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正義という罠・・・メキシコ湾原油流出事故

2010-06-15 01:48:00 | 時事/金融危機



■ 最近温暖化問題がトーンダウンしてしまった・・・ ■

「今年の日本の春は寒かったですね。この冬は北米各地は異常寒波だったし、温暖化ってやっぱりウソじゃない。」ねんて会話が聞こえてきそうな今日この頃です。

石油決算通貨としてのドルの機軸制を揺さぶる為に利用される「温暖化説」ですが、このところ何かと分が悪いようです。特にアイスランドで大規模な火山爆発が発生したので、今年の気温低下はほぼ確定です。大気中の塵が増えて、日射が遮られるからです。フィリピンのフィナツボ火山の噴火の年は、気温が低下しています。

■ 脱石油社会へ強引に舵を切らせる ■

「気温低下」で困るのは、温暖化問題を推進してドル離れを促したいロスチャイルドです。そこで彼らはまたもや過激な手を考え出した様です。

メキシコ湾にある、配下のブリティッシュペトロチアム(BP)の油田を破壊して原油を大量に流出させました。

何故、ロスチャイルド系のBPかと言えば、リーマンと同じ構図が見えてきます。

1) 大統領選挙でオバマは環境問題からメキシコ湾の油田に反対
2) 共和党と妥協して、深海海底油田の開発を認可
3) BP(ロスチャイルド)が原油流出事故を演出
4) アメリの深海海底油田の開発に規制が掛かる
5) 世界の深海海底油田開発を規制する機運が高まる
6) 将来的な石油供給が逼迫し、石油依存社会からの脱却に拍車が掛かる
7) 環境派を中心に、「脱石油社会」への機運が盛り上がる
8) 温暖化がクローズアップされ、石油はかつての原子力の様に「悪者」にされる
9) ロックフェラーの石油支配が揺らぎ、ドルの信認が失われる

■ 深海油田開発が中止されれば、石油の供給が不安定に ■

何故「深海油田」なのかと言えば、世界中の掘りやすい原油は既に大方掘りつくされています。自噴するような油田は勿論、浅い海底の油田も枯渇し始めました。

私たちが小学生の頃は、後50年で石油は枯渇すると言われましたが、年々新しい油田が発見され、この「石油枯渇までの年数」はいつまで経っても50年のままです。

ところが、その内容は大きく変化していて、今後算出が予想される油田は、深海であったり、オイルサンドと言って原油と砂が混じった地層だったりします。その様な採掘が困難な油田から原油を生産すると、当然コスト高になり、原油価格は押し上げられて行きます。

BPがメキシコ湾で深海石油開発を進めた様に、北海地域やその他の地域でも深海の油田は生産段階に来ています。深海油田は世界の石油供給には無くてはならないものとなっています。

■ 石油高騰が有無「脱石油社会」 ■

今回のメキシコ湾の原油流出事故は、従来の陰謀論の観点からは、「ロックフェラー派の誰かが油田を破壊して、ロスチャイルドのBPに被害を与えると同時に、原油価格の高騰を目論んだ。」となるのでしょう。

しかし、かつてのセブンシスターズと呼ばれた石油メジャーが世界の石油を支配する時代は既に終わっています。ロシアやアフリカ諸国、南米など国家が石油ビジネスに大きく介在する様になっています。

石油価格の高騰は、かつてのセブンシスターズに対しても恩恵を与えますが、その他の国家にも等しく莫大な富をもたらします。先般の原油価格高騰時のロシアやベネゼエラを思い起こせば、容易に想像が付きます。

原油価格高騰は現在においては「多極化」を後押しするのです。

さらには、石油が高騰すれば、原子力のコスト的魅力が高まります。「地球温暖化」などという婉曲な方法を用いずとも、世界は「脱石油社会」に舵を切ります。

これは、「石油決算通貨である事で価値を担保するドル」にとっては大きな痛手です。世界が石油決算用にドルを欲しなければ、ドルは暴落する恐れがあります。

■ アメリカの政治問題化される「メキシコ湾」 ■

新聞を鵜呑みにすれば、オバマはメキシコ湾原油流出事故を軽視した事により、被害を拡大させたとして、政治的責任を追及する声も高まっています。

日々TVで映し出される、「拡大を続ける汚染」や「油まみれの海鳥」に国民は釘付けです。台風情報と同じで、防ぐ手立ても無く一方的に広がる恐怖は、国民の注目を集めるにはもって来いのニュースショーです。

今、アメリカ国民が本当に心配しなければならないのは、ヨーロッパ発の金融危機第2波であり、日々破綻する地方銀行であり、崩壊する商用不動産価格であり、7月に新卒者の失業によって急増する失業率のはずです。そして何よりも、無制限に拡大する財政赤字と米国債のデフォルトを心配べきです。

しかし、メディアはメキシコ湾問題をオバマ叩きの政治ショーにしてしまい、国民はそちらに夢中です。

尤も、先日までの普天間問題に夢中だった日本国民も同様の手に引っかかっています。そして、管新内閣のご祝儀相場でしばらく盛り上げた後、国民の関心はワールドカップの以降しています。

■ メキシコ湾を石油依存社会への警鐘に摩り替えるメディア ■

さらにメディアはたたみかけます。
「メキシコ湾の事故は、石油をがぶ飲みするアメリカ社会に対する天の警告だ!!」
「温暖化の原因の石油消費を野放しにしたから、こんな事故が起こるのだ!!」
こんな論調が内外のメディアで目立つ様になりました。
読売新聞の社説までが同じ調子です。

■ ちょうど良いタイミングで起こる事故 ■

911にしても、韓国哨戒艇沈没事件にしても、今回のメキシコ湾にしても、事件や事故はいつも絶妙なタイミングで襲ってきます。
しかし、これは「危機は絶妙なタイミングで仕掛けられる」とも考えられます。

誰が一番得をしたのか?
メキシコ湾原油流出事故で将来的に損をするのはBP=ロスチャイルドか、あるいはアメリカや全世界の人々なのか・・・?

世界は裏から見れば、意外にシンプルなものです。
そして、被害者こそが犯人である事を疑うのは、ミステリーの鉄則です。

■ 「正義」という罠 ■

911と今回の原油流出事件に共通していのは、「人々は正義感から怒っている」という点です。

崩れ行くビルで逃げ惑う人々を思って怒り、重油にまみれた水鳥の姿を見て、正義の憤りを感じずにはいられません。メディアも彼らの正義を振りかざし、人々に正義を要求します。

「正義」の前では、誰もが弱いものです。特にアメリカ人は・・・。

しかし、環境問題一つ取っても、チェルノブイリやスリーマイル以降、人々に正義の怒りをぶつけられていた原子力発電所は、現在、環境活動家によって「クリーンデネルギー」と賞賛される様になりました。

一度、放射能漏れを起こせばその影響力たるや原油の比では無い原子力が、いつから「クリーン」になったのでしょう??

世界の支配者は人々の正義に訴えかけます。「地球温暖化を阻止しよう」「アラブのテロリストから無垢な命を守ろう」「石油から哀れな水鳥と海の生態系を守ろう」。

いつの時代も「正義」は騙されやすい存在です。ウルトラセブンも仮面ライダーもいつも騙され敵の罠に落ちていました。

水戸黄門だけが、善良なふりをして、「悪人」達を欺き続けます。現代の印籠こそが、温暖化問題であり、テロとの戦争でる事に人々はそろそろ気づくべきでは無いでしょうか?