油圧計

ヱンジン内部は油に圧力をかけて強制潤滑している。
その油圧を測定するのが油圧計だ。

電気式と機械式がある。
電気式は、油圧センサーで油圧を電気信号に変え、
その信号で電気メータ（つまり電流計）をふらせる。

機械式は、圧力のかかった部分からパイプで潤滑油そのものを引き込み、
メータ内部のブルドン管と称するＣ形状の管に入れ、
パイプの曲率の変化を管先のリンクで拡大し指針を回動させるものだ。

朋友（大課長殿）が機械式の油圧計をバンバンルーチェにつけるという。
おれんちのガレージ内で行なう。

取り付け完了後、動作確認。
油圧はエンジン内の油圧ポンプによって発生する。
したがって、エンジンの回転数と油圧は比例する。
（ただし圧力逃がし弁があり、おおむね4000rpm以上は一定値をとる）
アクセルを踏んで空ぶかしをすると、指針指示値が少し遅れる。

そうか、油圧を計器に引っ張っている管路内にエアをかんでいて、
エアが圧縮される時間分の遅れが出るのだな。

では、エアを抜けばよい。
ものはひっくり返しで、管路内をオイルで満たせばよい。
注射器で注入してやろう。

都合よく注射器などがあるわけもなく、歩いて近所の薬局に二人で買いに行く。
かくかくなので、小さい注射器となるべく太い針をくださいな。
「はい、両方で５２０円です」
「おい、おれよー今、金持ってねーんだよ。ルーチェに置いてきた」
「ん、じゃあおれが金出しておいてやろう」

戻ってきて、購入した注射器セットでオイルを注入。
みごと、レスポンス改善に成功した。
「おーうまくいったな。おれ、もうこの注射器いらないから、おまえにやるよ」

ん？　ナニかが、おかしい、気がする。