無風老人の日記

価値観が多様化し、自分の価値判断を見失った人たちへ
正しい判断や行動をするための「ものの見方・考え方」を身につけよう。

放射線の危険性について

2011年03月31日 | Weblog
計測された基準値を超える放射線量などについて政府は「直ちに健康に影響を与えるものではない。」と発表していますが、「直ちに」ではなくその後はどうなのかという説明はしていません。テレビも「基準値の1万倍の放射能検出」と騒いでいますが、放射線障害について正しい知識を説明していません。

以下に放射線の影響についてまとめて見ました。

放射線障害(被曝)は広島・長崎の被曝者の状態を追跡調査した結果により、次の様にして基準値が決められました。

1ミリシーベルト=1000マイクロシーベルトです。

3000ミリシーベルトの被曝で60日以内に約半数が死亡する。(広島、長崎の被爆者実情)

1000ミリシーベルト:癌の発生リスクが1.5倍になる(広島、長崎の被爆者の追跡データ)

100ミリシーベルト以下:40年間に癌になった人は被曝しない人に比べ2%多かった。
           (原爆で被曝した2万8千人の追跡調査結果)

この100ミリシーベルトの被曝追跡調査結果について「100ミリシーベルトの被曝により癌が増える」と言えるかどうか(40年間2万8千人の追跡調査での2%の発ガン増加が“有意”であるかどうか。2%の発ガン増が放射線被曝によるものかどうか。)はいまだに議論が続けられていますが、当時は、このデータから「健康に明らかな影響がでる」目安が100ミリシーベルトとされました。
この「健康に明らかな影響が出る」100ミリシーベルトのデータから被曝しても健康に影響を及ぼさない「一般人の許容被曝限度」を1ミリシーベルト/1年間と定められました。

但し、人は自然放射能により毎年2.4ミリシーベルト被爆し続けています。
そのため、自然放射能の被曝量と下記の医療関係による被曝を除いて年間1ミリシーベルトを許容限度としました。


※自然放射能による被曝2.4ミリシーベルト/年間

 ・棲む場所によって違いますが、おおむね±10%の範囲に入るでしょう。
 ・関西では2.6ミリシーベルトと高い。また高地に住んでいる人も高くなります。
 ・ブラジルの観光地では日本の4倍の自然放射能がありますが、観光客で賑わい、当然
  住民も暮らしているので、そこの住民は毎年日本の許容被曝限度をこえて被曝して
  いることになります。
 ・東京――ニューヨークを飛行機で往復すると0.2ミリシーベルトの被曝
 ・宇宙飛行士の若田さんは90ミリシーベルト被曝

※医療関係の被曝量
 ・胸部X線撮影    0.02ミリシーベルト
 ・胃のレントゲン写真  0.6ミリシーベルト
 ・乳房のレントゲン撮影 3.0ミリシーベルト
 ・胸部CTスキャン   5.8ミリシーベルト

尚、アメリカ国内の原子力産業従事者の年間許容被曝量は50.0ミリシーベルトに設定されています。


テレビで報道されたものをピックアップして正確な知識を伝えたいと思う。

①今回、25キロ離れた地点で屋内放射能が1時間当たり0.8から1.0マイクロシーベルトが測定されたと報道されていますが、その測定した箇所に仮に40日立っていたとして被曝量は1ミリシーベルト以下なのであわてて逃げる必要はありません。

ただし屋外の放射能は大体、屋内の80倍位なので屋内に居ることが安全です。

②ほうれん草等の野菜や牛乳から基準値を超える放射ヨウ素が検出され政府は出荷規制措置をとった、と報道されました。
③東京都の浄水場から幼児の基準値の2~3倍のヨウ素が検出され幼児に水道水は飲ませないように、と報道され、次の日には基準値以下になったので幼児が飲んでも問題ない、と報道されました。

ヨウ素はベクレルという単位(放射線の強さ)で基準値が設定されていますが、基本的には人体への影響を含めたシーベルトの基準(1年間1ミリシーベルトの許容被曝量)から割り出されています。

農作物の基準値(ベクレル)は1年間毎日一定の量(通常摂取する量)の食物を摂取し続けた場合、1ミリシーベルトを超える値です。
例えばほうれん草を毎日100グラムづつ1年間食べ続けた場合に1ミリシーベルトを超えてしまうという値が許容基準値となっているのです。
大人の基準値である300ベクレルのヨウ素を含んだ牛乳を1kg(200CCのビンを5本)飲んだとしても被曝量は胃のレントゲン検査による被曝の80分の1です。

ほうれん草から放射能汚染が基準値を超えているものがあると発表されましたが、この基準値は平常食べる量のほうれん草(100g)を1年間毎日食べた場合に、癌発生のリスクが増加する値ですので、少々食べても身体には全く影響はないと考えて構いません。牛乳についても同じです。

放射ヨウ素131の半減期(その名の通り放射線量が半分に減る期間)は8日間であり、従って東京都の浄水場の様に1日で基準値以下に戻っていたりする。
ヨウ素は水に溶け込むため水道の蛇口に浄水器を付けても効果は無い。又、煮沸しても効果は無い。活性炭はヨウ素を吸着するがその速度は遅い為、活性炭入りの容器に何日かタメ置きしておくと効果がある。

但し、細胞分裂活動が盛んな子供(特に幼児)や妊婦は大人の基準値の三分の一としている通り、子供(特に幼児)や妊婦は不必要な被曝を避けるため極力摂取は避けたほうがよい。
逆に、40歳以上の人は、ヨウ素により100ミリシーベルト被曝してもヨウ素剤を飲む必要がないといわれているのは、癌の発生率が40年間で2%しか増加しないのが根拠です。

今後は冷却作業がうまく行くかがポイントになります。
うまく行かないと蒸気爆発(注:核爆発ではない。核爆発の可能性もないとはいえないが規模は原爆のように大きくはなく限定される)により放射性物質が大量に放出される恐れがでてきます。

但しこの場合でも100km以上離れていれば、放射性物質は拡散、希釈されて到達するのであわてることはないと思います。(東京は200Km以上あるのと、風は1日の殆んど、海・太平洋に向かって吹いている)
対策としては、雨が降りはじめたら、すぐ傘をさした方がよい。放射性物質は最初の降り始めに雨にくっついて落ちてきますので。

なお、被曝には人体外部の放射性物質による外部被曝と人体に取り込まれた放射性物質による人体内部からの被曝がありますが、被ばく線量とはこの両者をあわせたものを言います。ちなみに、自然放射能による年間被曝量(2.4ミリシーベルト)の割合は、1.4ミリシーベルトが空気中のラドンによるもの(吸入による内部被曝が主)残りは ①宇宙線によるもの ②土壌に含まれる放射性同位元素によるもの ③人体に含まれる自然に存在する放射性同位元素(カリウム40)によるもの、が各々3分の1ずつとなっています。

海藻・食物・魚類への蓄積の件ですが、検出されたヨウ素131は半減期が8日であり、1月で放射能が一桁下がりますので蓄積は考えなくてもよいと思います。
セシウムは半減期が長い(30数年)のですが、主として魚の臓器に蓄積しますので、臓物部分を食べるのを避ければ被曝はずっと少なくなります。

今のところ少しくらい食べても、食べなかった場合に比べて発ガンのリスクは変らないでしょう。
というのは、今の放射性物質の摂取による発ガンのリスクより、残留農薬食品添加物の摂取のほうが発ガンリスクが高いと言えるからです。
とはいっても、無用な被曝を避けるために食べないのに越した事はありません。
(幼児の場合新陳代謝が激しいことから、大人に比べて影響を受け易いと考えられるので摂取量が大人の三分の一に定められています。)

放射能は恐いです。

でも、よく知ってから恐がりましょう。

テレビでは「風評被害が出ています」と“馬鹿な国民にも困ったもんだ”的に報道しているが、私は風評被害を撒き散らしている元凶が正確な報道をしないテレビ等マスメディアにあると思っている。

今日はここまで、またね。