公開初日の『エヴェレスト~神々の山嶺』を観てきました。最初の方でアンザイレンで2人同時に雪山の斜面を転がり落ちていくシーンがありました。テレビ(BS-TBS日本の名峰・絶景探訪など)なんかでも冬山には必ず使われる技術ですが、一蓮托生道連れになってしまいますので非常に危険だと思います。それどころか3人、4人と繋がってる場合もあり、過去には単独事故で済むのが多重事故になったケースが多々あります。
公式サイトには、エヴェレスト入りする前に長野でアイスクライミングの練習をしたとありました。おそらく八ヶ岳赤岳鉱泉のアイスキャンディでしょう。冬山の映画には必ず出てくるアイスアックスと氷に刺さる一本爪アイゼンが必要です。その他ハーネス、ロープ、支点用スリング、カラビナ 、ヘルメットは持参となりますので、素人が行ってすぐやるというわけにはいきません。
日本の山では穂高の屏風岩と谷川岳一ノ倉沢鬼スラ(スラブ)が登場しましたが、難易度の関係か北岳のバットレスはスルーされました。谷川一ノ倉沢と言えば、宙づりになったクライマーを自衛隊の狙撃隊がザイルを切るために連射した事故がありました。死者数はエヴェレスト以上に多く800人を超えます。
ウエア協力はモンベルのため、ザックもゼロ・ポイントでした。こう言っちゃなんですが、エヴェレストにゼロ・ポイントでは心もとない気がしました。尾野真千子のモンベルブランドの帽子とハードシェルは特に目立ってました。海外メーカーに比べてデザイン面で見劣りがしてましたが、最近のはだいぶ派手になってきました。
ストーリーを避けてたら妙なレビューになってしまいましたが、直登のほぼ垂直登攀は見応えありました。深町誠(岡田准一)が羽生丈二(阿部寛)に感化されたように、徐々にストイックになっていくところもお見逃しなく。