かつてのひまな野球人の記

野球が好きだった医者が書きたいことを書き散らすブログ。今は保健センター教員をしつつ神経内科医と研究者もやっています。

話術

2007年03月29日 20時11分34秒 | 雑談
ものは言いようとはよく言うが、人を相手にしなければならない以上、話術はやはり大事である。言いたいことが伝わればいいというのはもっともだが、シンプルすぎても実は言いたいことが伝わらないのではないかと思う。むしろ、曲解されるおそれが増えるのではないだろうか。つまり、言葉通りの意味以外にもニュアンスという領域があり、その部分の伝達に重大な影響を及ぼすのではないかと考える。
落語にこんな話がある。「この魚はついさっきまで生きていた」といって売り込め、という言いつけに対して丁稚は「お客さん、この魚はついさっき死にました」と言って大目玉を食らう、というもの。言葉だけをとらえれば確かに指している内容は同じだが、会話の中では言葉の意味だけではなくて様々な背景があってコミュニケーションができているわけであるから、伝えている内容にはかなり違いが見られるというわけである。
そう。これが「ものは言いよう」ということである。機械相手ならいざ知らず、相手が人間だから言い方というものに意味が出てくる。見方を変えれば、言語によるコミュニケーションを生かすも殺すも言い方次第とも言える。
だが、言い方を考えていて何も言えないようでは本末転倒である。往々にしてそういうことがあるから要注意。

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