最初に前回のまとめをしておく。
あなたは、従来の自民党政権による景気回復策によるトリクルダウンを期待しているのだろうが、今の政治権力者と経済権力者の手によって、それが起こらないという事を早く認識して欲しいものだ。
起こらない理由は、前回書いた様に
①労働組合の弱体化・御用組合化し労使関係の「労」(働く人たちの立場)が弱くなってしまった事。
②労働法改正により、企業経営者が労働者保護に気を止めなくても良くなった事。
即ち、首切り自由法案・残業代ゼロ法案・派遣法により働く人の使い捨てが出来るようになった事。
「使」(企業)は働く人たちに「24時間・365日働け!」「お前の替りはいくらでもいるぞ!」と言える強い立場を確保。今では「日本企業全てがブラック化」と言われている。
竹中平蔵氏の新自由主義・市場原理主義は今までオブラートで包まれてきた「労使関係」をかなぐり捨て、資本主義の欠陥である「弱肉強食の世界」「強いもの勝ち」を再現させてしまった。
いまや「蟹工船」「女工哀史」の時代である。
今の働く人の4割(非・正社員)の人たちは
♪工事終わればそれっきり、お払い箱の俺たちさ♪・・・岡林信康「山谷ブルース」より
といった“日雇い”と同様の心境だろう。
さて、今日の話に入る。
海外から日本が「戦後(第二次大戦後)初めての衰退途上国」と呼ばれて久しい。
それなのに、貧困国日本は海外に30兆円も資金援助をしている。
政府マスコミの発信情報と、その解説。
■日米で世界平和に貢献←日米新防衛ガイドライン協定時の新聞一面大見出し
解説:日本がアメリカと一緒にテロとの戦いに参戦する事(アメリカを含む海外記事より)
■安倍首相が米議会で演説したとき「スタンディング・オベーションがおきた」と、その写真付きの賛辞記事。
解説:私は「へえ~」と思い「あれだけアメリカさんの利益になる発言で終始したから、そうなったのかな?」と思っていたら、何のことはない、米議会では他国のトップが演説した時には必ず「スタンディング・オベーション」をする“習わし”になっているのだそうだ。
安倍首相が何も特別にすごかった訳ではない。
すごいといえば、新聞では「安倍首相 米議会で演説」と“やったね!すごいね!”的な記事にしているが、例えば韓国はもう6回も米議会で演説しているのだ。どうと言う事はない。
■安倍首相、国会での施政方針演説(2018年1月22日)
(世界の中心で輝く日本)…官邸HPより抜粋
本年から、日本は、安全保障理事会の非常任理事国の重責を担います。
国連改革を推し進め、世界の平和と安定にしっかりと責任を果たしてまいります。
本年は(G7の議長国として)伊勢志摩サミット・アフリカの首脳たちが一堂に会するTICADの開催。「女性が輝く世界」に向けた国際女性会議も三年目。日中韓サミットも日本が議長国を務めます。
日本が正に世界の中心で輝く一年となります。
中東地域での緊張感が増しています。
全ての当事者の自制を求め、その対話を促してまいります。
・・・
国際社会と共にテロとの闘いを進めます。
水際対策の強化など国内のテロ対策、危機管理を強化し、安全の確保に万全を期してまいります。
より良い未来、より良い世界を築く、国際社会の「挑戦」に終わりはありません。
そうした世界の中で、日本はしっかりとリーダーシップを発揮してまいります。
解説:G7の議長国は持ち回り制、従ってG7に加入している日本にも議長国は順番で回ってくる。
だからといって、それだけで日本が世界のリーダーシップをとり、日本が世界の中心で輝けるはずもない。
安倍首相は「指導力があり、素晴らしい、立派だ」などといっているのは日本だけである。
私も日本人の一人として、下の様な「世界の中の日本」を書くのは嫌なのだが、政府マスコミによりファシズムが蔓延する中、現実を知ってもらいたいと思い、あえて書いておく。
《国会での演説風景》
ローマ法王
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0d/2f/a9531dbadd52cd0e575676caf2bacbd3.jpg)
オバマ大統領
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5f/b2/7fab577bab25289e4824a42a83538d08.jpg)
安倍首相…「経済…、経済…、経済…」と三連呼で始まった、と日本のマスコミが賞賛した演説
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3e/d6/02cec4e0c1b9d283d8560fd9afd5214b.jpg)
そりゃあ、ローマ法王とかオバマ大統領と比較するのは酷というものだが、安倍首相が「世界の中心で輝く日本」といい、マスコミが翼賛報道をしていて、日本人がそれを信じてしまっているため敢えて比較してみた。
日本の安倍首相が演説する段になると、出席国がゾロゾロと退席してしまったのだ。こんなことで日本が世界のリーダーとなることはありえない。
(余談)
日本では「日米関係を悪くした史上最低・最悪の首相」として定評となった鳩山由紀夫首相の海外評価。
それまでの自民党政権時代の歴代首相が「世界を動かす50人」に顔を出していなかったのだが、鳩山首相になり33位とか、別の海外調査報道では世界16位とランクアップされた。
勿論、安倍首相になって「世界を動かす50人」から外れ、日本の威信は失墜している。
私感だが、マスコミの政権交代潰し・鳩山潰しがなかったら(短期鳩山政権で終わらなかったら)、世界の日本評価はもっと高くなっていただろう。例えば、アメリカと対等の同盟関係で、アメリカの戦争を批判(小沢一郎のように)していれば、紛争当事者同士ではない第三者の平和国家として仲裁も出来、それこそ「世界平和に貢献」出来たであろう(勿論常任理事国にもなれたであろう)と残念でならない。
■安倍首相年頭記者会見(2016年1月4日)
皆様、明けましておめでとうございます。
新年を迎えた今この瞬間にも遠く離れたアフリカの地で、南スーダンの自立を助けるPKO活動に従事し、海の大動脈、アデン湾で海賊から世界の船を守る自衛隊の諸君がいます。
その強い使命感と責任感に心から敬意を表するとともに、身が引き締まる思いであります。
・・・この3年間で雇用は110万人以上増えました。
17年ぶりの高い賃上げも実現し、景気は確実に回復軌道を歩んでいます。
解説:今国会の安倍首相答弁は、「アベノミクスの成果で、企業は過去最高の収益を出している。更なる成長戦略(法人税減税等)で企業が成長し、利益を上げ、今年・来年と賃上げを行ない、新たな設備投資を活発化させて、その成長による収益の再分配で景気の好循環を作り出していく」とどの質問でもこの一点張りである。だから「質問に答えてないじゃないですか!」と質問した議員から何回も批難の声が上がっている。
企業の利益が賃上げに対応しなくなった理由はもう述べたので略すが、今度の4月の賃上げが18年ぶりの高水準になろうが、それも国をつくって来た権力者と金持ちによる貧乏人への“おすそ分け”に過ぎないのです。
海外では「日本は急速に貧困化している。」というのが常識になっています。
※OECDのデータによると、日本の貧困率は加盟34カ国中ワースト6位(16・1%)、子供の貧困率は最下位(16・3%)となっている。
(余談)この調査、最新版が2012年迄と第二次安倍政権の前の年までで、安倍政権になってから良くなったのか悪かったのかわからないじゃないか?と思って厚労省の統計をよく見たらこういった統計は3年毎の様で、今年(2016年)の統計発表待ちとなっている事が判明。
(注)貧困率とは相対的貧困率の事、説明といちいち書くのが面倒なので省略した。
子供は、40人学級だとして「一学級に6人~7人の貧困に喘ぐ子供がいる」状態だ。
母子家庭等の一人親世帯の貧困率は54.6%とOECD加盟国中、最悪・最低。
一人暮らしの女性の貧困率は下の通り33・3%(3人に一人)が貧困。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5c/16/07024a0531aba198265d66e0a834d2fc.png)
その一因となっている男女差別。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/18/cb/d92009f28eee7337bf240dc69b48ccf3.jpg)
それと、全体的には安倍首相が数十円、上げようと努力している(マスコミのように『明言している』とは言えない)最低賃金。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/d7/18b326d967f94fa51b4cf3d615d0cdb0.jpg)
この最低賃金では、円安になると庶民生活は特に辛くなる。
本当に、国民を無視し苦しめる政治を続けている政府の嘘を何から何まで書こうとするといつまでもキリがない。
最後に国会での質疑応答のサワリ部分を載せて今日はオシマイにしたい。
質疑:経済的な格差が広がって困窮する人が増えていると指摘。
安倍首相の応答:日本が貧困かと言えば、決してそんなことはない。
質疑:厚労省の国民生活基礎調査によると、日本の相対的貧困率は2012年で16.1%。
OECDの10年の統計でも、日本は16.0%と加盟国34カ国中でワースト6位だ。
今や6人に一人が貧困ではないか?(OECD資料より)
安倍首相の応答:(相対的貧困率を10.1%とする総務省の2009年全国消費実態調査を引き合いに出し)「OECDの平均より低いから、日本は世界標準で見てかなり裕福な国だ」
解説:面倒なのでデータの貼り付けのみ。(再掲)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4e/3c/445a26fa85237b12624a10180d8dfbc9.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4e/ef/18c06bcc48bda975e43831eade9d5612.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/12/f8/8f5ddf675e0e2577d96bc6d1d75ac60b.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/65/dd/e78d0dec509dacc6af233e833a5a1a41.jpg)
結語:
あなたは、まだ若く・連れ合いも健康で、両親家族も健在(精神的・肉体的にも)で、中流階級意識をもっているのかも知れないが、新聞にも出ていた様に、「年収600万円の人も一挙に貧困層に転落する」時代だということを認識しておいてもらいたい。
例えば、あなたが年取って受け取る年金。
年金だけでは生活していけないと、私の会社のOB会のほとんどの人が65歳過ぎて70歳を超えても今だに働いている。
まさに「生涯現役」で“死ぬまで働け”を強要されているようだ。(←今にこの言葉に”お国のために”が付きそうな気がする。)
(長くなるが余談)もう年金は破綻しているのだが、それに加えて官僚の天下り先である「厚生年金基金」も社保庁(旧名)と同様、やりたい放題(職員の横領等での消えた年金同様の行為)で破綻した、政府の責任なのに(決して少子高齢化のせいではない。「厚生年金分も国で払ってやるわいな。但し、厚生年金に国が補助していた部分は払わないぞ」と年金支給をカットした。知らない人は「国が肩代わりして出してくれた。助かった、よかったよかった」と国の温情に「ありがたやありがたや」と感謝したのだろうが、厚労省の天下り先だから基金と政府は一心同体なのである。
話を元に戻そう。
順風満帆のあなたは気がついていないが、例えば、私の様につれあいがガンに罹り、何とか治らないかと、民間療法やガンに効くと言われる健康食品やら薬やらを(インチキでも何でもいいから何とか治癒しないだろうかと)藁にも縋る気持ちで買い漁り服用させた。毎月手取りの2倍から3倍の金をつぎ込んだ。この様に家族が健康保険のきかない病気にかかった時とか、周りに介護が必要な親や家族が出来た時、などに思い知らされる事になる。
介護一つにしても「介護離職」の問題が発生する。あなたは裕福で職を離れてもなんともないのだろうが、上の表のように貯蓄ゼロの4割の働く人たちやワーキングプア(1139万人)の人たちが親の介護をしなければいけなくなった時のことを想像したら解ると思う
介護保険料は払っているのに介護報酬が払えない、生活がかかっているから仕事も休めない。
最近、介護疲れや本人希望の安楽死による介護殺人が増えている。もう100歳近い寝たきりの母親を80歳近い息子が殺して自分も自殺しようとしたり、といった痛ましい事件が、だ。
唐突なエンディングとなるが・・・。
何が「子育て支援のための募金を国民・企業から募る」だ!そんな無能な政府はいらない!
書いてきて、ふと、この言葉が頭をヨギったので過激な言葉だが、終わらせる区切りとした。
今日はここまで、またね。
あなたは、従来の自民党政権による景気回復策によるトリクルダウンを期待しているのだろうが、今の政治権力者と経済権力者の手によって、それが起こらないという事を早く認識して欲しいものだ。
起こらない理由は、前回書いた様に
①労働組合の弱体化・御用組合化し労使関係の「労」(働く人たちの立場)が弱くなってしまった事。
②労働法改正により、企業経営者が労働者保護に気を止めなくても良くなった事。
即ち、首切り自由法案・残業代ゼロ法案・派遣法により働く人の使い捨てが出来るようになった事。
「使」(企業)は働く人たちに「24時間・365日働け!」「お前の替りはいくらでもいるぞ!」と言える強い立場を確保。今では「日本企業全てがブラック化」と言われている。
竹中平蔵氏の新自由主義・市場原理主義は今までオブラートで包まれてきた「労使関係」をかなぐり捨て、資本主義の欠陥である「弱肉強食の世界」「強いもの勝ち」を再現させてしまった。
いまや「蟹工船」「女工哀史」の時代である。
今の働く人の4割(非・正社員)の人たちは
♪工事終わればそれっきり、お払い箱の俺たちさ♪・・・岡林信康「山谷ブルース」より
といった“日雇い”と同様の心境だろう。
さて、今日の話に入る。
海外から日本が「戦後(第二次大戦後)初めての衰退途上国」と呼ばれて久しい。
それなのに、貧困国日本は海外に30兆円も資金援助をしている。
政府マスコミの発信情報と、その解説。
■日米で世界平和に貢献←日米新防衛ガイドライン協定時の新聞一面大見出し
解説:日本がアメリカと一緒にテロとの戦いに参戦する事(アメリカを含む海外記事より)
■安倍首相が米議会で演説したとき「スタンディング・オベーションがおきた」と、その写真付きの賛辞記事。
解説:私は「へえ~」と思い「あれだけアメリカさんの利益になる発言で終始したから、そうなったのかな?」と思っていたら、何のことはない、米議会では他国のトップが演説した時には必ず「スタンディング・オベーション」をする“習わし”になっているのだそうだ。
安倍首相が何も特別にすごかった訳ではない。
すごいといえば、新聞では「安倍首相 米議会で演説」と“やったね!すごいね!”的な記事にしているが、例えば韓国はもう6回も米議会で演説しているのだ。どうと言う事はない。
■安倍首相、国会での施政方針演説(2018年1月22日)
(世界の中心で輝く日本)…官邸HPより抜粋
本年から、日本は、安全保障理事会の非常任理事国の重責を担います。
国連改革を推し進め、世界の平和と安定にしっかりと責任を果たしてまいります。
本年は(G7の議長国として)伊勢志摩サミット・アフリカの首脳たちが一堂に会するTICADの開催。「女性が輝く世界」に向けた国際女性会議も三年目。日中韓サミットも日本が議長国を務めます。
日本が正に世界の中心で輝く一年となります。
中東地域での緊張感が増しています。
全ての当事者の自制を求め、その対話を促してまいります。
・・・
国際社会と共にテロとの闘いを進めます。
水際対策の強化など国内のテロ対策、危機管理を強化し、安全の確保に万全を期してまいります。
より良い未来、より良い世界を築く、国際社会の「挑戦」に終わりはありません。
そうした世界の中で、日本はしっかりとリーダーシップを発揮してまいります。
解説:G7の議長国は持ち回り制、従ってG7に加入している日本にも議長国は順番で回ってくる。
だからといって、それだけで日本が世界のリーダーシップをとり、日本が世界の中心で輝けるはずもない。
安倍首相は「指導力があり、素晴らしい、立派だ」などといっているのは日本だけである。
私も日本人の一人として、下の様な「世界の中の日本」を書くのは嫌なのだが、政府マスコミによりファシズムが蔓延する中、現実を知ってもらいたいと思い、あえて書いておく。
《国会での演説風景》
ローマ法王
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0d/2f/a9531dbadd52cd0e575676caf2bacbd3.jpg)
オバマ大統領
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5f/b2/7fab577bab25289e4824a42a83538d08.jpg)
安倍首相…「経済…、経済…、経済…」と三連呼で始まった、と日本のマスコミが賞賛した演説
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3e/d6/02cec4e0c1b9d283d8560fd9afd5214b.jpg)
そりゃあ、ローマ法王とかオバマ大統領と比較するのは酷というものだが、安倍首相が「世界の中心で輝く日本」といい、マスコミが翼賛報道をしていて、日本人がそれを信じてしまっているため敢えて比較してみた。
日本の安倍首相が演説する段になると、出席国がゾロゾロと退席してしまったのだ。こんなことで日本が世界のリーダーとなることはありえない。
(余談)
日本では「日米関係を悪くした史上最低・最悪の首相」として定評となった鳩山由紀夫首相の海外評価。
それまでの自民党政権時代の歴代首相が「世界を動かす50人」に顔を出していなかったのだが、鳩山首相になり33位とか、別の海外調査報道では世界16位とランクアップされた。
勿論、安倍首相になって「世界を動かす50人」から外れ、日本の威信は失墜している。
私感だが、マスコミの政権交代潰し・鳩山潰しがなかったら(短期鳩山政権で終わらなかったら)、世界の日本評価はもっと高くなっていただろう。例えば、アメリカと対等の同盟関係で、アメリカの戦争を批判(小沢一郎のように)していれば、紛争当事者同士ではない第三者の平和国家として仲裁も出来、それこそ「世界平和に貢献」出来たであろう(勿論常任理事国にもなれたであろう)と残念でならない。
■安倍首相年頭記者会見(2016年1月4日)
皆様、明けましておめでとうございます。
新年を迎えた今この瞬間にも遠く離れたアフリカの地で、南スーダンの自立を助けるPKO活動に従事し、海の大動脈、アデン湾で海賊から世界の船を守る自衛隊の諸君がいます。
その強い使命感と責任感に心から敬意を表するとともに、身が引き締まる思いであります。
・・・この3年間で雇用は110万人以上増えました。
17年ぶりの高い賃上げも実現し、景気は確実に回復軌道を歩んでいます。
解説:今国会の安倍首相答弁は、「アベノミクスの成果で、企業は過去最高の収益を出している。更なる成長戦略(法人税減税等)で企業が成長し、利益を上げ、今年・来年と賃上げを行ない、新たな設備投資を活発化させて、その成長による収益の再分配で景気の好循環を作り出していく」とどの質問でもこの一点張りである。だから「質問に答えてないじゃないですか!」と質問した議員から何回も批難の声が上がっている。
企業の利益が賃上げに対応しなくなった理由はもう述べたので略すが、今度の4月の賃上げが18年ぶりの高水準になろうが、それも国をつくって来た権力者と金持ちによる貧乏人への“おすそ分け”に過ぎないのです。
海外では「日本は急速に貧困化している。」というのが常識になっています。
※OECDのデータによると、日本の貧困率は加盟34カ国中ワースト6位(16・1%)、子供の貧困率は最下位(16・3%)となっている。
(余談)この調査、最新版が2012年迄と第二次安倍政権の前の年までで、安倍政権になってから良くなったのか悪かったのかわからないじゃないか?と思って厚労省の統計をよく見たらこういった統計は3年毎の様で、今年(2016年)の統計発表待ちとなっている事が判明。
(注)貧困率とは相対的貧困率の事、説明といちいち書くのが面倒なので省略した。
子供は、40人学級だとして「一学級に6人~7人の貧困に喘ぐ子供がいる」状態だ。
母子家庭等の一人親世帯の貧困率は54.6%とOECD加盟国中、最悪・最低。
一人暮らしの女性の貧困率は下の通り33・3%(3人に一人)が貧困。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5c/16/07024a0531aba198265d66e0a834d2fc.png)
その一因となっている男女差別。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/18/cb/d92009f28eee7337bf240dc69b48ccf3.jpg)
それと、全体的には安倍首相が数十円、上げようと努力している(マスコミのように『明言している』とは言えない)最低賃金。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/d7/18b326d967f94fa51b4cf3d615d0cdb0.jpg)
この最低賃金では、円安になると庶民生活は特に辛くなる。
本当に、国民を無視し苦しめる政治を続けている政府の嘘を何から何まで書こうとするといつまでもキリがない。
最後に国会での質疑応答のサワリ部分を載せて今日はオシマイにしたい。
質疑:経済的な格差が広がって困窮する人が増えていると指摘。
安倍首相の応答:日本が貧困かと言えば、決してそんなことはない。
質疑:厚労省の国民生活基礎調査によると、日本の相対的貧困率は2012年で16.1%。
OECDの10年の統計でも、日本は16.0%と加盟国34カ国中でワースト6位だ。
今や6人に一人が貧困ではないか?(OECD資料より)
安倍首相の応答:(相対的貧困率を10.1%とする総務省の2009年全国消費実態調査を引き合いに出し)「OECDの平均より低いから、日本は世界標準で見てかなり裕福な国だ」
解説:面倒なのでデータの貼り付けのみ。(再掲)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4e/3c/445a26fa85237b12624a10180d8dfbc9.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4e/ef/18c06bcc48bda975e43831eade9d5612.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/12/f8/8f5ddf675e0e2577d96bc6d1d75ac60b.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/65/dd/e78d0dec509dacc6af233e833a5a1a41.jpg)
結語:
あなたは、まだ若く・連れ合いも健康で、両親家族も健在(精神的・肉体的にも)で、中流階級意識をもっているのかも知れないが、新聞にも出ていた様に、「年収600万円の人も一挙に貧困層に転落する」時代だということを認識しておいてもらいたい。
例えば、あなたが年取って受け取る年金。
年金だけでは生活していけないと、私の会社のOB会のほとんどの人が65歳過ぎて70歳を超えても今だに働いている。
まさに「生涯現役」で“死ぬまで働け”を強要されているようだ。(←今にこの言葉に”お国のために”が付きそうな気がする。)
(長くなるが余談)もう年金は破綻しているのだが、それに加えて官僚の天下り先である「厚生年金基金」も社保庁(旧名)と同様、やりたい放題(職員の横領等での消えた年金同様の行為)で破綻した、政府の責任なのに(決して少子高齢化のせいではない。「厚生年金分も国で払ってやるわいな。但し、厚生年金に国が補助していた部分は払わないぞ」と年金支給をカットした。知らない人は「国が肩代わりして出してくれた。助かった、よかったよかった」と国の温情に「ありがたやありがたや」と感謝したのだろうが、厚労省の天下り先だから基金と政府は一心同体なのである。
話を元に戻そう。
順風満帆のあなたは気がついていないが、例えば、私の様につれあいがガンに罹り、何とか治らないかと、民間療法やガンに効くと言われる健康食品やら薬やらを(インチキでも何でもいいから何とか治癒しないだろうかと)藁にも縋る気持ちで買い漁り服用させた。毎月手取りの2倍から3倍の金をつぎ込んだ。この様に家族が健康保険のきかない病気にかかった時とか、周りに介護が必要な親や家族が出来た時、などに思い知らされる事になる。
介護一つにしても「介護離職」の問題が発生する。あなたは裕福で職を離れてもなんともないのだろうが、上の表のように貯蓄ゼロの4割の働く人たちやワーキングプア(1139万人)の人たちが親の介護をしなければいけなくなった時のことを想像したら解ると思う
介護保険料は払っているのに介護報酬が払えない、生活がかかっているから仕事も休めない。
最近、介護疲れや本人希望の安楽死による介護殺人が増えている。もう100歳近い寝たきりの母親を80歳近い息子が殺して自分も自殺しようとしたり、といった痛ましい事件が、だ。
唐突なエンディングとなるが・・・。
何が「子育て支援のための募金を国民・企業から募る」だ!そんな無能な政府はいらない!
書いてきて、ふと、この言葉が頭をヨギったので過激な言葉だが、終わらせる区切りとした。
今日はここまで、またね。