九州大学山岳部 ブログ 「QUAC blog」

日々の活動、部員の声etc... QUACの日記です。

春合宿 南八ヶ岳~赤岳・阿弥陀岳・硫黄岳~

2020年04月01日 | 春合宿
こんにちは!
新3年生の安河内です。
いよいよ部長となりましたので、今まで以上に頑張っていきたいと思います。
OBをはじめ、関係各所にはご迷惑をおかけすることもあるかと思いますが、協力いただけるとありがたいです。

さて、今回は一ヶ月以上経ってしまいましたが、春合宿のご報告です。
今合宿も天気に恵まれまして、最高の合宿となりました!

今合宿は、3年生2人、2年生1人、1年生1人の計4人での合宿でした。
活動期間は2/22~2~27の6日間。
山域は、南八ヶ岳の赤岳~阿弥陀岳と硫黄岳でした。
当初は、3年生がもう一人来る予定でして、硫黄岳~横岳~赤岳の縦走もする予定だったのですが、急遽来れないこととなり、横岳には行かないこととなりました。
不肖私も、来年の部長と言うことで、SLで参加させていただきました。


こんな具合で歩きました。ただし、硫黄岳~赤岳間は実際には歩いていませんし、八ヶ岳山荘~美濃戸山荘までの道も地図には載せていません。




○1日目
前日に新幹線で大阪まで行った後、バスと電車とタクシーを乗り継いで八ヶ岳山荘に辿り着きました。


出発前の一枚

この日は緩傾斜の斜面をダラダラと歩いただけの一日でした。ただ、汗ダラダラの方のダラダラでした。
雪は非常に少なく、今後の活動に支障が出ないか心配ではありました。

赤岳鉱泉に到着し、ここをBCとして、その後は活動しました。



○2日目
この日は、朝から天気が良くなく、3年の井上と僕だけで赤岳の偵察に向かいました。
ついでに横岳の偵察も行い、行けそうだったら翌日二人で行ってしまおう、という狙いもありました。

ですが、地蔵尾根を登ってみたら、まぁ大変。
前日夜に降った雪で地蔵尾根のトレースは完全に消えており、二人だけのラッセルを敢行しました。
距離はそう長くなかったのが幸いでしたが、辛かったです。
この降雪は、小屋の人に聞いた情報によると、今シーズン一番の降雪だったそうで、キツかったはずです・・・

そして、森林限界を抜けると、また地獄。
今度は、猛吹雪の中アイスバーンしたカチカチの雪面を歩きました。


結構怖かった時の図

ちょうど三連休の最初の日でして、他にも多くの登山客がいたのですが、その人たちと一緒に撤退しました。
地蔵の頭まで入ったのですが、とても横岳や赤岳方面には進めませんでした。
ここで硫黄岳~赤岳の縦走は断念しました。


エビの尻尾が付いて、顔の濃くなったお地蔵さん


地蔵の頭にて一枚




○3日目
前日と打って変わって、朝から天気が良かったので、この日は全メンバーで赤岳~阿弥陀岳のアタックを行いました。
ですが、行者小屋で3年の山村が体力不足から撤退。
結局、ほとんど3人でのアタックとなりました。

天気が良く、雪の状態も良かったため、昨日怖かった場所も問題なく通過し、さっくり赤岳に到着。
山頂では、富士山、御嶽山、南北アルプス、北八ヶ岳の全てが見渡せる最高の展望でした!


案外急峻な地蔵尾根の登り。


地蔵の頭から見た赤岳。


赤岳山頂にて。


富士山。実際は写真で見るより大きく荘厳に見えました。


おそらく南北アルプス。


そして、景色を堪能した後、阿弥陀岳に向かうも、途中で道間違い。
1年の河野と僕とでコンテを組んで歩きましたが、非常に怖かったです。
10~20分ほどさまよって、元の正しい道に戻りました。


よく見ると進入禁止の鎖と看板が見えます。


正しい道を進み、中岳を越えたら、阿弥陀岳です。


文三郎分岐から見た中岳と阿弥陀岳。


中岳・阿弥陀岳間も結構怖い。河野はここが怖かったと言っていました。


阿弥陀直下は非常に急傾斜ですが、今年は鎖が出ていましたので、比較的簡単に通過できました。河野には鎖にセルフを取りながら登ってもらいました。
また、鎖がなく、岩に氷化した雪が薄く付いていた箇所が、個人的には一番怖かったです。


阿弥陀岳山頂にて。


阿弥陀岳山頂からの展望。最高。


その後、恐る恐る下り、文三郎尾根からBCの赤岳鉱泉に戻りました。


中岳沢を下るルートに付いていたトレース。私たちは、雪崩を警戒して使いませんでしたが、使っている人も多かった印象があります。


文三郎尾根を下る。




○4日目
この日は、前日の天気予想から、午前中までは天気が持つだろうということで、全員で硫黄岳に登ることになりました。

道を見つけるのに若干戸惑いましたが、道を見つけてからは何の問題も無く歩けました。


硫黄岳山頂にて。


硫黄岳の爆裂火口。


硫黄岳から、横岳・赤岳・阿弥陀岳を顧みる。


帰りに少し寄り道をして、ジョウゴ沢のF1の氷瀑を見学しに行きました。
全長10mぐらいで、角度もあまりなかったです。
さらに先に進めば、F2というもっと大きな氷瀑があったそうなのですが、それを知らなかった僕たちは、あるかも分からない氷瀑を探しにさらに先に進むだけのモチベーションはなく、F1だけ見てBCに帰りました。


ジョウゴ沢のF1。




○5日目
この日は天気が悪かったので、雪訓の日としました。
赤岳鉱泉から地蔵尾根までラッセル練習を行い、地蔵尾根の途中でピッケルストップや雪洞作り、行者小屋でビーコン捜索を行う予定でした。

実際、まず、僕と河野で行者小屋までラッセルを行いました。
雪は、深いところでは腰ぐらいかそれ以上の高さまであり、結構キツかったです。





そして、行者小屋に着いて、行者小屋の広場で先にビーコン捜索を行いました。
が、4~5回繰り返して、次に進もうとしたところで、事件が発生。
なぜか、シャベルが一つ無くなったのです。
皆で20~30分ほどシャベルを探して回りましたが、一向に出てきません。
おそらく、もう少しすれば、ぼちぼち雪が溶けてきて、例の広場からシャベルが一つ出てくるのかなと思います。
とりあえず、私たちは諦めて、合宿参加者で割り勘で新しいシャベルを買うことで決着しましたが、最後にモヤモヤが残ることとなりました…

その後、天気のさらなる悪化と雪崩の発生を警戒して、雪訓を中断しました。
まぁ、しかし、実際は、モチベーションの問題が一番大きかったと思います。
やはり、雪訓を最後に持ってくるのはあまり良くないのでしょうか?

そして、そのままでは何も楽しくなくて、あまりにあんまりでしたので、前日にチラ見したF1に登ることにしました。
とはいえ、もちろんアイスクライミングの装備あるわけでもなく、平爪二本のアイゼンとピッケル二つでのクライミングでした。
小さく寝ていた氷壁でしたが、雰囲気ぐらいは感じられたと思います。
BCの赤岳鉱泉にアイスキャンディがあり、毎日登ってみたいなと思いながら見ていたので、少しでも氷を登れて良かったです。





翌日の下山が決まっていましたので、夜は4日分のペミカンと2日分の米でフードファイトを行いました。




○6日目
最終日。
今合宿一の冷え込みの中、撤収と下山をしました。
凍り付いて外れないポールの関節をペロペロ舐めた結果、ポールに張り付いた唇からの出血でポールが赤く染まりました。

そして、八ヶ岳山荘にたどり着く直前に3年山村が転んで捻挫。
最後の最後にやらかしましたが、最初にやらかした夏合宿よりはよっぽどマシだったと思います。



また、八ヶ岳山荘には温泉があり、ありがたく入浴させていただき、無事に合宿は終わりました。






今合宿では、人数があまり多くなかったことから、あまり攻めた山登りは行いませんでした。
その結果、とりあえずは体力・技術的な問題は生じなかったように思います。
ただし、生活技術に関してはその限りではありませんでした。
特に問題と思われるものは、起床から出発までのタイムラグです。
今合宿では、毎日BC発のBC着だったのですが、テントの撤収を行わなかったのにも関わらず、起床1時間後の行動開始が出来ませんでした。
おそらくは、どこかに特別な問題があるというわけではなく、行動の全てが少しずつ遅かったのだと思います。
来年はさらに人数が減ることが予想されます。生活技術という、ある意味基本的なことから、しっかりと見直していきたいと思いました。

最後に、現役の先輩方やOBの先輩方など、色々お世話になり、迷惑をおかけすることになりましたが、様々な指摘や指導をありがとうございました。
来年は苦戦が予想されますが、精一杯頑張って参りたいと思っております。
時間があれば、部会の時などにも顔を出していただければ幸いです。



https://drive.google.com/file/d/1mDZ2lqvc8c5PVdpJYStMtPz1XxEpOaJM/view?usp=sharing
ついでに、報告書のリンクです。
さらなる合宿詳細や個人・係の反省も載っています。
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