ネイビーブルーに恋をして

バーキン片手に靖國神社

旅しながら淡々と写真を貼る~ボストン到着

2012-06-23 | アメリカ

というわけで、無事にパッキングも終わり、出国することになりました。
例年夏場二カ月家を留守にするので、部屋の片づけを完璧にして、ピアノにカバーをし、
お掃除ルンバの邪魔にならないように障害物をどけ、日本に残るTOのためにいろいろ冷凍し、
と準備をすませます。

二カ月も旦那を一人にして心配じゃないのか、って?
健康面では外食が増えるので心配ですが、「そういう意味」の心配は、全くしておりません。

世の中には連れ合いを裏切っても自分のそのときの欲望と感情に素直になってしまう人間と、
そういう精神的不合理を引き受けることを精神衛生上よしとしない人間、そして、
頭からそのようなことを考えない人間が存在しますが、わが連れ合いはこの後者二つのタイプです。

わたしもそれなりに世の中に出てから男性というものを見てきたので
「浮気」=悪、というような単純な考えは毛頭持っておりません。
その後に起こってくる「楽しさの代償」を引き受け、かつ誰も傷つけずにすむという自信があるのなら
それはおやりになろうがどうしようが、人それぞれだと思うのみでございます。

しかし、相手がこのエリス中尉のように「ふとした目線のそらし方や話題に逡巡する様子」
などから、なぜか全てを―分かりたくもないのに分かってしまうような、
異常にカンの鋭い人間であると、こういう相手を連れ合いにすることは、
よっぽど諜報察知能力がうわてであるか、あるいは何を悟られても天が下に恥ずるところなし、
という品行方正な人物でないと、とてもじゃないが結婚生活なんてできるものではありません。

そういう意味では「自分がされて不愉快なことは自分もしない」という意見において一致している、
こういう二人は、非常にうまくやっていくことができると自負しているわけです。



変な前置きになってしまいましたが、そんなTOの見送りのもと、7時半手配の配車にて、
成田に無事到着、チェックインもすませ、日本最後の名残に「朝ずし」を少しつまみ、
スターバックスでお茶を飲みながらそれぞれがパソコンチェック。
一同余裕です。

いよいよ出国ゲートで
「元気でね~」
「パパも外食するときは食べすぎないようにね」
「向こうにいったらとにかく車の運転だけは気をつけてね」
「うん」

・・・・・・うん?

・・・・・・・・・・・うんてん?

「国際免許忘れた」  orz


出国前、ESTA(日本人だけに与えられた入国審査を簡便にするための事前オンライン登録)
の期限を更新するためにパスポートを使い、その後ライセンスと別々に保管していたため、
いつもパスポートケースに挟んでおく国際免許を家に置いてきてしまったのです。

「どうしよう・・・」
「俺、今から家に帰って免許書探して、FEDEXですぐホテルあてに送るから。
取りあえず空港からタクシーでホテルに行けば?」

浮気をしないなんてことより、事務能力に異常に長けた人間を伴侶にしていて良かった、
と思うことが、基本粗忽もののわたしの場合度々あるのですが(←)、
今回も心からこの連れ合いのありがたさに感謝しました。

というわけで、それでも一抹の不安を胸に抱いたまま、機上の人となったのでございます。
 どこかで見たような気がする飛行機の窓・・・。

先日広島に行った時のANAの新型ボーイングと同じではないか!
この「シャッターの無いウインドウシールド」もそのまま。
「流行ってるのかな、この窓」などと言っていたのですが、
機長のアナウンスによると、この機体はまだ世界でも11機しかないとのこと。
なんと、そのうちの二機に立て続けに乗ってしまっていたとは。

今まで毎年ボストンに行くのには直行便が無く、大抵シカゴ・オヘアかアトランタ乗り替え、
というのが恒例になっていたのですが、今回はJALの直行便です。
これもまだ就航したばかりで、
「最新式の設備で、ビジネスクラスは10%、エコノミーは5%広くシートピッチを取った」
とのこと。



シート前の映画スクリーン。
黒ですが、少しカンパニーカラーの赤をあしらっているあたりがお洒落です。



シートはフルフラットですが、なぜか脚の方が低くなる傾斜がついていて寝にくかったです。
全てのパーツは微調整できるので、苦心して寝やすいように動かしましたが、
それでも機内では決して熟睡できない、無駄に神経質なエリス中尉でございました(辛)。
飛行時間が13時間もあったというのに・・・。


和食の機内食。

あまりにもピント合わなさすぎだろ、って?
ちょうどこのとき、先日の台風の名残りでタービュランスが治まらなかったんです。



赤い鶴。そういえばここのマークでしたね。
会社更生法以降、去年の一月からあの鶴丸に復活していたんだっけ。
FAのサービス態度は、非常にていねい(すぎるほど)でした。
機内食で息子が頼んだステーキが無くなり、私どものところにパーサーが変更のお願いに
やってきたわけですが、承諾したことを最後の最後まで何度も恐縮されました。



洋食には、エリス中尉御用達、メゾンカイザーのパンが付きます。
それはいいんですが、温めるのに電子レンジを使わないでほしいの・・・。
冷めると固くなって不味いんですよね。

さて、機内でのお楽しみと言えば、映画です。
このフライトで映画を三本観ました。

 

ネイビー・シールズ。


 プス・イン・ブーツ。

 ザ・アーティスト。

この最後の「ザ・アーティスト」。
なんと、一部意味のあるシーンを除き、全編字幕カンバン入りのサイレントなのです。

サイレント時代の大スターが、トーキーに乗り遅れ、次第に凋落していく様子と、
そんな彼を売れない女優時代から愛していた、トーキーの人気女優。
時代の移り変わりに翻弄される二人の淡い恋愛、健気な若い女優の献身。

このタイトルが「アクター」「ムービースター」ではなく、「アーティスト」であることも、
観たらお分かりになるかと思います。
映画そのものが大好きな方、そして犬好きにも(犬が大活躍!)お薦め。

ローガン空港。

飛行機を降りるなりTOに国際免許の件を電話してみました。
「明日の朝8時にはホテルのフロントにFEDEXで届くから安心して」

やれやれ安心。

で、初めて空港からいつものホテルまでタクシーに乗りました。



こういう錆だらけの車が走っているのを見ると、アメリカに来たなあ、って感じです。
たいていヒスパニックかアフリカ系の若いもんが乗っています。

アメリカに住んでいても、タクシーに乗ることはめったにありません。



運転席と後部座席の間にはアクリルの分厚い仕切りがあり、隙間がほんの数センチ空いています。
渡したホテルの住所を、運転手がカーナビではなくiphoneに打ち込み、
「これでいい?」とガラス越しに見せるので、受け取るために引き戸を開けようとしたら、
しっかり接着されてそれ以上は開かないようになっていました。

わずかのお金のために人を殺す人間がごろごろしているこのアメリカで、
タクシーの運転手をするって、大変なことなんだなあ。



それにしても、いまどきのタクシーなのにカーナビもないのかい!
と思っていたら、後部座席の前にテレビスクリーンがあり、到着したら料金と、チップを入力する
画面がピッとでて、OKを押してこの機械にクレジットをスライドさせたら支払い完了。
こういう部分(つまりお金をスムーズに徴収すること)に関して、アメリカほど情熱を傾けて
便利なシステムを作り上げる国も無いかと思われます。

因みに日本の情熱は・・・・たとえば、今回、JALの機内化粧室までが洗浄機付きだった、
というあたりに顕れていますかね。

明けて今日。
朝届いた免許を持って、車を借りにローガンエアポートまで行ってきました。

 

よく他州のナンバーになることがあるのですが、今回はニューヨークナンバーです。
エンパイア・ステート(ビルのあるステートつまり州)という洒落入りナンバープレート。
はいいとして、どうしてこんなに激しく歪んでるのでしょうか。
車が無傷なだけに、不思議です。
アメリカは車の小傷なんかはレンタカーにつけても許容範囲、なぜって車は乗れば傷がつくから、
みたいな考えなので、日本のように車を借りるときに係員が一緒に車の周りをまわって、
「傷がないことをご確認ください」
(その心は、もし帰って来たときに傷がついていたらお客さんのせいだから弁償してね)
なんてことは決してやりません。
ヨーロッパでも同じで、わたしは二―スで車を借りたとき、結構派手な引っかき傷をつけて
返却しましたが、何も言われませんでした。

というか、日本の「車の傷恐怖症」って、異常よね。


ところでこれを今作成している時間、日本時間18時。米国東海岸時間朝の5時。
そう、東海岸に行ったときに訪れる「恐怖の時差ぼけ」です。
ホテルに着くのが正午だったため、眠いのを我慢できずに3時に寝てしまい、
当然夜の10時には目がパッチリ冷めてしまいまして。

これ、酷いときには一週間続くんですよね。
息子がインターネットで時差ぼけ解消法を調べてくれましたが、

「何も食べないことだって」
・・・・・そりゃ無理だ。





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