官僚の民主党政権への密かな反撃が始まっている。
「民主党政権(閣僚)に対して、官僚は気持悪いくらい慇懃で、低姿勢です。」…その裏で…。
新政権が誕生して2週間が経過したが「政治主導」を掲げた民主党の中でも大臣・副大臣・政務官の「政務三役」は公務に忙殺されている。
政務三役は、官僚との会議が頻繁にあり、毎日20人~30人の役人(官僚)から政策説明のレクチャー(講義)を受けている。
このレクチャー(講義)が問題なのだ。
各省庁(官僚)は、初めて与党となった民主党の政務三役に対し、政策説明という「正当な理由」で“雁字搦め”にしている。
政務三役は官僚の“いやがらせ”と分かっていても、政治主導を標榜しているから「ミーティング」に出ないわけに行かない。
官僚は議員が音を上げるまでやり続け、今後の主導権を握ろうとしている。
官僚の抵抗は、何も「肝心な情報を流さない」とか「仕事の指示を受けても放っておく」といったやり方ばかりではないのである。
現状で例れば、官僚の抵抗はこの「政策説明会」だけではない。
「官僚は政治家との電話のやりとりの内容は全部メモにとって記録している。些細なことでも書き逃さず、何かの時に利用しようとしているのです。
お互い顔を合わせているときにはニコニコしていても、そこは『面従腹背』の官僚。スキは見せない。」
この次に狙っているのが、閣僚や政務三役などの“仲間割れ”だ。
ヒビが入りかけた人間関系にクサビを打ち込む手口で「すでに、ある省では政務三役がギクシャクしている」(某官僚)という。
今、官僚が最も恐れているのは、官僚のやり口を知り尽くしている菅直人副総裁だ。
菅氏は、1996年1月に厚生大臣に就任してすぐ、薬害エイズ事件処理で官僚(厚生省)に説明を求めたが、その時、官僚たちは“政治家に分かるものか”といった態度で、膨大な資料と数字を滔々とまくしたて、専門用語を並び立てて説明した、という(菅氏の述懐)。
菅直人氏は、その官僚たちの態度に反発、プロジェクトチームを作り、猛勉強とあくなき追求のすえ、当時、官僚が「無い」と主張していた行政の明白な過ちを証明する“郡司ファイル”を発見、官僚の抵抗を押し切ってそれを提出し、血液製剤によるエイズに感染した多くの被害者たちに対して初めて「行政の責任」を認めた。
薬害エイズ事件の被害者たちに菅大臣が土下座をして謝罪した事で被害者の感動を呼び、この厚生大臣在職中に得た功績が菅氏が現実に官僚と戦った稀有な政治家としての大きな人気・政治的資産獲得の基盤となり、後の民主党結党に繋がる事になる。
さらにこの事件の菅氏の処理は、彼が対談を行っていた知識人カレル・ヴァン・ウォルフレンらから「官僚の説明責任」という概念を日本に初めて導入、「アカウンタビリティ」という言葉を定着させたものとして高く評価される。(これは余談)
この菅直人氏が直面した官僚の抵抗に、今、長妻厚労相がみまわれている。
(日刊ゲンダイより引用)
9月17日の初登庁で、職員から拍手ナシという異例の出迎えを受けた長妻氏。テレビでは「職員が緊張し過ぎた」という解説もあったが、大間違いだ。
「省内には『うちは歴代大臣を迎え入れ、大物に育ててやった。長妻なんて大した事は無い』と平然と言う幹部もいる。拍手しなかったのは、政治家を舐めきっているからで、官僚側の“宣戦布告”ですよ。」(厚労省担当記者)
補正予算の見直しでは、こんな場面もあった。
「優勢順位の低い事業を下から5つ出してほしい」という長妻大臣に対し、官僚は「優先度は皆おなじです」とシレッと言ってのけたのである。
あんたの言うことなんか聞けないよ、という訳だ。」(M:長妻氏は厚労省のトップ、一般の会社であれば社長なのであり、こんな態度をとる社員は部長であろうがすぐクビである。)
そうした状況の中で、長妻厚労相は連日、厚労行政に関するレクチャー(政策説明)を各担当課職員から受けている。
長妻氏の所轄分野は労働や医療など多岐にわたるため、一人で全てを網羅する(状況を把握する)のには当然無理がある。そこで長妻大臣は、新たな試みとして、レクチャーの際に党政策調査会の職員を同席させたのだが、これにも官僚たちは猛反発なのだ。
「『守秘義務の無い一般人がいるのはおかしい』というのが表向きの理由ですが、本音は単に同席させたくないだけでしょう。
官僚は膨大な説明資料で長妻大臣をパンクさせ、国会答弁や会見で失敗させようと目論んでいる。
仮に同席した職員らが政策立案に知恵を出したり、答弁資料などを考えたりすると官僚にとって都合が悪いのではないか」(民主党関係者)
後期高齢者医療制度の廃止や母子加算手当ての復活、新型インフルエンザ対応、そして年金問題など、長妻大臣が抱える課題は山積みだ。
官僚が半世紀以上にわたり蜜月関係だった野党・自民党にネガティブ情報をリークする可能性も高い。
一つでも対応を間違えば、すぐに「公約違反」「大臣失格」の烙印が押され、足をすくわれることになる。
鳩山政権の象徴的存在の長妻厚労相は官僚にとって格好のターゲットとなっている。
今後もマスメディアと一緒になって、あの手この手で“潰し”にかかるのは確実である。
狡猾官僚から目を離してはダメだ。」(日刊ゲンダイ引用終り)
前に書いたが田中真紀子氏と鈴木宗男氏が「外交には全く発揮されないが、足を引張ることに関しては天才的な能力を発揮する」外務官僚の罠に嵌まり大臣の座を追放されたが、それと同様の狡猾な罠が新政権に仕掛けられる可能性は高い。
民主党政権がこれをクリアーするためにはどうしても国民の支援・後押しが必要となる。
国民は、政官財電外の“悪徳ペンタゴン”(植草氏命名)の「新政権と国民の分離・離反作戦」に惑わされることなく、その連中を監視し、新政権を見守り、しばらくは支援していくべきだ。(ただし、国民の為にならないことには批判する見識が必要)
それが国民生活が良くなるための必須条件である。
今日はここまで、またね。
「民主党政権(閣僚)に対して、官僚は気持悪いくらい慇懃で、低姿勢です。」…その裏で…。
新政権が誕生して2週間が経過したが「政治主導」を掲げた民主党の中でも大臣・副大臣・政務官の「政務三役」は公務に忙殺されている。
政務三役は、官僚との会議が頻繁にあり、毎日20人~30人の役人(官僚)から政策説明のレクチャー(講義)を受けている。
このレクチャー(講義)が問題なのだ。
各省庁(官僚)は、初めて与党となった民主党の政務三役に対し、政策説明という「正当な理由」で“雁字搦め”にしている。
政務三役は官僚の“いやがらせ”と分かっていても、政治主導を標榜しているから「ミーティング」に出ないわけに行かない。
官僚は議員が音を上げるまでやり続け、今後の主導権を握ろうとしている。
官僚の抵抗は、何も「肝心な情報を流さない」とか「仕事の指示を受けても放っておく」といったやり方ばかりではないのである。
現状で例れば、官僚の抵抗はこの「政策説明会」だけではない。
「官僚は政治家との電話のやりとりの内容は全部メモにとって記録している。些細なことでも書き逃さず、何かの時に利用しようとしているのです。
お互い顔を合わせているときにはニコニコしていても、そこは『面従腹背』の官僚。スキは見せない。」
この次に狙っているのが、閣僚や政務三役などの“仲間割れ”だ。
ヒビが入りかけた人間関系にクサビを打ち込む手口で「すでに、ある省では政務三役がギクシャクしている」(某官僚)という。
今、官僚が最も恐れているのは、官僚のやり口を知り尽くしている菅直人副総裁だ。
菅氏は、1996年1月に厚生大臣に就任してすぐ、薬害エイズ事件処理で官僚(厚生省)に説明を求めたが、その時、官僚たちは“政治家に分かるものか”といった態度で、膨大な資料と数字を滔々とまくしたて、専門用語を並び立てて説明した、という(菅氏の述懐)。
菅直人氏は、その官僚たちの態度に反発、プロジェクトチームを作り、猛勉強とあくなき追求のすえ、当時、官僚が「無い」と主張していた行政の明白な過ちを証明する“郡司ファイル”を発見、官僚の抵抗を押し切ってそれを提出し、血液製剤によるエイズに感染した多くの被害者たちに対して初めて「行政の責任」を認めた。
薬害エイズ事件の被害者たちに菅大臣が土下座をして謝罪した事で被害者の感動を呼び、この厚生大臣在職中に得た功績が菅氏が現実に官僚と戦った稀有な政治家としての大きな人気・政治的資産獲得の基盤となり、後の民主党結党に繋がる事になる。
さらにこの事件の菅氏の処理は、彼が対談を行っていた知識人カレル・ヴァン・ウォルフレンらから「官僚の説明責任」という概念を日本に初めて導入、「アカウンタビリティ」という言葉を定着させたものとして高く評価される。(これは余談)
この菅直人氏が直面した官僚の抵抗に、今、長妻厚労相がみまわれている。
(日刊ゲンダイより引用)
9月17日の初登庁で、職員から拍手ナシという異例の出迎えを受けた長妻氏。テレビでは「職員が緊張し過ぎた」という解説もあったが、大間違いだ。
「省内には『うちは歴代大臣を迎え入れ、大物に育ててやった。長妻なんて大した事は無い』と平然と言う幹部もいる。拍手しなかったのは、政治家を舐めきっているからで、官僚側の“宣戦布告”ですよ。」(厚労省担当記者)
補正予算の見直しでは、こんな場面もあった。
「優勢順位の低い事業を下から5つ出してほしい」という長妻大臣に対し、官僚は「優先度は皆おなじです」とシレッと言ってのけたのである。
あんたの言うことなんか聞けないよ、という訳だ。」(M:長妻氏は厚労省のトップ、一般の会社であれば社長なのであり、こんな態度をとる社員は部長であろうがすぐクビである。)
そうした状況の中で、長妻厚労相は連日、厚労行政に関するレクチャー(政策説明)を各担当課職員から受けている。
長妻氏の所轄分野は労働や医療など多岐にわたるため、一人で全てを網羅する(状況を把握する)のには当然無理がある。そこで長妻大臣は、新たな試みとして、レクチャーの際に党政策調査会の職員を同席させたのだが、これにも官僚たちは猛反発なのだ。
「『守秘義務の無い一般人がいるのはおかしい』というのが表向きの理由ですが、本音は単に同席させたくないだけでしょう。
官僚は膨大な説明資料で長妻大臣をパンクさせ、国会答弁や会見で失敗させようと目論んでいる。
仮に同席した職員らが政策立案に知恵を出したり、答弁資料などを考えたりすると官僚にとって都合が悪いのではないか」(民主党関係者)
後期高齢者医療制度の廃止や母子加算手当ての復活、新型インフルエンザ対応、そして年金問題など、長妻大臣が抱える課題は山積みだ。
官僚が半世紀以上にわたり蜜月関係だった野党・自民党にネガティブ情報をリークする可能性も高い。
一つでも対応を間違えば、すぐに「公約違反」「大臣失格」の烙印が押され、足をすくわれることになる。
鳩山政権の象徴的存在の長妻厚労相は官僚にとって格好のターゲットとなっている。
今後もマスメディアと一緒になって、あの手この手で“潰し”にかかるのは確実である。
狡猾官僚から目を離してはダメだ。」(日刊ゲンダイ引用終り)
前に書いたが田中真紀子氏と鈴木宗男氏が「外交には全く発揮されないが、足を引張ることに関しては天才的な能力を発揮する」外務官僚の罠に嵌まり大臣の座を追放されたが、それと同様の狡猾な罠が新政権に仕掛けられる可能性は高い。
民主党政権がこれをクリアーするためにはどうしても国民の支援・後押しが必要となる。
国民は、政官財電外の“悪徳ペンタゴン”(植草氏命名)の「新政権と国民の分離・離反作戦」に惑わされることなく、その連中を監視し、新政権を見守り、しばらくは支援していくべきだ。(ただし、国民の為にならないことには批判する見識が必要)
それが国民生活が良くなるための必須条件である。
今日はここまで、またね。