
ただの労働力として60万人の捕虜が、戦争の後始末やインフラ等都市整備にと駆り出された挙句、短期間で5万人も死んだ背景には旧軍隊制度が大いに関係しているはずです。当時の軍隊の上層部は、戦時国際法とも言えるハーグ陸戦条規(ポツダム宣言の元となった)を知らなかったんですから。宗教や思想というのは怖ろしいものです。たとえば北を支えてる主体(チュチェ)思想や儒教、オウムの洗脳がすぐ思い浮かぶでしょう。
そして小説は、軍医の脱走劇、レーニンの手紙を巡る攻防と息もつかせぬ展開をみせます。524ページもの長編小説なんですが、3日で読み終えました。モノ言えぬ捕虜下において、反逆精神が小気味よかったです。最後は残念な結果になってしまいましたが。。
今回も漢字を列挙してみました。
宣撫(せんぶ)~占領地で、占領政策の目的・方法などを知らせて、人心を安定させること。
水呑百姓~百姓は、たくさんの姓を持つ者という意味で、元々は民衆とか庶民を指していましたが、農民の意味は中世から。石高を有するのが本百姓と言われ、持たないのが水呑百姓。貧しくて水しか呑めないという意味で「どん(呑)百姓」も同じ。
粒々辛苦~こつこつと地道な努力を重ねること。米の一粒一粒が農民の苦労の結晶であることに由来。
朗誦(ろうしょう)=朗読、斥(しりぞ)ける、鶴嘴(つるはし)
侠客(きょうかく)~本書で言ってるように、広義には義人と解釈できます。
始中終(しょっちゅう)
面罵(めんば)~面と向かってののしること。
鬼籍(きせき)に入(い)る~死亡する。
玩(もてあそ)ぶ、厖大(ぼうだい)、膂力(りょりょく)~腕力、蔽(おお)う=覆う、迸(ほとばし)る、袂(たもと)
筆誅(ひっちゅう)~欠点や罪悪などを書きたててきびしく責めること。
私淑(ししゅく)~直接に教えは受けないが、ひそかにその人を師と考えて尊敬し、模範として学ぶこと。
清冽(せいれつ)~水が清らかで冷たいこと。
艶福家(えんぷくか)~女にもてる男。
幽(かす)かに、漸(ようや)く、仕合せ=幸せ
灰燼(かいじん)に帰(き)す~跡形もなくすっかり焼けてしまう。
要諦(ようてい)~物事の最も大切なところ。
鉋屑(かんなくず)、適(かな)わない