■ 原発廃止は信頼度の踏み絵 ■
今回の衆議院選書の争点の一つ「原発廃止」を挙げられる方は多いはずです。
しかし、「○○年までに段階的に原発を廃止します」というのは、
○○年まで、その政党が政権を維持する可能性がゼロに近い以上、
全く、責任を負う必要の無い空約束です。
中東情勢がキナクサクなる現状と、日本の貿易赤字が恒常化し、
単月の経常収支(季節調整済み)が赤字となる異常な事態対して、
原発再稼動というカードを短期的にも放棄する政党が「責任ある政党」と言えるでしょうか?
原発廃止を主張する政党 = 大衆迎合(ポピュリズム)政党
原発の再稼動を否定しない政党 = 独自の理念を持った政党
私はむしろ、このご時勢に原発再稼動を否定しない政党や政治家を信頼します。
■ TPP参加問題も、争点とはならない ■
農業団体を初めとしてTPP参加/不参加を判断点とする方達も多いはずです。
野田首相は解散直前にTPP協議参加を表明して、あえてTPPを選挙の争点にしました。
しかし、現在はTPP参加に反対の自民党も、
政権を取った後にアメリカの強い圧力と、
官僚達の損得計算の理論による強い誘導によって、
TPP協議参加に舵を切らないとも限りません。
例えば、TPP協議に不参加な日本製品への関税の引き上げなど、
アメリカやTPP参加表明国が実効的な圧力を掛けた場合、
経済界などから「TPP協議に参加すべし」との圧力が高まるのは必至です。
結局、強い外圧が掛かるTPPの参加問題は、衆議院選挙の争点に成らないのです。
■ 景気回復無くしては実行出来ない消費税増税も争点にならない ■
大きな争点の一つと考えられている「消費税増税」も争点とはなりません。
選挙後も過半数を占めるであろう「自公民」が賛成した以上、
選挙後に消費税増税廃止が決定される可能性は極めて低いからです。
そもそも、2014年の消費税増税の前提は、
景気が回復している事であり、
日本企業の総崩れ状態を鑑みるに、
大型の金融緩和か、財政の大型出動でも無い限り
景気回復は望めないでしょう。
自民党が政権を取った場合、景気が短期的に回復する可能性がありますが、
同時に財政バランスが悪化するので、増税への口実になる可能性があり、
これだけは注意が必要でしょう。
一方、消費税増税に国民が目を奪われている隙に、
特別減税の廃止などで、所得税は確実の増税されています。
源泉徴収されるサラリーマンは、所得税額に無頓着で、
自分達が増税されている事にも気付いていません。
いずれにしても財務省はしたたかで、
消費税を煙幕にして、確実な所から財源を確保しています。
■ 人権擁護法案 / 外国人参政権 この2点を重視すべき ■
政党の掲げる「看板」よりも、裏マニューに注意すべきなのは
民主党のマニュフェスト破りで学んだ教訓です。
民主党は、減税やバラマキ廃止など、耳触りの良い政策を前面に打ち出して、
結局それらの政策は、ウヤムヤにされてしまいました。
その一方で、民主党は「人権委員会法案(人権擁護法案)」と
「外国人参政権法案」の成立に執拗に拘りました。
この二つの法案が成立すると、その運用如何によっては私達の生活に大きく影響します。
例えば、「人権委員会法案」は、現在の訴訟制度から独立しており、
半ばブラックボックス化した中で、少数の「人権委員会」によって、
極めて恣意的に制度が運用される法案です。
この様な、現在の法体系から言っても問題の多い制度が、
ニュースなどで表立って報道される事無く成立してゆく事にこそ
私達は最大の注意を払う必要があるのでしょう。
外国人参政権の問題も、現在の日本の公団住宅の現状を見れば、
将来の日本の人口に閉める外国人の比率が極めて高くなる事は確実です。
アメリカの選挙でオバマの再選の最大の原因となったのは、
白人よりも多くなった、黒人やヒスパニックなどのマイノティー人口です。
外国人参政権は、一見、リベラルな政策の様に見えますが、
少子化による人口減少が確実な日本にとっては、
将来的に、大きな影響を与える政策である事を理解する必要があります。
■ 自主防衛は非常にコストが高い ■
維新の会(石原新党を吸収しました)は自主防衛や独自憲法の制定に前向きな党です。
悪化する日中関係、日韓関係を背景に、日本国民は極めて右傾化しています。
保守の多くが、「独自憲法、自主防衛があって初めて独立国」と考えています。
これは、維新の会に限らず、自民党の結党時の理念でもあります。
ところが、日本から米軍が撤退して自衛隊だけで中国やロシアと対峙した場合、
防衛費は現在の倍以上に跳ね上がります。
日本はただですら、景気悪化に悩んでいるのに、
防衛増強費用として毎年多額の税金が、アメリカの軍事産業に流れて行くのです。
自民党は結党以来、独自憲法、自主防衛を党是としながらも、
日本の経済発展を優先して、対米従属を選択し、
米軍の防衛力の傘の下で、経済発展を続けてきた政党です。
そういう意味では、自民党は「現実的選択」をする政党とも言えます。
これは、自民党内に様々な思惑の派閥があった事も原因ですが、
アメリカ自体が日本の独立を望んでいなかった事が大きな原因でした。
しかし、尖閣以降の流れと、アメリカの財政状況を鑑みるに、
アメリカは、かねてからの計画通り、アジアから米軍を撤退したがっている様に見えます。
しかし、TPPで中国との対立を明確にしたり、
領土問題を蒸し返して、東アジアの緊張を煽る事で、
アジア諸国と中国との分断を画策しています。
その結果として、アジア各国は防衛力増強へ舵を切らざるを得ない状況に置かれています。
維新の会は、石原氏が合流した事からも、この動きの旗振り役を担っています。
自民党も安倍氏が総裁となる事で、アメリカに連動した動きを見せています。
民主党は、松下政経塾に乗っ取られていますが、この問題が現実化すれば
旧社会党系は離党するのではないでしょうか?
公明党と国民の生活が第一が、ブレーキ役を果たしそうな気配です。
■ 自民党がどの政党と組むかで、今後の日本の方向性が占える ■
日本の政治は、表面で反発し合っている様に見えて、
実は裏で結託して動いています。
55年体制にしても、自民と社会党は裏ではズブズブでした。
そういった日本政治の特質を考えると、
衆議院選挙の結果、維新の会と自民党が結託する可能性は低い様に思われます。
自民党が公明党と国民の生活が第一(ダサイ名前)あたりと連携すれば、
従来の「決められない」けど「バランス型」の日本政治が続くでしょう。
ここに、民主党が絡んでくると、「大連立」に近い状況になるので、
「決められない」という対米カードが失われてしまいます。
一方、選挙結果によっては、自民、維新、みんなの連立も考えられます。
こちらがアメリカの描く本筋でしょうが、
はたして、維新がそこまで躍進できるかどうか・・・・。
私は維新に対して、国民は極めてバランスの良い判断を下すと思っています。
少なくとも、日本新党ブームの再来は無いのでは?
■ 中国政府が新体制強化で反日を使うかどうかがカギ ■
実は日本の政局のカギは中国政府が握っています。
人民解放軍の若手将校達は日本に対して好戦的です。
彼らの支持を確保する為に、尖閣で紛争を起すことも可能性はゼロではありません。
新体制の支持率強化の為に、「反日」カードを使う様な事になれば、
「維新の会」の前面に、石原氏が躍り出て、世論をサラってゆく可能性があります。
尖閣で武力衝突や、中国人の尖閣上陸、
日本企業への中国内での襲撃などが発生すれば、
選挙結果に大きく影響を与えます。
アメリカはここら辺の戦略に長けています。
衆議院選挙と関連して、中国の新体制の動向から目が話せません。
本日は、人力的な「衆議院選挙」の楽しみ方をお送りしました。