ホルモン屋徒然草~珍しホルブロだ

新米ホルモン屋の親爺の日々。ホルモンのこと、店の出来事、周辺の自然や話題。

ラヂオの頃

2010-10-31 00:01:07 | 第1紀 生きる
今でもそうなのだが、子供の頃から臆病者で、親と同じ寝室からうえに上がったのは、たぶん十歳はなれている妹が生まれたとし、だから小4の頃だと思う。

ワタシと同い年の生家の、何回かずっこけたきつい傾斜の階段を昇った、二間続きの和室にはりついている廊下を親戚の大工さんが縦長4畳、木製ベッド付きの子供部屋に作ってくれた。

臆病者というのは本物で、それでもなんとかその部屋で寝ていたのは、お隣の和室にお手伝いさんが住み込みでいたからだったと思う。

  (注:裕福だったわけじゃけっしてない。病弱の母に為に和洋裁縫などの勉強も兼ねたお手伝いさんがいた、という事)

まあ話は戻るが、その臆病のせいもあってなのか、中学に上がるころからすっかり「深夜放送」の虜になっていた。

昭和四十年代は、ワタシにとってはまさしく「ラヂオの頃」だっあたわけである。

もちろんラヂオは手回しで微妙に針を合わせる。

記憶している周波数で、「オールナイトニッポン」(ニッポン放送)、「パックインミュージック」(TBSラジオ)、「セイヤング」(文化放送)を、好きなDJにあわせて曜日ごとに針を調整した。

時には、午前3時からの「走れ歌謡曲」までいったのだが、さすがに内容は大人向けで、フォーク主体の若造には少しばかり大人の世界だった。

母には勉強と言っていたが、毎日一冊の日課の読書がほとんどで、子供部屋の学校の工作で作った本棚は見るまに本であふれた。

もっとも、ヤクルト配達で小遣いは稼いでいたが、読書の多くは図書室からの借り物で、中学・高校と一番の借り主であったと自負している。

しかし、やはり母は勉強していると思い、最初の頃は夜食など作ってきていたのだが、子供ながらちょいと重荷でやんわりとお断りし、かわりに冬はストーブでインスタントラーメンを作るのが楽しみになっていた。

火力の弱いストーブで作るインスタントラーメンは、お湯も元気なく3分では当然できないから十分くらいゆらりと茹でる。

その伸びて、スープをどっさりと吸ったラーメンが大好きで、意外にも友人たちにも好評だった(と思う、本当は驚いたのか、あきれたのかもしれないが)。

本題に戻そう。

その「深夜放送」のDJたちの絶妙な会話や、投稿されるリスナーの手紙なんかを聞きながら、大人になる前の少年は、本と同じように、しかしいま生きている現実の知らない世界をかいま見て、興味津々、肯いたり、首を傾げたり、ほくそえんだり、時に興奮したり、腹が立ったり、もらい泣きしながら夜を過ごしていたわけだ。

そして、その一番好きだった、あのとぼけぶりや、絶妙な大人の「男と女」の会話がとてもとても好きだった、あの「ナッチャコ」の野沢那智さんの訃報をきいて、分厚くなった心の、それでもどこかにしまっておいた青い空洞にすっと冷たい風が吹き抜けるのを感じたのは、ボクだけじゃなく、同世代の方は何人か同じ気持ちではなかったでしょうか。

今も聴く「ラヂオ」から流れる音楽と会話に、ふと紛れて彼らの声がきけたら・・・

なんて、少し感傷ぎみになってしまった今夜でした。

【ご連絡】忘れ物はありませんか

2010-10-30 08:52:38 | 第1紀 をかしら屋
連絡です。

昨夜の最後のお客様。

お嬢、あなたですよ!!

A4のペーパー1枚、お忘れです。

たぶん、必要な書類だと思いますのでご連絡します。

問い合わせは、をかしら屋大通店 019-651-7111 まで。

※※そして、本日・明日で「をかしら屋 創業祭」終了です。急げ!!※※

少し頭の痛い話

2010-10-29 11:54:21 | 第1紀 食べる・飲む
むむ、いつになく頭がふらっとしている。

タクシーで帰宅したのは、たぶん、たぶんだよ、深夜1時過ぎ。

睡眠時間はいつもよりとっている。

二枚重ねの布団の上掛け、羽毛布団が落ちていて寒かった記憶があるから風邪か?

いや、そうでもないな。

たぶん、あいつだ。

白く上品に濁ったの・・

少し遅れてあわてて入った「小ぎく」のカウンターの上に鎮座していた上品なドブロク風の日本酒。

これがうまくて5人であっと言う間に空になった。


いや、あいつかな。

60°のウイスキー。

生(き)でいったが、効いた!!


喉が痛いのは、ポリープかなとも思うんだが、ひょっとしたら唄い続け3時間のせいかもしれないが・・、さて。


まあ鋭気を養って、今日も行くか!!

人ごとながら、胸がわくわくする

2010-10-29 11:09:42 | 第1紀 生きる
開業したいから店を見てアドバイスしろという。

鉄筋の立派なビルだが、その居抜きの店はかなり古びて黴臭い。

しかし、なにかすごく「いい感じ」がした。

その方が、板だけ剥がされたカウンターを取り外すというので、おい待て、このカウンターは命だぞ。

ここに毎晩、常連さんが一人二人現れる。

暇な雨の日、他に客はいないけど、カウンターの常連さんが従業員の心を穏やかにしてくれるかもしれない・・・・

などと古ぼけたイスに座りながら、場面を想像する。


座敷を全てテーブルにしたいがという。

おい、待て。

和室が一番好まれるのだよ。

団体客もテーブルならイスの数しか座れないが、座敷なら相当多く入る。

だいたい宴会は座敷だよ。

仲間通しも、座敷で座るから話もはずむ。

テーブルでは距離が縮まらない。


そうそう、その通り、厨房とカウンターの壁は取り除いて丸見えにしましょう。

洋風に言えば、オープンキッチンだが、お客様の反応もわかるし、カウンターの常連さんは「大将」に声も掛けやすいし、深夜営業のアイドルタイムは従業員一人でもやれるじゃないか。

などと、親しい大先輩に「意見」を「のたまう」。

でも、本当にちょいと「いい店」になりそうな感じを受けて、

「うらやましいな~」と心で叫んだのであります。

さて、彼が本契約をして焼肉店開業となるか、楽しみですな。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「をかしら屋 創業祭」も残すところあと3日。

どうぞ、お気軽においでください。

お待ち申し上げます。

・・できればお電話を一本・・

題材が無いから、まあ飯の話や

2010-10-28 13:09:44 | 第1紀 食べる・飲む
寒かった。

なんか街の空気がしんとして、霧が凍っていたような気がする。

こういう時は、鍋だな。



事務所の仕事のあとは、コレにした。

材料は、お見えのようにたっぷりのニラ、たまご2個、油揚げ2枚(特売だから2枚入りね)、厚揚げ・・、そんなもん。

タジン鍋で素早く炊いた。

半生のニラの風味が半熟卵に絡まって、うまい。

湯気がいとおしい時期の到来。




そして朝。

さっき寝たばかりの5時に従業員の今日は休みますとの電話で起こされ、さあどうしようと起きてから考えようかなと思いながら頭に残り寝つけず。

そんな朝も、カップの蕎麦。

鴨蕎麦だという。

温泉卵二個落とし、インスタントながら「らしく」作っているなと感心。


昼は来週開店に向け張り切っている若い友人とその事務所の女性2名に混じり、100円ホルモンをいただく。



そして彼らは、四川麻婆麺2名、こら~麺1名。



この四川麻婆麺は「をかしら屋松園店」だけのメニュー。

880円。

「四川麻婆丼」もあり、こちらは680円。

ウチの中華名人が作る、辛い、うまい、痺れるの一品。

オススメです。


そして、ワタシは・・・・

いつものよに、その若き友人の母上のお手製弁当。

ありがたきかな。

牡蛎

2010-10-27 08:41:10 | 第1紀 食べる・飲む
あっという間の秋から、長い冬へと予感させられる朝でしたね。

店頭では鮮魚売場や果物が季節を映し出して分かりやすいんですが、野菜も精肉も、並べてあるものはそう変わりないように見えても、やはり生き物ですから変化はあり、ワタシのテリトリーの豚肉は寒くなると肉質もしまりおいしくなりますし、夏里冬山の短角牛も晩秋から流通量が多くなってきます。

さて、大好きなサンマの季節もそろそろかなと思うと、そろそろと牡蛎のシーズンがやってくるようです。

一昨日、伺った「とらや」では「カキフライ」をいただきました。

衣はうっすらで、中身がぎっちりのカキフライにスタンダードにソースをつけて頬張る。

う、ん。


そして昨日の遅い(午後5時半)ランチは映画館通り「一幸庵」。

少し期待しながらも、店主に恐る恐る聞いたの。

「牡蛎蕎麦」は始めましたか?  って。

そしたら、やっているって。

分厚い丼にたっぷりの汁。

牡蛎の風味を抱いたその汁を、あっ、あっ、熱いんだけど、何回かずずずっと吸って、ほっ。

洗練されたもりの蕎麦とは違う、朴訥とした蕎麦の香り高い温か系の蕎麦を味わいながら、牡蛎、ねぎ、牡蛎、ねぎ、蕎麦。

湯気の中に季節を感じ・・

牡蛎も寒さとともに大きくなっていくだろうと、もちろん今日のもおいしいけど、あのぷっくらした牡蛎を楽しみに、また少し通うかなと考えると、頬が緩んでしまいますね。


そんな、季節。

そうそう、「をかしら屋 創業祭」も今週末を残すだけ。

皆様のお越しをお待ちしております。

じゃ。

「第1回盛岡お月見ハシゴ酒祭り」

2010-10-26 19:54:29 | 第1紀 をかしら屋
本日、参加店の説明会。

意外に知られていない(かもしれない)「第1回盛岡お月見ハシゴ酒祭り」。

11月16日(火)の夜、盛岡大通・菜園地区の今日の最新情報では153店舗参加の「ハシゴ酒」イベントである。

盛岡では八幡のはしご酒が回を重ねて定着しているが、大通界隈が初めてというのも意外。

ウチも今年から加盟した、岩手県飲食業衛生同業組合盛岡支部の若き幹事の方々が意欲的に各方面に働きかけ実施に至っている。

皆さまお馴染みの「八幡」スタイルとは若干違うので、少しお迷いになるかもしれないが、5軒の飲食店を3000円(予約券)でまわれるという、呑兵衛にはたまらない企画。

詳しくは事務局の「Choki Plus」のページをご覧いただきたい。

前売りチケットは「をかしら屋大通店」にも置いてありますので、ぜひお買い求めください。

いやっ、楽しそうです。

客になりたいほど、ネ。

芋の子汁

2010-10-26 11:38:15 | 第1紀 食べる・飲む
太田和彦氏が絶賛する盛岡の大衆居酒屋「とらや」の名物、「芋の子汁」がそろそろおわりらしいとカウンターに座った常連さんがいう。

そして、「行こうよ」って。

うん、25日、今どきのサラリーマンは給料日は真っ直ぐ帰宅し「給料袋」いや「給料明細」と引き換えに今月のお小遣いをいただく習わしなそうで、まあこれから遅くに立て込むこともなかろうから、ここは優秀な従業員に少しのあいだ、店をまかせて誘惑に呑み込まれようと決めた。

「とらや」はいつもの情景で、何年も通っているだろう常連さん方に囲まれて、少しだけ時がゆっくりと流れる、ふんわりとした雰囲気を漂わせていた。

「あっ、芋の子汁はあと一人前だけよ」というおかみさん。

俺のを分けるかいというカウンターの常連さんらしい男性。

こういうのが居酒屋、これが「とらや」。

暖かい湯気を抱きやってきた「芋の子汁」。



うちのはコショー仕立てと、おかみさん。

そうそう、盛岡に来てカルチャーショックだったのがこのコショー仕立ての芋の子汁さと、九州佐賀うまれの常連さんが言う。

ああ、うまい。

スープだけを夢中に飲み干した。

まったく暖かい、だから体も心もほんわりとさせる味噌仕立てのスープに、コショーのアクセントがとてもよい。

芋の子ももちろんうまいし、キノコも豆腐もネギもまさしく芋の子汁でありますというようなそれぞれが主役級のおいしさなのだが、ワタクシ的にはこのコショーの効いたスープが今日一番のごちそうでした。

久々のサッポロビール、そしてこの湯気にはやはり燗酒。

ホッキ刺しも頼んで、日本酒に浸る。

雰囲気に浸る。

常連さん達の静かな会話がBGMのように心を穏やかにする。

あんた、この前、テレビでてたよね と言うおかみさんに、照れる。

どっかで見た顔だと思ったら、おもいだしてね  って。

このほがらかさに心を預けに通うのだろう。

まだ2回目なのに、もうすっかり埋まってしまった。

いい道先案内人に導かれて、とらやの新入生気分を満喫している。

休むことは、喰うことと見つけたり 付録:花巻展望図

2010-10-25 11:14:56 | 第1紀 食べる・飲む


市役所方面。

こういう晴れた日は、洗濯物を干す屋上を持った人がうらやましい。

我なら、ビーチシートを持ち出し、陽光を浴びて読書とうたた寝にふけるのだが。



こっちは西方向。

街中に銀行さんが大駐車場をかまえて占領するのはいかがなものかと思われるのだが、その繁華街の歩道に人影が無いのも事実な訳だ。

そして未来映画のシーンのように人影がなくても、ここ展望レストラン「マルカンデパート大食堂」はレジ前に常に十数人の行列、300人は入るかというテーブルは満卓なのであるから、花巻の七不思議。

近隣の「ざい」に住むお上りさんの大家族、小さい子を抱えた若い夫婦、花巻弁が美しい昔お嬢さんがたの団体、サンダルを履いて今日も来たよとばかりの近所のおっさん、そしてあの長いソフトクリームをまわりを参考にして箸で挑戦しようとする旅行者の方。

いつもは厨房前の「特等席」で、彼らの慌ただしさをうらやましげに観察するワタシだが、今日はちょうど窓側が空いたので、相方と娘と座る。



申し訳ないが、ワタシは大ジョッキだ。

皆がうらやましげにジョッキを見るのを、うししと満面笑みを浮かべるアル中男性。

ここは花巻、知り合いも親戚も元近所の方々も潜んでいるのはわかりながら、FULL休日の昼はこれに限る。

誰に何を言われようが、ボクの体液の何パーセントかは麦汁でできているのだ。



相方と娘は、テーブル備え付けのほうじ茶で、これもマルカン名物の一つ。

しかし、こんだけのテーブルのほうじ茶を沸かすのにどうしているのかと、また厨房を覗きたくなる。



そして、ことあろうかテーブルにあの「十巻ソフト」がやってきた。

おい、相方よ、一緒に頼むなんて順番知らずというか、花巻素人というか、周りの人たちの目が冷やかだぜ。

まあ、オイラは速攻で箸で十巻ソフトをやっつけたが、相方と娘は、そりゃ大変。

次から次へと白い塔が崩れるのを、箸を防波堤にして救う、いや掬う。



そして早くも、ワタシの「ナポリカツ」登場。

カツをビールのつまみに、パスタは主食で、菜っ葉もたくさん。

先程、スタッドレスタイヤを買い、父親の財布をすっからかんにした娘は(いやちょっと貸しただけネ)、いつになくしおらしく450円の炒飯。

味を確認してコショーを思いっきり振りかけるあたりが、DNAの祟りというか、末恐ろしい。



まだまだ十巻ソフトが残り6巻くらいある相方に、ご注文の「オムハヤシ」登場。

ソフト、オムライス、ソフト、ハヤシ、ソフト、それでもオレ様のカツを狙って一撃、ソフト、隣の娘の炒飯をすくう、ソフト、ほうじ茶、ソフト・・・・

忙しい女だ。


まあ、腹一杯。

あとは一休みして、風呂入って、夕飯・・


そして、「エンゲル係数限界値一家」の夕食。

さすがに今日はおとなしい。

一句  「ナポリカツ」の余韻も残る、五十も半ば



奴とたっぷりの大根おろし。



菜っ葉とトマトのサラダ、たっぷりマヨ。



お、お、おでんの季節だよ。

鶏つみれを入れて。



嫌に斜めの目線を感じながら、それでもこれがもう最後かなと買い求めた愛しいサンマ。

サンマ、サンマ、サンマ・・・

  (意味は無い、他意も無い・・)

ビール4缶、ワイン昨日の残りの一本。

少し寂しげであるが、充分に腹が膨れた晩飯。

あとはニトリで今日買い求めた「低反発マクラ」で寝るだけさ。


朝、ポチの目覚ましで6時起床。

そのまま書斎で二度寝。

6時半に一度目を覚まし、次に起きたのが8時。

ありゃっ、相方はもう出勤で出かけた後。

賞味期限の過ぎた「愛の生活」だが、やはり勤めに出る相方を見送らねばいけなかったのだ。

どうせ悪口の言い合いになるが、人には礼儀というものがある。

まあ、しゃあない。

娘を見送り、十数分の三度寝。

だって、テーブルにはいつもの素麺がなく、冷食のドリアの残りと、昨日のおでんのもち巾着が固くなって一個あるだけ。

そうだ、今日は朝麺はないよと言われたっけ。




こうなりゃ、高速に入る前に「浅月」。

温玉にちくわ天。

ウレシイ。

さあ、一週間の始まり、始まり。