前回の追伸から入ります。
日本の安倍自民党政権が、経済再生・経済最優先(アベノミクス)を掲げて政権を担当しましたが、この3年間で為してきた政策は、秘密保護法・集団的自衛権の行使容認・安保法制等々、全て『アメリカ様の御要望にお答えしてきた』ということが上の表から汲み取れると思います。
さて、日本の重要なターニング・ポイントとなった「集団的自衛権の行使容認」の閣議決定の時点に頭を戻してもう一度上の表と対比して整理して考えてください。
《朝日新聞デジタル2015年7月30日の記事》
「戦争巻き込まれ、絶対ない」首相が断言 参院特別委
新たな安全保障関連法案を審議する参院特別委員会は30日、安倍晋三首相が出席して集中審議を行った。
首相は、集団的自衛権の行使を容認しても「(他国の)戦争に巻き込まれることは絶対にないと断言したい」と述べた。
安倍内閣が従来の憲法解釈を変更して集団的自衛権の行使を認めたことに対しては、国会で野党から再三にわたって「米国の戦争に巻き込まれるのではないか」との懸念が出ている。
これに対し、首相はこの日の質疑で「今回の法案はあくまでも自衛のための必要最小限の措置だ。それが憲法の要請であり、しっかり守っていく」と強調。
日本の安全や国民の命に関わりがないにもかかわらず、他国の戦争に協力することはない、と明言した。
下の記事は長いので読み飛ばして構いません。但し、茶色の見出しだけでも見て先に進んでください。
《集団的自衛権行使容認の閣議決定時の他の報道記事》
安全保障法制の関連11法案が閣議決定されたことを受けて、安倍首相が2015年5月14日午後6時から、官邸で会見を開いた。
一定の条件を満たせば、集団的自衛権の行使が可能になると規定されているが、安倍首相はアメリカの戦争に巻き込まれることは「絶対にあり得ない」と否定した。
その上で、「日米同盟が完全に機能することを世界に発信することによって抑止力はさらに高まり、日本が攻撃を受ける可能性は一層なくなっていく」と説明した。
安倍首相が冒頭に話した内容は以下の通り。
■「“戦争法案”は無責任なレッテル張り」
70年前、私たち日本人は一つの誓いを立てました。
「もう二度と戦争の惨禍を繰り返してはならない」。
この不戦の誓いを将来にわたって守り続けていく。そして国民の命と平和な暮らしを守り抜く。
この決意のもと、本日、日本と世界の平和と安全を確かなものにするための平和安全法制を閣議決定いたしました。
もはや一国のみでどの国も自国の安全を守ることは出来ない事態であります。
この2年、アルジェリア、シリア、そしてチュニジアで日本人がテロの犠牲となりました。
北朝鮮の数百発の弾道ミサイルは、日本の大半を射程に入れてます。
そのミサイルに搭載できる核兵器の開発も深刻さを増しています。
我が国に近づいてくる国籍不明の航空機に対する自衛隊機の緊急発進、いわゆる「スクランブル」の回数は10年前と比べて実に7倍に増えています。
これが現実です。
そして私たちはこの厳しい現実から目をそむけることはできません。
ですから私は近隣諸国との対話を通じた外交努力を重視しています。
総理就任以来、地球儀を俯瞰する視点で積極的な外交を展開してきました。
「いかなる紛争も武力や威嚇ではなく、国際法に基づいて平和的に解決すべきである」。
この原則を私は国際社会で繰り返し主張し、多くの国から賛同を得てきました。
外交を通じて平和を守る。
今後も積極的な平和外交を展開してまいります。
同時に「万が一」への備えも怠ってはなりません。
そのため、我が国の安全保障の基軸である日米同盟の強化に努めてまいりました。
先般のアメリカ訪問によって、日米の絆はかつてないほどに強くなっています。
日本が攻撃を受ければ、米軍は日本を防衛するために力を尽くしてくれます。
そして安保条約の義務を全うするため、日本近海で適時、適切に警戒監視の任務に当たっています。
私たちのため、その任務にあたる米軍が攻撃を受けても、私たちは日本自身への攻撃がなければ「何もできない」「何もしない」。
これが日本自身の立場でありました。
本当にこれで良いのでしょうか?
日本近海において米軍が攻撃される。
そういった状況では、私たちにも危険が及びかねない。
人ごとではなく、まさに私たち自身の危機であります。
私たちの命や平和な暮らしが明白な危険にさらされている。
そして、その危機を排除するために他に適当な手段がない。
なおかつ必要最小限の範囲を超えてはならない。
この3つの要件による厳格な歯止めを、法律案の中にしっかりと定めました。
さらに国会の承認が必要となることは、言うまでもありません。
極めて限定的に、集団的自衛権を行使できることと致しました。
それでもなお、「アメリカの戦争に巻き込まれるのではないか?」(という)漠然とした不安をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
その不安をお持ちの方に、ここで、はっきりと申し上げます。
そのようなことは絶対にあり得ません。
新たな日米合意の中にも、はっきりと書き込んでいます。
「日本が武力を行使するのは日本国民を守るため」。
これは日本とアメリカの共通認識であります。
「もし日本が危険にさらされたときには、日米同盟が完全に機能する」。
そのことを世界に発信することによって、抑止力はさらに高まり、日本が攻撃を受ける可能性は一層なくなっていくと考えます。
ですから「戦争法案」などといった無責任なレッテル貼りは全くの誤りであります。
飽くまで日本人の命と平和な暮らしを守るため、そのためにあらゆる事態を想定し、切れ目のない備えを行うのが今回の法案です。
「海外派兵が一般に許されない」という従来からの原則も変わりません。
自衛隊が、かつての湾岸戦争やイラク戦争での戦闘に参加するようなことは今後とも決してない。
そのことも明確にしておきたいと思います。
(中略)
戦後日本は、平和国家としての道をまっすぐに歩んできました。
世界でも高く評価されている「これまでの歩み」に私たちは胸を張るべきです。
しかしそれは「平和」「平和」と言葉を唱えるだけで実現したものではありません。
自衛隊の創設、日米安全保障条約の改定、国際平和協力活動への参加、時代の変化に対応して、平和への願いを行動へと移してきた先人たちの努力の結果であると、私はそう確信しています。
行動を起こせば批判が伴います。
安保条約を改定したときにも、またPKO協力法を制定したときにも、必ずと言っていいほど「戦争に巻き込まれる」といった批判が噴出しました。
しかし、そうした批判が全く的外れなものだったことは、これまでの歴史が証明しています。
私たちは先の大戦の深い反省とともに、70年もの間、不戦の誓いを守ってきました。
これからも私たち日本人の誰一人として戦争など望んでいない。
そのことに疑いの余地はありません。
私たちは自信を持つべきです。
時代の変化から目を背け、立ち止まるのはもうやめましょう。
子供たちに平和な日本を引き継ぐため、自信を持って前に進もうじゃありませんか。
日本と世界の平和のために、私はその先頭に立って国民の皆様とともに新たな時代を切り開いていく覚悟であります。
私からは以上であります。
頭の良いエリート高級官僚が作成した文書なので、あなた(日本国民)は納得してしまうのかも知れないが、私は上の文節一つ一つにツッコミを入れたくなる。
それほど嘘で塗り固められた文言である。
今日はグッと我慢して、話を先に進める。
あなたは朝日新聞デジタルと他のネット・ニュースの見出しを見て日本のマスコミの劣化=ジャーナリズムの終焉を感じなければ、このまま、あなたやあなたの家族・子供達が地獄の苦しみを味わうことになるのだ。
見出し1:「戦争巻き込まれ、絶対ない」首相が断言
太平洋戦争後3年ほど経って文部省で作成された教科書の「報道により国民を欺く方法」の中の「報道の科学的考察」に次の様な記述がある。
(テレビ)・ラジオ・新聞・雑誌等の報道・記事の「嘘と誠」「間違った情報・プロパガンダと真実」を区別するには、受動的に与えられるそれらの報道を、冷静に考察しなければならない。
乱れ飛ぶ情報・喧伝を科学的に考察して、その中から真実を見つけ出す習慣をつけなければならない。
として、箇条書きしてある項目の中に、下の様な事が書いてあった。
三、新聞や雑誌などを読む時(テレビを見る時に)、次の様な点に注意する。
二)論説や記事の見出しと、そこに書かれている内容とを比べてみること。
記事の内容にはだいたいほんとうのことが書いてあっても、それにふさわしくない標題を大きくかかげ、読者にまるで違った印象を与えようとすることがあるから、標題を見ただけで早合点してはいけない。
「戦争巻き込まれ、絶対ない」と安倍首相が断言した、と受け取れる見出しと、記事内容の「断言したい」とでは雲泥の差がある。
もし万が一戦争に巻き込まれたとしても安倍首相は責任を追及されない。
安倍首相は「『断言したい』と言っただけで『断言する』とは言っていないよ。」でチョン。
それなのに、こんな見出しで良いのか?
次の見出しの付け方も大いに問題がある。
見出し2:“戦争法案”は無責任なレッテル張り
見出しに安倍首相や菅官房長官の言葉を大々的に掲げている。
この政府広報的な見出しには「ジャーナリストとしての矜持」は少しも見いだせない。
「無責任なレッテル貼り」が通用しているのは日本国内だけ。
海外では日本の安全保障法制をどの国も「軍事法」=正に「戦争法案」として報道している。
前に載せたので省くがイギリス・フランス・ドイツ・アメリカ、そして勿論、韓国や中国を含め世界各国が「日本は自国の軍隊を同盟国と共に海外に派兵する準備を整えた」と日本の安保法制を報道しているのだから、「戦争法案」は無責任なレッテル貼りではなく、世界共通の認識なのだ。
日本人だけが政府マスコミの手に掛かって『戦争法案』は反対の為の反対をする無責任な野党による「レッテル貼り」だと思い込まされている。『代替案』も出さない無責任政党とだらしない野党を政府マスコミは批判し続け、日本国民に定着している。
民進党がどうのこうの、共産党の策謀がどうのこうの、との報道に騙されていてはダメだ。
日本の有権者は、今の安倍独裁政治を続けさせて良いのか?の一点に絞って今度の選挙までに結論を見つけて欲しいものだ。
今の議会制民主主義の世の中では、現政権のやっている事を信任するか否か、という国民の審判を下す唯一の機会が「選挙」なのだから。
今日はタイトルのタの字にも入れなかったが、タイトルを変える気もしなくなった。それほど政府マスコミの嘘は日本国中全ての分野に広がって広範囲過ぎて纏まらない。
これからも出来るだけ地球儀を俯瞰する視点で(笑)、なるべく全体的・根本的・基本的な事柄について書いていきたい。
続きます。またね。