WIND AND SOUND

日々雑感 季節の風と音… by TAKAMI

東京帰省日記2 江戸居酒屋編(追記あり)

2015-04-07 | 人生妙なり




長年の悲願であった「蕎麦屋で昼酒」に連れていっていただきました。

お付き合いくださったのは、高校の音楽部の先輩、KOZOさんです。
でもKOZOさんとは、高校時代、一言も話をしたことがなかったと思う。
なのに、今頃になって、KOZOさんと二人で飲むなんて、ものすごく不思議だし嬉しい。
東京帰省だけど、ここは「番外編」な感じ。懐かしいお友達というより、新しいお友達です。


KOZOさんは、facebookに殆ど毎日うどんの記事を書いて、ものすごく美味しそうな画像をアップされていて、
うどんと、郷里への愛の深さがひしひしと伝わってきます。
酒に関しても、特に日本酒には精通されていて、私の知らない世界にいざなってもらえそうなので、
いつか東京にいったらゼヒ「蕎麦屋で昼酒」にお付き合いのお願いをしていたのでした。


実は私は、うどん県民ですが、どちらかというと、こっそり書くけど蕎麦のほうが好きなのです。
しかも、蕎麦屋で昼酒…ってのに、よくワケわからずも大昔から憧れておりました。
「うどんで昼酒」ってないじゃん?
だからうどんより蕎麦が好き…って、、、??(違)


「かんだやぶそば」

ここを知らずして江戸の蕎麦は語れないであろうという老舗で、
常連さんも、外国人観光客も、おのぼりさんも、すべてを受け入れすべてのお客さまを満足ひたひたにさせることができるという、すごい店だと思いました。


マドリッドのフラメンコの老舗を思い出しました。

全然違うけど、ものすごく深いところで共通しています。
















KOZOさんと私はカウンター席で並んで飲んでいたのですが、
私のすぐ隣の席では、妙齢のおばさまが、穴子の白焼きやら、お一人で次々と蕎麦前をオーダーして、満足げに食べて飲んでいらっしゃいました。

粋やなあ…


私は、KOZOさんの麺ブログを隅々まで読んでいたので、初めてな感じが全然しませんでした。
「らっしゃいーーーーーーー」
「猪口(ちょこ)に薬味付きーーーーーー」

とかいって語尾を伸ばすのも
ああ、なるほどコレね…と、、、
KOZOさんは、語尾を伸ばすのは、オーダーをきちんと通すためであると仰るのですが、
私がオーダーを通される側なら、ボケボケな私としては、語尾を伸ばされても、オーダーそのものは語尾の前にもう言ったんだからなあ…ってことで、
ちょっと違うのではないかと思うのであります。

でっ、僭越ながら、私見を述べます。

常に満席に近い状態の店で、大きな声でオーダーを厨房に向かって叫びまくるというのは、ふつーの居酒屋によくある光景ですが、
活気あり、繁盛してる感あり、それはそれでよいかもしれないけど、
オーダーの語尾をこんなに伸ばすと歌のようです。歌っているのではないだろうか。
ゆるゆると飲みながら、オーダーを通す声が全然騒音でなく、心地よく響きわたって、音楽のようです。
満席でも、喧騒でなく、優雅で、音楽のように響き渡る声が、とっても心地よいな…と感じました。
BGMのようなのです。この店の空気にぴったりの。


次に連れてってくださったのは「江戸居酒屋」なお店でした。

大塚「江戸一」

KOZOさん曰く、「志の高い店」「江戸時代からあるようなアテしかない」…と、、

全くあまりにもスゴすぎて、解説不能…では記事が成り立たないので、ここは精一杯努力して書きます。
しかも、このお店は、撮影禁止なので、画像ナシです。

KOZOさんの仰るとおり、アテはほんとうにシンプルです。
焼き魚、ぬた、厚焼き玉子…などなど
そのどれもが主張せず、「仕事してます!」感は全くなく。

ちょっと気の利いた割烹系居酒屋だと、「仕事してます!」感満載の小鉢とか供され、
それが「おおぉ~~!」って嬉しかったりするけど、そぉじゃなく。

あまりにもさりげなく優しく、「控え」の態勢で、
「お酒を心ゆくまで楽しんでくださいね」なスタンスなんだ。
だから、酒も肴も、すごく美味しかったけど「これがめっちゃ美味しかった!」というのじゃなく
優しくて楽しくて幸せ…だったのでした。

日本酒は、体質に合わないと思ってこれまで消極的だったけど、
飲んだ酒、全部美味しかった~~~♪♪
ひとつひとつにつき感想が述べられないのは初心者なのでご勘弁いただくとして、
やっぱり日本酒も、いったん喉を通り過ぎたものが、ふわ~~っっ…と体の奥から香ってくるのはウィスキーと同じ。
いつまでもず~~~っとこの香りが続いているのが至福なのでした♪♪

でっ、さらに感動的だったのが、カウンターの中は、磨かれた板の間!!(お店のスタッフの方たちは、土足じゃなくて、スリッパなんだ( ̄□ ̄;)!! )
その床に、酒の一升瓶がたくさん並んでる。
常連さんは、その一升瓶を見て「ああ、次はコレを飲もう…ってな感じでオーダーするらしい、、、

カウンター席では、オーダーしたお銚子が引かれずお行儀よく並び、
お勘定はソロバンでする!!
お勘定のシステムもスゴすぎて…もぉこれ以上書けません。

……

ってことで、KOZOさんは、こんな世界で日々飲んでるのか、、、
いいなあ…
日常が超自然体で上質なんだなあ、、、


高松で生活してたら、こんなお店はないし、こんな「飲み」はできないな。

私はでも、うどんも蕎麦も、エスニックも、なんでも自宅に持ち込む習性あるので、
この幸せひたひた感も持ち込むよ。


KOZOさん、ほんとうにありがとう。



追記

KOZOさんより、facebookにコメントいただきました。


「語尾を伸ばすのは、オーダーをきちんと通すため」ではなく一定の銚子で百人一首のように読むのは、通しとそれ以外の声を区別するため。
この場合、伸ばすかどうかが重要なのではないのです。
それは女将だけに許されるものであって、女将がすべてを集約しているので、厨房はただその声だけに耳を傾ければいい、ということなのです。


ということです。なるほどなるほど。
「理にかなったものは美しい」というわけですね。





Comments (2)
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