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代替案のための弁証法的空間  Dialectical Space for Alternatives

批判するだけでは未来は見えてこない。代替案を提示し、討論と実践を通して未来社会のあるべき姿を探りたい。

アメリカ大統領選 ―奇跡の大逆転なるか?

2016年11月05日 | 政治経済(国際)
 大統領選一か月前の記事で「さすがにトランプの逆転は難しいだろう」と書いたが、まさにサプライズ。FBIの捜査再開により、奇跡の大逆転もあり得る状況。1勝3敗からひっくり返したシカゴ・カブスもびっくりだ。  一つハッキリしていることがある。たとえヒラリーがかろうじて逃げ切ったとしても、4年の任期を全うすることはなく、すぐに退陣に追い込まれるだろう。  クリントン財団のスキャンダルも、リビアのカダフ . . . 本文を読む

ドゥテルテ旋風:日本政府は後藤新平の麻薬漸禁策を伝えよ

2016年10月28日 | 政治経済(国際)
 フィリピンのドゥテルテ大統領が来日した。彼がやっている麻薬常習者の超法規的殺害は、もちろん法治国家においては許されてはならないことである。しかも、麻薬常習者のみならず、麻薬を吸引したこともない一般市民まで巻き添えになってフィリピン国家警察に殺されている。看過できる事態ではない。  ドゥテルテ大統領は安倍首相に対して南シナ海問題を、「法の支配の下」平和的に解決したいと言ったそうであるが、彼の口か . . . 本文を読む

ヒラリーが大統領になれば世界大戦の危機は高まる

2016年10月14日 | 政治経済(国際)
シリア問題やイラク問題に関する限り、トランプの主張が正しい。当面、シリアとイラクの内戦を止めようと思えば、ロシアと提携してISをたたくのが最優先であろう。  アメリカの支援する反アサドのヌスラ戦線が、ISと何が違うのか私にはわからない。IS同様の過激なテロリスト・グループにしか見えない。違いがあるとすれば「親米のテロリスト」か「反米のテロリスト」かぐらいの違いであろう。かりにアメリカの軍事援助のもとに、ヌスラ戦線がアサド政権を倒してシリアを掌握したとして、アサドよりもまともな政権をつくるとも思えない。  アメリカがアサド政権を倒すために、「ヌスラ戦線」のようなテロリスト・グループに武器をばら撒かなければ、こんな戦争は起きていないし、ISも生まれていない。民間人が巻き込まれて犠牲になることもなかった。トランプの主張は正しい。  だいたいアフガニスタンやイラクでアメリカが空爆をして民間人にどれだけの死傷者が出ても、「付随的損害(Collateral Damage)」と呼んで涼しい顔をしているのに、アサド政権が空爆をしてアメリカが支援するテロリスト・グループが叩かれると、やれ「人道的危機だ」「戦争犯罪」だと騒ぎ立てる。こんなダブルスタンダードが許されてよいものだろうか? . . . 本文を読む

「マイケル・ムーアの世界侵略のススメ」は面白かった

2016年06月10日 | 政治経済(国際)
アイスランドは世界でももっとも女性が活躍している度合いの高い国であるが、唯一、金融機関だけは男性社会だった。そして、2007年のアイスランドの金融危機は「男性ホルモン」が引き起こしたものだ・・・・。  アイスランドの銀行が軒並み倒産する中、唯一、顧客の預金を守り切った銀行の経営者は女性たちだった。彼女たちは自分たちが理解できない怪しげな金融商品には手を出さなかった。自分たちが理解できるもののみに投資した。サブプライムローンのような怪しい金融商品で焦げ付くことはなかったのだ。世界中で金融危機を引き起こしているのも男性ホルモンの作用。 . . . 本文を読む

「クリントン・キャッシュ」 ―ヒラリー・クリントンは大統領選を辞退すべき

2016年06月07日 | 政治経済(国際)
 日本のマスコミはヒラリー・クリントンが民主党の予備選で指名確実になったと報じている。しかし本人が逮捕されたら大統領選どころではないだろう。このような犯罪に手を染めていることが濃厚な人物が大統領選に出ても、トランプ候補には勝てないだろう。仮に勝ったとしても当選早々に政権がレームダック化することは間違いない。 . . . 本文を読む

梯子を外される日本の従米右派 ―在日米軍なき日本を構想せよ

2016年05月07日 | 政治経済(国際)
かつて小沢一郎氏は、「在日米軍は将来的には第7艦隊のみで十分だ」と発言し、鳩山首相も、米軍の思いやり予算の削減に動いた。日本の支配層である官僚機構は、「アメリカ様のご機嫌を損ねてしまう!」と戦々恐々とし、米国のジャパン・ハンドラーの意を受けて総力を挙げて鳩山政権を潰してしまった。鳩山=小沢路線で行っていれば、トランプ出現の今日の事態にも、日本の主体的な意志で適応することが可能だったはずである。今日のようなパニックに陥らずにすんだであろう。鳩山氏も小沢氏も、いずれアメリカがモンロー主義に回帰し、世界の警察であることを止めるという未来を見越して外交方針を立てていた。 . . . 本文を読む

共和党主流派の価値観は終わった

2016年03月16日 | 政治経済(国際)
ルビオ候補、この間、一貫して、「私はレーガン革命の申し子だ。経済面では小さな政府、安全保障面では大きな軍事力、国際的なリーダーの地位を守っていく」と繰り返し演説していた。それらの価値観を繰り返し表明すればするほどルビオの支持率は落ちていったようだ。どうやら共和党員も、レーガン以来のこの政策をすればするほと、次第に自分たちが中流から没落して貧困層に追いやられていく現状に、心底飽きて、疲れて、いまや嫌悪感を抱くようになっているのだ。 「それって要するに、経済面では企業のやりたい放題にやらせて私たち貧乏人は放置します、そこで削った福祉予算は海外侵略のために回しますってことだよね。もうウンザリ!」と。 トランプのやろうとしていることは、共和党主流派と真逆のことだ。つまり、「海外での余計な侵略活動には予算を回さず、その分は国内の経済や社会保障に回します」ということである。 . . . 本文を読む

トランプ現象とアメリカ依存症の病理

2016年03月02日 | 政治経済(国際)
本質がモンロー主義者なトランプは、外国の政権を転覆するためにテロリストに武器をばらまくような愚かな軍事的なちょっかいをする人物ではない。トランプはプーチンと協調すると言っている。アメリカがアサド政権の武力転覆という選択肢を封じ、プーチンと手を組めばあっという間にISなど鎮圧されるだろう。米ロ協調こそ、テロリストの活動の余地を封じこめ、世界を平和にする最善の策である。 . . . 本文を読む

サンダース候補の躍進に思う

2016年02月11日 | 政治経済(国際)
サンダースが大統領になる可能性はあると思う。アメリカで左翼政権ができた場合、対米従属を堅持することを自らの使命としている日本の官僚たちはどうするのだろう? 左傾化したアメリカへの対米従属を維持するのか、それとも脱米に動くのか? アメリカ政府が、99%の利害を代表して、強欲な1%の人々との闘いを始めるのであれば、日本の財界は脱米に動こうとするだろう。しかし、ここはぜひ対米従属思考のしみついた日本の官僚たちにがんばってもらって、左傾化したアメリカに追従して格差是正のために政策を実行してほしいものだ。 . . . 本文を読む

占領と記憶の書き換え  ―フィリピン、日本、アメリカの三角関係

2016年01月28日 | 政治経済(国際)
アメリカの占領政策の中で、何が壊され、何が維持されたのかは日比で異なるが、重要なのはアメリカにとって利用価値のあるものが残されたという事実であろう。日本では官僚機構であり、フィリピンでは大地主の寡頭的支配層が効率的占領政策のために選ばれたパートナーだったのだ。 周知のように、現在の日本官僚は、対米従属政策を押し進めることに自らの存在意義を見出すが如くの機能不全状態に陥っており、日本社会の桎梏とすら言える。フィリピンでは議会が官僚より優越しており、それゆえ1991年に議会が米軍基地の撤去を自ら決めることができた。一方で官僚が議会より優越する日本では、アメリカからの自立を模索するあらゆる試みが官僚の手によって握り潰されている。今日、アメリカにより飼いならされて混迷の度合いを深めているのは、フィリピンよりも日本であろう。 . . . 本文を読む

フィリピン戦の話題抜きには暮らせなかった 

2016年01月27日 | 政治経済(国際)
私のフィリピン戦についての想いを若干、書いておきます。フィリピンの農山村で生活していると太平洋戦争の話題を抜きにすることなどできませんでした。私が研究活動をしていた1990年代後半には、戦時中の記憶を生々しくもったお年寄りたちが多くて、古老にインタビューをしていると「私は君のような若い世代は戦争に対する責任がないと分かっているからこうして平静にしていられるけど、君が戦争を経験した世代だったらどうしているか分からないよ」などと言われたこともありました。ある村人から「日本軍に雇われて木材伐採現場で働いていたら、木材運搬トラックをゲリラに襲撃された。乗っていた7人中5人が死んだ。私は幸運にも生き残った一人だった」という話しを聞きました。襲撃されて重傷を負った方のすぐ隣近所には、そのトラックを襲撃した抗日ゲリラに参加しておられた方もおりました。その抗日ゲリラだった方は、日本軍の製材工場を襲撃して炎上させたという話しも語ってくれました。抗日ゲリラに入っていた方は、襲撃されて重傷を負った方について、「昔の話だ。いまはあいつと友達だよ」とおっしゃっていました。一つの町の中で、隣近所同士でも、日本に協力するかゲリラに協力するかで、お互いに凄惨な殺し合いが展開されていたのです。 . . . 本文を読む

次期大統領選で日本の学生は誰を支持する?

2016年01月13日 | 政治経済(国際)
 運動部の大学生向けに開講している「外書講読」という授業で「次期アメリカ大統領選の各候補者の中で誰の政策がもっとも支持できるか? またその理由は何故か?」という課題を出してみた。各自それぞれが各候補の主張を調べ、いちばん共感できる候補を探すという課題。結果は以下のようだった。母集団が、ふつうの学生に比べると威勢のいい体育会系学生なので、ちょっと偏りがあるかも知れない。  クリントン支持 ・・・・ . . . 本文を読む

サンダース候補に逆転の可能性はあるか?

2016年01月09日 | 政治経済(国際)
私は共和党ではトランプに、民主党ではサンダースにがんばって欲しいと思っている。差別発言ばかりする排外主義のトランプと、あらゆる差別に反対しマイノリティの権利を何よりも優先する社会主義者のサンダースでは対極にあるように見えるかも知れない。  しかし、二人には共通点がある。二人とも大企業から不浄な政治献金を受け取っておらず、TPPには明確に反対し、アメリカが世界の警察官としてふるまうことにも否定的なのだ。二人とも自由貿易とグローバル資本主義の拡張路線に反対し、伝統的なモンロー主義に回帰しようとしているように見える。私はアメリカがモンロー主義に回帰することこそ、アメリカにも世界にも平和をもたらし、地球温暖化にも歯止めをかける最善の途だと思う。トランプは地球温暖化なんてウソだと発言しているが、TPPやFTAに反対し、関税を高くして、行き過ぎた自由貿易を是正しようという彼の政策そのものが、最良の地球温暖化対策になるはずである。 . . . 本文を読む

日本の世論はトランプ候補を誤解している

2016年01月04日 | 政治経済(国際)
トランプ演説の一節を紹介する。「ヒラリー・クリントンはオバマと一緒にISISをつくった(Hillary Clinton created ISIS with Obama)」と。これは正しい主張だ。そもそもISは、アメリカがシリアのアサド政権を潰すために、シリアの反体制派グループに軍事支援を行い、その中から生まれたものだからだ。元国務長官のヒラリー・クリントンにも当然、その責の一端はある。トランプは一貫して「ISの資金源を絶て、ISの支配地域の油田を破壊せよ」と主張してきた。これは、罪のない一般市民への被害が及びにくい作戦だ。ISを潰すのは論理的には簡単である。誰もISが生産した石油を買わなければよい、誰もISに武器を売らなければよい、武器もカネもなくなればISなど雲散霧消するしかない。オバマ政権は、その二つを放置してきたという点で、ISをつくったと批判されても仕方ないのだ。 . . . 本文を読む

軍産複合体のマッチポンプ ―ISに武器を提供してきたのはアメリカ!

2015年11月25日 | 政治経済(国際)
なぜISはあれほど大量の武器を持っているのか?  この動画の中で、武器取引専門家のウィリアム・ハートゥングはその秘密を以下のように解説している。「CIAがアサド政権を転覆するために反アサド派の武装勢力に武器を提供し、その武装勢力の多くがISに走ったからだ」と。そう、ISの武器の大半はアメリカ製であり、実のところはCIAがISを強大化させたのである。  あまりのマヌケさ、愚かさにクラクラする。私は本当に単にマヌケなだけかも知れないとも思うが、多くの人々はCIAがそれほどマヌケだとは思っていないから、「これは確信犯的なマッチポンプなのではないか?」と疑っているわけなのだ。 . . . 本文を読む