詠里庵ぶろぐ

詠里庵

まだイギリス

2007-10-28 12:31:38 | コンサート・CD案内
での話を引きずっていますが、ケンブリッジの街で聞こえて来た音楽で、いいなと思って買ったCDを紹介します。Jacob Regnart(1540-1599)というハプスブルク家に仕えた音楽家の声楽曲。演奏者は6人組の男声合唱団で、混声かと思うような高音から低音をカバーする、ヴィブラートをかけない澄み切ったアカペラ。というとKing's Singersでしょうと思うかもしれませんが、こちらはCinquecentoという団体です。イタリア語で16世紀という意味だそうです。写真はジャケットで、CD番号はHyperionのCDA67640。

教会のようなエコーがかかっているので6人とは思えない充実した響き。和声的には、ドミナントやサブドミナントからトニックに至る機能的推移というよりは、少々サティやドビュッシーのように和声そのものの美しい響きを並べたような音楽です。もちろんルネサンス音楽としての推移規則がありますが、古典・ロマン派を基準にしての話です。曲の内容はミサ曲、ハプスブルク家の重臣を称える音楽などです。歌詞はラテン語で、ミサ曲は「キリエ、レイソン・・・」と聞き取れますが、それ以外は器楽と同様に聴くしかありません。

新譜で出たばかりということで意気揚々と買いましたが、何もイギリスで買わなくてもAmazonにありました。値段もほぼ同じです。

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