本棚に眠っていたものを徐に取り出してここ数日読んでいた。
タイトル通り暗示するものが、読者にも作者にも、何かは分からない。
砂の粒子が意志を持ってうねるように、うなるように、うごめく。
作り出されるイメージはあくまで稚拙で醜悪なものでしかない。
「夢の島」と同時期にかかれただけあって、
登場人物たちは病的でいて何かの特徴でカテゴライズされている。
物語の途中、ビッキーと少年に交わされる種族の“進化”における欠落。
癒しなど起こりはしない。
何もかも狂騒の外から、内側までそこに存在する社会。
時代を超越した不思議な読後感である。
(どこか狂いの共振を思い起こされる。Xのような“時代”の共振を)