無風老人の日記

価値観が多様化し、自分の価値判断を見失った人たちへ
正しい判断や行動をするための「ものの見方・考え方」を身につけよう。

人間は『言葉』という素晴らしい道具を持っている

2007年10月25日 | Weblog
タイトルは岩波ブックレットNo.657に載っている吉永小百合さんの言葉です。

人がこの地球上の生命体の中で『万物の霊長』(驕りの言葉ですが)たり得たのは、「考える」ことが出来、複雑な感情・状況を「話すこと(言葉)」によって相手に自分を分かってもらい、又、相手を理解することが出来たからです。
この「考える」ことと「話すこと(言葉)」によって、人類は今の文明を築いてきました。

考えることと、話して相手にわかって貰う努力を「面倒臭い」と怠ると、人類の退化が始まり、文明は衰退し崩壊していきます。
言葉を使い話すこと=相手を理解する努力を怠ると「戦争」という事態も起こります。

吉永小百合さんの言葉を引用します。

(引用開始)…前の部分を略

「国際貢献のためには自衛隊の海外派兵が必要」と政府は言います。
なぜ武器を持った兵隊でなければ、国際貢献が出来ないのでしょうか。
世界中で戦争やテロが繰り返され、それを解決するという理由から、また大量の兵器が使われ、多くの犠牲者を生んでいるのが現状です。

人間は『言葉』という素晴らしい道具を持っています。その道具で粘り強く話し合い、根っこの部分の相違点を解決していく―――報復ではなく、半歩でも一歩でも歩み寄ることが、『言葉』を持つ私たち人間の使命だと思います。

戦争とは、国が人に人殺しを命ずること。
命じられた人間は、選択の余地も無く、人を殺さなければなりません。
おそろしいことです。…中略…

今、日本は世界有数の軍事費を使い、戦争への道を進もうとしています。
私たちがしっかり考えて行動しなければ、大変なことになる。…以降略…引用終り

昔、「対話の時代」と言われた時代があった。「一人一殺」の過激右翼も「問答無用」ではなく「問答有用」と言い出した時代である。つまり相手の話を聞こう、という努力がそこには存在した。

今の飼い馴らされた日本人は「考える」ことを怠り、「言葉」による話し合い(=相手を理解しようという努力)を面倒臭いと放棄してしまっている。勿論、正義感とか、それから出る行動も持ち合わせていない。

昔は、立派な大人とは「弱きを助け、強きをくじく」と言った「正義感」を持った人だ、と教わってきた。
親から「弱いものいじめはするな」「悪いことはするな、見過ごすな」と言われて育ってきたのだが、ホームレス襲撃の例のように今は全く逆になってしまった。

現代の日本人の精神構造については、また別の日記に書くが、今日は吉永小百合さんの言葉に対して、次の「仏教の教え」を載せて筆をおく。(前にも出したが…)


憎しみに激怒で立ち向かうなら
戦いも争いも終わらない

許すことがすべての憤(いきどお)りと妬(ねた)みを終結し
あなたを永遠の至福に導く               (ダンマパダ)


ヤメ蚊さんの常駐ブログ

★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)