ホルモン屋徒然草~珍しホルブロだ

新米ホルモン屋の親爺の日々。ホルモンのこと、店の出来事、周辺の自然や話題。

出た~

2007-06-30 06:58:10 | 第1紀 生きる
出た~、といって喜んでいらっしゃる方、多いんでしょうね。
いっぱい出た~。まあ、まあ、そここ出た。う~ん、こんなもんでしょうと出た。

出た方はいい。
出ない方もいらっしゃる。
全てローンに消える方もいらっしゃる。
飲み屋のつけ払いに走る方もいらっしゃる。

まあまあ、少しはこの写真の「ぶたさんの貯金箱」に。
いや、この「ぶたさんの貯金箱」のある店にお預けなさい。

「少しのお金で、たくさんの笑顔。」
あたらしい「をかしら屋」の標語です。


やっぱり Pレバー

2007-06-29 07:58:56 | ホルモン・肉
「をかしら屋」の従業員人気№1は、「Pレバー」だろう。
もちろん、Pは豚のことである。

「今日、何、焼きたい。」
「レバーとホルモン。」
「じゃ、勝手にやれば」
とかいって、様子を見ると、嬉々として「岩泉龍泉洞黒豚」の箱をあけ、ホルモンとレバーを切ってくる。
一般豚の「Pレバー」ももちろんいいけど、毎週木曜日に一頭分丸ごと入る岩泉龍泉洞黒豚のレバーはいい。見た目でも、その色艶。ピチピチと光っている。そしてその弾力。引き締まり触ると力強く反発する。
切る。へこたれない。切ってもその切り口はりんとして、なよらない。ぷるぷる弾けている。新鮮な証拠に、切り口から体液、血、肉汁もでない。
鼻を近づける。匂わない。
レバーの独特に匂いは、加齢臭じゃないけどやはり日がたつと匂ってくる。細胞がへたれてくるのだろう。もちろん体の要だから血の匂いも混じる。この匂いが嫌われる大きな原因でもある。
で、「をかしら屋」のレバーは匂わない。ほとんど匂わない。
もちろん鮮度を保っているからだ。保存温度を低く一定に保ち、回転を早くすればいい状態でレバーが供給できる。
しかし、なかでもこの岩泉龍泉洞黒豚は匂わない。細胞の保水性が保たれているのだろう。餌もいいからみっちり鍛えられた肝臓なのだ。
太らせることだけに精を出し餌を与えすぎるとやはり肝臓にくると思うし、必要ではあるが種々の病気予防の薬も負担をかけそう。毎日くる肝臓を見、手に触るとやはり違いが出てくるのだ。最初からどうしても匂い、弾力性の無い肝臓はある。残念だけど、ポイとごみ箱に直行する。焼けばどうってことないんだろうけど、私には出せない。そんな肝臓も何ヶ月に一回はある。精肉工場では食肉衛生検査官が一頭一頭の肝臓を目視で、あるいは一部切開して厳しく検査しているから、私のところに流通してくるのは検査済みの保障されたものではあるが。

で、話は飛ぶ飛ぶ、どこまでも。
戻して。どこまで戻すんだっけ。
そう、この黒豚のレバー、癖もなく歯応えも素直。
私にはちょっと物足りないぐらいなのだが、それぐらいにあっさりしていながら、レバーらしさは失っていない。
で、生でも焼いてもあの独特の匂いは発しない。
そしてほのかな甘さを感じる。
皆さん、びっくりなされる。
「これ、豚のレバーですか。」って。大げさではなく、びっくりするのだ。

一方の黒豚のシロ(大腸・小腸)は弾力に富み、噛み応え充分ながら、フニャフニャニュクニュクの頼りなさでなく、心地好く弾けているのである。そして、充分につけた脂が甘くうまい。いい香りが口中にひろがる。
岩泉龍泉洞黒豚の際立つうまさは、得にもこのレバーと白に現れる。

して、岩泉龍泉洞黒豚に走りすぎたが、この本題のPレバー。一般豚でも、申し分なくうまい。
レバー嫌いの人が、当店では食べれるのだから。

覗いて、思い切って注文してください。「をかしら屋」のPレバー。
大きな皿に大量に乗ってくる。
「え~っ。」っと尻込みしないで良く見てください。
角がきりっと立ち、直立している。見た目だけでもプリプリだ。
余計な肉液はこぼれていない。
表面の皮がテカリと光っている。肌艶よろし。
切り分けられた断面もへたれていない。なよったりしていないのだ。ッピン。
厚切りだ。大きい。なんだこの切り方は。レバーステーキか。
と、トングにつまんで焼き網へ。いやっ、つまんだ一切れも存在感を発してきりっとしている。
網でジュワッと焼く。焼き方は人それぞれだ。
好きな方は網の中央で強火で表面をカリッと。中がピンクのレア状態を頬張る。これ、最高。
ちょっと慎重な方は、網の中央で皮をパリッと焼いたあと、網の端の火の弱いところでじっくりと焼き上げる。うまく焼け上がると、これも格別にうまい。まるでオーブンで焼き上げたような美しいレバーになる。
最悪は、強火でほったらかしのレバー。細胞間の水分もすっかり抜け、干からびてうまいわけが無い。こらっ、豚の命を粗末に焼くな、っと怒りたくなる。
まあ、人それぞれにうまく焼けたレバー。辛味噌をたっぷりつけて、あつあつを頬張る。っうう、たまらん。下に絡みつくレバーの少し血の感じを残す粒々の結託した細胞。パリッとした焦げた表面と、さらりねとりのレアの肉のコ・ボラレーション。
俺は動物だ。野生の動物だ。
まるで、サハラの草原で獲物を仕留めたライオンのように歓喜をあげる。「ウォ~ン。」。
あごが引き締まり、いい笑顔がこぼれる。
「うめ~なっす、これ。」(岩手)
「うみゃ~な。」(名古屋)
「すこぶるおいしいです。」(食通ぶり)
「おいしゅうございますは。」(食事研究家の女性)
「っん、っん、っんめぇ。」(ホルモン党員)
「ん。(こくり)」(私)

Pレバーは幸せなおいしさをあなたに与えます。

ミノ & ミノサンド

2007-06-29 00:05:45 | ホルモン・肉
ホルモン党コリコリ派シナシナ亜種の美男皇太子はやはり「ミノ」である。
美白の肌。しなやかな食感。そして、高い。

ウシの第一胃である。前にも書いたから詳しいことは省きます。

遅いUターンして勤めたある食肉企業。
配属された部署の歓迎会は(何回もあったので「会」ではなかったかも。ただの酒呑み会に名目をつけただけですから)、隣町(会社自体が隣町と接していますから隣町というより本拠地)の焼肉屋。
ここにくる36歳まで、まともに焼肉屋で焼肉を食べたことがあったかな。
地元の焼肉屋は、冷麺を喰うところとしか思わなかったし、接待やなんかで焼肉屋へいったかもしれないがカルビとロースぐらいしかメニューが浮かばない。
でも、さすがは食肉企業の職員。それまで知らなかったホルモン類を次々と頼む。
そして、「ミノ」。
焼くんかなと思ったら、おもむろに皿から取り出しタレをつけてそのまま口へ。
「ミノは生で喰うんだよ。ミノ刺しが一番さ」とおいしそうに食べる。
まあ、私も好き者ですから、横着せずにまんま口へ。コリコリシコシコでうまいは、これ。初めての食感にうなりました。
これがミノとの出会い。
(注:当店のミノは刺身用に処理していませんので、必ず焼いて食べてください。)

さて、前にも書いたが「をかしら屋」のミノは国産。
身の厚さが身上のミノですが、これは草食のなせる技。国産牛の丁寧に極上の餌で育ったミノは、草食でばりばり反芻して丈夫に胃壁があつくなった輸入牛に比べて薄いんです。
だから多くの焼肉屋さんは輸入のミノを使っています。
「をかしら屋」は国産牛。確かに薄いですね。ただし、良質の脂が身と身の間にあはまった「ミノサンド」状のところが多いですので、これを楽しんでください。
ミノファンは出された時に「アレッ」って不思議そうな顔をされます。
ぜひ、この背景をお知りおきを。


最近人気のマルチョー

2007-06-28 09:20:21 | ホルモン・肉
何回か登場している「マルチョー」。
牛の小腸である。
牛の小腸は、コプチャン、コテッチャン(大腸がテッチャン)などとも呼ばれているそうな。
脂たっぷりなのでなかなか焼肉屋のメニューには乗りません。「牛ホルモン」というと、大体が大腸。シマチョウは本来は大腸の一部なんですが、全体をシマチョウというところも。歯応えも良く、上品です。
そして小腸は脂いっぱい。でもこの脂がいいんですよ。健康なホルモン党には。

で、「をかしら屋」で扱っているのはマルチョー、丸腸。
脂の多い小腸をひっくり返す、つまり表の脂を裏返しして中に閉じ込めているわけです。いや~手間がかかること。もちろん、これはいわちくさんでやっています。私はらくちん。
このマルチョーを焼くと、中から脂が滲み出てきます。
「うわ~、たまらんわい。あつ~て、あつ~て。」っと中から脂がでてきて、脂身が両端からぷ~とでてきたら食べごろ。身に包まれた脂を食べるという感じ。いや、うまい!!
物珍しさからか、九州の食文化情報が伝わってきたのか、前出の映画「プルコギ」でコプチャンがおいしそうだったからか、最近ファンが増えました。

結構やみつきになる方が多い。そりゃ、脂のうまみは人間が本来もっているもの。おいしいという感覚の中の一要素に脂のうまみがDNAとして残っているはずですし、火を使うこと覚えた祖先の記憶が脂の焼けるにおいに誘われて頭のひだひだから食欲中枢を刺激しに来るのですら。

PS:注意。脂の多いマルチョー。二三人分焼きますと脂がロースターの下に落ち、たまって、時々発煙、発火します。「ファイヤー」。
そして食べごろがわからない方。いつまでも焼き続けると、当然脂が出ちゃって身がやせます。マルチョーって焼き方が難しいですよね。焼き加減をはかれるようになると、ホルモン党コテコテ派の一員として認められることになります。

コーネ または たてがみ

2007-06-28 08:54:31 | ホルモン・肉
かつての日本の隠れた食肉文化の中心は馬肉であったと思う。
今でも、岩手県なら青森県をまたぐ二戸以北の県北地方や遠野、東北では福島などが馬肉を食べる習慣をもっているという。
現在、国内では長野と熊本が生産量が多く、なかでも熊本には馬肉専門のと畜ラインを持った日本有数の工場がある。

南部曲屋にもあるように、ちょっと前の農家は人が住む家と馬小屋が隣接していた。
私の母方の実家もそうだったような気がする。記憶は不確かだが。
農耕の使役として家畜となっていたように思う。
「をかしら屋」の常連さんにも、昔を懐かしむように馬を語る方がいる。

さて、「をかしら屋」ではスポットで馬刺しを扱っている。
当初は熊本産を扱ったが、国産はとても高くて当店の価格ラインでは皆さんの口に入るほどの量・枚数を提供できない。最近は中国産を使用している。飲食店の多くは中国産・カナダ産などの肉用種の馬肉を使っているんだろう。
さしが多いが、これは好き好きである。赤身系の馬刺しを好む方も多いし、馬の脂には独特の香りがある。これも好き好きである。
そして、メニューには無いが、「コーネ刺し」(馬のたてがみ)もある(在庫はあと一個かな?)。コーネはコーネ脂ともいうから、真っ白な脂である。融点が低いから、とろける直前を舌で味わうのがいいんだろう。好き好きというより、際物である。

写真は、馬刺し&コーネ刺し。仙台から出張できたお客様が注文された時に撮ったもの。酒呑みにはたまらない組み合わせかな。

さくらは、もう少しいろいろトライしてみます。
入手ルートも限られていますので、ちとたいへんですが、県北産の馬肉あたりを狙ってみようかなと思います。
すき焼きもいいようですので。

PS:馬肉のと畜場。生産量は多くないでしょうから、熊本のように専用と畜ラインをもっているところは少ないんじゃないでしょうか。
いわちくさんでも、年何頭かと畜していたと思います。頼まれて。
馬は既設ラインには乗りませんから、職人さんの出番ですよね。この技を見たことないのは悔やまれますね。機会があればじっと見てみたいものです。
馬ホルモンもファンがいるようで。少しですが当店でも在庫があります。熊本のメーカーで煮込みにしたものですから、こちらの味覚にあうかどうかは個人差です。

スティックサラダ

2007-06-27 00:05:53 | 第1紀 生きる
写真は動物園の突き出し。
今宵はスティックサラダだ。っっっっ、いい。

動物園の正式名称は「風花」、ふうかという。
愛らしいママのもと、かつて、そして今も、数々の小動物が我々を待ち構えていた。
リス、穴熊、ハリセンボン、狸(多数)、狐、ミジンコ、トド、金目鯛、ありとあらゆる動物、魚、植物、妖怪がカウンターの向こう側に、そして時にはソファーの横にいて、薄い水割りを作っていた。
いや、ママも最たる妖怪で、一年に二歳ずつ年をとり、昨日は遂に四十だと言い放った。おそるべし動物年。

で、いつもほっとさせる突出しが今回はスティックサラダ。
皿に横置きしてあるパターンだが、キュウリ、にんじん、セロリと彩りもよく瑞々しい。
おもわず、次から次と平らげる。

なつかしい、スティックサラダ。

学生時代の最後の二年間。
四度目の引っ越しで、西新宿公園をわたったところにアパートを借りた。
近くに最初のローソンの前身のコンビニ(サンチェーンだっけ)が開店した。
大家はすぐそばにゴルフの打ちっぱなしをこの地価の高い新宿に構えていた。おぼっちゃんだった。
そして、このそばには、「ねえマスター」の清水健太郎の失恋レストランの舞台となったレストランがあった。
西新宿の高層ビルはまだ四軒だった。

そして、何十回目かのアルバイトは神田のサントリー系新宿東京會舘が経営する店だった(何回目かのブログ出演です)。
そして、僕達は(フロアアルバイト二名)毎日、突出しのスティックサラダを作っていた。
細く丈のあるワイングラス風に、風花と同じ、キュウリ、ニンジン、セロリにエシャロットを加えた四品が定番だった。
三時過ぎに店に入り、掃除、グラス磨き、そしてこの突出しづくりがフロアの仕事。
楽しかった。
これを終わり、開店前の賄い。
そして、何組ものお客様を迎え、閉店後の掃除。お疲れの、アルコールを交えた夜の賄い。
酒場での大人の雰囲気に酔ったアルバイトであった。
突出しを作り、グラスをキュッ、キュッとみがき、時にはバーテンダーの指導でカクテルを作り、腕を磨いた。
天性のウエイターがいた。この道何十年の店長がいた。心優しいシェフがいた。
いつかこの道に戻りたいと思った。

そして、少し違うけど、・・・戻った。

で、客が少ないとか、設備がどうのとかあるけど、思った道に戻り、・・・幸せだ。と・て・も。

いずれがアヤメかカキツバタ

2007-06-27 00:05:36 | 第1紀 生きる
なんで、木の後ろにいるんだろう。
奥ゆかしいけど、見えないぞ。

家の雑草畑のアヤメ?
なんだか、いずれがアヤメかカキツバタ。
きれいだよな。つやつやして艶かしいよ。大人だね。

余りに可憐で、摘む気がしない。
来週になれば枯れているんだろうか。

家から出勤していたころは、毎朝、花の咲きようが観察できたけど、今は週に一回。
違いが甚だしくて、おもしろくない。
おもしろくない。
おもしろくない。

ぞ!!

内緒ですが・・

2007-06-26 23:47:39 | 第1紀 をかしら屋
今日、午前中に「マップル岩手版」次号の撮影がありました。

なんでも、ブランド豚がテーマということで。
「岩泉龍泉洞黒豚」と「麦香豚」を撮っていただきました。
発売は秋かな?? お楽しみに。

まあ、無料のパブリシティーみたいなもんですから、担当の佐々木さんとカメラの方に撮影後、試食していただきました。
やはり黒豚がうまいんですって。

こっちだって(こっちとは我々店員三名)、撮影予備の肉があるんだもの。
ひまにまかせて早めの昼食賄い。
いや~、黒豚ってほんとうにいいですね、と彼女達が言っていました。

ありゃ、この雑誌、一年ものだから、来秋まで店を閉めるにはいかんぞ。
儲けにャいかん!!
どうやって?

あ~やって!!

だれか教えて