その蜩の塒

徒然なるままに日暮し、されど物欲は捨てられず、そのホコタテと闘う遊行日記。ある意味めんどくさいブログ。

『あなたへ』

2012年09月28日 | 映画・DVD

 高倉健主演「あなたへ」を観てきました。モントリオール映画祭特別賞受賞作です。久々にイオン御所野へ行ったら、カウンターがなくなりタッチパネルの券売機になってましたね。お年寄りは買えないかもしれませんよ。

 ストーリは、亡くなった妻(田中裕子)の遺言で平戸の海へ散骨に向かうという、真っ直ぐで単純なものです。淡々と観てると、特に感情移入することもない映画だと思います。キャストは豪華でしたね。漁師役に百恵さんの息子三浦貴大が出てます。食堂の母役の余貴美子、老漁師役の御年86歳の大滝秀治もいい演技してました。散骨が終わって港へ戻ってきた時の台詞「燃料代だけもらっておけ。久しぶりにきれいな海ば見た」のあと、NHKスペシャルで高倉健が何度も涙を拭っていたシーンが思い浮かびました。

 高倉健も81歳、さすがに年は隠しきれません。特に手の甲は年を如実に表わしますね。少し滑舌も悪くなってきているようにも感じました。ですが立ち姿とか歩く姿勢は凛としてて、とてもウチの親父と同じ年とは思えません。年以外では、私生活では酒もギャンブルも一切しないのに、映画では生ビールを飲むんだねとか、食堂に入った際帽子を脱がなかったのがとても気になったりと、つい余計なことを考えてしまいました。偉そうなことを言うようですけど、独特の間とか背中で語るみたいな演技は、高倉健にしか出来ないでしょう。「生き方が芝居に出る」と仰ってましたが、まさしくその通りだと思います。

 キャンピングカーでの旅で、海辺の風景がきれいだったり場面の切り替えが早いので、主人公と一緒に旅してる感覚で観たらいいかもしれません。妻の回想シーンも時々出てきますが、その中で日本のマチュピチュと称される兵庫県朝来市竹田城跡は、息をのむ美しさでした。天空という表現がぴったりの雲海でしたね。そこで劇中歌として田中裕子が、宮沢賢治の「星めぐりの歌」を歌ってました。種田山頭火の自由律俳句も出てきます。山頭火ってラーメン屋だと思ってる人は、もう少し勉強する必要がありそうですね。私も含めて。。
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2 コメント

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Unknown (したみママで~す♪)
2012-09-28 18:53:22
お晩ですぅ~♪
秋田市に行ってきたのですか?
「あなたへ」は弘前市でもやってるかしら?
そっちが近いですから^^
高倉健の御歳81歳は我が実家の父&姑(夫の母)と同じ歳です
同じ歳にはどうしても見えない!(-ω-;)ウーン
蜩さんの親御さんも81歳ですか?同じなら同級生ですね♪
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Unknown ()
2012-09-28 19:38:53
 したみママさんこんばんは。
弘前のさくらのでもやってますよ。でも1日1回だけの上映でした。「弘前 さくらの 映画」で検索できると思います。

 ほほぉママさんお親御さんも81歳ですか。高倉健は、同じ81歳でも映画人として、私生活でも厳しく自分を律してきた人ですから、一般の老人とは違いますよね。皺の数は同じかもしれませんけど。
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