米澤穂信「追想五断章」(集英社)を読了。
何だかんだで買ってしまいました。
本当は買うつもりはなかったのですが…。
(でも、即効で読み終わってしまいました。)
あらすじを知ってから違和感があっただけに、
う~ん、この程度か、というどこか冷めた読後感が残りました。
それは前作「羊たちの~」でも感じたことだったのですが、
作者に対する読者側の期待が高過ぎるからではないでしょうか。
もっと、この作家はおもしろいものが書けるはずなのに…、という期待が。
読者層を大人向けにしたといっても、
登場人物は相変わらず青年ですし。
どこかその壁を突き抜けることのできない制約が
まだ残っているということでしょうか。
誰からのものかは分かりませんが。
そして、古典部シリーズも新シリーズの連載が始まるようです。
前作の(悪く言えば)安易な結末からどう進むのか、
そこが見物です。
読書は岩波新書ばかり読んでいたのですが、
吉本隆明・桶谷秀昭・石牟礼道子「親鸞 不知火よりことづて」(平凡社ライブラリー)を
読みながら、
ついに、ドストエフスキー「罪と罰 1」(光文社古典新訳文庫)に手を出すことに。
心のどこかでロシア文学は20代後半からと思っていたので、
そろそろ解禁してもよいのではないかと、期待を大にしているところです。