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遠まわりする雛、読了

2007-10-12 | 読書【読了】
ついつい一気読みしてしまいました。
短編集ですが、最後に一輪、花が開いてクルクルと咲いて、いい感じでした。
さわやかな読後感です(缶コーヒーではなく今回は上品な感じの紅茶)。
前作クドリャフカ~とのリンクも、短編集通じての伏線もあって、
非常に計画的だなあと思いました。
4人のバランスが少しづつ重みを増した感じが絶妙でした。
ラスト2編の“チョコレート”と“雛”で、もうこれで今度こそ“終わり”ですかね。

続編は、私的には今のところ期待しません。
新しいキャラクターを加えた2年生ver.は、ちょっと、ね…。


神を見た犬、読了

2007-09-02 | 読書【読了】
 車中読書していたブッツァーティ(関口英子訳)「神を見た犬」(光文社古典新訳文庫)を読了。
その中でもコロンブレ、七階、護送大隊襲撃がよかったです。
次は、漸くバーネット(土屋京子訳)「秘密の花園」(光文社古典新訳文庫)です。

そういえば文春文庫で津島佑子「ナラ・レポート」、森絵都「カラフル」が文庫化されるようです。
後者は、「風に舞いあがる~」の文庫化の布石でしょうね、たぶん。
津島佑子「火の山―山猿記 上・下」(講談社文庫)もそろそろ買っておいた方がいいかも。



ノルウェイの森、読了

2007-08-24 | 読書【読了】
 この夏の宿題にしていた村上春樹「ノルウェイの森」(講談社文庫)を読了。
売れ過ぎたこの小説のために、ムラカミハルキ本人がショックを受けた程の作品。
この本は当時も、それ以降も売れ続けているベストセラー。
何年か前に、最初数ページで挫折し、しばらく本棚に眠っていたのですが、
はやいうち読んでおいた方がいいなと思っていました。
長年の宿題をここで片付けておこうと手に取りました。

感想は、前作「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」(新潮文庫)から比べると
ストレートな展開で、
話の骨格自体は、はっきりと見えているだけに、何だかすべてが軽くて薄い。
このライト感は、あとの国境の南~やねじまき~にはないですね。
ただ、これ所々かなり×××なシーンが多いですね。
まあ、それらがないと全くエンターテイメントとしては、締まらないですが。
(あんまり、中高生にはどうかとおもいます)
(もっと言ってしまえば、大学時代に読まなく良かった)
(ちょっと遠くから眺める行為がこの小説にはちょうど良いです)

読んでいて頭に浮かんだ風景は、月でしたね。
満月でもなく、イメージしたのは三日月から上弦の月。

「新しい月に抱かれた古い月」

~地球照です。

もちろん古い月が直子で、新しい月が緑です。
段端と、月が満ちていくにつれて、古い月は消えてゆく。
そんな感じでした。
予定された結末に向けて、1969-70年という時代の歯車が回り続ける物語。

しかし、本文にもある通り、ライ麦畑の主人公のような、ってのは本当にそう思いますね。
丁寧というか何と言うか、こんなしゃべり方の人いないって。
ムラカミハルキ熱がすでに冷めているからなんでしょうが、
こういう小説ばかり読んでるとダメになると感じる自分がちゃんといます。
ダメだよと言うことできる、それも必要なことじゃないでしょうか。






神様がくれた指、読了

2007-08-23 | 読書【読了】
 
 昨日、日付が変わった頃、佐藤多佳子「神様がくれた指」(新潮社)を読了。
最初は、IWGPシリーズみたいな感じがして、どうかなと思ったのですが、
後半スピード感が増して、一気に読了しました。
おもしろかったです。
「スリ」がテーマというかむしろ、昼間さんが中々どうして、いいキャラでした。
しかし、それぞれのキャラクターにオリジナリティもリアリティも全くなかったのは問題かな。

あとは「しゃべれどもしゃべれども」を読めばコンプリです。
といっても映画化までしたものを今更読むのは…。
(やっぱり著作が少ないからなー、寡黙な作家を待つのはつらいですね)






最近、読書リストを整理していて気付いたことを少しメモしておきます。

・今年は8月の時点で、去年の読書量を越えました。
 →この辺は、まあ暇な時間が多いということで…

・昨年は三浦綾子、川上弘美、佐藤多佳子などでした。
 今年は、(乙一、桜庭一樹、米澤穂信)路線と(日野啓三、津島佑子)路線の2本立て。
 →図書館に頻繁に行くことと本屋さんで本をあまり買わないということ。

・よく買うのは、光文社古典新訳文庫ってのは昨年も今年も変わらず。
 →秋以降の新刊に期待したいです。

以上。


クドリャフカの順番、読了

2007-08-21 | 読書【読了】
 
 今日は、久々に図書館でお勉強。
といってもしっかり昼寝してましたが…。
しかし、今日も暑い、暑かった。
今年、本当にいつまで続くのかわかりません。

それで、
米澤穂信「クドリャフカの順番 「十文字」事件」(角川書店)
佐藤多佳子「神様がくれた指」(新潮社)
の2冊を貸し出してもらいました。

さっそく、クドリャフカ~を読了。
古典部シリーズ第三弾です。古典部シリーズは夏に読むのがいいです。
って、2年前に出た本です。(もう2年も経つのかな?)
前作、前々作が夏の角川文庫100冊に入ったのが記憶に新しいのですが、
そういえば、昨年は「ボトルネック」が出た年でした。
もうすでに忘れかけていることに不安…。

今回が最終巻ということをどこか念頭に置きつつ
(やっぱり学園モノって続けるのに限界があるのかな)
複雑な心境で読んでましたが、いつもと視点が違うだけに、おもしろかったです。
スペード&ハート、クローバー&ダイア。
古典部4人のキャラクターが成長していく感じがよかっただけに
ここで終わるのかーと、少々残念な気持ちです。
今年中には、短編集が出るそうなので(秋ぐらい?)、そちらにも期待です。

残った疑問がひとつ。
タイトルのクドリャフカ、何か本筋に関係ありました?

それとずっと引っかかっていた新居昭乃「スプートニク」の歌詞の謎が解けました。
クローカとライカ犬の疑問が氷解。
ちゃんと曲の解説を調べればいいんですけどね。
スプートニク2号のライカ犬の名前が「クドリャフカ」ってことでいいのでしょうか。
Wikiを見たのですが、はっきりと出典があるわけではないので信頼性がゼロ。





砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない、読了

2007-08-19 | 読書【読了】
 
 桜庭一樹『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』(富士見書房)を読了。
お話の展開的は相変わらずですが、グングン読ませてくれて、おもしろかったです。
『少女には向かない職業』とほぼ同じプロットってことはこっちが原型なのかな?
とは思いましたが。

この本を読んでて、ようやく分かったのは、
桜庭一樹の生み出すセカイ観が、乙一と似ていること。
(作風とかネタとかはいいとして、まあ納得というレベルですが…)
身近な(と言ってもこの場合は超現実的な)人物が死んだり殺されたりというのを
平気で読んでいるのか、今の世代は。
キケンな感じだけど、それもまた尊ぶべき一つの価値観なのか~?
ヒィー、ちょっと私には付いていけないけど、
サスペンス映画とかドラマとか映像では普通か。






風に舞いあがるビニールシート、読了

2007-08-03 | 読書【読了】
 
森絵都「風に舞いあがるビニールシート」(文芸春秋)を読了。
作品集としては、何だかな~といった感じです。
最後に収録されている表題作だけ、内容も題材も他の5作から異色を放っています。
と言っても、6作品の根底に流れているものは、従来の作品と変わりません。
情景、不安、いいわけ、存在の光。
ちから強く、世界をさあ進んで行きなさいという思いに溢れています。
前回も書きましたが、やっぱりこの境地の先を見てみたいです、
ファンとしては。


ブッツァーティ(訳:関口 英子) 「神を見た犬」(光文社古典新訳文庫)をちびちび読みながら
次は、野中ともそ「フラグラーの海上鉄道」(集英社文庫)をそろそろ読もうか、
それともアルフレッド・ベスター「虎よ、虎よ!」(ハヤカワSF文庫)にしようかと
真夏の読書活動は進んでゆく。



赤朽葉家の伝説、読了

2007-07-22 | 読書【読了】
 
 桜庭一樹「赤朽葉家の伝説」(東京創元社)を読了しました。テスト中の待ち時間で読みました。

赤朽葉家3代(4代かな)の年代記でした。
いやー、久々にのめり込みました、話の展開に。
パーツ(製鉄業、不良少女マンガ、コールセンター)はどこかで聞いたことのあるようなものばかりでしたが、戦後、地方の時代の変遷をうまくまとめていて、おもしろかったです。
最終章、現代はまあ蛇足かと思ったのですが、
これがないと年代記としては収まりが悪く、「今」に繋がらないので、
必要なとこかと思います。


教採に関して、今年思ったのは、
社会人枠といっても、年齢制限は必要だと思います。
社会人としての経験を活かすといっても、
明らかに今の子どもたちや親についていけそうもない人を教員にしても
と思うのですが…。
でも、自分が若いからそんな事が言えるのかもしれませんね。
やっぱり、年取った事をいいわけにしない、そんな大人にならないといけません。

教師は、どんどんと変わっていかなければならないと思いました。
時が止まっている先生に対して、生徒は着いてきません。




TOUR1989、読了

2007-07-07 | 読書【読了】
 
 則読了。
迷子ツアーというテーマの連作集でした。
1989年という年だけで十分、読んでいておもしろかったです。
ただ、話のオチ的にはう~ん、何とも言えないです、良かったとも悪かったとも。




天の前庭、読了

2007-05-26 | 読書【読了】
 ほしおさなえ「天の前庭」(東京創元社)を読了。夕方、OOスモーをチラチラ観ながらスラスラ~と読んでしまいました。感想は、全体的に何だかゴチャッとしてました。前著「ヘビイチゴ・サナトリウム」は、読後にそれなりのまとまりを感じたのですが、今回は何だか話の構図が途中からよくわからなくなって来て、最後の方はさっぱり伏線に着いてイケズ。結局、謎としている部分は、どっちが正しいかは話の中で問題ではなくなるのでしょうが、何か合点がいかない。後半に行くに従って、ずれてぶれていく感じに、正直着いていけなかったです。SFなのかミステリなのか、結局どっちにもオチナイので困りました。ストーリーにグイグイ引き込む力があるだけに、どこかお話としてまとまりに欠けていて、残念。

 ミステリ・フロンティアもこれで5冊、読んだことになります。でも、ミステリというよりミステリータッチのライトノベルという感じのものしか読んでいないため、イマイチこのシリーズの全貌がつかめない。学園モノも正直飽きてきたし、次は違う毛色のものを読もうと思います。