無風老人の日記

価値観が多様化し、自分の価値判断を見失った人たちへ
正しい判断や行動をするための「ものの見方・考え方」を身につけよう。

現実を見ていない平和ボケした輩へ警告…その4

2007年10月09日 | Weblog

1991年1月17日に始まった湾岸戦争。多国籍軍は、わずか1カ月で朝鮮戦争の一年半分、ベトナム戦争の半年分の爆弾を投下し、一発一千万円のミサイルが夜空を焦がした。
湾岸戦争が始まる前年の8月2日、イラクがクエートに侵攻したとき、中東の資金がいっせいに避難。自国通貨をドルに換え、米国の貴金属や短期債市場に流れ込んだ。
同時に石油危機が叫ばれ、原油価格が暴騰。セブン・シスターズ(欧米の七大石油会社)が莫大な利益をあげた。

ロックフェラーのシェヴロン(旧スタンダード石油カリフォルニア)は860%の収益増加を記録。エクソン(旧スタンダード石油ニュージャージー)も莫大な増収となった。

破壊されたクエートを復興するのに約800億ドル、およそ10兆4000億円が見積もられ、そのほとんどがベクテル社等のアメリカ企業が受注。残りはイギリスが受注した。

湾岸戦争の終戦時、『ニューヨークタイムス』が戦勝国の万国旗をズラリと紙面に並べたが、故意に日本の「日の丸」だけ落とし、日本も「国際貢献を」とプレッシャーをかけた。

米国は「国際貢献」の名のもとに、露骨に日本に戦費を要求。その金が兵器産業に流れ込んだ。

湾岸戦争前、軍需産業では工場の閉鎖と大量の失業とが連鎖的に起き、深刻な問題となっていた。

しかし、この時期、軍需産業は24時間フル稼働の増産体制。

米国防省との契約企業トップ20(89年実績)
1位 マクドネル・ダグラス…日本の主力戦闘機F15イーグルのメーカー
2位 ゼネラル・ダイナミックス…三沢基地に大量に配備されてきたF16ファイティング・ファルコンのメーカー
3位 ゼネラル・エレクトリック(GE)…イージス艦のレーダーシステム、戦闘機など航空機のエンジンメーカー
4位 レイ・セオン…パトリオット・ミサイルのメーカー
5位 ゼネラル・モーターズ…自動車メーカーだが、M1型戦車やマーベリックミサイル、兵器部品も製造。子会社に航空宇宙機器メーカーのヒューズ航空もある。
6位 ロッキード
7位 ユナイテッド・テクノロジーズ
8位 マーティン・マリエッタ
9位 ボーイング
10位 グラマン
11位 GTE
12位 ロックウェル
13位 ウェスティングハウス・エレクトリック
14位 ハネウェル
15位 リットン・インダストリアル
16位 IBM
17位 TRW
18位 ユニシス
19位 ITT
20位 テキサス・インスツルメント

イラクのクエート侵攻が起こった時、両国が戦火を交えた戦闘機はフランスのダッソー・ブレゲが製造しているミラージュだった。
イラクのフセインはフランスから戦闘機を買い込み、見返りにイラクの石油をフランス企業エルフ・アキテーヌに優先的に販売。
戦闘機ミラージュは、ユダヤ人の「死の商人」マルセル・ダッソーが開発・製造したもので、ダッソーは86年に死亡するまでフランス第一位の億万長者であった。

中東戦争時にイスラエルにミラージュを売り込んでアラブ人を苦しめ、膨大なパレスティナ難民を生み出したダッソーが、一方ではイスラエルと敵対する最も危険なイラクにも兵器を売ってきた。

その結果、フセインはフランスに30億ドルの借金を背負うことになった。
フランスとアメリカはNATOの中で連動している。

フセインに資金を送り続けたのはイタリアの銀行で、化学兵器を造らせてきたのはドイツやソ連であり、原子炉と濃縮ウランはフランスから売却され、スーパー・ガンはイギリスから正式に輸出され、アメリカは農務省を通じてイラクに莫大な支援をおこなってきた。

フセインを育てたのは、まさしく多国籍軍=国連であった。
最終的に湾岸戦争では10万人を超える死者が報告されている。

死の商人という「人間」の正体

国連本部は、ジョン・D・ロックフェラー二世がニューヨークの土地を買い取って寄贈し、そこに建てられたビルである。

国連は、いったいどのような人間によって動かされているのか。

サイラス・ヴァンスは、ロックフェラー財団の理事長。

パリ和平会議(ベトナム戦争を終わらせるための会議)で、戦争の調停人として、アメリカ代表として活動。

しかし、会議後、ベトナムの戦火はさらに燃え上がった。

のちにカーター政権で国務長官。

1992年から国連事務総長ブロスト・ガリの特使となって、内戦が続くユーゴスラビアへ。

その後、やはりユーゴの内戦は激化。

ヴァンスの前にユーゴのEC調停代表だったのが英国のピーター・キャリントン卿で、ヴァンスとはきわめて近い一族、つまりファミリーであった。

湾岸戦争時、フランスの国防大臣として戦闘を指揮し、ブッシュ大統領と会談を重ねて残忍な陸上戦に踏み込むよう多国籍軍を焚き付けたたのは、ダッソー・ブレゲの創業者ファミリーのひとり、ピエール・ジョックスであった。

このジョックスの母方はユダヤ人であり、ヴァンスそしてキャリントン卿とファミリーであった。

つまり、彼らは、東西対立の崩壊によって東ヨーロッパという「敵国」が消えてゆく中で、アメリカ・ヨーロッパの軍需産業を持ちこたえさせなければならない。戦争がないなら、どうしても次の戦争を引き起こす。戦争ができないなら、なんとかして緊張状態を引き起こして兵器工場から製品を送りだす。どこかにささいな民族紛争があるなら、そこに油を注ぎ、火を付けてまわらなければならないという役割を担っている。

中東・湾岸戦争と国連軍を動かしてきた軍需産業ファミリー

ジェームズ・ベーカー…米国国務長官。湾岸戦争開戦の最大責任者

サイラス・ヴァンス…ユーゴ内戦の国連事務総長特使

ピーター・キャリントン…ユーゴ内戦のEC調停代表・GEC会長

デヴィッド・スターリング…湾岸戦争イギリス特殊部隊SAS育ての親

フランソワ・ミッテラン…フセインと裏取引したフランス大統領

ルイ・ブレゲ…ミラージュ戦闘機のダッソー・ブレゲ創業者

ピエール・ジョックス…湾岸戦争時のフランス国防大臣

ブッシュ大統領ファミリーは、ベイカー国務長官のビジネスパートナーであり、さらに背後には巨大なユダヤ財閥が存在していた。

彼らは血族というだけでなく、ビジネスのなかで利権を分配し合う集団であった。

キャリントン卿*1は、イギリス最大の核兵器・原子力・軍需産業のトップに立つゼネラル・エレクトリック・カンパニー(GEC-アメリカのGEと母体は同じだが別会社)の会長という履歴を持ち、イギリス国防大臣とNATO事務総長という履歴も持っている。

サイラス・ヴァンスは、米国第2位の軍需産業ゼネラル・ダイナミックス社の重役であり、日本に「国際貢献を」と圧力をかけた『ニューヨークタイムス』の重役でもあった。

軍需産業のエージェントとなった国連

ブロスト・ガリが事務総長に就任してから、国連のPKO軍団は莫大な規模になっていった。

この国連軍はいったい何のために出動したのか?この大軍の金をいったい誰が負担するのか?

国連の金庫は、ガリ就任以来、PKOのために、早くも四月末には20億ドル、数千億円の赤字となった。

この赤字を埋めるため、金を持っている日本とドイツに要求していこうという雰囲気が国連ビルのロビー活動のなかで生み出されている。

四月時点で発表された数千億円という赤字は、このまま進めばさらに増え続ける金額であって、一刻も早く国民が警告を出さなければならないところまできている。日本人が実際に自衛隊を海外に出してゆくことになれば、公式に軍事国家とみなされることは当然で、日本向けの小切手請求書には、大きな口実ができる。世界の軍需産業にとっては思うつぼである。

こうして日本とドイツから吸い上げられた大金は、国連軍の装備という形で、全世界の兵器会社に流れ込んでいる。

結局、日本人の金は、世界の軍人を養い、そこから世界の軍需工場に還流する仕組みになっている。

日本人が稼いだ金を使って豪華な暮らしをするのは、アメリカやヨーロッパの軍需産業の重役陣なのである。


誰が殺されてきたか

カンボジアの内戦では、ソ連、アメリカ、中国、シンガポール、西ドイツ、フランスから兵器・弾薬が大量に送り込まれていた。

ベトナムから支援を受けてきたフン・セン首相は、現地では傀儡政権と呼ばれてきた政治家の代表者であった。

一方、虐殺で知られる共産主義勢力のポル・ポト派もアメリカの兵器が支援してきた。

まさに国連を支配する国家が、死の商人であり、PKOの母体である。日本に金を請求している人間の正体は、ここにある。彼らはいまや、公然と「日本人は血を流す決意を示せ」「長期的には自衛隊を危険な任務に送り込むようになると信じる」と発言し始めている。

欧米の兵器メーカーは、第二次大戦後、自分の国では戦争を起こさず、人の国へ出掛けていっては殺人ゲームを楽しんできた。彼らが、アジアの人間のために、平和をつくりだす?想像もできない話だ。

彼らは国連のPKOによって兵器工場を再生させ、次の殺人ゲームの作戦を練っているところではないのか。

残念なことに広瀬氏の懸念は的中してしまっていますね。

さて、本書には『中東・湾岸戦争と国連軍を動かしてきた軍需産業ファミリーの系図』が描かれていますが、その家系図をたどるとロスチャイルドとブラウン・ブラザース・ハリマンの二系列が起点となっています。

ユースタス・マリーンズは『世界権力構造の秘密』の中で、第二次世界大戦当時、世界権力の頂点に君臨する者として、アヴレル・ハリマンとヴィクター・ロスチャイルドの名をあげていますが、系図からみても、この指摘は間違っていないように思えます。

*1:ピーター・キャリントン卿はロスチャイルド系の資源会社リオ・チント・ジンク社の重役であり、バークレー銀行の重役、三極委員会のメンバーでもあります。1991年からビルダーバーグ会議の議長をつとめていました。

④ 軍産複合がファッシズムを呼び込む

 戦前の日本もそうだったが、いまのアメリカのように軍産複合が、自国の権益や文化を押し付ける、ファッシズムを呼び込むのである。自由と責任とは対であるのに、他国の主権を侵害するアメリカが、イラク人に自由を与えたなど、こんな稚拙な詭弁は聞いたことがない。民主主義しかり、主権をイラク国民に与えても、アメリカが、イラクの石油利権を軍事力で支配していて、イラク国民に主権があると思うのだろうか。

 霞ヶ関の官僚が政治の実権を握る社会は、旧ソビエト連邦のような社会主義であり、社会は階級化し、民主主義は抑圧され、経済活力が減退し、社会モラルの崩壊は、管理強化という恐怖政治が始まる。また、軍産複合企業が政治の実権を握る社会では、他国の主権を侵害し、文化、経済の領域を広げる帝国主義を進め、内政的には、全体主義が進む。

 この全体主義は、カリスマ的な専制君主を中心に構築するものと、仮想敵国を作り、国民の怒りと視線をマインドコントロールするものがあり、これらを、複合的に使い分けることで、全体主義的・排外的政治理念であるファッシズムが生まれる。

⑤ ネオコンを真似る日本経団連の奥田碩

 いまのアメリカは、メディアによるマインドコントロールで、ファッシズム化した世論形成が、ブッシュの石油利権のための戦争を支持している。戦前の日本といまのアメリカの違いは、自浄作用がいまのアメリカにはあることであり、インターネットは、メディアによるマインドコントロールの防波堤になっている。

 いまの小泉政権の経済政策は、竹中平蔵のアメリカの後追い論であり、「官から民へ」をスローガンに、「無責任」と「利権」という既得権益を、「公益法人」から、大企業を中心とした「営利法人」に移し変えている構造改革は、軍産複合のアメリカにぶら下がる日本経団連を生み出した。そして、その奥田碩は、戦後のGHQの家畜教育の傑作であるのだ。

 法人の権利能力も知らないで企業献金を主張する、奥田碩を首相官邸に出入りさせるなど、ドロボウに留守番をさせるようなものではないか。アメリカの後追いをすることが、知識人とする風潮は、奥田碩に、ネオコンと日本経団連をダブらせてしまった。馬鹿の思い込みほど厄介なものはない。権力を握ったかのように、ふんぞり返って座っている奥田碩の椅子を蹴飛ばすものはいないのか。

 日本をアメリカのようにしてはならないし、アメリカのように、メディアのマインドコントロールに対して、インターネットで見せる、反ブュシュ、反ファッシズムの声が、アメリカの民主主義の底力であることを、日本国民は理解することが重要だ。アメリカの民主主義は、日本よりも進歩しているのは確かだ。■■

下記ブログも参照されたし。

カーライルにみる政軍産複合体【田村秀男】

まだ続きます。