代替案のための弁証法的空間  Dialectical Space for Alternatives

批判するだけでは未来は見えてこない。代替案を提示し、討論と実践を通して未来社会のあるべき姿を探りたい。

おこうにとって稲姫は親の仇?

2016年05月21日 | 真田戦記 その深層
 明日(2016年5月22日)の「真田丸」(第20回「前兆」)の見どころは、本多平八郎忠勝の娘・稲姫(小松姫)を正妻に迎えた信幸が、それまでの正妻であったおこうに離縁を言い渡すというシーンかも。ふつうだったら、とても辛く悲しいシーンのはずですが、こと「真田丸」にかんしては、最大の悲劇が最大の喜劇になりそうな予感が・・・・。はたしておこうの運命やいかに?
     

  長篠の合戦図屏風(部分)


 前回、家康から信幸への縁談を持ち掛けられた昌幸が、それを断ろうとして「息子には、我が亡き兄の娘でこうという嫁がおります」と言ったとき、徳川家康も本多忠勝も「亡き兄」という言葉に無反応でした。そして家康は「離縁すればよいではないか」すげない返事を・・・。昌幸の「亡き兄」がドラマの中で話題に上ったのは、これが初めてでした。家康も忠勝も、昌幸の「亡き兄」を知っているはずなのです。だって殺したのは彼らなのだから・・・・・。

 おこうの父親にして昌幸の兄の真田信綱の最期は、長篠の合戦図屏風に描かれています。信綱は、織田・徳川連合軍に向かって突撃し、銃撃されて落馬し、まさに落命する様子が描かれています。中央上の落馬した赤い鎧の武者が信綱。
 そして上の画像の左下には遠目でも一目でそれとわかる本多平八郎忠勝の巨体が・・・。ちょっと距離が離れていますので、真田信綱を討ち取ったのが本多隊ということはないですが、おこうにとって、家康や忠勝が親の仇であることに変わりはありません。

 おこうにとって、本多平八郎らに自分の父を奪われ、その娘の稲に今度は自分の夫を奪われることになるわけです。
 
 三男であった昌幸は真田家を離れ、武藤家を継いで武藤喜兵衛となって活躍していました。長篠の合戦で兄の信綱が戦死したため急きょ真田家に復することになりました。昌幸が真田家を相続するために、信綱の娘おこうを息子の信幸の正妻として信綱の血統を継承し、正統性を確保しようとしたわけです。信幸がおこうを離縁すると、真田家を継ぐ正統性も失われることに・・・・。




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