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経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

LINEやTwitterが生み出す「同調圧力」・・・『ユリ熊嵐』

2015-01-24 03:43:00 | アニメ
 

■ 『革命少女ウテナ』や『廻るピングドラム』の幾原邦彦の『ユリ熊嵐』にはやられっぱなし ■





今期アニメの最注目作品『ユリ熊嵐』について書きたくてウズウズしていましたが、平日のオフィスでこのブログを開いた人が、ゲゲ!!とばかりに慌ててページを閉じる事必至の上の一コマ・・・。ようやく土曜日になったので、「ユリ解禁!!」です。

「ガウガウー!!」。あるとき、宇宙の彼方の小惑星「クマリア」が爆発しちゃったの。粉々になったクマリアは流星群になって地球に降り注いだんだけどぉ、そしたら世界中のクマが一斉決起!! 皆で人間を襲い始めちゃった。「オドロキー」て感じだよね。

人間たちは「断絶の壁」を作って私たちクマを人間界から追い出そうとしたけどぉ・・・でもでも、人間の作ったルールなんて通用しないんだからね。ガウ!!私達はクマ。クマは人を食べる!!


もう、冒頭のナレーションから飛ばしまくりです。

そんなある日。人間側にある「嵐が丘学園」に百合城銀子と百合ヶ咲るるという2人の転校生がやってきた。だがこの2人、その正体は「断絶の壁」を越え、人間に化けた「人食クマ」だったのです。

■ ユリアニメと思って5秒で切ろうと思ったが・・・ ■

1話の始まりは、いかにもといったユリ系女学生の日常ショット。一目でユリ物と分かる内要。だって、人物紹介のテロップに、「ユリ」って属性が書かれています。

普通なら1分で切る内容ですが、何故か1分で釘付け状態。だって・・・この演出って幾原邦彦じゃないですか!!

『廻るピングドラム』から4年で幾原邦彦の新作を見れるとは思いませんでした。

■ 「断絶の壁」とか「透明の嵐」とか、もう??? ■

3話まで見た所でようやく設定が見えて来ました。

断絶の壁の中、クマに怯えて生きる人達ですが、「嵐が丘学園」では生徒達がクマの生贄を選んでいる模様。携帯の投票で決まります。

選ばれるのは「集団から阻害された人」。

生徒達は、クマに襲われた人は、「透明でない人」だと言います。集団生活に馴染めない人、皆と協調しない人が目立つからクマに襲われるのだと・・・。

■ LINEやTwitterで絶えず「同調圧力」にさらされる子供達 ■

現代の中高生のコミニュケーションツールはLINEやtwitterです。

娘のスマホはいつも着信音が鳴り続けています。その度に娘はスマホに飛びつき、「何々ちゃん、今〇〇に居るんだって」とか「今、TVにキスマイが出ているんだって、見たいけどTV無いから見れない。もうお父さんTV買ってよ!!」なんて言ってます。

子供達は電話で話す事はほとんど有りませんが、絶えずLINEやtwitterで自分の現状をコミュニティーにアップし続けます。私から見れば、ほとんどパラノイア状態。

これらのネットコミュニティーでは「発信しない人」は「存在しない」も同然です。「透明」になってしまうのです。ですから、子供達は自分の存在を「発信」する事で保とうとしている様に思えます。

一方、これらのコミュニケーションは絶えず子供達を「同調圧力」にさらしています。子供の世界は元々閉鎖的なので、「同調圧力」を生みやすく、昔から「仲間外れ」が存在します。しかし、従来は学校から帰宅すれば個人の自由の時間でした。

ところが、LINEやtwitterの普及は、帰宅後の子供達のプライベートな時間を蝕み始めます。「友達ごっこ」が延々に朝起きてから寝るまで続くのです。

■ 阻害される「強い自我」 ■

思春期の子供達は「自我」の形成過程において、「他人と自分の差異」を自覚し、そしてそれに苦しめられます。「どうして自分は皆と違うのだろう・・」・・と。

私などは変わり者を自認していましたから20才過ぎまで、「社会に馴染めない」と悩んでいました。人と違う事で自分の存在を主張すると同時に、それがストレスでもあったのです。このブログとて、その延長に存在しているのかも知れません。(たまたま、入社した会社が変人の集まりだったので、「あれ、オレって普通じゃん」と気付きましたが・・・・)

しかし、子供の集団は「例外」を認めません。一見自由奔放に思える子供達ですが、「自我」という基準点が不明確なので、自分の存在の絶対座標を持っていません。そこで相対座標の原点を探す訳ですが、それはコミュニティーの集団的無意識によって確立しています。要は「空気」ってやつです。

「空気読めよ」とか「KY」などという言葉は最近の用語と思われていますが、子供たちのコミュニテーは昔から「空気」が支配しています。ただ、一昔前はリーダーやガキ大将が居たので、比較的「空気」が明確でした。

ところが、「平等教育」の結果としてリーダーが否定される現代においては、「空気」のコアは集団的無意識によって生み出されます。現代の子供の世界では、リーダーは「空気が読めないヤツ」として排除される傾向にあります。

かつては集団を先導していた「強い自我」は、現代においては阻害されているのです。

■ 「意味が無い」事に「意味が有る」 ■




幾原邦彦の作り出す世界は、いつもながら様式的です。リアルの対極にある世界感ですが、様式美を感じずにはいられません。

一方で色々と深読みをしたくなる幾原作品ですが、ピングドラム同様、テーマは意外にも取って付けた感が有り、むしろ「表現する事」に重きが置かれている様に感じられます。

作中で最も魅力的なのは『ウテナ』の時代からバンクシーン(変身シーンの様に、予め決められたお約束シーン)、ストーリーや展開は、バンクシーンをいかに引き立てるかという事を目的としている様に思えてなりません。

幾原作品は小劇団の演劇の手法と共通性を感じますが、実は手法では無く「表現の為の表現」という点において極めて同根の物を感じます。

価値が多様化してしまった現代においては「主義」や「主張」は十人十色で、そこに語るべき物語は既に存在しません。ただ、「神話」の様な普遍な「強い物語」は現在においても有効で、アニメやラノベがマンガが、神話的ファンタジを粗製濫造するのも、「神話」こそが最強のコンテンツだからなのでしょう。

一方で、現代において「オリジナル」のメッセージを前面に出して主張すると、万人の共感が得にくく失敗するリスクが高まります。そもそも、価値の基準が失われた社会において「主張」は極めて自己満足的要素の高い行為となります。

学生演劇などは良い例で、演劇と言うからには何か「伝えたい事」が無いと思い込んでいますが、その伝えたい事が部員の間にも共有されません。そこで「愛と勇気」みたいな使い古されたテーマを繰り返す訳ですが、彼ら自身そんな物はハナから信じていません。

これが小劇団になると、「テーマ」を無理やり貼り付けるテクニックを覚えます。ただ、問題は「テーマ」が彼らにとって重要では無く、重要なのは「表現する行為」そのものです。目的と手段が完全に入れ替わっていて、「表現」こそが彼らの目的になっています。

幾原邦彦や、彼の信望者であろう新房昭之の表現に共通するのも、「意味」の不在、或いは「表現至上主義」です。

視聴者は彼らの作品の「意味」を深読みしますし、そうしたく成る様に作品が作られいますが、実際にその「意味」など無いに等しいのではないか・・・。

要は、幾原邦彦の本当に描きたかったのは、「バンクシーンのカタロシス」では無いのか?

「バンク・シーン」は実写と違い、様式化が容易なアニメにおける独特の表現手法とも言えます。実際には制作コストを削減する為に同じシーンを繰り返し利用しているだけののですが、それだけに「バンクシーン」は予算を割いてクォリティーを高める事が可能です。

『マジンガーZ』などでも、各話の詳細は結構グダグダだったりしますが、光子力研究所のプールが割れて、マジンガーZが出現してホバーパイルダーとドッキングするシーンで視聴者は最大の興奮を味わいます。『セーラームーン』を始めとする少女アニメのハイライトが変身バンクシーンである事と同様です。

結局、バンクシーン以外に「意味が無い」事によってモワモワした気分を味わっていた視聴者は、バンクシーンにカタロシスを覚えるのでしょう。

だから『ユリ熊嵐』は無意味である程魅力が引き立つ作品とも言えます。ただ、「意味深」である事は重量で、「無意味」を自覚した瞬間に視聴者は醒めてしまいます。

■ 主題歌を歌い「ボンジュール鈴木」の「センスに溢れる無意味」 ■



主題歌を作って歌うのは「ボンジュール鈴木」。一瞬、「やくしまるえつこ」の変名かと思いましたが、ニコ動で注目された「宅録女子」だそうです。

ネットで動画を検索すると色々と出て来ますが、これがナカナカのセンスです。

YUKIやCHARAに似た「ウィスパーボイス」が、中毒性のあるエレクトロニカにベストマッチしていますが、脱力ラップは「かせきさいだぁ」や「スパンクハッピー」にも通じる言葉選びがされています。

もう、センスの塊の様な才能ですが、際立っているのは「歌詞の無意味さ」。

「相対性理論」は、脈絡の無い歌詞の相互作用によるイメージの創造というポストモダンの手法が特徴でしたが、「ボンジュール鈴木」の歌詞は、耳障りの良い言葉が漂っていますが、それは何も意味を形作る事無くフワフワと漂い消えて行きます。あたかもサウンドの潤滑油の様です。

90年代のヨーロピアン・ポップスの延長性にある音楽ですが、この圧倒的な無意味さにおいて現代的であるとも言えます。そして、それは幾原邦彦の「無意味さ」とも共通したものだとも言えます。



「かせきさいだぁ」の楽曲を歌う「でんぱ組」は聴けたものでは有りませんが、こちらは素素晴らしい!!。PVもシュールで面白いですね。

[[youtube:cZN-KJbh2lg]]

これはヤバイ。映像はトリフォーみたい。


■ 今期アニメの注目作 ■

今期アニメ、忙しくてなかなか見れませんでしがが、面白いと思った作品は・・

『冴えない彼女の育て方』は、やりつくされた感のある表現なのに・・・面白い。

『幸腹グラフティー』は岡田麿里とシャフトという信じられない組み合わせ。

『純潔のマリア』は 倉田英之と谷口吾朗という、これ又信じられない組み合わせ。

後は『夜のヤッターマン』の一話目はビックリしましたが(むろみさんの監督ですね)、2話目冒頭で視聴中止。やはりオリジナルの存在に依存し過ぎですね。『ガッチャマン』位いオリジナルを無視しなければ、オリジナルに喰われます。

『アルドノア・ゼロ』は1期で主人公が死ぬというサプライズが有りましたがが、しっかり2期では復活して無双ぶりを発揮しています。

『艦これ』は、これどうやってアニメにするの?!という内容ですが、ストパンみたいなやり方で「ありかも」と思わせる内容。ただ、1話見たら充分。

『東京喰種』はオリジナル展開ですが、もうお腹一杯で視聴中止。

『蒼穹のファフナー EXODUS(エグゾダス)』はオリジナルがあまり好きでは無いので・・・ワクワク感が無いんです。

『SHIROBAKO』『四月は君の嘘』は安定のクォリティー。ただ、サプライズは少ないかな。

と言う訳で、少々アニメを減らそうと思う今日この頃です。



<再録>ISILはアメリカの置き土産・・・混乱こそが欧米の利益を生み出す中東情勢

2015-01-24 03:03:00 | 分類なし
「イスラム国」が日本人拉致して大変な事になっていますが、そもそも「イスラム国」って何?昨年6月の記事を再度掲載します。



■ ISILって何? ■

イラク第二の都市モスルを制圧した事でにわかに注目を集めている「イラク・レバントのイスラム国(ISILまたはISISと表記)」。いったい彼らは何者なのでしょうか?


1) イスラム・スンニ派の過激武装集団
2) シリア内戦で世界中から集まった外国人戦士で構成される
3) シリア内戦で民間人を殺害するなど残虐な行動が目立つ
4) アルカイーダですらISILを敵視しシリア国内で対立している
5) シリア・イラク・ヨルダン・イスラエルに跨るイスラム国家建設を目標としている

ISILは世界中のイスラム教徒の過激な若者達が中心に構成され、シリア内戦で実践経験を積み、自分達のイスラム国家建設を夢想する集団のようです。

■ シーア派とスンニ派の対立 ■



イスラム教の2大勢力はスンニ派とシーア派です。シーア派は全イスラム教徒の10~20%と言われ、イランを中心にシリア、イラク、サウジアラビア、ヨルダン、レバノン、イエメン、トルコ、アルバニア、アフガニスタンなどの国に住んでいます。(上の地図の濃い緑色の地域)

シーア派とスンニ派は対立関係にありますが、イランやイラク以外の国では少数派です。ただ、湾岸の油田地帯に多く住んでおり、石油を巡る世界情勢において無視出来ない存在です。



http://blog.goo.ne.jp/qwerty765/e/1d9057e2041480ae43107987fd51321f より

スンニ派に対して少数派のシーア派ですが中東では大きな影響力を持っています。

・ イランはシーア派の中心国家
・ イラクはシーア派が6割で現政権もシーア派
・ シリアはスンニ派が多数派だが、アサド政権はシーア派の分派であるアラウィー派
・ レバノンのヒズボラはシーア派
・ サウジアラビアが影響力を持つバーレーンはシーア派の反乱が起きている
・ サウジアラビアの東部州の42%がシーア派
・ イエメンの40%がシーア派

中東の多くに国々ではシーア派とスンニ派がパッチワークの様に住み分けていますが、宗派対立によって国内情勢は不安定です。

国内にシーア派を抱えるサウジアラビアやトルコなどはシーア派の動向に敏感に反応します。シリアの内戦はシーア派であるアサド政権を崩壊させる為に、サウジアラビアやトルコやカタールが反体制派のスンニ派のテロリストを送り込み支援しています。

特にサウジアラビアは東部の油田地帯に多くのシーア派住民が居住している為に、ここで分離独立運動が起きると国家の存亡に関わりるので、イランを始めとするシーア派を敵視しています。

■ アメリカや欧州諸国もシーア派を敵視 ■

アメリカがイランを敵視するのは、シーア派の革命運動をイランが周辺諸国に輸出しているからです。イランはシリアのアサド政権を支援し、さらにシリアを通じてレバノンのヒズボラを支援しています。

シリアの内戦で欧米諸国がスンニ派過激勢力を支援した理由も、シーア派のアサド政権を打倒する為です。

中東においてイランとイスラエルは犬猿の仲です。イスラエルはレバノンのヒズボラをけし掛けてイランを脅かしていますし、イスラエルはイランの核武装を警戒してイラン国内の核施設を空爆して破壊しています。この様に従来はイスラエルを支援する目的で、アメリカを始めとする欧米諸国はイランを敵視して来ました。

■ 反シーア派内部の対立 ■

サウジアラビアは東部の油田地帯の独立を恐れてイランを敵視しています。ところが、最近、シーア派敵視を巡ってカタールとの対立が明確化して来ました。

シリアの内戦でカタールはアルカイーダやムスリム同胞団をも支援しています。これらイスラム原理主義者達がサウジアラビア国民を焚き付けると、サウジ王家が革命によって打倒される恐れがあります。サウジアラビアはカタールを強く非難し、大使を本国に召還するなど両国の対立は急激に悪化しています。

■ シーア派国家を支援するロ中 ■

旧西側諸国がシーア派を敵視する一方で、イランを始めとするロシアと中国はシーア派国家を支援する事で中東利権の足掛かりを築いています。敵の敵は味方という構図です。

特にシリアのアサド政権とロシアの関係は緊密で、ロシアはシリアに軍港を構えています。欧米によるアサド政権打倒は、ロシアの中東利権の切り崩しが目的であるとも言えます。

■ アメリカがイラクのISIL掃討に消極的な訳 ■

イラクのフセイン政権はイラクでは少数派のスンニ派でした。イラン・イラク戦争はシーア派によるイスラム革命をイラクに輸出しようとしたイランに対するスンニ派のフセイン政権の防衛戦争でしたが、アメリカはこの時フセインを強力にバックアップしました。

ところがフセインが自国の利益を優先してアメリカと対立すると、イラク戦争を起してフセイン政権を崩壊させます。

しかし、シーア派が最大勢力のイラクで民主的な選挙を実行すれば、イラクにシーア派の政権が樹立する事は自明の理です。

アメリカは財政的な理由によってイラクにおける軍事行動を終了せざるを得ません。一方、アメリカが居なくなれば、イラクのシーア派政権はイランとの関係を強化する事は想像に難くありません。

そこで、アメリカはISILという置き土産を残したのでは無いでしょか?

アメリカはかつてアフガニスタンでアルカイーダを養成した様に、ISILを裏から支援しているのでは無いか?

■ 中東の宗派対立こそが、欧米の中東利権を生み出す ■

イギリスを始めとするヨーロッパ諸国はかつて中東を植民地として支配していました。しかし、植民地経営は独立運動の高まりでコストの高いものとなります。

第二次世界大戦後、多くの植民地が独立しますが、旧宗主国は独立政府を影から支援する形で利権を温存してきました。


中東においても、傀儡政権を作り、石油利権を守ろうとします。その際、傀儡政権はイスラム教の少数派を選んでいます。少数派の政権基盤は不安定なので、旧宗主国やアメリカとの関係を緊密化する事で政権を維持しようとするからです。イランのパーレビ国王やサウジの王家は、こういった欧米の傀儡王家でした。

一方、エジプトの軍人ナセルは社会主義的汎イスラム主義を唱えてクーデターを起こし、欧米の傀儡政権を打倒します。汎イスラム主義は周辺諸国の若者達を刺激し、フセインやカダフィー、そしてアサドがこれに続きます。

「悪の枢軸」とアメリカに名指しされた彼らは、実は欧米から自国を守った英雄達でした。しかし、多くの部族が入り乱れ、宗教的な対立も激しい中東の国家では、民主的に国家を運営する事は不可能でした。イスラム的社会主義を夢見た若き青年将校達の夢は儚くも敗れ、彼らは独裁によってしか政権を安定させる事が出来なくなります。

独裁下したフセインをアメリカは支援します。これはイスラム原理主義勢力がパーレビ王家を打倒したイランに対抗する目的もありますが、汎イスラム主義の指導者達を懐柔する事も目的だったのでしょう。

この様に、中東諸国における部族間の対立と宗派間対立は、常に欧米諸国に利益をもたらして来ました。


TVのニュースや新聞などは、アメリカがISILを敵視していると報道されますが、中東の歴史を振り返れば、シーア派と敵対するISILこそアメリカの置き土産だという事に気づくのではないでしょうか?


本日は久しぶりに中朝情勢の妄想に浸ってみました。


<追記>

イスラム国は当初はアメリカやサウジやカタールが出資して活動を開始しました。豊富な資金で強力に武装して勢力を拡大します。欧米の若者も多数参加していますが、傭兵や特務機関の人間が多く入り込んでいるとも噂されています。

現在、原油価格は暴落というか需要を反映した価格になっていますが、それでもエネルギーを支配する者が世界を支配するという法則は不変で、中東地域の覇権は、世界の最大の関心事です。

中東やアラブが結束する事は欧米にとっては不利益であり、欧米各国にとっては「中東が結束しない事」が最大の利益になります。その為、サウジアラビアの傀儡政権とイスラエルを利用をて中東を不安定化させると同時に、アルカイーダやイスラム国などをCIAが作って、中東情勢を攪乱します。

ほとんど「茶葉」とも言えるイスラム国ですが、マスコミは「イスラム国」と呼称する事で、日本人の反イスラム意識を煽っています。そして、安倍総理に中東歴訪にタイミングを合わせた様な今回の殺人予告・・・。

ご家族の方には申し訳ありませんが、こういう「茶番」は無視するのが一番です。日本政府が身代金を払えば、今後日本人は「金づる」として彼らの標的に成り続けます。「政府が身代金を払わない」事が、イスラム国対応の「国際標準」の対応です。

「金融至上主義」がもたらす不幸・・・損失は広く浅く万人に覆いかぶさる

2015-01-22 08:49:00 | 時事/金融危機
 

忙しくてブログの更新がなかなか出来ません。
そこで、「たかやまん」さんのコメントの答えを記事としてアップします。

■ 大きく成り過ぎた金融市場は経済と社会を不安定化させる ■

「お金に働かせるのが最も効率的」というのがピケティの言う所の「資本収益率>経済成長率」ですから、投資をされている方達は、まさにそれを実践されている訳です。これは、現代のお金の殖やし方としては正しいと思います。

一方で、多くの人達が投資に走るとどうなるか?

1)市場がバブル化する事で、バブル崩壊時に実体経済が大きな悪影響を受ける。

2)本来、実体経済に投資されるべき資金まで金融市場で運用され、実体経済の成長を阻害する

3)お金を沢山持っている人が最も効率的にお金を稼げる

4)教育レベルの低い人達は、実体経済の低迷の影響を受け所得が低下する一方で、投資知識も投資資金も持ち合わせないので貧困が固定化する

5)消費性向の高い中間層から富裕層に資産移転が起こり、消費が低迷して景気が悪化する。


OECDは「富裕層の消費が中間層の所得増加を生み出す「トリクルダウン」は実際には起こらなかった。むしろ、低所得者層の教育環境の悪化が貧困を固定化する事で景気拡大を阻害している」と最新の報告書で主張しています。


■ 陰謀論的には一般投資家の多くが「カモられる」 ■

投資勝ち組から見れば、チャンスは皆に共通に与えられているのだから努力や勉強を怠ったヤツが貧乏なのは当たり前となりますね。

ここで、陰謀論的に問題を提起すると、バブルの生成と崩壊は中央銀行を始めとした通貨マフィアや金融マフィアが計画的に起しているのでは無いかという疑念。

一種のショックドクトリンとして経済危機を起して政権を転覆させたり、戦争を起す事で世界の構造を変革する原動力としたり(第二次世界大戦の遠因は世界恐慌)としているのでは無いか?或いは世界の運営資金を集める為に世界的なバブルは意図的に作られているのでは無いか・・・。

金融市場で膨らむお金は信用創造で作られた「虚構のお金」で、「本当のお金」は世界の実体経済の規模を越える事は出来ません。

ですから定期的に信用収縮が発生して(バブル崩壊)、世界のマネーはリアルマネーの規模に戻ろうとします。ただ、そのタイミングをコントロール出来れば、事前に現金化したり、金やその他の現物にして市場から資金を逃避する事が出来ます。自分達の資金を逃がした後にバブル崩壊の切っ掛けを与えれば、金融市場が実体経済を破壊すいるまで肥大化する前に市場を適正規模に縮小する事が出来ます。

この過程で多くの一般投資家が損失を発生させます。そして、さらに金融機関の損失は、投資をしなかった一般人の税金や「金利機会の喪失(低金利)」によって補てんされます。

これこそが、現代の金融至上主義の問題点なのです。当然、一般投資家でも勝ち逃げの方はいらっしゃるので、万人が損をする訳ではありませんが、損失は広く薄く世界を覆い、経済成長率を低下させます。

■ タックスヘイブンに隠された資金の分、各国の国民の負担が増える ■

さらに現代においてタックスヘイブンの逃避する資金の問題が急拡大しています。

グローバル企業は、インフラ整備の負担を各国国民に負わせ、利益の基盤としています。

1)日本の老人が投資をする
2)その資金が回り回て新興国投資に向かう
3)新興国経済が拡大し、インフラが整備される
4)グローバル企業が進出して生産設備を作る
5)現地の安い労働力で効率的に利益を上げる
6)利益の一部、あるいは多くをタックスヘイブンに隠す

確かに日本の老人も金利を得、新興国で雇用が拡大するので一見ウィン・ウィンの関係に見えます。

しかし、日本の国内では生産設備が海外に流出するので、失業率が上昇しますし、本来日本の国内で経済に貢献するはずの資金は海外の経済成長に貢献しています。

こうして、先進国では比較的資金に余裕の有る(あるいは投資ノウハウを持った)人々は、効率的に投資によって金利を獲得しますが、実体経済の成長は阻害されるので、投資を行わない一般の労働者は「不景気」の影響で職を失ったり、所得が低下します。

こうした国内経済を活性化させる為に政府が足りない需要を補う為に公共投資や福祉を拡大します。これらの元資は税金なので、負担は増税となって国民が広く浅く負担します。

一方、グローバル企業は利益を海外に滞留させて国内に持ち込まないので、相応の税金を払いません。或いは利益をタックスヘイブンに移します。

或いは、投資によって莫大な資産を獲得した一部の「富豪」達も、利益を上手にタックスヘイブンに隠したりします。

こうしてアメリカのGDPに匹敵する資産がタックスヘイブンに隠されているのが現代です。本来であれば相応の「納税」が発生する資金が、税金を逃れる事で、彼らが利益の為に利用したインフラなどの社会負担は各国の国民に押し付けられるのです。


それの何処がダメなの?
制度を利用して、最大限の利益を追求しているだけでは?
グローバル競争に日本のグローバル企業が勝てなければもっと日本は貧しくなるのでは?

これらは当然の指摘であり、世界は共通のジレンマから抜けられずにいます。
その結果、世界中で格差が拡大し、貧困層が増えている事も事実です。

マルクスは「行き過ぎた資本主義は社会を破壊する」と言いましたが、次の世界的な金融危機が発生すれば、私達はマルクスの先見性に脱帽する事になるのかも知れません。




PS

ピケティ、本屋で手に取りましたが・・・漬物石にしかなりそうにありません。簡単な解説書を買って読んだ気になるしか無い!!

シャッター商店街に馴染み始めた『輪廻のラグランジェ』

2015-01-19 04:11:00 | 自転車/マラソン
 

■ 久しぶりに鴨川に行って来た ■




日曜日は自転車の日。

朝3時に目が覚めて、アニメなど見た後に2度寝したら起きたら8時。
それから、なんとなくダラダラしていたら家を出たのは10時。

養老渓谷なら往復出来そうですが、新年になってから鴨川に行っていないので片道100Kmをアウター53t縛りで走る事にします。

追い風ですが、正月以来ロングライドをしていないので、養老渓谷には27.5Km/h(AV)で到着。足が全然回りません。

本日は暖かなので路面凍結の心配は無いハズと踏んで、鴨川へは麻綿原高原を越えて行く事にします。勿論アウター縛りで。老川十字路の先を左折して山道に入ると、一気に勾配は10%越え。足が回らない割には、重いギアーは回せます。サドルの後ろに重心を落して、足を前に踏み出す様なペダリングをすると、急斜面でもグイグイと登って行きます。ダンシングするより早くて疲労が少ない感じです。

集落を過ぎる当たりで10頭程のサルの群れが10m程前の道を横切って行きます。道の右側は3m程の崖になっていますが、自転車に驚いたサル達が慌てて駆け上って行きます。中にはズリ落ちるサルも居ます。

いつもはゼーゼー・ハーハー言いながら到着する山頂を、本日は余裕で通過して、そのまま内浦山の下り坂へ。落石に注意しながらも軽快に下ります。

浦安を出て4時間30分で安房小湊に到着。波も穏やかです。ここでカップラーメン休憩。




鴨川には3時に到着。

実は本日は4月から鴨川暮らしを始める娘のアパート(新築)の出来具合をチェックするのが目的です。前原海岸からほど近い場所のアパートは未だ外装も出来上がっておらず、本当に2月末で竣工するのか怪しい・・。

現場の写真を娘と家内にメールします。

時間は3時半なので、長狭街道を保田に抜ければ、日没までには内房に抜けられますが、何だかポカポカ陽気で気が抜けてしまい、鴨川の街をのんびり散策して電車で帰る事にします。「先週一週間、仕事が超ハードでしたし、今週も忙しそうなので、あまり疲れを残したく無いと・・・」自分に言い訳します。

■ 『輪年のラグランジェ』の風化した記憶・・・・ ■







鴨川と言えばアニメ『輪廻のラグランジェ』の聖地です。アニメで町おこしを試みましたが、成功したとは言えず、NHKのクローズアップ現代で微妙な取り上げられ方をしたせいで、なんだか失敗例の代表にされてしまった残念な企画です。

それでも、放送当時は商店会の方々も乗り気で、閉店した店のシャッターにキャラクターの絵を描いたり、店頭にラグランジェグッズを飾ったりしました。

2012年1月の放映から丁度3年が経ちましたが、シャッターの絵も、「あさひや」さんのディスプレーもそのまま残されています。少々、日に焼けて色あせていますが・・・・なんだかシャッター商店街に馴染んで来ました。ちょっとシュール。


作品自体は、「女性原理のロボットアニメ」として、日本のアニメ史に残る名作だと思うのですが、『ゼーガペイン』の様に知る人ぞ知る名作と言われる日が来る事を祈っています。

アニメ的日常とは・・・「輪廻のラグランジェ」

時代は鴨川・・・自転車に乗って「輪廻のラグランジェ」の聖地巡礼

『輪廻のラグランジェ展』 in 鴨川 ・・・ いつかは、きっと名作の仲間入り 


■ 自転車ではあっと言う間なのに、電車は長旅・・。 ■

15時53分の外房線普通電車で鴨川の駅を後にします。新浦安到着は18時35分。2時間半以上の電車移動は、とても長く感じます。自転車だと、あっと言う間に感じるのですが・・・。

本日は今年最初の鴨川詣で。
4月からは、娘の生活チェックで通う事になりそうです。
娘からは「お父さん、頼むから来ないで!!」「カギ開けないから!!」と言われていますが。

老人という資本家・・・国家は誰の物か?

2015-01-18 05:16:00 | 時事/金融危機
 

■ ピケティの『21世紀の資本論』 ■

私も未読なのですが、今話題のピケティの『21世紀の資本論』

「資本収益率が産出と所得の成長率を上回るとき、資本主義は自動的に、恣意(しい)的で持続不可能な格差を生み出す」・・こんな要約になるようです。

もう少し分かり易く言うと、「汗水たらして働くよりも投資をした方が儲かる」という事になります。当然、資本は実体経済に投資されるよりも、金融市場などで運用される機会が多くなります。

日本はバブル崩壊から一貫してこの状態が継続しており格差が拡大しています。

現代において「資本家VS国民」という従来の構図はどうやら成り立たず「資本家VS国家」という図式に変わりつつある様です。この資本家の中には、資産を多く保有する老人達も含まれるでしょう。

■ 国家を支配する資本家 ■

資本家はロビー活動で国家を支配し、税金の減免を獲得したり、さまざまな優遇処置を得ようと動きます。経団連などの活動がこれに相当します。これによって企業は利益を拡大しますが、収益を海外に保留したり、タックスブンに隠す事で正統な対価を国家に払いません。そのツケは税金として国民に回されるので、消費税増税が必要となります。

一方、国家は国民の代表でもあるので、安倍政権の様に企業の収益を労働者に還元する様に圧力も掛けたりもします。(普通では有りませんが・・・)

ただ、これも度を過ぎると、企業は人件費の増加を嫌って正社員を削減したり、あるいは海外に生産拠点を移転します。既に日本の大企業の株式の多くは、海外の投資家が握っているので、日産を例に取るまでも無く、本社の海外移転を検討すると政府を脅したりします。

■ 政治資金で政治を買収する資本家 ■

政府は企業と国民の板挟み状態にあるのですが、ここで政治とお金の問題が頭をもたげて来ます。政治にはお金が掛かるので、政治家は政治資金を提供する企業(資本家)の要求を受け入れます。一方で政権を維持する為には国民の支持が必要なので、財政を拡大して国民の人気取りをします。

■ 資本家で有り、最大の有権者である老人 ■

そして、日本における最大の資本家は老人達で、さらに彼らは最大の有権者でもあります。ここに日本の経済成長を阻害する最大の問題が潜んでいると思われます。

この構造を破壊するには・・・インフレも一つの手段ですが、企業の労働分配率が低下している現代の日本では、同時に多くの若者の生活がインフレによって苦しくなっています。これが実質賃金の低下として現れます。


あまり「世代間格差」の問題を煽ると、自分達に跳ね返って来るのですが・・・どこかで是正しなければ、日本の成長率は低空飛行を続け、出生率も低いままで、日本はどんどん衰退し続けます。


手っ取り早いのがガラガラポンですが、その場合は暴落した日本企業の株を外資が買い漁り、今よりも悪い状況に陥りそうです・・・。