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追想五断章、読了

2009-10-04 | 読書【読了】

米澤穂信「追想五断章」(集英社)を読了。

何だかんだで買ってしまいました。

本当は買うつもりはなかったのですが…。

(でも、即効で読み終わってしまいました。)


あらすじを知ってから違和感があっただけに、

う~ん、この程度か、というどこか冷めた読後感が残りました。

それは前作「羊たちの~」でも感じたことだったのですが、

作者に対する読者側の期待が高過ぎるからではないでしょうか。

もっと、この作家はおもしろいものが書けるはずなのに…、という期待が。

読者層を大人向けにしたといっても、

登場人物は相変わらず青年ですし。

どこかその壁を突き抜けることのできない制約が

まだ残っているということでしょうか。

誰からのものかは分かりませんが。


そして、古典部シリーズも新シリーズの連載が始まるようです。

前作の(悪く言えば)安易な結末からどう進むのか、

そこが見物です。


読書は岩波新書ばかり読んでいたのですが、

吉本隆明・桶谷秀昭・石牟礼道子「親鸞 不知火よりことづて」(平凡社ライブラリー)を

読みながら、

ついに、ドストエフスキー「罪と罰 1」(光文社古典新訳文庫)に手を出すことに。

心のどこかでロシア文学は20代後半からと思っていたので、

そろそろ解禁してもよいのではないかと、期待を大にしているところです。