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経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

ファニーメイとファニーメイの上場廃止

2010-06-17 09:43:00 | 時事/金融危機
■ ゴールドマンサックス「妖精物語」4月30日 ■




■ ゴールドマンサックス「妖精物語」5月31日 ■



以前からゴールドマンサックスの投資信託「妖精物語」の月次報告書を参照する事が多いのですが、ゴールドマンの動きの一部を垣間見る事が出来るので、個人向け投資信託のポートフォリオと言えども興味深いものがあります。

「妖精物語」の4月末と5月末のポートフォーリオを比較すると、ファニーメイとフレディーマックの住宅証券が増えている事に気付きます。この二つともAAA/Aaaですからほぼ最高の格付けとされています。

■ 上場廃止されても最高格付け??? ■

フレディーマックもファニーメイも株価が1ドルを切って、NY株式市場の上場が廃止される事が確定的です。一般的には経営破綻が確定したと言っても差し障りは無いでしょう。

2社とも事実上国営化して存続していますが、国民の税金を損失補填の為に垂れ流している状態です。その様な企業の債権の格付けがAAA/Aaaとは、いったい格付けとは何なのでしょう?

常識的な投資家であれば、これら2社の債権は事実上のジャンク債として、早々にポートフォリオから切り離すのでしょうが、ゴールドマンは直近でこれらの債権を買い増している様です。償還期限は2040年、はたしてその時までフレディーマックやファニーメイが存在しているか・・・それどころかアメリカ合衆国が存続しているかどうかも分かりません。

■ 冷え込む住宅市場 ■

4月で新規住宅購入の補助プログラムが終了した為、アメリカの住宅販売は前月比で10%の落ち込みました。これは予想された事態です。

さらに、中古住宅市場がダブツイテいる為、新築住宅販売は将来的にも低い水準の留まる事が予想されています。

これは、昨年から誰もが予想された事態ですが、アメリカの投資家や投資銀行は、税金によって水増しされた住宅着工件数に一喜一憂しながら、株価を上下させています。景気回復を演出したいのでしょうが、そんな小手先に騙される程人々は馬鹿ではありません。

今後さらなる住宅市場の落ち込みは、フレディーマックとファニーメイの経営を圧迫し続け、いつかは国民もその存続に不信を抱く日がやって来るでしょう。

■ 米英の国債の償還期日が2012年??  ■

「妖精物語」のポートフォリオをさらに見ていくと、米英仏の国債の償還期日が2012年中旬になっている事に気づきます。資源国のカナダや経済的に安定したドイツの国債が10年物で運用されているらいしい事に比べ、これらの国の国債は短期国債中心の運用されている様です。

何故2012年なのか・・・?この件はイルミナティーの陰謀論に詳しい方なら、何となく合点がいく事でしょう。世界経済の破局が2012年に起こる様に計画されているからです。

米英は当然デフォルト、ユーロも崩壊して逃げられない仏もデフォルト・・・。そんな未来が透けて見えそうです。

ドイツはユーロ離脱で辛うじて生き延び、資源国のカナダもアメリカを救う為に生き残りそうです。

たまたま2012年なのか、計画されて2012年なのか?
陰謀論を信じる者が救われるのか、それともバカを見るのか・・・・


■ 「損切り」の概念すら無い日本の老人達 ■

いずれにしても、こんな投資信託を持っていても2年後には紙切れになるのでしょう。
あるいはドルが80円を切る様な状態では、元本の回収など夢の又夢です。

「妖精物語」の様な投資信託は、年金型のファンドなので、基準価格が下がっても毎月の分配金がある限り、老人達は「儲かっている」と錯覚してこの様な投資信託を持ち続けています。

「投資」に不慣れな日本の老人達は、「損切り」という概念も無く、さらに「ポートフォーリオ」など見る事も無く、月々1万、2万という分配金で喜んでいるのです。

正義という罠・・・メキシコ湾原油流出事故

2010-06-15 01:48:00 | 時事/金融危機



■ 最近温暖化問題がトーンダウンしてしまった・・・ ■

「今年の日本の春は寒かったですね。この冬は北米各地は異常寒波だったし、温暖化ってやっぱりウソじゃない。」ねんて会話が聞こえてきそうな今日この頃です。

石油決算通貨としてのドルの機軸制を揺さぶる為に利用される「温暖化説」ですが、このところ何かと分が悪いようです。特にアイスランドで大規模な火山爆発が発生したので、今年の気温低下はほぼ確定です。大気中の塵が増えて、日射が遮られるからです。フィリピンのフィナツボ火山の噴火の年は、気温が低下しています。

■ 脱石油社会へ強引に舵を切らせる ■

「気温低下」で困るのは、温暖化問題を推進してドル離れを促したいロスチャイルドです。そこで彼らはまたもや過激な手を考え出した様です。

メキシコ湾にある、配下のブリティッシュペトロチアム(BP)の油田を破壊して原油を大量に流出させました。

何故、ロスチャイルド系のBPかと言えば、リーマンと同じ構図が見えてきます。

1) 大統領選挙でオバマは環境問題からメキシコ湾の油田に反対
2) 共和党と妥協して、深海海底油田の開発を認可
3) BP(ロスチャイルド)が原油流出事故を演出
4) アメリの深海海底油田の開発に規制が掛かる
5) 世界の深海海底油田開発を規制する機運が高まる
6) 将来的な石油供給が逼迫し、石油依存社会からの脱却に拍車が掛かる
7) 環境派を中心に、「脱石油社会」への機運が盛り上がる
8) 温暖化がクローズアップされ、石油はかつての原子力の様に「悪者」にされる
9) ロックフェラーの石油支配が揺らぎ、ドルの信認が失われる

■ 深海油田開発が中止されれば、石油の供給が不安定に ■

何故「深海油田」なのかと言えば、世界中の掘りやすい原油は既に大方掘りつくされています。自噴するような油田は勿論、浅い海底の油田も枯渇し始めました。

私たちが小学生の頃は、後50年で石油は枯渇すると言われましたが、年々新しい油田が発見され、この「石油枯渇までの年数」はいつまで経っても50年のままです。

ところが、その内容は大きく変化していて、今後算出が予想される油田は、深海であったり、オイルサンドと言って原油と砂が混じった地層だったりします。その様な採掘が困難な油田から原油を生産すると、当然コスト高になり、原油価格は押し上げられて行きます。

BPがメキシコ湾で深海石油開発を進めた様に、北海地域やその他の地域でも深海の油田は生産段階に来ています。深海油田は世界の石油供給には無くてはならないものとなっています。

■ 石油高騰が有無「脱石油社会」 ■

今回のメキシコ湾の原油流出事故は、従来の陰謀論の観点からは、「ロックフェラー派の誰かが油田を破壊して、ロスチャイルドのBPに被害を与えると同時に、原油価格の高騰を目論んだ。」となるのでしょう。

しかし、かつてのセブンシスターズと呼ばれた石油メジャーが世界の石油を支配する時代は既に終わっています。ロシアやアフリカ諸国、南米など国家が石油ビジネスに大きく介在する様になっています。

石油価格の高騰は、かつてのセブンシスターズに対しても恩恵を与えますが、その他の国家にも等しく莫大な富をもたらします。先般の原油価格高騰時のロシアやベネゼエラを思い起こせば、容易に想像が付きます。

原油価格高騰は現在においては「多極化」を後押しするのです。

さらには、石油が高騰すれば、原子力のコスト的魅力が高まります。「地球温暖化」などという婉曲な方法を用いずとも、世界は「脱石油社会」に舵を切ります。

これは、「石油決算通貨である事で価値を担保するドル」にとっては大きな痛手です。世界が石油決算用にドルを欲しなければ、ドルは暴落する恐れがあります。

■ アメリカの政治問題化される「メキシコ湾」 ■

新聞を鵜呑みにすれば、オバマはメキシコ湾原油流出事故を軽視した事により、被害を拡大させたとして、政治的責任を追及する声も高まっています。

日々TVで映し出される、「拡大を続ける汚染」や「油まみれの海鳥」に国民は釘付けです。台風情報と同じで、防ぐ手立ても無く一方的に広がる恐怖は、国民の注目を集めるにはもって来いのニュースショーです。

今、アメリカ国民が本当に心配しなければならないのは、ヨーロッパ発の金融危機第2波であり、日々破綻する地方銀行であり、崩壊する商用不動産価格であり、7月に新卒者の失業によって急増する失業率のはずです。そして何よりも、無制限に拡大する財政赤字と米国債のデフォルトを心配べきです。

しかし、メディアはメキシコ湾問題をオバマ叩きの政治ショーにしてしまい、国民はそちらに夢中です。

尤も、先日までの普天間問題に夢中だった日本国民も同様の手に引っかかっています。そして、管新内閣のご祝儀相場でしばらく盛り上げた後、国民の関心はワールドカップの以降しています。

■ メキシコ湾を石油依存社会への警鐘に摩り替えるメディア ■

さらにメディアはたたみかけます。
「メキシコ湾の事故は、石油をがぶ飲みするアメリカ社会に対する天の警告だ!!」
「温暖化の原因の石油消費を野放しにしたから、こんな事故が起こるのだ!!」
こんな論調が内外のメディアで目立つ様になりました。
読売新聞の社説までが同じ調子です。

■ ちょうど良いタイミングで起こる事故 ■

911にしても、韓国哨戒艇沈没事件にしても、今回のメキシコ湾にしても、事件や事故はいつも絶妙なタイミングで襲ってきます。
しかし、これは「危機は絶妙なタイミングで仕掛けられる」とも考えられます。

誰が一番得をしたのか?
メキシコ湾原油流出事故で将来的に損をするのはBP=ロスチャイルドか、あるいはアメリカや全世界の人々なのか・・・?

世界は裏から見れば、意外にシンプルなものです。
そして、被害者こそが犯人である事を疑うのは、ミステリーの鉄則です。

■ 「正義」という罠 ■

911と今回の原油流出事件に共通していのは、「人々は正義感から怒っている」という点です。

崩れ行くビルで逃げ惑う人々を思って怒り、重油にまみれた水鳥の姿を見て、正義の憤りを感じずにはいられません。メディアも彼らの正義を振りかざし、人々に正義を要求します。

「正義」の前では、誰もが弱いものです。特にアメリカ人は・・・。

しかし、環境問題一つ取っても、チェルノブイリやスリーマイル以降、人々に正義の怒りをぶつけられていた原子力発電所は、現在、環境活動家によって「クリーンデネルギー」と賞賛される様になりました。

一度、放射能漏れを起こせばその影響力たるや原油の比では無い原子力が、いつから「クリーン」になったのでしょう??

世界の支配者は人々の正義に訴えかけます。「地球温暖化を阻止しよう」「アラブのテロリストから無垢な命を守ろう」「石油から哀れな水鳥と海の生態系を守ろう」。

いつの時代も「正義」は騙されやすい存在です。ウルトラセブンも仮面ライダーもいつも騙され敵の罠に落ちていました。

水戸黄門だけが、善良なふりをして、「悪人」達を欺き続けます。現代の印籠こそが、温暖化問題であり、テロとの戦争でる事に人々はそろそろ気づくべきでは無いでしょうか?

「農業ファンド」は成立するのか?

2010-06-10 05:08:00 | 時事/金融危機




■ 「農業ファンド」は夢物語か ■

昨日は勢い余って「農業ファンド」なんて夢物語を書いてしまいましたが、はたして「農業ファンド」に現実性はあるのでしょうか?

「現在」を想定すれば、現実性は皆無です。

農地を買うにも法的制約があり過ぎますし、第一、農地の所有者が先祖伝来の土地を手放しません。それが例え山間の耕作放棄地であったとしても。

しかし、既存社会のシステムが根本的に崩壊するような事態が起きれば、状況は進展するはずです。

■ 食料の高騰がファンドを成立させる ■

ただ単に地方経済を貨幣経済から切り離すだけでは、「農業ファンド」の存在は脆弱です。

かりに地域内の労働対価を、お互いの労働供与で相殺したとしても、やはり貨幣に頼るケースは多く発生します。例えば、農業機械を購入したり、肥料を購入したり、ビニールハウスの暖房費はやはり「貨幣」によって支払われます。

ですから、「農業ファンド」は貨幣経済から切り離されると同時に、やはり貨幣経済の中でしか成り立ちません。

収穫の全てを現物支給してしまっては、ファンドは成立しませんから、ある程度の量は市場流通させなければなりません。しかし、現在の食料価格では多分ファンドは直ぐに経営が成り立たなくなるでしょう。

しかし、もし恐慌後の新しい社会で、世界の食料事情が激変していればどうでしょうか?現在日本は世界一安い食料を食べていると言っても過言ではありません。円がドルやユーロ、人民元やアジア通貨に対して高いので、1食298円の弁当でも十分満足する内容の食事が出来ます。

しかし、危機後の世界で「円の一人勝ち」はあり得ません。さらに、中国やインドや途上国の経済成長は、彼らの食料消費の増大を意味し、食料価格は世界的に高騰するでしょう。「弱い円」では市場で食料を買い負けるケースも多々発生します。

当然、国内食料価格も現在の水準よりも高騰し、農業は採算の取れるビジネスに変貌するでしょう。

■ 情報網の発達と流通の発達うが新たなモデルを生み出す ■

「現物支給型農業ファンド」の成立要因には、情報網の発達と流通の発達が不可欠です。

ただ単に農村を貨幣経済から切り離しただけでは、明治時代の農村に回帰するだけで「退化」でしかありません。

現代のインターネットと流通の発展があってこそ、農村と消費地をダイレクトに結びつける事が出来、広域での流通も可能になります。

さらには、インターネットによって「農村からの情報発信」や「コミニュケーション」も可能です。自分達が所有する作物の生育状況を日々確かめたり、家畜の餌を食む姿を眺めたりするのも楽しみの一つです。

■ ファンドの資産は農地と人材 ■

仮に現在、あるいは近い将来にある程度のまとまった資金をファンドが集めたとして、その資金を「貨幣」あるいは「預金」で管理していては、インフレが襲来すれば、その資金も目減りしてしまいます。

ですから、ファンドは集めた資金を価値の保全される資産に変える必要があります。
それは、農地と人材、そしてノウハウです。これは漁村でも同じ事が言えます。

農地は将来においてもある程度の価値は保全され、食料が高騰すれば価値が増大します。

人材は、「志と能力の高い失業者」を安価に集められる大失業時代が到来するかもしれません。

ノウハウは今後成長が予想されるアグリビジネスの会社の株が底値になった時に購入するという手も可能です。

■ 現在は成立しないファンド ■

農地の自由な売買が制限されている現在においては、ファンドの設立は不可能です。ファンドが農地を所有する事でしか、このファンドは成立しません。

さらに、都会で集金した税金を、地方にばら撒く事で政治家が利権を確保している現在、都会の人とカネがダイレクトに地域と結びつくファンドは、政治家にとって目の上のタンコブです。

更に、物々交換の社会では税収が上がりませんから、社会主義的大きな政府を目指す現在の民主党では、この様な大胆な社会構造の変革は肯定されません。

■ 社会保障費の負担を軽減するファンド ■

日本国家は将来増大する高齢者の、年金と生活を守る義務があります。
しかし、従来の制度では、いつまで経っても高齢者は、国家財政の負担でしかありません。

しかし、高齢者の持つ「富」を、国家という不効率な調整機関を介して地方に分配していては、都会と地方の格差は永続的に埋める事は不可能です。あらに、効率的な地方の発展は決して望めません。

「農業ファンド」が優れた経営者によって運営され、ファンドの出資者も生産者も積極的にファンドの運営に携われば、きっとファンドは国家よりも効率的に機能するでしょう。これは将来的な社会保障費の軽減にも繋がります。

■ 政治のビジョンが必要? ■

一口に「農業ファンド」と言っても、それが資産家達の資産運用の一形態ではそ、貧富の差を固定化するだけで、安定した存続は不可能です。

将来的な国家のシステムを含め、日本人の持てる英知を結集して、設立、運営に当たれば、成功するかもしれません。

しかし、競争原理や経営感覚を欠いてしまえば、かつてのコルホーズやソホーズ、国営農場の二番煎じになって、生産性の低下しか生み出しません。

日本の民主党、あるいは将来の政権が、「古い資本主義」にも「古い社会主義」にも縛られずに制度改革を行えば、新たな時代が開けるのかもしれません。

風邪気味なので、昨日に続いて、妄想が暴走してしまいました。

価値の保存

2010-06-09 17:52:00 | 時事/金融危機




■ 金は価値が保存されるのか? ■

「世界恐慌」が訪れるかどうかは、神のみぞ知るですが、我々は生活の為に自分たちの資産をなるべく減らさないで保全しなければなりません。

「金」は一つの回答かもしれませんが、誰もが思いつく方法なので、あまりにも解答として簡単過ぎて足を掬われる気がします。

「金」で失敗するケースとしては、「金の国家統制」が真っ先に考えられます。1920年の世界恐慌でも日本を初め世界各国は「金兌換通貨」を一時試みて、通貨防衛を図りました。結果的に流動性を阻害して、経済崩壊を加速する結果となった様ですが、今回の危機に際しても緊急避難の方法として、一時的な兌換制の復活は十分に考えられます。

「金兌換制」の復活に際しては、各国政府が十分な金を備蓄している事が重要です。各国は金の備蓄量に相当した通貨しか発行できませんから、国民から「金」を安価で供出させる事は予想の範囲内です。この際、金の自由市場は一時凍結させないと効果がありませんから、金は持っていてもしばらく換金出来ない状態になるでしょう。韓国の通貨危機の際には、韓国国民は自発的の手持ちの金を国家に供出しました。

「金」自体の価値は決して無くなる事はありませんが、「金の国家統制下」においては金の流通の自由度は大きく減少し、高値で購入した金が損失を被る事も起こりうるかもしれません。

尤も「金」の素晴らしさは、コンパクトに価値を集約出来る点で、要は「隠せる」点にあります。10年、20年の内には統制も解除されるでしょうから、それまで天井裏にでも隠しておく人もいるでしょう。さらには「闇の金市場」で換金する事も出来るでしょう。ですから、今「金」を買う事は決して無駄にはなりませんが・・・それなりの覚悟も必要です。

■ 「食料」による価値の貯蔵 ■

「恐慌」が訪れても人は生きていかなければなりません。
「金」が無くても人は生きていけますが、「食べ物」が無ければ人は生きていけません。

戦後の混乱期には、「食料」の相対的価値が飛躍的に高まっています。イギリスでは家を売ったお金でバターが半パウンドしか買えなかったという話も聞きます。日本でも「闇市」で食料は有利な商品でした。

年率1000%のインフレが起きたと想定します。米1Kgが現在1000円で買えたとして、1年後には1万円になっています。2年後には10万円になっています。まあ、これは極端な例ですが、生活必需品の価格はインフレによって最も確実に高騰します。

食料は土地や株に比較しても確実に価値が貯蔵できるものの一つです。

■ 年金生活者を直撃するインフレ ■

インフレが最も影響を与えるのは年金生活者と失業者です。
日本の年金は物価スライド方式が採用されていますが、財政が破綻しかけた状態でどこまでこれが実行されるかは甚だ疑問です。

そもそも、老人福祉のコストから財政を救う為のインフレですから、老人に手厚く年金を積む事は考えられません。

日本国債のデフォルトや、インフレは貯蓄を沢山所有している老人世代から、若者世代への所得移動の手段ともなるのです。

「恐慌」による銀行破綻が進行すれば、老人達(私達も)は預金を引き出す事も出来ない内に、窓口封鎖から金融機関の倒産へと事態は進展するかもしれません。仮に金融機関が生き延びたとしても、ペーパーマネーが信用を失っていれば、預金は大分目減りしている事でしょう。インフレは金融機関にとっては有利に働くのです。

■ 食料は備蓄出来ないが、農業生産は備蓄できる ■

旧ソ連崩壊に伴う年金崩壊で、ロシアの老人達が生き延びられた理由の一つに、年近郊の家庭菜園の存在が挙げられます。ロシア人は土日を都市近郊の自家菜園で過ごす伝統があり、この自家菜園で年金崩壊後の老人は自給自足をしたと言われています。

年金が崩壊したら、日本の老人は同じ様に田舎で自給自足が出来るでしょうか?
終戦直後の世代はまさに親戚を頼って田舎に行った方も多いと聞きますが、今の日本の老人に農作業は無理です。

それでは来るべきインフレと食料高騰に備えて、今のうちに食料を備蓄しておくべきでしょうか・・・・。これは無理です。食料は場所を取りますし、適切は保冷施設が無ければ米とて長期間保存する事は出来ません。

しかし、考え方をちょっと変えれば、食料は備蓄出来ませんが、農業生産は備蓄出来ます。農地は毎年、ある程度決まった収穫を約束してくれます。





■ 農地に出資し、将来的な生産を確保すれば価値は保存出来る ■

1) 老人の貯金が紙切れになる前に、そのお金を今引き出す。
2) 「農業ファンド」を立ち上げ、休耕地など耕作地を買い上げる
3) ファンドの資金で農地を整備する
4) ファンドの資金で農家を助成する
5) ファンドの資金で若者を安く雇用する(場合によっては外国人でもOK)
6) ファンドのリターンは「新鮮な野菜やお米」の現物とする
7) 老人が亡くなった場合は、ファンドの権利は相続される

どうでしょう、子や孫にこの権利が相続出来て、取れたての美味しい野菜や果物やお米が確保出来れば、たとえ「恐慌」や「高インフレ」がやって来なくても損はしないと思います。

さらには、農村の環境整備の一環として、宿泊施設を完備して「農業体験」が出来るなんていうのも楽しいでしょう。

■ 「現物支給」こそが価値を保全する ■

以上は農業に限った事ではありません。インフレの時代においては、現在の価格で将来の現物の権利を確保する事でしか、資産価値が保全できないのです。

ですから、中国の様に、大量に保有するドルを、価値が下がる前に鉱山に変える政策は非常に理に適っています。しかし、海外の鉱山を保有する場合は、政治的リスクを伴います。ロシアの様に、採掘権を取り消されるケースは十分に想定内です。

その点、国内の農業が出資先なら、政治的リスクは軽減されます。冷害や口偶疫のような想定外の事態もありますが、ファンドを大型化し、全国に分散投資しておけば、ある程度のリスクはヘッジ出来ます。

■ 福祉政策と地方再生、環境保全で一石三鳥 ■

「現物支給型農業ファンド」は、今あるお金を将来の国民と国土の為に使うファンドです。

1) 今後予想される大量の若年失業者の受け皿になります。
2) そこそこに低い生産性により、休耕地を農地に回復します
3) 高齢化した山間部の集落を、若年労働力によって救います。
4) 「農村」という日本の原風景を保全します。
5) 地方経済を金銭経済から切り離し、現物経済に戻します。

アレ?良い事ずくしの様な気がしてきました。

ミソは「そこそこに低い生産性」と「貨幣経済からの切り離し」です。
これらは、近代資本主義に逆行しますから、多くの人が疑問を持つかもしれませんが、
農村が疲弊したのは、貨幣経済が農村にまで浸透したからです。

■ 貨幣こそが国民を奴隷化した ■

中央銀行が発行し、全国つつ浦々で流通する「貨幣」は便利な代物です。しかし、農村のきれいな空気は、貨幣に換算できません。きれいな水も、ゆったりとした時間の流れも、換金する事は出来ません。

何故農村や地方が疲弊したかと言えば、「農村の有する豊かさが貨幣に換算出来ない」からです。

現在の「お金至上主義」の呪縛から解き放たれなければ「現物支給型農業ファンド」は、新たな年貢制度と小作制度に成り下がります。

農村、あるいは漁村で働く者達が、金銭以上の価値を、環境や地域社会に見出せなければ、ファンドは成り立ちません。

■ 意識革命を生み出す「世界の崩壊」 ■

新たな「世界恐慌」と社会秩序の崩壊は、必ずや意識革命を生み出すでしょう。

明治維新と第二次世界大戦後の意識革命は、西洋文明への敗北によってもたらされた意識革命です。おのずと、西洋の優れたしシステムを取り入れる方向で革命は進行します。

しかし新たな「世界恐慌」は、西洋文明の敗北を意味します。そこからもたらされる意識革命は、反動的になるでしょう。ある一部の人たちは、都会の生活から田舎の生活に憧れるでしょう。

■ 「新世界秩序」からの独立 ■

今後成立する「新世界秩序」の力の源は、やはり「お金」です。「金兌換制」が復活すすれば、「金」がその源になります。

「金」を手元にも持たない私達は、「新世界秩序」にかしずいて、「従順な羊」となるか、あるいは新たな価値観を獲得して、「野のウサギ」になるかくらいの選択権は持っているかもしれません。

当然、支配者は従来通り「貨幣による支配」を強めていくでしょう。
「野ウサギ」になるのも楽ではありません。

・・・・まあ、いい年をこいたオヤジの戯言です。

新世界秩序運営の為の税金

2010-06-08 09:37:00 | 時事/金融危機

■ 世界は不幸になっているのか ■

「ロスチャイルドの陰謀論」や「世界恐慌」について語る時、我々は否定的な物言いになってしまします。

今の生活が苦しいのは「イルミナティーの陰謀のせいだ」とか「ロスチャイルドが金融バブルを崩壊させた」からだと考えると、少しガス抜きになり、諦めもつきます。

しかし、世界は彼らのせいで本当に不幸になっているのでしょうか?

■ もし核兵器と冷戦が無かったら ■

第二次世界大戦後、世界は大きな転換点を向かえます。

それまでの列強諸国の帝国主義は影をひそめ、国際連合を国家間の利害の調整の場として用いる様になりました。

一方、東西対立と核兵器の存在は、大国間の戦争が不可能である事を決定付けました。

イルミナティーは「世界政府」を標榜し、マルクスやトロキーを支援して「社会主義」を作った集団と言われています。彼らが、国連や東西冷戦を用意しなければ、帝国主義の歴史はもっと長く続き、第二次世界大戦よりも多くの人命が失われていたかもしれません。

■ 悪乗りしたのはロックフェラー ■

イルミナティーの掲げると言われる、「世界政府」も、「人口抑制」も、資源が有限な地球で人類が存続する為には不可欠な要素です。

アメリカで台頭した新興勢力のロックフェラーは、その為の汚れ仕事を引き受けてきたとも言えます。限定的な戦争は東西冷戦にリアリティーを与える為には不可欠でしたし、WHOを利用した種々の人口抑制の為の試みも、最貧国の人口抑制と社会維持の為には必要だったのかも知れません。

しかし、彼らは力を持ち過ぎ、「世界の覇権を握ろうと」します。産業界や金融界で大陸系の資本であるロスチャイルド系企業と対立し、それを凌駕するようになります。しかし、大陸系のロスチャイルドが50年、100年というスパンで物事を考えるのに対し、成り上がりのロックフェラーは性急に事を進め過ぎて自滅して行きます。金融を利用した世界支配に精通した大陸系資本は、徐々にロックフェラー潰しを進めていました。

■ 世界の新たな秩序 ■

第二次大戦以降に形作られた「世界秩序」は、戦後50年以上建って、制度疲労を起こしてきます。ドルを中心とした修正ブレトンウッズ体制は、アメリカ一国の消費に支えられてきた為に維持不能の状態ななてしまいました。

さらに、先進国では高齢化が進み、将来的な経済成長の牽引者となり得ない状況が目に見えています。

そこで、世界を動かす者達は、ロックフェラーに見切りを付け、「新たな世界秩序」を模索し始めます。これは「パパ・ブッシュ」が唱えたアメリカの一国覇権による「新世界秩序」では無く。多極型の「新世界秩序」となるでしょう。

その為には、アジアやアフリカ、中南米の経済成長が不可欠です。

■ 世界運営の税金としての「恐慌」 ■

1920年代の世界恐慌が、ロックフェラーの台頭を促したように、今回の「恐慌」は大陸系資本(ロスチャイルド)の復権を特徴つけるでしょう。

「恐慌」を利用して先進国から吸い上げられた「富」は、新たな世界構築の原資として利用されるのでしょう。

言うなれば、我々を世界の為の「税金」を払う事になるのでしょう。
これは当然、豊かな国に課せられる「税金」です。

■ 国民国家の枠を超えて、世界はなし崩し的の統合していく ■

ユーロの失敗を例に取るまでも無く、国民国家の枠は未だに顕著で、現時点で「世界政府」や「世界政府への税金」に合意が得られるはずはありません。

しかし、「恐慌」という手段によって、我々は自動的に「徴税」され、国家は死活を掛けて地域連合はの一歩を踏み出すのでしょう。今はもめているEUも、危機が深化する過程で、政治的統合を含めた一体化を余儀なくされていくでしょう。

アジアにおいても、中国を中心とした力強い経済圏が出現し、日本はアジアの一国としてその中に取り込まれて行くでしょう。

■ ロックフェラーの抵抗 ■

この経済を利用した覇権の移譲に、旧覇権勢力であるロックフェラーの一部の勢力は抵抗を試みるでしょう。朝鮮半島で有事を企てたり、中東情勢を不安に陥れたり画策するかもしれません。

しかし、韓国の地方選挙で与党が大敗をした様に、ネット世代を中心に「戦争による世界秩序の維持」に人々は反対を表明し始めました。結局、彼らの試みは不発に終わり、いつか911の真相も暴かれる時がやってくるでしょう。

■ 石油を巡る攻防 ■

ロックフェラーとドルの力の源は「石油」です。ロスチャイルドは配下のBP(ブリティッシュ・ペトロチアム)を利用して、石油の時代に楔を打ち込もうとしています。

メキシコ湾の深海で発生した石油流出事故は、深海油田開発の危険性を人々に植え付けました。オバマは暫定的に深海油田の開発に規制を掛けた様ですが、今後、これが世界的な規制強化に繋がる可能性も否定出来ません。

現在、北海油田を始め浅い海底の油田は、開発されつくされ、深化油田の開発が石油確保には不可欠です。しかし、それにストップが係り、石油の将来的な供給不安が高まれば、脱石油社会の構築に弾みがかかります。

石油から原子力への転換は、社会の大きな流れになっていますが、脱石油社会の構築は、石油を後ろ盾とするドル(修正ブレトンウッズ体制)の機軸制を大きく揺るがす事になります。

■ 来るべき世界 ■

「恐慌」の後の来るべき世界がどの様な姿にあるかは不明ですが、私達は「税金」を納めてちょっと貧しくなるでしょう。

そして、上手く行けば世界全体はほんの少しだけ幸せになるかもしれません。

はたして、5年後の世界がどうなっているのか、楽しみです。