秘書A 黒田総裁、机の上のこのメモはルー長官からですか?
黒田 そうらしい。うーん・・・相変わらず難解だな・・・。
秘書A 先日、長官は日本の消費税増税を牽制されていましたが、その件でしょうか?
黒田 まあ、あれは行き過ぎた円安を牽制しただけだからな・・。
秘書A では、あれはアメリカの真意では無いと?
黒田 このメッセージがその答えなのだろう・・・しかし分からん!!
秘書A あの発言もあって円安も一休みしましたから、追加緩和をしろと言う事では?
黒田 私もそう思うのだけど、確信がモテない・・・。
秘書B 総裁、何をご覧になられているのですか?
黒田 ルー長官からのメモだよ。
秘書B ・・・それ、先ほど私がボールペンの試し書きをした紙なんですが・・・。
■ 消費税10%をに待ったを掛けたルー財務長官 ■
アメリカのルー財務長官が「政策当局者は財政再建のペースを慎重に調整し、成長を加速させるような構造改革が求められる」と発言して、消費税10%の決定に警鐘を鳴らしています。
これをしてメディアは一斉にルー長官の発言を取り上げています。
日本の景気減速はIMFも指摘しており、普通に考えれば10%の引き上げは有り得ません。ただ、政府や財務省は10%増税を止めれば、消費税増税が景気後退を引き起こした事を認める事になるので、引っ込みが着かない状況に陥っています。
そこでルー長官が助け舟を出したのでしょう。「アメリカもIMFも拙速な財政改善の悪影響を心配しているので、今回の引き上げは見送るり、景気回復に全力を尽くす」という筋書きを立て易くなりました。
■ 行き過ぎた円安を牽制したルー発言 ■
ルー長官の発言の真意はもう一つあるでしょう。市場は年末の日銀の追加緩和を予測して円を売り始めています。ただ、円安があまりに急激に進行してしまったので、日銀が追加緩和というカードを切り難くなってしまいました。
自民党の中からも、政府の中からも円安のデメリットを強調する発言が出始めています。これは選挙を控えているので当然とも言えます。国民の生活は円安で苦しくなっているので、これ以上の円安誘導は選挙で不利になるからです。
日米の円安を牽制する発言で、為替レートが105円程度に落ち着けば、日銀は追加緩和に踏み切り易くなります。
「消費税増税を見送ると同時に、ここは一気に追加緩和によって日本経済を成長軌道に乗せる」とでも言えば、国民はコロリと騙されます。
まあ、ルー長官の発言の真意は、私などが知る由も無いのですが・・・。妄想のネタにはなります。