梨木香歩「ピスタチオ」(筑摩書房)を読了。
舞台をアフリカにということで嫌な予感をしながら読み進め、
渡り鳥の記述がたくさん出てくるあたりで、
エッセイ「渡りの足跡」のことを思い出し、
「水辺にて」(ちくま文庫)の文庫本あとがきの内容を思い、
やっぱりダメかと思ってしまった。
具体的に何がダメなのかはいくつかあるのですが、
今の私の感覚に合わない。
仕方ないのです、服だって何年も着れるわけでもないし、
ずーと同じ小説家の本を追い続ける方が、おかしいわけだし。
ここ最近のもののにおいというか文体というか、
何かがどこかで根本的に違うのです。
今の私には、この物語ははっきり言ってダ○クです。
肯定的に受け止めたいとは思うのですが、う~ん。
イメージを越えて欲しい
既存の、あるいは未知の、イメージを越えて欲しいのです。
その勢いが欲しいのです。
たぶん、それは批判的とか否定的とかそういう事ではなくて、
今の私自身が求めているモノが
本の中の物語にないからなのかもしれません。