年長生、梅組の夏休み。
鉄人の袋に入っている、ソーダ味のアタリ付き鉄人アイス。
1本五円であり、お気に入りなのだ。
その日、駄菓子屋「まさこんち」の、鉄人アイスは入荷したてだったらしく、
アイス用冷蔵庫の一角に、数十本まとめておいてあった。
当たりをねらって、
アイスの塊の、下から1/3ほどのところから取り出して買う。
十円支払って、五円のおつりだ。
神社の境内で食う。
当たった。
軸に「あたり」って焼印が押してある。
よろこんで、まさこんちに行く。
もう一本もらえるのだ。
あばさんに、「あら、よかったねえ」などと云われる。
縁起を担いで、さきほどの位置近辺から取り出す。
神社の境内で食う。
また、当たった。
軸に「あたり」って焼印が押してある。
よろこんで、まさこんちに行く。
もう一本もらえるのだ。
「あら、あら」などと云われる。
念のため、さきほどの位置近辺から取り出す。
神社の境内で食う。
またまた、当たった。
軸に「あたり」って焼印が押してある。
少々不気味であるが、まさこんちに行く。
もう一本もらえるのだ。
「またかい」などと云われる。
”アタリがまとまって元箱に収納されていたのを、
そのまま置いたのではないか”という仮説
を実証するために、
さきほどの位置近辺から取り出す。
神社の境内で食う。
四たび、当たった。
軸に「あたり」って焼印が押してある。
運命なので、まさこんちに行く。
もう一本もらえるのだ。
「………」。
ばばあは、あきらかに不機嫌であるが、いかさまでないことはたしかだからな。
あごを、こうやってしゃくりあげ「もっていけ」というしぐさだ。
さて、ここで考えた。
このままでいくと無限地獄であって、駄菓子屋と神社を往復して人生を終えないとならぬ。
それはヨワイ5歳にしては、あまりにカコクである。
それに、さきほどの仮説の正しさは、半分しか実証されていないではないか。
そこで、先ほどまでとは違う場所、
すなわち、鉄人の塊の上部から取り出した。
神社の境内で食う。
やっと、はずれである。
都合五本食って、仮説は実証され、
無限地獄から開放される。
翌日、
「アタリの軸を、その次の日に交換するシステム」を採用すれば、
五円で一週間、アイス食べ放題であったと気づくのだ。
鉄人の袋に入っている、ソーダ味のアタリ付き鉄人アイス。
1本五円であり、お気に入りなのだ。
その日、駄菓子屋「まさこんち」の、鉄人アイスは入荷したてだったらしく、
アイス用冷蔵庫の一角に、数十本まとめておいてあった。
当たりをねらって、
アイスの塊の、下から1/3ほどのところから取り出して買う。
十円支払って、五円のおつりだ。
神社の境内で食う。
当たった。
軸に「あたり」って焼印が押してある。
よろこんで、まさこんちに行く。
もう一本もらえるのだ。
あばさんに、「あら、よかったねえ」などと云われる。
縁起を担いで、さきほどの位置近辺から取り出す。
神社の境内で食う。
また、当たった。
軸に「あたり」って焼印が押してある。
よろこんで、まさこんちに行く。
もう一本もらえるのだ。
「あら、あら」などと云われる。
念のため、さきほどの位置近辺から取り出す。
神社の境内で食う。
またまた、当たった。
軸に「あたり」って焼印が押してある。
少々不気味であるが、まさこんちに行く。
もう一本もらえるのだ。
「またかい」などと云われる。
”アタリがまとまって元箱に収納されていたのを、
そのまま置いたのではないか”という仮説
を実証するために、
さきほどの位置近辺から取り出す。
神社の境内で食う。
四たび、当たった。
軸に「あたり」って焼印が押してある。
運命なので、まさこんちに行く。
もう一本もらえるのだ。
「………」。
ばばあは、あきらかに不機嫌であるが、いかさまでないことはたしかだからな。
あごを、こうやってしゃくりあげ「もっていけ」というしぐさだ。
さて、ここで考えた。
このままでいくと無限地獄であって、駄菓子屋と神社を往復して人生を終えないとならぬ。
それはヨワイ5歳にしては、あまりにカコクである。
それに、さきほどの仮説の正しさは、半分しか実証されていないではないか。
そこで、先ほどまでとは違う場所、
すなわち、鉄人の塊の上部から取り出した。
神社の境内で食う。
やっと、はずれである。
都合五本食って、仮説は実証され、
無限地獄から開放される。
翌日、
「アタリの軸を、その次の日に交換するシステム」を採用すれば、
五円で一週間、アイス食べ放題であったと気づくのだ。