鉱石ラジオがはやってる、らしい。
「あれはなぜ、聞こえるのか?」つー質問を受けた。
答えるためには、
「変調」をおぼえてもらわんといかん。
通常の通信に使う
電波は、
一定の周波数で、連続した波をもっている。
あたりまえのようだが、「光」を使った通信で、わざわざ「レーザ」を使うのは、
レーザ光が一定の周波数で連続した波だからだ。
(フツウの光は、励起された原子が怒って吐き出した、とぎれとぎれの電磁波で、それらが集合したもの。だから後述する搬送波になれない)
そのような電波を「搬送波」という。
「キャリア」つーな、フツウ電波関係者は。
AMラジオであれば、音のない状態だね。
周波数,振幅ともに一定だ。
ここに、例えば音声信号で「変調」をかけなければならん。
(「変調」を使わずに通信するのが「電信(とんつー/・-)」だね。「搬送波」の有る無しだけで通信する)
「搬送波」に「信号」を乗せるというね。
ここの感じを「わかって」ほしいのよ。
電波工学を初めて学んだ小学生のとき、ここがいちばん入りにくかったんだ。
工学書では、アマクダリ的に「変調」と「検波」って出てくるからさ。
「搬送波」に「信号」を乗せるのを「変調」という。
いちばんソボクなのが、AMラジオで使っている「振幅変調」だ。
「信号」の大きさに合わせて、「搬送波」の大きさを変化させる。
(だいたい「AM」つーのは、振幅変調 amplitude modulation のことだからね)
「信号」の周波数に対して、「搬送波」の周波数は十分に高い。
だから、グラフを書いてみれば(縦が振幅、横が時間)、
信号の大きさに合わせた上下対称の波線の中を、
搬送波の周波数の波がぎっしりつまっている感じだな。
(無謀にも、表,グラフ,式を使わずに説明しようつーモクロミなのだ)
振幅で変調かけるから「振幅変調」な、わかりやすいだろ。
さて、受信したら元に戻そう。
そのことを「検波」という。
「振幅変調」の「検波」は簡単である。
ゲルマニュームダイオードを一つ入れればよい。
古くは「鉱石」を使ったので(真空管の時代だ)、鉱石ラジオつーのだ。
今受信したのは、
信号の大きさに合わせた上下対称の波線の中を、
搬送波の周波数の波がぎっしりつまったものだな。
それにダイオードを入れ、半波整流しる、と。
と、例えば
「上だけが、信号の大きさに合わせて上下する波線で、そこから零までは搬送波がぎっしり」つーものになる。
もし、このまま「クリスタルイヤホン」に入れたらどうなるか。
クリスタルイヤホンは、搬送波に対しては応答できないから、結局元の「信号」に応答して、音声を出すだろう。
これが「検波」だな。
この最後がまたウサンクサイんだよな。
つまり「ローパスフィルタ」を入れるつーことと同義なのだが、
実際の鉱石ラジオにはそんなもの入ってなくて、いきなりクリスタルイヤホンなんだよな。
んでも考えてみれば、
いい加減なアンテナ線に、クリップしただけで、一応聞こえる程度の音声信号が出てくるつーのは、
なんともフシギなはなしだ。
鉱石ラジオには電源が無い→増幅しないからね。
空間を、そのヱネルギーが走っているのだな。
おれんちから、
南極へ走っていったこともあるのだ。
(引用記事の記載に誤りを見つけた。あのとき昭和基地は「CQJA」つってたのだ。「誰かでよいけど日本のヒトね」つー意味だな)