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その蜩の塒

徒然なるままに日暮し、されど物欲は捨てられず、そのホコタテと闘う遊行日記。ある意味めんどくさいブログ。

甲斐駒ヶ岳黒戸尾根~仙丈ヶ岳縦走(3)

2015年07月06日 | 北ア・南ア縦走記

 新設された梯子は立派ですが、右脇に取り外された梯子をみると随分貧弱ですね。右上は、斜度70度というほぼ垂直の梯子。幸い距離が短かったので、それほど手こずりはしませんでしたが。



 七丈小屋の標高は、2,359mなので760mの竹宇神社から標高差約1,600mを登ってきたことになります。それでも森林限界は2,500mほどなのでまだ樹林帯は終わっていません。ダケカンバも生えてました。到着は13:14で7時間52分もかかりました。縦走の荷物は堪えましたね。年も年ですし。お2人にはご迷惑をお掛け致しました。この場をお借りしてお詫び申し上げます。



 食事はまだ提供されてないそうで、尾西の白飯に中華丼をかけたのとみそ汁で夕飯をすませました。昔飯盒で飯を炊いたのに比べれば楽になったもんです。宿泊は、マットとシュラフを持ってきたため、第二七丈へ寝具なしの素泊まり。ちなみに食事代は夕朝とも1,200円。他の山小屋に比べると安いと思います。水は水質検査表も表示されてましたし、流しっぱなしで豊富に使えるのがありがたかったです。トイレはタンク式でしたが、キレイでしたよ。


 コーヒーは管理人さんからもらいました。缶ビールは600円。キンキンに冷えてました。その他お湯が入ったポットを2つ持ってきてくれて、ストーブもつけてもらいました。灯油が切れる頃合いを見計らって満タンにしてくれましたし、ネットの評判をみて身構えてましたが、十分なサービスだと思います。朴訥としてるので言葉がぶっきらぼうに聞こえるんじゃないでしょうか。それと一人でやってますので、大勢来た時の対応とは違うのかもしれませんね。



 結局我々3人の他は誰も来ず、あずましく過ごせました。小屋のデッキからは鳳凰三山と富士山が見え、ビールを飲みながらしばしの歓談。気持ちのいい眺めです。


 ひと寝してからテン場へ備え付けのスリッパで散策してみました。


 サルオガセが沢山生えてました。藻類と菌類が合体した地衣類です。枯れ木などに取り付いていますので、寄生してるようにみえますが、共生しているだけで養分を吸い取っているのではないそうです。


 テント場は、第1、第2と2ヶ所ありました。この日は3張だけ。1張600円。


 葉が細いのでホソエノアザミかタイアザミ。アザミは種類が豊富なので難しいです。ツマトリソウもキレイに咲いてました。


 左上;コバイケイソウでしょう。右上;ツガザクラ。


 左上;葉の表面の産毛の特徴からしてレオントポディウム(ウスユキソウ)ですね。右上;ゴマノハグサ科シオガマギク属セリバシオガマかと。その他テント場周辺は花畑化しており、ウラジロヨウラク、コヨウラクツツジ、ツツジ科スノキ、ミツバオウレン、コケモモ、ゴゼンタチバナ、マイヅルソウ、コイワカガミ、ナナカマドなどが咲いてました。


 そうこうしているうちに坊主山にガスが下りてきました。山の天気は変わりやすいです。

甲斐駒ヶ岳黒戸尾根~仙丈ヶ岳縦走(2)

2015年07月05日 | 北ア・南ア縦走記





 刃渡りなんですが、ナイフリッジなんて書いてる人もいますけど、それほどではありません。ですが右側は一枚岩で斜度は40度ですから、誤って落ちたらヤバイです。


 分かりにくいですが、地蔵岳のオベリスクと富士山が見えてます。


 八ヶ岳連峰の広大な裾野と甲府盆地。



 刃渡りを過ぎると、鎖場や梯子が連続して出現。


 左上;刀利天 右上;絶滅危惧種のイチョウラン。


 左上;オサバグサ。新分類ではケマンソウ亜科に分類されてます。五合目へは一旦鞍部へ下ります。


 左上;五合目小屋(屏風小屋)跡。広くなってますので、休憩や昼食に最適です。


 鞍部からの登り返し。斜度は緩いんですが、長い梯子です。


 ボチボチ花が増えてきました。キバナノコマノツメ(ミヤマキスミレかも)とコイワカガミ。


 マイヅルソウとゴゼンタチバナ。どの花もミニサイズです。


 世代交代のための立ち枯れという説が有力ですが、原因は分かっていないみたいです。


 ツツジ科スノキ属コケモモ~葉が卵型。
 同じ釣鐘型の花をつけるのでは、
 ツツジ科ツガザクラ属ツガザクラ~葉がひも状
 ツツジ科シラタマノキ属アカモノ(イワハゼ)~葉の先端が尖っている
 という風に葉の違いで判断できます。
 


 木の橋は隙間があいてるので、ちょっと怖いかも。

甲斐駒ヶ岳黒戸尾根~仙丈ヶ岳縦走(1)

2015年07月04日 | 北ア・南ア縦走記


 甲斐駒ヶ岳黒戸尾根は、全国に18ある駒ヶ岳の最高峰、日本三大急登のひとつ、そして標高差2,200mという難関コースです。皇太子も登られましたが、あちこちにプリンスルートを作る必要はなかったのでは、と思います。もちろん一緒に行く人のためではありますけれども。。


 こちらは竹宇駒ヶ岳神社登山口ですが、もうひとつ横手駒ヶ岳神社口もあります。5:15頃着きましたが、喫茶おじろ前の駐車場は8割方埋まってました。トレランのメッカらしく、重装備の登山者より多かったです。速い人だと5時間で往復するそうです。




 ちょっと前の週間予報では雨でしたのであきらめておりましたが、昨夜星が出ており期待通りに晴れました。伸びる影はアバターのようでしょ。橋は吊り橋ですから、少し揺れました。神社はスルー。


 尾白川渓谷道との分岐が3ヶ所ほど出てきました。駐車場が混むのは渓谷を歩く人もいるからなんですね。


 序盤の登山道は、腐葉土がフカフカで歩きやすかったです。


 花はあまり咲いてませんでした。上はコアジサイ。


 左上;ギンリョウソウ。右上;保護色のニホンヒキガエル。実物はかなり大きく見えました。


 笹の平辺りから熊笹に覆われてました。



 あちこちに祠やら石仏がありましたね。


 刃渡りの20分ほど手前。残雪が少なく残念な富士山。


 コケが多いのも南アルプスの特徴。

甲斐駒ヶ岳黒戸尾根~仙丈ヶ岳縦走

2015年06月30日 | 北ア・南ア縦走記
 南アルプスを縦走してきました。ルートは、諸事情で延期になってた甲斐駒ヶ岳黒戸尾根~七丈小屋~山頂~駒津峰、双児山~北沢峠~仙丈小屋~仙丈ヶ岳山頂~北沢峠。北沢峠をコルとした変則縦走です。4日間とも好天に恵まれ、素晴らしい写真が撮れました。長くなると思いますが、乞うご期待を!!疲れてますので明日から連載させていただきます。

北岳(5)

2014年07月06日 | 北ア・南ア縦走記

 肩の小屋のテン場。


 徐々に晴れてきましたが、縦走路の稜線が晴れてるという保証はありません。


 肩の小屋から少し下ったところの、キバナシャクナゲの群落。


 小太郎山と小太郎尾根。


 池山吊尾根のヒマラヤひだ。


 ショウジョウバカマとヤグルマソウの銅葉。


 ニリンソウとミヤマキンポウゲ。キタダケキンポウゲは、北岳と間ノ岳の山頂付近に生えてるらしく、もっと葉が細いです。


 白根御池は、残雪で埋まってました。向かいは鳳凰三山。



 ここで食べるなら、北岳山荘のお弁当は注文する必要はなかったかも。白桃アイスは500円。さっぱりした味でした。外トイレはチップ制でボックスに入れるものでしたが、千円札も入ってました。たしかに水洗でキレイでしたが、千円はないでしょ。


 近年、崩落と倒木の多さから、山道の整備も大変だと思われます。


 ゴゼンタチバナとスギゴケ&マイヅルソウの葉。


 白根御池小屋からは途中から急な下り坂が続きます。草すべりも急ですが、登ってくる人はベンチがありますので休んで下さいね。


 ギンリョウソウとコウライテンナンショウ。


 入山カウンターと道標。


 北岳山荘から衛星電話で広河原山荘へ予約は入れてもらってましたが、14:30発奈良田行のバスに間に合えば泊まらないつもりでした。ですが案の定間に合わず、広河原山荘にもう1泊することに。大門沢小屋は正式営業が7/1からなので、食事の提供はできないとのことで素泊まり予定でした。そのため、夕食は持っていったお湯に溶かすだけのスープと、アルファ米(しそわかめご飯)にレトルトカレーをかけたものを。宿からはウエルカムドリンクならぬ試作品の「桑の実とルバーブ入りスムージー(Smoothie)」をいただきました。とても美味しかったです。商品化間近かも。
※ルバーブは、西欧ではジャム、ジュース、サラダに使われます。



 吊り橋を渡ったところで、一点の曇りもない大樺沢と北岳が見えました。計画変更したとはいえ、念願のキタダケソウ始め様々な花々を見れましたし、大満足の山行でした。それに北岳を周回するというのは、初回としては縦走よりも意義深いものがあります。状況に応じて柔軟に対応することも今後に生かしたいと思います。また今回は特に単独行にはない楽しさを味わえました。車を出していただいたMさんには、この場をお借りして御礼申し上げます。


 山バッヂは、北岳の他に間ノ岳、甲斐駒、仙丈岳も買ってしまいました。登ってない山のを買うのはどうかと言われましたが、いざ買う段になって売り切れの場合もありますのでね。


 お土産購入はこちらへ立ち寄り。左上;早川町の南アルプスプラザ。食堂が併設されており、地元の常連客で賑わってました。そのため、土産物の方のカウンターへなかなか来てくれなくて、参りました。菓子折り2箱購入。右上;富士川町交流センター塩の華。野菜の直売所やレストランもあり大きな建物でした。「出汁付きのほうとう」を購入。


 甲府駅からあずさ20号で新宿へ。新宿で中央線へ乗り換え、激混みでしたがなんとか60リッターの大型ザックをねじ込み。御茶ノ水駅では、バリアフリー工事をやってました。どういう駅になるんでしょうね。たしかに聖橋口は狭い上に階段が急ですから。