◎ヨーガ・スートラに見る定と三昧-1
冥想の縦軸である時間的広がりは、肉体、エーテル体、アストラル体、メンタル体、コーザル体、アートマン、ニルヴァーナと七つの身体に沿って展開する。七つの身体は七つのチャクラにそれぞれシンクロしているので、この展開は、ムラダーラ・チャクラ、スワジスターナ・チャクラ、マニピュラ・チャクラ、アナハタ・チャクラ、ビシュダ・チャクラ、アジナー・チャクラ、サハスラーラ・チャクラと進むとも言える。
そしてかたや、横軸である空間的広がりが、いわば冥想の深浅高低と位置づけられる。
定と三昧は、冥想の深浅高低の基本である。定と三昧の定義は、インドで5世紀頃成立としたとされるヨーガの根本聖典であるヨーガ・スートラに、基となる説明がある。
前の6種は、定や三昧までの準備段階であり、7番目が定で、8番目が三昧である。
1.制戒(ヤーマ)
不殺生、真実、不盗、不淫、無所有の五戒を守る。
2.内制(ニャーマ)
肉体と心を清浄に保つこと。生命をつなぐに足るだけのものに満足すること(知足)。
断食その他の肉体的苦行。マントラ・ヨーガの実践(読誦)。一切万象それ自体であり、一切万象の母であり、一切それ自体万象である神への祈念(自在神への祈念)
3.坐法(アーサナ)
冥想をするのに安定した快適な坐り方
4.調息(プラーナヤーマ)
呼吸法により、粗い呼吸の流れを整えること。出息、入息、保息を行い、調気(呼吸停止まで)に進む。
5.制感(プラティーヤハーラ)
五感の諸器官が音や光などの外から来るものに惑わされず、心の動きに従うこと。
6. 総持(ダーラナ)
心を一つの場所に集中すること。
7.定(ジャーナ)
対象と心そのものが一体化すること。
8.三昧(サマディー)
対象だけになり、心をなくしたような状態。