人力でGO

経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

ちょっと市場が混乱してますね・・・メモ

2014-10-02 10:18:00 | 時事/金融危機
 

アメリカの利上げ予測でドル回帰が始まっていますが、

でも、米国株もそろそろ怖い水準だし、
ジャンク債市場はもっとヤバイ。
新興国や現物市場は総崩れだし。

仕方無いから米国債にでもするか・・・。
でも、金利上昇が怖いな・・・。


まあ、そんなこんなで株式市場を始め、
混乱し始めているのでしょう。


何だか、昨年5月のバーナンキショックに似て来ました。
こういう「プチ危機」を何回か経験する内に、
市場はだんだんと「利上予測」に慣れて来るのでしょうが、
テーパリングと違うのは、確実に低利の資金供給が減る事。

FRBはアクセルとブレーキを上手に使いながら、
徐々に金利を上げて行くのでしょうが、
一番弱い所から市場は崩壊し始めます。

米国債にストレスが掛かる様な事態になれば
アメリカの金融機関はヨーロッパの国債市場を攻撃し始めるので、
南欧国債の金利が一つのバロメーターになりそうですが・・・。
スコットランドの独立運動の自作自演でイギリスが火付け役となり、
スペインなどで混乱が生じれば、ギリシャ危機の再来となるのか?

ECBが量的緩和に追い込まれるというヤラセのシナリオなのでしょう。

リーマンショック時と違うのは進行国の経済成長が鈍化している事。
特に中国が微妙な雰囲気を漂わせ始めました。

香港のデモの武力鎮圧は、世界に与える影響が大きくて出来ませんが、
これが長引いて本土に飛び火する事を共産党政権は一番恐れています。
最後は民主的な候補者の容認で妥協すると思われますが、
共産党政権の綻びの始まりとなるのか・・・。


メモ程度の妄想。

ODAは無駄なのか・・・お金はツールである

2014-10-02 08:35:00 | 時事/金融危機
 

■ 安倍総理のバラマキ外交と揶揄されるODA ■

国連総会に出席した安倍総理ですが、気前よくODAをばら撒いて来たと評されています。

「安倍総理が外国にばらまいたお金」(NAVERまとめ)より
http://matome.naver.jp/odai/2140534172534430801

▼ミャンマーに日本への支払いが滞っている債務のうち新たに2000億円を免除しおよそ5000億円の債務を解消円借款と無償資金協力を合わせて総額910億円のODAを実施
▼中東・北アフリカ地域に対し新たに総額22億ドル=2160億円規模の支援を発表
▼安倍首相、シリアの女性支援にODA3000億円表明 国連演説
▼シリア難民に59億円追加支援、安倍首相が国連演説
▼ASEANに5年間で2兆円規模の 政府開発援助(ODA)拠出を発表
▼「ラオスに円借款90億円」 安倍首相、供与を表明
▼モザンビークに支援表明 700億円のODAを供与
▼アメリカでリニア構想、日本政府が融資提案 5000億円規模
▼インドへ円借款2000億円 首脳会談
▼バングラデシュに6000億円支援=政府
▼ウクライナに最大1500億円支援 日本
▼日本政府 中国へODAに年間300億円(無償)
▼アフリカへ3兆円支援「着実に実施」 岸田外相
▼安倍首相パプアニューギニアに今後3年間で200億円規模のODAを供与すると表明
▼インドに5年で3兆5000億円の官民投融資、日本政府が約束


「日本の財政が非常事態で国民が増税を強いられる状況で何故ODAに拠出するお金がありのか?」

多くの皆さんはそう思われるでしょう。

■ ODAの総額はいくらなのか? ■

ネットを徘徊していると「42兆円も海外にばら撒いている」との表現も見られますが、年額にしたら総額2兆2千万程度ですが、この中には過去のODAの返済も含まれるので、純粋に予算化されている金額は1兆2千億円に満たない金額です。

外務省のホームページからグラフを拝借します。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/jisseki.html

ODA総額比較(グロス)



グラフの赤線が日本です。日本のODAの支出総額がアメリカに次ぐ世界第位です。これだけ見ると、国内が不景気なのに大判振舞いの様に思えます。


ODA総額比較(ネット)



こちらは過去のODAの返済分を債引いたネット(純額)のグラフです。日本は過去のODAの変換額が多いので、これを差し引いた純増分は、イギリスやドイツの方が多くなっています。

何れにしても、42兆円というのは貸付残高であって、年間の予算は最盛期の半分程度になっています。


■ 途上国のインフラ整備や採算性の低い事業に誰がお金を貸すのか? ■

「ODAの無駄遣い」も色々と問題になっています。「日本のODAで上水道施設を作った所、維持管理が出来ずに、昔からある井戸が未だに使われている」などという例が引き合いに出されます。

かつて日本のODAは「ひも付き」と呼ばれ、政府がODAのお金を出して、日本のゼネコンが現地で受注するので、一種の政治利権になっていまた。建設が済んだら現地に任せきりになるので、上記の様なケースが無い訳ではありません。

一方でODAは途上国のインフラ整備や、貧しい人達の生活の保障になる様な事業に拠出されています。これらの事業は単体では利益を生まないので、投資の対照にはなりません。ですから本来は途上国の政府が長期国債を発行して事業資金を手当てしなければなりません。

しかし、途上国の信用は低いので、リスクが高い事から金利は高くなりがちです。そこで、日本などの先進国が低金利やあるいは無利子の資金を途上国に融資しているのです。これは利益を見込んだ投資では無く、あくまでも「支援」です。

■ 途上国の発展が将来的に先進国の利益を生む ■

「日本人が貧しくなっている時に他国を支援するとはケシカラン」という狭量な方も増えています。

しかし、かつて日本のODAが中国の近代化を支援したおかげで、中国は現在の世界の工場に成長したとも言えます。日中関係が険悪化しているので、「無駄な支援だった」と言う方も多いのですが、現在の日本の製造業の中国依存度を考えれば、これらのODAは現在の日本に企業の為の先行投資だったとも考える事が出来ます。

■ ODAの貸し出し先を見てみよう ■

昨今のODAの貸し出し先を見てみましょう。

ラオス、ミャンマー、バングラディシュ、インドなどのアジア。
それとアフリカ諸国への支援も増えています。

これらに国々はこれから中国に変わる「世界の工場」として期待されている地域です。中国の賃金の上昇と、経済と政情不安を予測して、グローバル企業は製造拠点を中国から急ピッチで途上国に移しています。

アメリカや日本は南アジア地域の発展に期待していますし、ヨーロッパはアフリカ諸国との繋がりが植民地時代から強い。

要は、ODAとは先進国が将来自分達が安い生産国と市場を確保する為の先行投資と言えるのです。

■ 円が紙くずになっても途上国のインフラは残る ■

財政危機の日本が途上国に支援するというのは少し釈然としないものがあります。

しかし、お金というのは「ツール」ですから、日本円に価値がある内は途上国でインフラを整備する事が可能です。橋も港湾も道も鉄道も将来に渡って途上国経済の発展に貢献します。

一方、途上国が発展すれば通貨が円に対して値上がりするので、実質金利は軽くなります。

仮に日本の財政が崩壊寸前で極度な円安が進行していたならば、途上国はタダ同然のコストでインフラ整備を出来た事になります。

結局「世界経営」という視点に立てば、日本のお金もアメリカのお金も世界を発展させるツールの一つに過ぎません。価値がある内に一番有効な使い方をするだけの事なのです。



■ アフリカ開発の恩恵を受けるのはヨーロッパだろう ■

世界の経営者からすれば、日本のお金も自分達のお金も区別はありません。ですから、日本にアフリカ支援させて、その成果の多くはヨーロッパが摘み取る事になるでしょう。

この点は何だか釈然としませんが、日本が「世界の経営」の歯車の一つである限りどうしよう無い事かも知れません。


虎は死して皮を残す様に、日本は衰退しても世界にインフラを残すのかも知れません。
国家も生物の様な営みをするのは、ちょっと面白いですね。

本日はODAについて色々と妄想してみました。