名を残す。その「無の境地」を表象したのが無地の赤旗なのである。
「鉄鎖以外に失うべきものはない」という決意の赤旗を好んで使う左翼勢力は、その精神的ルーツとして大坂の陣における真田の赤旗を想起すべきだろう。実際、そういう境地の人々が真田隊に結集したのだから。
・・・・と思っていたのだが、「花燃ゆ」最終回に一瞬だけ流れた「真田丸」の予告編の動画を観たら、旗にはしっかり六文銭が染められており、兜から陣羽織から馬にまで六文銭の装飾が施されていた・・・・。ああ、それは幸村の本意じゃないのに・・・・。