ネイビーブルーに恋をして

バーキン片手に靖國神社

平成29年度阪神基地隊年末行事〜「しまかぜ」と「けんりゅう」

2017-12-12 | 自衛隊

平成29年度阪神基地隊の忘年会的イベント年末行事の開始は11時半。
しかし、開門は9時からとなっていました。

この年末行事に伴う重要なイベントとして、艦艇公開があります。
始まりまでの間、ゆっくりと艦艇を見学してもらうのが目的です。

わたしたちは掃海艇「なおしま」の見学を終わって、その後ろの護衛艦
「しまかぜ」に行ってみることにしました。

 「しまかぜ」は初代の「あまつかぜ」に始まり、「たちかぜ」型
(たちかぜ・あさかぜ・さわかぜ)の次級である「はたかぜ」型の2番艦です。

実生活で聞いたことはありませんが多分「かぜ型」と呼ばれているのだろうと思われます。

ちなみに艦番号でいうとこの次の173「こんごう」型からがイージス艦となります。

「はたかぜ」は「ミサイル護衛艦」という種別で、ここでいう「ミサイル」とはつまり
「ターター・システム」を搭載しているということなのですが、
面白いことに現在のミサイルは厳密な意味でのターターではありません。

どういうことかというと、初代「あまつかぜ」は最初にRIM-24ターターを備え、
文字通り「ターターミサイル」搭載でしたが、現在の「はたかぜ」を含む
ミサイル護衛艦が搭載しているのはスタンダードミサイルです。

それにもかかわらず、射撃指揮装置、発射機をセットとしたミサイルシステムは
未だに「ターターシステム」と呼ばれているのだということです。

リスペクトなのか、それとも単に書類上の種別に過ぎないのか・・。

岸壁を歩いていると、ちょうど甲板上でそのミサイルの動的展示が始まっていました。
あっちを向けたりこっちを向けたりだけですが、その異様な動きに人々がどよめいています。

そういえばわたしもミサイル護衛艦の展示は初めて見る気がします。
動かすだけとはいえ、実弾を装填してですから、迫力は満点。

展示はここで終わってしまいましたが、わたしたちも乗艦してみることにしました。

アスロック、ハープーン、短魚雷、シウスと標準的な武装は他と同じですが、
ミサイル護衛艦をその名たらしめているのがこのターターシステムなのです。

ラッタルは二箇所に設けられていたので中央のを登って乗艦。

わたしがラッタルを降りて自衛隊旗に礼をするため右を向いた途端、
そこにいた自衛官たちが「あっ」とばかりに一瞬制止しようとしました。

見学は艦首側からと誘導することになっていたのに、わたしがいきなり
後甲板に行こうとしたように見えたのに違いありません。

しかし艦尾に向かって軽く頭をさげると「なんだ」といった空気が漂いました。
きっとあの瞬間、彼らのなかでわたしは元自衛官認定されていたと思います。

元自衛官じゃなくて単なる自称中尉なんですけどね。

というわけで問題の?ミサイル発射機を見に行きました。
アメリカ海軍がよくやっているシャークペイントに、おそらく当艦の認識信号。

「あれ?さっきとミサイルが違う。下から見たときタコだったよ」

確かにタコですありがとうございます。

「裏側がタコなんじゃない?」

念のため反対側を見ましたが、そんなはずもなく、つまり先ほどの動的展示の後
引っ込んでしまったミサイルの代わりにこれが出てきたということのようです。

動きが終わったら自動的に次のが装填されることになっているんでしょうか。

こちらはアスロックの訓練用ミサイル。(部分です)
訓練用ってことは、打ち上げて海に落ちたら回収にいくんだろうか。

前甲板手前では「しまかぜ」グッズの販売もあり結構賑わっていました。
帽子、タオル、ピンズやパッチなど。

そして後甲板。

CIWSが両舷に一つずつあるというのもよく考えたら初めて見る気がします。

この配置はイージスシステム以前の防御の思想を表すものかもしれません。(知らんけど)
ちなみにイージス艦のファランクスは前後に1基ずつとなっています。

こちら側からは見にくいですが、マストに向こうを向いて薄型の
テレビモニターみたいに設置されているのがミサイルのレーダーと思われます。


ところで、「しまかぜ」の甲板に立って驚いたのはこの眺めでした。

 

 

潜水艦「けんりゅう」です。

こんな至近距離の、しかもこんな角度から潜水艦を見られる機会はそうありません。
「そうりゅう」型独特のX型舵もこんな手に取るように。

あまりに近くなので「けんりゅう」艦体に付着している苔まで確認できます。

 しかも、「けんりゅう」の前には受付のテントが設置されているではないですか。

「あ、普通の人が乗ってってる」

「いいなあ・・・中も見せてもらえるんだ」

もちろんわたしもその点素人ではありませんから、潜水艦の見学をするには
前もって申し込みをし、身元の確かな人の中から抽選で選ばれないと無理、と
よーくわかっております。

あとで基地司令に伺ったところ、とにかく応募倍率がすごかったそうです。
そりゃ潜水艦の中、誰だって見てみたいでしょうさ。

岸壁には自衛官も含め人がいっぱいです。

「前まで行ってみようか」

前に立って眺めていると、「けんりゅう」の乗員が、

「あの小屋は見張りの隊員が入るところです」

と教えてくれました。
呉で「そうりゅう」型潜水艦を見学した時にはここで荷物を預かってもらいました。

この舷門の見張りは24時間休みなく行われます。

「そうりゅう」型の潜水艦の大きな特徴はセイルの付け根のカーブです。

バナーのかかったラッタルの向こうにはちょうどハッチがありますが、
何人かが佇んで、中に入る順番を待っています。

少しの間見ていたのですが、一人が中に姿を消してから次の人が入るまで
たっぷり5分くらいはかかっていたと思います。

それはなんといっても潜水艦の出入りが特殊な方法だからです。
「けんりゅう」の繋留してある岸壁の防波堤には、このように
「潜水艦入リ方」が見学者への説明のためにパネルにしてありました。

写真で見ると大したことはないように思われますが、
実際に降りていくと、外殻が二重構造になっているせいで、
足をかける段が見えないのに不安を感じるでしょう。

遊覧船や客船ではない軍仕様の装備は徹底的にアンタイ・バリアフリーです。

ちょうどハッチの部分には手の形に穴が空いていて、そこを掴みます。

潜水艦見学の前に重々言われることですが、ヒールのある靴などとんでもありません。
先日紹介した「ペチコート作戦」では看護士たちが全員パンプスで乗艦していましたが、
まず潜水艦にやってくるゴムボートにこれはありえませんし、
アメリカの当時の潜水艦のラッタルはそうりゅう型よりずっと作りが大きく、
パンプス以前にあの陸軍のタイトスカートで降りることができるとも思えません。

リアリティがあるようで、実はこの辺は全然ダメだったというお話。

たとえなんとか降りられても、区画を移動するだけでこうですから。

アメリカの潜水艦のハッチはどれもこれより大型だった記憶がありますが、
サンディエゴで見たソ連の潜水艦はこのくらいでした。

説明してくださった自衛官に

「けんりゅう、って特にかっこいい名前ですね」

と常々思っていることを言うと、

「はい、よく言われます!」

この名前の潜水艦の乗員であることの誇りが窺える様子で答えました。

「またこの漢字のロゴがかっこいいじゃないですか」

「これは、NHKのタイトルなんかを書いている書家に依頼したんです」

確かにこの字体は只者ではない。
マークもなかなかの出来ですが、なんとこちらは乗員の作品です。

この後の懇親会で、「けんりゅう」の海曹、先日進水式に立ち会った
「しょうりゅう」の
艤装員の方お二人とお話ししましたが、
この「けんりゅう」のロゴは凝りすぎていてメダルにできなくて困るとか(笑)
そして「しょうりゅう」、こちらはまだマークは鋭意考案中だそうです。

ちょっと笑ってしまうのですが、その理由というのが

「翔龍という名前は実は全く予想外だったので・・・」

どうも関係者の間では別の(あああなんだったか聞いたけど忘れてる〜〜!)
名前がかなり確信的に予想されていたらしいです。

防波堤の潜水艦紹介コーナーパネルより。

呉でもAIPシステムを見せてもらいましたが、AIPすなわち
非大気依存推進システムはこの「そうりゅう」型から搭載されました。

従来のスノーケル(外気を取り込む)航走と、酸素のないところでも
推進システムを稼動できるAIPの併用によって残存能力が向上しました。

スターリングエンジンというのは正式には

ディーゼル・スターリング・エレクトリック方式

といい、AIP、非大気依存で動かせるエンジンのことです。
4番艦の「けんりゅう」はもちろん、先日進水した10番艦
「しょうりゅう」までがこのエンジンを搭載します。

そのあとはどうなるのかといいますと、噂のリチウムイオン電池式。
リチウムイオン電池にすると、高速航行が可能な時間が増えます。

メリットはいくつもありますが、従来の鉛蓄電池と比べて、
水素ガス発生の危険がなく、充電時間が短くなるというのが特に大きな利点です。

すぐそこにX舵をまじまじと眺めることができます。
この舵も「そうりゅう」型から搭載が開始されたものです。

さて、そんなところで見学を終え、時間になったので体育館に向かいました。

本日のメインイベントである餅つきの臼(どうも毎年やるらしい)を後ろに、
阪神基地隊司令、深谷克郎一佐が挨拶をされました。

深谷一佐は昨年の9月から当基地隊司令を務めておられます。

歴代司令官の名前を見ていると、先日の海底に沈んだ潜水艦探査の学会報告会で、
後半の司会をなさった古庄幸一元海幕長、そして現海幕長の村川豊海将も
2009年から10年まで阪神基地隊の司令であったことがわかりました。

23代司令の袴田氏は某防衛団体で存じ上げていますし、それから
以前海軍の食について書いた時に参考にした本の著者で、主計士官だった
瀬間喬氏の名前を発見し、なかなか阪神基地隊司令には縁を感じました。
(こっちが勝手に名前を知っているだけなんですが)

深谷司令はまず阪神基地隊の歴史についてお話されたあと、特に
阪神淡路大震災における当基地の果たした役割について触れ、

「高い割合で何年か以内に確実に起こると言われている南海トラフ地震についても
いつ起こっても対応できるように備えをしたい」

というようなことを述べられました。

前回阪神基地隊の震災対応について書いた時に、少なくともあれ以降、
阪神基地隊の司令を拝命した自衛官はあの震災の時の基地の姿を念頭に、
並々ならぬ覚悟と使命感を持ってこの職に臨むのだろうと思ったものです。

司令は最後に

「本日は艦艇見学に潜水艦も見ていただけるようにしました。
空前絶後の!インスタ映え写真を撮って帰っていただきたいと思います!」

と強調して会場に笑いが起き、懇親会が始まりました。

空自と違うのが海自の宴会のテーブルには必ず海産物が並ぶことです。
手前は実はシーフードサラダなのですが、これが意外なおいしさ。
わたしはほとんどこれで食事を済ませたような感じです。

そして本日の目玉である餅つき大会が行われました。
てっきり基地司令が杵を奮うのだと思っていたのですが、そうではなく、
次々と紹介されて台上で餅つきをするのは全て議員の先生方。

司令は先生方に杵を渡し、餅つきを横で見守る役目です。

この基地のこういった催しに行っても、司令官は会の間中
ひっきりなしに挨拶にやってくる人々に夫人と並んで挨拶をし続けるのが仕事で、
飲み食いをしているのなど見たことがありません。

臼の横にいるのも確か自衛官だったと思います(笑)

舞台上で何人かが餅つきを終わったら、そのあと臼は下に移動し、
やってみたい人が順番に餅つき体験をしていました。

それこそインスタ映えのためにチャレンジした人もいたかもしれません。

TOがどこからともなくもらってきた「つきたてのきな粉餅」。

まだ暖かくて、お米の粒の感触が少し残っているのが
いかにも手でついたお餅という感触。

そういえば杵と臼でついたお餅を食べる経験は初めてだったかもしれません。
大変美味しいものだと感激しました。

 

会場では何人かの自衛官とも話をしましたが「しょうりゅう」の艤装員、
そして「けんりゅう」の乗組員の方との会話は特に面白かったです。

先日進水した「しょうりゅう」の艤装員の仕事は、書類仕事だったり、
先ほども言ったようにマークやロゴを決めることだったり、あるいは
これまでの「そうりゅう型」の実績から導き出した運用上の改善点などを
導入するためのいろいろだったりと、とにかく大変なんだそうです。

今この段階では乗員は集まっておらず、これから決めていくのだとか。

それから、ちょっと驚いたのは一人の方は水上艦出身だったことで、
潜水艦乗りは最初から最後まで潜水艦、という訳ではないということでした。

その方は「水上艦は教育も厳しい」とおっしゃっており、その文化の違いを
教育に生かすこともできるのでそれは決してデメリットではないようです。

教育といえば、その方たちがシーマンだった頃にはとにかく
「昭和の自衛隊」ならではの手が出る足が出るの「教育方針」で、
殴られながら

「ちくしょー、上官になったら部下におんなじことをしてやるう!」

とか思っていたら、時代が変わってしまい、体罰などとんでもない、
という健全な自衛隊になってしまった、とか(笑)

このことを帰りのご挨拶をしにいった時深谷司令に報告?すると、


「潜望鏡一つ取っても、昔は一人で覗き込んでいたのが、今は
皆で画像を見る時代。
運用方法だけでなく教育も全てが変わって当然です」

潜望鏡をを覗き込むという潜水艦にとって象徴的なスタイルが失くなる、
などと、昔の潜水艦乗りに果たして想像できたでしょうか。

たまたま大戦中の潜水艦映画について書いたばかりだったわたしは、
この日訪れた阪神基地隊で、潜水艦を通じて
70年余の時の流れを一気に飛び越えて見るような気がしました。


司令に二人でご挨拶したあと車で阪神基地隊を後にしたわたしは、
神戸を経由して懐かしい地元を運転しながら空港に向かったのです。


今回の出席をお取り計らいくださった皆様がたに心からお礼を申し上げます。
ありがとうございました。

 

 



最新の画像もっと見る

9 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
ターター (Unknown)
2017-12-12 06:54:47
厳密に言うと、ターターシステムはあまつかぜ建造時に導入されたものだけで、たちかぜ以降はミサイルがSM-1に変更され「ターター」のようなミサイルと発射装置を組み合わせた名前はありませんが、おっしゃる通り「ターターシステム」と呼ばれています。

理由は定かではありませんが、射撃の時に掛ける号令で「ターター攻撃始め」と言うからではないかと思います。

新装備が入ると、それこそ血がにじむ程反復して訓練します。そのたびに「ターター攻撃始め」とお念仏のように唱えますが、機材の名前が変わってお念仏まで変えてしまうと、大事なところで気合が抜けてしまうと思います。例えば「撃ち方始め」がある日突然「ファイヤー」と言えと言われたら、かなり戸惑うと思います。

ターターとその後のSM-1の違いはざっくり言ってしまうと、アナログコンピュータかディジタルコンピュータかの差です。

アナログコンピュータは死滅したので、今ではイメージすることも難しいですが、簡単に言うとアナログコンピュータは回路設計でソフトウェアを実現しているので、パソコンでワードからエクセルに切り替えるようなことは不可能で単機能です。死滅した理由がわかると思います。

前部からしまかぜを見て、テレビのモニターのような黒いパネルは三次元レーダーで、その下に二つあるパラボラ型はミサイルの誘導用レーダーです。

イージス以前の三次元レーダーはグルグル回って目標捜索を行っていましたが、アンテナが向いていない方向の情報は得られないので、死角をカバーするために、この三次元レーダーを四つ張り付けたのが、イージスシステムです。コロンブスの卵的な発想でいかにもアメリカ人が考えそうなことです。

「かぜ」クラスに乗っていた時、一般公開で三次元レーダーのことを聞かれて、真っ黒な色から「ソーラーシステムです」と若い子が答えていました。嘘っぱちなので訂正しましたが、うまいこと言うなと感心しました。
返信する
長々と済みません (Unknown)
2017-12-12 11:53:17
ミサイルには実弾、訓練弾と模擬弾があります。実弾は破壊力のある弾頭が付いているので、簡単にわかりますが、訓練弾とか模擬弾ってわかりにくいですよね。

訓練弾は訓練射撃で発射する弾で、実弾と同じ誘導、推進部を持ちますが、破壊力はなく、ミサイルがどう動作したか解析出来るように、誘導中の状況や弾着精度を記録出来る仕組みが組み込まれています。そのため、単に爆発すればいい実弾より複雑で高価です。

模擬弾は整備やミサイルを発射しない訓練に使うシミュレータです。形はミサイルそのもので、ランチャに装てんされていますが、推進部(ロケットモーター)はなく、発射手順を行っても、飛びません。

ミサイルシステムは、実戦では故障が許されないので、毎日、動作確認を行いますが、その際には模擬弾を使います。VLS(垂直発射装置)や箱型のアスロックランチャだと弾は出て来ませんが、ターターランチャだと下の丸い弾庫から、一般公開で見学者にお見せする青い模擬弾が出て来て、ランチャのアームに装てんされます。

実はこの時、必ずランチャ員が側に立っていて、揚弾された弾が青い模擬弾であることを確認し「模擬弾間違いなし」とランチャを動かしている管制室に報告します。実弾は白なので、容易に区別がつきます。上がって来たのが実弾で、そのまま発射手順を進めたら、実際に発射されてしまい、大変なことになります。

ミサイルは高度な電子機器で、発射するためにはいろいろなデータを入力し、きちんと入力されたら、準備が整ったというステータスを発射装置に送り返して来ます。この一連の流れが決まった通りに流れないと発射手順は進みません。模擬弾はこれらの信号を模擬して送り返して来ます。

日々の動作確認に使うだけでなく、意図的に故障状態にして、故障解析や応急対応の訓練を行うこともあります。

定められた通りに発射するだけであれば、ちょっと訓練すればすぐに出来るようになります。発射手順を進めている間に故障が発生した場合、実戦だと「修理に帰ります」という訳には行きません。艦対空ミサイルは敵の攻撃に反撃するものなので、発射出来ないと攻撃をかわすことが出来ず、乗員が死にます。そのため、意図的に故障を起こして応急的に射撃する訓練は徹底的にやります。

どういう状況ならどこをどう切り離せばよいかをきちんと知っていないと与えられた状況には対応出来ません。この指示を出すのが幹部の仕事で、故障した機器を切り離すのが曹士の仕事です。適切な指示が出せないと曹士が付いて来なくなります。

ちょっと前に遠洋航海が終わって、実習幹部はもう実習幹部ではなく、船に配属されているので、新着任の若手は「ミサイル士がとろいと乗員が死ぬんです」と先任海曹に叱られて、今頃は毎日毎日マニュアルを読んでは訓練していることでしょう。ホールデン中尉もそうして鍛えられて、原子力潜水艦の艦長になったはずです。

最後にターターの模擬弾ですが、国際信号旗でTARTARと綴ってあります。
返信する
剣龍 (お節介船屋)
2017-12-12 20:04:11
エリス中尉の撮影された写真で分る事があります。大変鮮明で近いので。
まず音の反射を防ぐタイルが貼ってある場所境が光が反射していない、反射しているで認識出来ます。

艦首旗竿と艦尾自衛艦旗竿に仮設の灯具が取り付けてあり、この灯具は停泊灯で今日はこの位置で夜間も停泊するのだと分かります。
ちなみに航海灯はセイルの後ろ下側に透明な部分が船尾灯、セイルの前側上部の透明部分が第1マスト灯、右潜舵の突端部分に出っ張っているのが右灯です。あと左潜舵の赤灯とセイルの上にマストを出し第2マスト灯で夜間航海時点灯となります。海上衝突予防法とおりの灯具です。

艦尾のちょっと右よりに鞘がありますがこれはアレイソーナーの導設管の一部が見えています。その前は上部構造物内に隠れています。アレイソーナーの格納は上部構造物内と思われます。
アメリカ攻撃型原子力潜水艦はその鞘が右舷側に長く見えています。
これがプロペラ下に繰り出し口があり、プロペラに巻き込まれないで後ろに長く引っ張って水中航行する事となります。
ロシア潜水艦は「アクラ型」、「ビィクターⅢ型」にように縦舵上部にポッドを付けて格納している艦もあります。

係留ロープを導設しているクローズフェアリーダと結んであるクリートが右舷使用で右舷側のみ上昇させてあり、左舷側は格納されており、左側甲板が平滑となっています。

艦尾クリートの右外側およびその前後に溝が見えますがこれ乗員の転落を防ぐため命綱の端部をこの溝に入れて上甲板上を移動するのですがこれを使用しているのは観た事がありません。「てつのくじら館」で潜水艦乗りOBに聞いたことがありますが航行中転落した乗員は皆無との事でした。猿回しの猿以上、大変失礼。
色んな事が分り、また想像させて頂き楽しいな。
返信する
みなさま (エリス中尉)
2017-12-13 12:57:21
unknownさん
なるほど、最初の「あまつかぜ」で日月火水木金金の訓練を繰り返した結果
ミサイル発射の掛け声の「言霊」が作り上げられてしまい、その後も
「タータ」と叫ばなくてはどうも撃った気がしないというところまで来てしまったと。
運用は現場の自衛官の魂が入るものですからその説には信憑性がありますね。

それと、昔のレーダー、ぐるぐる回ってましたよね!
レーダーは回るもの、というイメージはいつのまにかなくなっていました。
イージス艦のほぼ四角形の貼り付けられたアンテナが『回るレーダーの代わり』
という説にはまさに目からウロコが落ちた気分です。

タコさんやシャークの絵の描かれたあれは実弾ではなく模擬弾だったんですか。
「動かすだけとはいえ実弾なので迫力満点」なんて書いちゃったよ(汗)

「ミサイル士がとろいと全員が死ぬんです!」
すごいなこれ。
こんなことを海千山千の海曹のおっちゃんに言われたら新任幹部は震え上がりますね。
自分のミス一つで全員が死ぬ職場。

自分のいるところが他でもない「軍隊」だと実感する瞬間でしょう。

お節介船屋さん
同じ写真を見ても普通の人と船屋さんでは全く見えてくるものが違うということが
よくわかるコメントありがとうございます。

わたしとしては全てに「はえ〜」というしかありませんが、最後の
「航行中転落した乗員は皆無」これは頷けるものがあります。
選ばれてサブマリナーになり、常にその緊張にあれば海に落ちるなんてありえない!
のに違いありません。

返信する
鮫蛸(笑) (鉄火お嬢)
2017-12-14 11:06:01
>実弾て書いちゃったよ
説明が流暢すぎたのか、こちらの聞き方が悪かったのか、私も実はてっきり実弾と思って書いちゃいましたよ。
>航行中に落ちた乗員はいない
以前、冬の海に甲板まで真っ白に凍った潜水艦の写真見て「こんなん歩いたらどーなる」
落ちたことない…航行中ね?停泊中に飲んで帰艦したときにツルッバシャーン! も?長い海自潜水隊の歴史で、一人も?いや何でもない…
返信する
そりゃーもう (エリス中尉)
2017-12-14 18:32:02
そこには突っ込まないのが大人というものです。
返信する
潜水艦の上甲板歩行 (Unknown)
2017-12-15 05:34:30
>艦尾クリートの右外側およびその前後に溝が見えますがこれ乗員の転落を防ぐため命綱の端部をこの溝に入れて上甲板上を移動するのですがこれを使用しているのは観た事がありません。

今の潜水艦は「ペチコート作戦」の頃のように行動中には基本的には浮上しません。露頂と言って潜望鏡やスノーケルだけを出す程度です。上甲板に出るのは出入港のもやい作業くらいです。

もやいを引き込む際、水上艦では駆け足で引き込みますが、潜水艦では転落しないように綱引きのように、その場でえっさえっさと引きます。

この時に、命綱を付けていたら邪魔になってもやいを引き込めないので使わないのだと思います。

停泊中に上甲板を歩くとしたら、艦旗掲揚、降下くらいです。急ぐ必要はないので、命綱は使わないでしょう。

上陸の際と船に帰って来る際には舷門を出入りしますが、舷門は「規律の原泉」なので、通る際の乗員の態度で、この船はしっかりしているとかだらしないと評価されるので、多少酔っぱらっていても通る際にはシャキッとします。そうでないと先任海曹からお小言を頂いて上陸止めとなります。

上陸止めは誰でも勘弁してほしいので、シャキッと通れなさそうな程に飲んでいたら、歩ける程度に醒ましてから帰ると思います。
返信する
確かに酔い醒まさないとムリ (鉄火お嬢)
2017-12-15 08:42:12
>酔い醒ましてから
よくよく考えてみたら、甲板より後にあの垂直ラッタルを降りなきゃいけないわけですから、潜水艦内部見学であのラッタルをおそるおそる掴んで降りた経験者としては、深酒しては帰れないのは分かります(^-^ゞ
返信する
鉄火お嬢さん (お節介船屋)
2017-12-15 10:00:17
Unknownさんとエリス中尉にフォローして頂いていますので大人の対応をしたいのですがどうしても反論。
聞いた潜水艦乗りのOBは海上自衛隊潜水艦60年の運用期間の中、また自衛隊生活の中で、教育期間を除き30年近く潜水艦に乗艦されていた方であり決して誇張、嘘は言っておられないと思います。
潜水艦はエリス中尉の写真のように一般公開時は手摺を取り付けられていますが通常は余り手摺は取り付けられいません。水上艦は通常は手摺があり、戦闘時やヘリコプター着艦時、所要の個所の起倒式手摺は倒します。
余り話題にすべきではないのですが、海上自衛隊でも艦上から転落し、殉職される隊員は結構おられます。遠洋航海中
行方不明となられた実習幹部、掃海艇から転落された曹士等報道された死亡者数多くあります。転落、行方不明が分れば数日可能な艦艇、海上保安庁船艇が捜索します。遺体も上がらず残念ながらそのまま死亡認定となる事が多いです。
船乗りの教育として手摺に寄り掛かるなと酸っぱくなるほど言われますが、慣れもあり出来心もあって信用しすぎる事があります。私も船屋として溺者救助を訓練で実施した事もありますが、海上自衛隊は頻繁に実施されていますがなかなか溺者救助はかないません。転落が分れば、救命浮環等を投入し船尾を落ちた反対舷に振って、即回頭して救助に向います。停止すればと思われるでしょうが船は車と違い惰性がありその場所に止まれません。またプロペラも回転を止められませんので水流で巻き込む可能性があります。特に潜水艦はその形とプロペラの位置が水上艦と違い水面近くにあり、潜水艦乗りは落ちたらどうなるかは常識となっています。
いずれにしても上甲板は居るのは出入港時のみであり、水上航行中はセイル上艦橋部に所要の必要人数のみです。どうしても航行中上甲板に上がる必要があれば救命胴衣、安全帯を付け、溝に端部を挿入して移動となります。
これも聞いた話で伝聞で申し訳ありませんが潜水艦で他船の転落者を救助した事があったそうですが潜水艦は水上艦船のようにビルジキールやフィンスタビライザーと呼ばれる動揺止めがないので動揺が激しく、セイル上艦橋部にいる艦長等も飛ばされそうな中、救助者が命綱を付け泳いて溺者まで行き救助したそうですが大変であったとの事です。このように水上航行もありえます。
潜水艦は航行中はほぼ水中であり、転落の可能性は少ないですが、出入港等も上甲板上に居る乗員は細心の注意を払っていると思います。また運転等で乗艦する造船所員も徹底的に教育をされ資格をもった所員しか乗艦しないでしょうが。
言われた方、取り上げた私も信用してください。
返信する

post a comment

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。