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犬はどこだ、読了

2007-05-25 | 読書【読了】
 米澤穂信「犬はどこだ」(東京創元社)を読了。軽いテイストで話は交互にふたりの語りでテンポよく進み、事件という事件も起こらず終了。相変わらずグレーというかビターな感じでした。短編集あるいは次回作に期待です。次は、図書館で借りてきた篠田節子か野中ともそかハタマタ今まで未読のムラカミハルキの「ノルウェイの森」かって所ですか。

 最近、ホンゲル係数(出費に対する本の割合)が結構高いな~と反省。収入に比例したお買い物に気をつけないとね。





記憶の書、読了

2007-03-25 | 読書【読了】
 今日の地震、すごかったです。過去に起こったことがない場所のようで、ますます日本に安全な所はない、って感じです。
 漸くジェフリー・フォード「記憶の書」(国書刊行会)を読了。想像力と創造力の世界でした。溶けてゆく情景と主人公クレイの葛藤が、おもしろかったです。ですが、評価としては★★★。最後の第三部に期待です。

 今日、迷っていた坂本真綾のミニアルバム『30minutes night flight』を買った、しかも初回版。もちろん祥子さんの曲がお目当てなのですが、編曲され過ぎていて、原曲のメロディが~(泣)。クレジットを見る限り、どうやら完全に曲提供のみ。あわわ、はやく言ってよ。このミニアルバム、(特に4枚目で)色濃かった菅野色が抜けてやっとよくなると思ったら、それより増しという程度の5枚目(夕凪ループ)以降の迷走してる感がいっそう浮き彫りな感じがするよ(紗希のように、完全に鈴木祥子プロデュースとかにしたらダメですか?それに、もう少しrockしてはダメかな)。ジャケも初回版よりも通常版の方がいいし(初回版の中身は、通常版のジャケです)、歌詞カードも最近の新居昭乃アルバムと全く同じで、何だか損した感じ。DVDを付けることで値段を吊り上げるのは販促上、仕方ないとして、元々のソフトとしての力を信じていたのに、やっぱりダメだった。
 もう、2枚組みベスト『SHO-CO-JOURNEY』に期待するしかないです、今年は。でも、たぶん諸事情で『モノクロームの夏』はCD化されないのでしょうけど。この前、ベストセレクションでたばっかりなのに…『GOIN' HOME』はもう入れなくていいです(笑)。
 そうそう、人様のブログを見ていて思うのですが、たぶんブログに歌詞丸写しは、NGだと思います。まあ、出版とかされない限りは、OKな気もしますけど。

これは王国のかぎ、読了

2007-03-06 | 読書【読了】
 荻原規子「これは王国のかぎ」(中公文庫)読了。軽く手に取ったら、一気読みしてしまいました。

 内と外、物語りはどう紡がれるか。非常に語りべのセンスがヒカっていました。舞台設定から結末まで、納得でした。これは、中高生に持って来いの一冊といえるでしょう。

5、読了

2007-02-15 | 読書【読了】
 今、読み終わりました。最後、250ページは一気でした。タイトルの5は、じわじわと効いてきます。「Y」や「ジャンプ」のように直球ではありません。それで、ずーと読んでいて頭に浮かぶイメージは『粘着』でした。手と手とが触れ合ってネバネバ、出会いが入れ代わり立ち代りでネバネバ、そんな感じでした。なので、どこか頭の中では、ユニコーンの曲がかかっていたような…。
 今回のテーマは、帯を見る限り、小学館か!!と突っ込みが入るようなテーマかと思ったのですが、そこは佐藤正午。最後の2章には、思わぬ展開があり、うー、自分の中では賛否両論。500pは読み応えがあり、内容もすごく読ませてくれるのですが。結局の所、『石橋』というキャラクターを受け入れられるかどうか、って感じです。角川書店から出ているということを考慮して、私的な評価は★4つ半。すでに友達に薦めてしまったのですが、果たしてどうでしょうか。

 さて明日、いや今日か。審査会です。powerpointの修正がまだ終わっていません。これから、朝までに直して、発表練習とかしないと…。少しは、頭の中が整理されたかな。

宇宙でいちばんあかるい屋根、読了

2007-01-09 | 読書【読了】
 中々、論文執筆に忙しくて読書は進みませんが、野中ともそ『宇宙でいちばんあかるい屋根』(ポプラ社)を今年初、読了(どうも昨年、角川から文庫されたようです)。つばめと星ばあとの、夜の屋根を通じた、お話です。

感想としては、

 星ばあとの幻想的で非現実な部分から、家族の元に帰る、その日常への橋渡しのところで、重いような軽くないような家族という帰属意識への帰還に、うっとうしいけれど、無くてはならない強い絆みたいなものを感じました。

また、

 重いものを抱えて、沈む時には深く沈むもの。でも、いづれは浮かび上がって来なければいけないもの。

という所に、そうかもしれないと深く思うのでした。

集英社文庫から2冊ほど著作が出ているので、暇を見つけてはチェックしたいと思います。

また現在、並行して読んでいるアリステア・マクラウド『冬の犬』(新潮クレスト・ブックス)も、中身が詰まった短編集で、おもしろいです。

ティンブクトゥ、読了

2006-12-25 | 読書【読了】
 ポール・オースター『ティンブクトゥ』(新潮社)を読了。不思議な犬小説でした。ハッピーエンドもバットエンドもなく、オースター的に世界を巡る巡る。パッチワークというか、つぎはぎというか、物語はどこかに行くようで、どこにもたどり着かない。

 今週は読書とバイトと研究のバランスを保ちながら、行けたらと思うのです。

サマータイム、読了

2006-12-24 | 読書【読了】
 佐藤多佳子『サマータイム』(新潮文庫)を読了(どう考えてもこんな真冬に読む本ではない…)。森絵都さんの解説にあるとおり、ただただ人物造詣がうまいに尽きると思う。ただし、文庫カヴァーの表紙の自転車は、どう考えても違うと思う(なぜかどの作品でもカヴァーは、単行本>>文庫本なのは気のせいでしょうか?)。

 今夜中にオースターの『ティンブクトゥ』(新潮社)を読み切りたいので、もう少し読書に励みます。

一瞬の風になれ、読了

2006-10-29 | 読書【読了】
 昨日、佐藤多佳子『一瞬の風になれ 3』(講談社)を読了。(買ったのは26日(木)…)おもしろかったです。ある場面を切り取ったような瞬間の、スピード感とこの先、どんな時でもこの一瞬を覚えているだろうという充実感に満ちた、作品でした。今年のベスト候補です。強いて言えば、後日談や番外編などを、もっと読んでみたい!!という気になります。

夜のピクニック、読了

2006-09-15 | 読書【読了】

 英語ポスター終了。そして、ゼミも終了。やっと、枕を高くして眠れます。睡眠不足も解消されることでしょう。

昨日から読み始めた、恩田陸『夜のピクニック』(新潮文庫)を颯爽と読了。本屋大賞受賞作品というイメージはあんまりないのですが、というのも受賞する前から気になっていたので。恩田さんの世間的な知名度ってあんまりないのでしょうか?本屋大賞という名目上、そういう風に解説にあるだけなのではないかと邪推してしまう。

そんなどーてもいいことは置いといて、内容は本当、題材としての特殊な学校行事の一人勝ちって所を抜きにしても、中々痛いところ突かれるな~。主人公2人の似ているもの同士ほど、憎み合ってしまう関係もしかり。旗からはケンカしてるようにも見えて、口には出さない、重苦しい空気なんて、この辺りの微妙な青春の機微を書くのが、こんなにうまいと作家だったとは。最後の二人の会話のシーンなんて、ふつうできるもんじゃない、と思ってしまうも、こうできていたら何て軽くなれるだろうという、ものすごくノスタルジックな想いを昇華してくれる物語でした。ストーリーテーリング能力がないと、ここまでの内容には仕上がりません。納得の一冊でした。

ちょっと昔を懐かしむには、いい一冊なのでは。何だか映画化されるそうです。夜を歩いているシーンがいい絵になりそうです。

明日から3連休ですが、台風も接近してきていて、天気は悪い。本棚整理を久々にやろうかなと思います。

ヘビイチゴ・サナトリウム、読了

2006-08-01 | 読書【読了】

 ほしおさなえ『ヘビイチゴ・サナトリウム』(東京創元社)を読了。

 ジャンルは、ミステリー(なのかどうかよくわりませんが)、おもしろかったです。自己と他者の境界の癒着というのがテーマなのですが、途中から登場人物がぞろぞろと出てきてよくわからない展開に。意図した配役と配置で、真犯人が出た後、さらに真の真犯人?が出てくるあたりから、『犯人は誰でないといけないか?』感が薄れていく感じが、新鮮でした。ただし、最初は誰が語り手なのかが、よくわからないところから入っていくので、結構混乱しました。

 さて次は、山田詠美『風味絶佳』(文芸春秋)。軽く読んだ感想は、相変わらず文章が冴えている(流石エイミー)、と思いながらも、暑い夏がはじまるのだ。