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言葉

2019年02月16日 | 社会派らぼ
昨夏のアジア競技大会で、競泳6冠に輝いた池江璃花子選手は、18種目の日本記録を保持しています。もちろん東京で開かれるオリンピックでは、金メダルを確実視されている期待のホープです。その池江選手が、白血病の治療に専念すると、休養宣言を発表したものですから、大騒動になっています。日本ばかりでなく世界中の各界から、激励のエールが相次いでいます。幸いご本人も、ツイッターで前を向いて力強く復活を宣言しておられますので、私たちもその日のために、陰ながら祈ろうと思います。同じ白血病と闘う家族やそのご家族、アスリート仲間、各界から激励の声が、彼女を勇気づけてくれていると信じたいと思います。

この発表を受けて、東京五輪を開催し、成功裡に終わらせることを言わば義務付けられている桜田五輪相は、池江選手を日本が誇るべき選手だとした上で、本当に「がっかり」していると語って、大バッシングが起こっています。実際は、記者とのやり取りの中で、東京五輪で日本が本当に期待している選手だとし、突然その期待の選手の出場が危ぶまれている状況を「がっかり」と表現したもの。当然のことながら、言葉が足りなくて、「がっかり」が独り歩きしてしまいました。

五輪相の発言には、「人として最低」「論外」「辞任すべき」などの声が相次いでおり、その声にまた刺激されてか、競うように非難の声が止みません。相方を急性リンパ性白血病で失ったというカンニング竹山氏が「絶対に治る」とツイートすると、「専門的な医師でもないのに絶対はおかしいなどと叩く声まで。

どんな人にも誤解されないように言葉を選ぶことは大変難しい事です。その上に、目の前の人と交わす言葉にはその表情も仕草も雰囲気もすべてがプラスアルファで何かを語り添えてくれますが、活字になると表情も仕草も言葉を助けはしません。字面だけが独り歩きして、更に誤解を深めます。SNSが大流行りの今、活字が人と人の間を更に引き裂き、ギスギスさせて、事実をより一層ややこしくしている気がします。

足りない言葉でしか話せない人がそれだけなのではありますが、話す言葉を磨くと同時に、人の言葉を温かく受け容れる努力を怠ってはならないのではないでしょうか。