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再審決定

2012年06月07日 | 社会派らぼ
ニュースは、淡々と「1997年の東電OL殺害事件」の再審が決定されたと報じています。淡々とというのは、当たらないのかも知れません。(元)被告は、ネパール人のため、家族が来日し、支援者が歓声の歓声があがった様も報じていますから。第3者が真犯人であるという疑いが生じたため、有罪判定を覆すに足りるという判断に至ったのだそうです。

が、再審決定と共に、無期懲役刑の刑執行も停止され、身柄が入国管理局に移され(不法滞在で有罪判決が確定しているため)、今後強制退去の手続きに入る…と続きます。その経緯はともかく、そうであれば、無実の罪で15年間を異国で刑に服した(元)被告に、どう謝罪するのでしょうか。不法入国ゆえに、強制退去させる…というのでは、少し納得がいかない気がするのです。まだ再審決定だけで、無罪確定とは少し違うからでしょうか。

戦後に発生し、死刑が無期懲役が確定した裁判の再審決定が出るのは、11件目といいます。その裁判の一つ一つで、空しく無罪を訴え続けていた被告とされた人達の人生を贖うことはできるものではありません。

本当を言えば、「人が人を裁く」という制度自身が傲慢なのだと思います。が、社会秩序を保つ上で、それが避けられないのだとしたら、「人が人を裁く」覚悟をもってそれを職業として選んだ人だけが、それをすべきなのではないのでしょうか。人間ですから、事実が全て見えなくて、間違った判断をしてしまう可能性というのは、消せはしません。それでも、職業裁判官は、その負い目を負う覚悟をしているはずです。素人の裁判員制度という仕組みは、私にはやはり賛成しかねるものでしかありません。



下罫線がどうしても消えません

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