◎幽斎と悟り
(2016-01-12)
以下は、12世紀にモーゼス・マイモニデスが著した信仰の13原則。
『私は、以下のことを確信しつつ、信仰する。
一 創造主は、存在する森羅万象の作り主であり、導き手である。
二 創造主は唯一である。その唯一性は、他の物の唯一性とはまったく異なる。彼はわれらの神であり、永遠に存在する。
三 創造主には、身体もなく、物質的な特徴もない。彼は、存在する他の何ものとも比較することができない。
四 創造主は、万物の初めであり、終わりである。
五 創造主のみに祈り、他の何ものにも祈らないのは、正しいことである。
六 預言者たちのすべての言葉は真実である。
七 モーセの預言は真実である。モーセは彼以前、および彼以後のすべての預言者たちの父(すなわち、最大の者)である。
八 われわれが今もっているトーラーは、モーセに授けられたものである。
九 トーラーが将米変えられることはない。また、創造主が将来別のトーラーを与えることもない。
十 創造主は、人々のいかなる行動も、いかなる思いも知っている。
十一 創造主は、彼の戒めを守るものに報奨を与え、それに背くものを罰する。
十二 メシアの到来は遅れているが、人はその到来をつねに待ちわびねばならない。
十三 死者は復活する。』
(一冊でわかるユダヤ教/ノーマン.ソロモン/岩波書店P219-220から引用)
全体として、幽斎志向であり、顕斎(個別的、具体的願望成就)に傾きがちな祈りのバランスをとろうとしている。トーラーの不変を云うのはトーラーの内容が永遠から来たものであることを明かす。
メシアの到来はいわゆる悟りのことであると思う。また死者の復活とは、アートマンと一体化して初めて死の世界がわがものとなり、そのことをあらゆる死者が復活すると表現したのではないだろうか。