ホルモン屋徒然草~珍しホルブロだ

新米ホルモン屋の親爺の日々。ホルモンのこと、店の出来事、周辺の自然や話題。

「俺のベーコン」

2014-12-17 11:48:24 | ホルモン・肉
昨夜、ロンリー店主は何組かの客を裁きながら、慌ただしくスモーカーを組み立てた。



そろそろ10日ほど塩漬けしていた豚バラの塊を、昼過ぎに、塩抜き、風乾していたのだ。

「俺のベーコン」づくり最終章。

いよいよ燻煙。

ヒッコリーのチップに砂糖と秘密の香辛料を一掴み混ぜ、着火。

火は弱火、ごくごく弱火である。

接客しながらの燻煙は火加減を微妙に加減する間もないことがあるから、弱火でチップに引火しないようにする。

小さい組立式スモーカーなので、庫内の温度や仕上がりの美しさを考えると、このごくごく弱火で長時間というのが今のところ按配がいいようだ。

大手メーカーや教科書によくある「ボイル工程」は施さないので、あくまでもスモークだけで仕上げていく。

約3時間。



スモーカーの庫内から一個取り出し切ってみる。

淡いピンク。

最高だ。

断面を薄切りにして試食。

作っているものだけに許される、ベーコンの最高の味わい方。

うん、いい香り。



一晩、冷蔵庫に定置し、今朝、また確認。
焼き上がりより身が締まって、オイシサも濃縮されている。

今度はチップをナラかなにかにかえて、色づきをよくしようなどときりのない欲をかきたて、今回の工程は終了。

さぁ、おでんせ。

今日で「冷麵まつり」&「鍋まつり」は終了。
二次会にもどうぞ。

この香りがいい! 「俺のベーコン」新作できました!! そして神頼み

2014-06-27 21:32:28 | ホルモン・肉
作るのが楽しみといえば「ベーコン」。

先週、国産バラ肉の「三枚肉」のしっかりとしたところを指定して仕入れ。
一度、塩をたっぷりまぶしてこすりつけ一晩寝かせて、一度目の塩抜き。
つぎに大きな容器に、塩漬液(処方は内緒)を満たし、肉と肉がくっつかないように間にタマネギやセロリやなんだかんだ(これが秘密)を入れて冷蔵庫に。
湿塩方というのかな。
毎日様子を窺いながら上下左右をとっかえひっかえすること一週間。

昨日、塩抜き、乾燥(風乾)、そしていよいよ燻煙。



このように厨房内で燻製機を使います。

今日のチップはヒッコリー&いろいろ。
スパイスと砂糖をトッピングするのがワタクシ流。
スパイスは香りを、砂糖は色づけの役割を果たします。

問題は火加減。
ほぼ付きっ切りで調整します。

火がつかないように弱火で。
しかしあまり弱くては煙が出ない。
庫内の温度も気にしながら、チップの音、脂の滴る音を聞き分けて温度調整します。

でも、営業時間中にかかると、お客様が優先。
ホルモンだ、カルビだ、サラダだ、冷麺だ、ビールだ、モヒートだ、会計だ、、、、、、
って合間に、ちょっと目を離すと、

ああっっっっっっっっっ

燃えているっっっっ
ファイヤーッッッッッッ

っっっで、一週間の苦労が水の泡、いや黒こげの肉塊となったことも何度か。

このスリルも燻製の醍醐味です!?

で、何時間か低温で燻し、場所もとっかえひっかえして色づきがいいところで完成。



(写真は秘密保護のためフィルターをかけています)

火を止め、少し落ち着かせ、さらに冷蔵庫で一晩しめて、さて今日から提供します。

なかなかいいできだと自画自賛。
早速常連氏もご注文。

さて、ベーコンはしょっぱいか?

Yes.しょっぱいさ。

だって、保存食品だもの。
しょっぱくないベーコンは、なにかが入っているんだべ、なにかが。
甘い沢庵も怖いが、塩っけのないベーコンも怖い。

昔、感激したテレビのドキュメントに、ドイツの冬に入る前の農家の仕事があった。
ジジババから小さい子供まで総出で豚一頭をばらしていく。
肉はもちろん、皮も血液も全て使う。
一冬の保存食品、大切なタンパク質源として、ハム(モモ)やベーコン(バラ)、ソーセージ(腸詰め)などに加工する。
あちらは木も少ないし、昔なら冷蔵庫も無い。
塩漬けやら。砂糖漬けやら、乾燥やら、燻製やら、酢漬けやら、いろいろな方法で農畜産物を保存する技術が培われた。
そして、東洋から来たスパイスが大きな保存効果を高めた。

っという内容。

いや~、スパイスの会社にいましたから、なかなか見応えがありました。

そんなわけで、燻製づくりも楽しい。

皆さんも市販のキットも出回っていますので、どうぞお試しください。


そして第二章。

6月も大詰め。
毎月、今月は間違いなく納められるのかとハラハラしますが、今月はなんとかこの月末三日間の出来次第でしめることができそう、、、かな?

こういうときは神頼みと、いつもの盛岡「住吉神社」へ。



真剣に拝み倒してきました、否、拝んできました。



住吉さんも来月はお祭りなようで。

そうそう、7月はグルージャの試合が月末の一回。
当店にとっては売上の苦しい月となりそうです。

どうぞ、お祭り、宵宮、展示会などありましたら、お声かけ下さい。
喜んで馳せ参じます(もちろん販売額は考慮しますが)。

お問い合わせは、をかしら屋大通店 019-651-7111まで。

それでは、


膀胱かな?

2014-06-18 11:28:44 | ホルモン・肉
昨日、火曜日は「黒豚内臓」入荷日だ。

珍しく昼下がりのうたた寝:シエスタを早めに切り上げ、入荷したばかりの黒豚内臓の処理に取りかかる。
毎週の楽しみ。

今週の黒豚はどうかな?
オスかメスか?
若いのか、としょり(年寄り:経産など)か?
などと、袋から取り出す前に全体を見回す。
母豚なんかのときは真っ先にどうどうとした子宮=コブクロが見えるから、やったりとにんまりする。
先週のコブクロはおいしかった。

さて、今週のは若いオスである。



しかし、テッポー=直腸の出口回りの括約筋(たぶんね?)に「付録」がついている。
ワタシの解体人人生では見かけなかったものだ。

サオは無いけどタマか?
いやいや片玉にしても小さいかな?



丸い。
ガツ=胃袋やハツ=心臓も開く前はこのように丸まっているが、これはまさしく丸である。



しかしマメ=腎臓(こちらの処理場では内臓セットに腎臓はついてこない)ではなく、開けてみると中が空間で、しょぼしょぼした液体が出てきた。

毎日触ってはいるが、系統だって勉強していない愚かなワタシの判断は、
たぶん「膀胱」だべ!?

それにしても、人生、初。

常連N氏もあらわれ、先ずは食ってみるか。



写真はキレイな「黒豚内臓セット」(1800円+消費税8%、これはワタシ共も食す事が前提の増量版、N氏専用である)。



早速、焼いてみた。

ふ~ん、シナシナ歯ごたえ系でありんす。
なかなかの珍味で、たぶんコリコリ派やコブクロ派の方には喜んでいただけるお味だ。

なんて、毎週の楽しみはこの黒豚の内臓をいただくこと。
今週もオイシクいただきました。

この膀胱(ホントかな?)、洋食ではよく詰め物をして提供されます。
たしか、ソーセージなんかにもできるみたい。

そして、ラグビーボールのあの楕円球のモトはこの膀胱であったという説もおありなようです。

珍しい部位もある「をかしら屋」へどうぞお越しください。

PS:今週は先週までと様相が違い、なんか予約が多いんです。「慣れない」事で、少しうろたえている中高年二名でござる!! あわてて追加しているが、内臓が足りなくなるかも? 内臓の無いホルモン屋とかけて膀胱と答える。その心は「中身が無い」。  ヘタ、、

PS2:なお「膀胱」と睨んでいるのは浅学なワタシ。いやいやこれは違うよという専門分野の方がいらっしゃいましたら、どうぞご指摘ください(膀胱にしては小さすぎる気がしています)。宛て先は、 info@okasiraya.jp まで。よろしくお願いします。

「仔」なお話 今週は「L」だよ!

2014-03-12 11:46:20 | ホルモン・肉
このブログ過去記事でよく読まれるのは「コブクロ」関係のお話で、ほかに「ガツミノ」や「チチカブ」なども上位に来るからご関係の方々が読まれているのだろう。
こんなもんかと思うのか、なるほどこういうやりかたもあるのかと言うのかわからんが、先輩に少しだけ教えてもらって、あとは我流なので自分自身で誇れるものではないという自覚はある。

オンザジョブトレーニングはやっていないが、常に「つまみ」ながら確かめていったので、そういう食べる側からの自信は少しある。

で、昨日も「コブクロ」。

先週、当店の規定外の「小さい仔袋」が入ってきたのはお読みいただければわかる。
昨日はいつもの「親豚」の「コブクロ」、流通では「コブクロL」と「親」を示す「L」がつく。
後で画像満載でお見せするが、確かに未経産のニュルニュル・キレイなそれと違い、太くて分厚くて色もくすんでいるが、好まれるのはその分厚い皮の食感なのだろう。

それでは画像を追いながら簡単にご説明します。




はい、「仔袋L」の表示です。
今回の発注は1㎏。
三本=親豚3頭分の子宮が入っていました。
だいたい一本370~480gくらい。
流通の主流の子豚のように月齢などの規格が定められているわけではないので、親豚にもそれぞれ個性があり、大きかったり小さかったり、太かったり細かったり、長かったり短かったり、浅黒っぽかったり赤茶ぽかったり白っぽかったりと色は特にさまざまであります。



これ、1㎏。



内蔵はほとんどすべて当店では「丸(原体)で洗い」「紐(ほぐす)で洗い」「切って洗う」、
それぞれ塩をまぶしてこすり、」冷水で水が澄むまで数回、ホントに納得するまで水を替えて手指を広げながら洗う。



で、これが親のコブクロ一頭分。
先端の出口から左右に分かれて管が伸びる。



最初に管についたビラビラをナイフをすべらせながら取る。



そのビラビラのところにナイフを管の中から入れ縫い目に沿って切り分ける。

子供をたくさん産んだ母豚だから管の中はそれなりに分泌物などで汚れている場合もある。



そうそう、不勉強でわからないのがこの部分。
ワタシは密かに「コブクロのコブクロ」と呼んでいる、小宇宙のような物体。
これが何かご存じの方は教えてください。



さて、開いたら塩で洗う、洗う。

そして適当な大きさ(食べやすく、かつコブクロLの醍醐味が感じられる大きさ)に切り分けられたら、最後にまた洗う、洗う。

その工程工程で取れる汚れが違うのだ。
決して一気に切り分けてから、「効率いいね」などとまとめ洗いしてはいけない。
お客様が求めているのは、あなたの効率ではなく、オイシサなのだ。

最後には少しよどんでいた母親豚のコブクロも、いくらか晴れてキレイになる(紫のままのもあるが)。

最近、人気のコブクロはこうして仕上がります。

どんと晴れ。


余談、

来月からの消費税の上げ。

昨日、郵便局にDM(103通)出しにいったついでに局員さんに聞きました。
「いくらになりますか」って。(新聞も読まない無知であります)
「50円はがきが52円に。80円(定形封筒)が82円になります。」

ということは、どちらも2円の値上げ。



早速「2円切手」を買いました。

「DMは記念切手でいいですか?」って、局員さん。
80円の記念切手も来月からは少し使いづらいのですね。

足音は聞こえてきても自分の店の対応はまだ決めていない愚かな店主は、背中を押された気分でした。


今週末の予約が詰まってきています。
ご予約はお早めに。

仔 & L (コブクロのお話)

2014-03-05 10:39:17 | ホルモン・肉
昨夜、今週の黒豚内蔵入荷。
ここのところ、ずっと若いオス。



さっそく「部品」に解体。

間もなく定刻18時半ちょっと前に常連N氏登場。
従って今夜は「せんべろセット」ではなく「黒豚セット」を所望(というより押しつけた)。



 (写真:シロ/大腸・小腸、ガツミノ、雄のシルシの去勢により退化したイツモツの根っこ、タンスジ、タン軟骨、タンモト、ハツ~黒豚はなぜか心臓が小さい~、レバー)

洗っているときから今週のオスはオイシソウ。
特にシロモノの脂がサラッとしていて腸の色もキレイだ。



店主&従業員J氏の味の確認分も含めて多めに盛りつける。

そして店主確認。
レバー良し、非常に良し、なんだこの甘さは、このテクスチャーは。
シロ良し、非常に良し、たいへん良し、思いっきり良し。
たまげるくらいに良し。
店主さらに200g盛りつけて、味の確認から「オイシサ貪る」タイムに突入。

はい、お早めに。


そして、迂闊な事に気がつく。
なんと頼んで届いたコブクロがいつもの規格と違う。

当店では歯ごたえの好ましい「コブクロ(L)」を使用しているが、届いたのは一般の「コブクロ」。
「コブクロ」は「仔袋」であり「子宮」を意味するのだが、豚内蔵のパーツ規格で「L」は親豚の大きめのソレを指す。

通常、スーパーなんかで売っているのは子供のコブクロ。
これはこれで臭みも無く、ニュルニュルしてオイシイが、親豚のは厚みもあり、コブクロ好きのホルモンファン、シコシココリコリ族さん達には非常に好評である。
ただし出荷月齢も揃っている子供(未経産)の見た目もキレイなソレとは違い、母親の経産豚の力強いソレは母親の出荷状況や彼女の一生涯の経験より多種多様であり、色・弾力性など固体別に差があるのが特徴であります。

さて、いつもの親豚のは過去記事が多くの方に繰り返し読まれているようであるから(たぶん精肉・焼肉関係の方かな)ここでは触れず、入荷したものをお返しせずそのまま処理した昨夜の状況をお話ししたい。



うん、袋から取り出した状態でも、見た目も揃ってキレイ。
軽く塩をまぶして良く洗う。



で、試しにというか久しぶりの味を確認。
あ~、未経産豚のコブクロ特有のニュルニュル感が好ましい。
筒というか管の中もキレイなので、ぶつ切りでも問題ない。

いつもの親豚の場合は管を割いて使用するが、なかなかこれが面倒な作業で、強者たちの管の中もいろいろな色や匂いにまみれた液体が充満している場合が多いのであります。
これに比べ未経産の子豚の場合、管自体も小さく細く、内容物もないことから、円筒状に切るだけでいい訳です。
なかには軽く湯掻いて「コブクロ刺し」なんかでお食べになる食通もいらっしゃるとか。



解体状況の現場写真。
こんな具合です。
円筒状に切れば良いといいながら、管についている膜はキレイに取り除きます。
この一手間がホルモン屋。



切り終わった状態です。
(左下が切り取った膜たち)



これをたくさんの塩で洗って洗って洗います。

で、昨夜出来上がりの2㎏の未経産コブクロ、さてどうしましょう。
まぁ食べたい方、お好きな方は申しつけください。


さて、今夜はサッカーか。
ウチの小さいテレビでニュルニュルシコシコでもつまみながら一緒に応援しましょうよ。

そうだ、そうに決めよう!!

しつこいようだが、追っかけます 「黒豚ホルモン」

2014-01-30 13:51:28 | ホルモン・肉
昨夜、常連N氏は悩んで、やっぱ「黒豚!! セットでね」。



  ※写真のセットパーツ:シロ(大腸・小腸)、コブクロ(&卵巣みたいな?)、生殖器、上ガツ(胃袋の厚いところ)、ハツ、タンモト(&タン裏の筋肉?)、喉骨、レバー

既報だが今週のは若い雌。
未発達のコブクロがいい。
レバーも秀逸。
シロの脂もさらっとしていい。
  (わからぬ人は「この変態」と勘違いするかもしれないが、「黒豚」ホルモンの事です)

そして、いつもの笑顔の明るいホルモンヌ2名様にもおすすめして「黒豚ホルモンセット」1575円なり。



だんだんパーツが少なくなってきて、そろそろセットが組めないような。
シロはまだありますが、レバーがもう少しで、テッポー(直腸)が一本(当然か!)ですね。

それでもこのオイシイ黒豚内臓。
ぜひお試しあれ。

提供する方がのめり込んでいますので、まだまだレポートは(しつこく)続きます。
ご勘弁を。

(一般のシロも今日の豚はオイシイな~ 手触りが違うわ)

以上、自画自賛のコーナーでした。

豚の涎 ~ 今日はノド軟骨を処理した

2014-01-09 23:06:21 | ホルモン・肉
人間も喉が渇いたときあたりの涎(よだれ)は凝縮して少し伸びるのかもしれないが、豚の涎はいつも思うがたいそう丈夫で粘性があり伸びる。
毎日処理する豚内蔵セットをパーツに分けるとき、赤物の最初、ベロ(トンタン)から続く喉骨についているノド軟骨を外すのだが、ここは指を入れてよく洗わないと涎が付着しており、先程のように細い糸が50㎝あまりも伸びてきたりする。
なかなか強くて取れないから要注意だ。

そんなことで今日はノド軟骨を仕入れた。
ハラミやハツなどは毎日処理する一頭セットからパーツを抜けばほぼ間に合うが、トンタンやカシラ、コブクロ(コブクロは一般豚の一頭セットにはついてこない、抜かれているのだ、もっともメスにしかないのだが)、ノド軟骨は単品パーツでも仕入れる。
なにせこのノド軟骨は一頭に一枚しかないので、セットから抜いていたんではとても間に合わない。
世の中にコリコリ属シコシコ派のホルモン党員は多く、このノド軟骨は人気なのだ。
呑兵衛もわりと好む。



さて、今日は5㎏の仕入れ。



先ずは内蔵の全てがそうであるように、水洗い。
きれいな赤色の血が落ちる。

(余談)
明日は日中も氷点下3℃とこの冬一番の冷え込みなそうだが、さすがのこの時期、内蔵を洗う水は冷たくて「手が切れそう」という表現がぴったし。
ここ大通店はまだ頑丈なビルの中にあり、「あ~冷てぇな」とつぶやくくらいだが、松園店なんかはビルでも配管が外を通ったりしていたので本当に冷たかった。
毎日内蔵あらいをしていた松園店の従業員には本当にご苦労をかけたと思う。

さて、このノドの部位からピラピラの軟骨を切り分ける。
ちょっとした「慣れ」が必要だが、コブクロほど面倒ではない。
ただ曲線を切り分けるので刃先には注意が必要だ。





こんな具合に二つに分かれる。
上がいわゆるメニュー名「ノド軟骨」。
下がその他大勢で、ここは明日、湯通し、ボイル、味付けして「ノド丼」でお出しする予定。
焼き物ではよほど好きな方でないと無理だし(原始人に戻ったみたいな食べ方になる)、お捨てになる方もいらっしゃると思うが、このノド骨まわりの肉もおいしいし、特に愛犬家には好まれる。
うちのポチなんかは一時たいへん喜んで、穴を掘って大事に埋めたりしていたが、贅沢は敵というご主人の相方に睨まれて、今はありつけない。
友人のブリーダーらしき事を試みているK氏にあげるのだが(もちろん有料)、これを食べると確かにピレニーズの毛並みが良くなるそうである。

さてさて、話はあちこち飛ぶ。

そうそう個体の写真の方が分かりやすいか。



この通りである。



そしてこの5㎏のノドの部分から取れたノド軟骨は87個。
つまり5㎏のノドは87頭の豚から構成されていたわけである。

・・ なんとも、、



重量にすると「ノド軟骨」の部分は1230g。
つまり仕入れの24.6%が商品化される部分である。

話はまたそれる。
この事を吟味しないで頭とパソコンで納品原価からメニュー価格をはじいた最初のころ。
しめしめ、(安い)原価のノド軟骨やコブクロって儲かるな、ウヒヒ・・
なんて考えたのが大甘で、何事にも「歩留り」というのがあることを「痛いほど」知らされたのは、店を開けてからであった。

で、さらにこのノド軟骨を当店の場合は三分割して



皿で提供する。

87頭だから261切れ。
提供する一皿が100g検討とすれば、
この一皿は約7頭分の豚さんから供給された、約7枚のノド軟骨ピラピラで構成され、それは一枚三等分なので21粒ほどになるのであります。
  (実際はもっとある、、、と思うよ)

そんな豚のノドのお話。

「涎」が出てきた方は、本物のホルモン党コリコリ属シコシコ派の方でありましょう。

明日は最近、黒豚内臓の解体でよく掲載する「コブクロ」が2㎏ほど入る予定なので、時間があれば写真をつけてご説明しますか?
いやいや、本当に最近、よく紹介しているので「もういい」かな。

そんな冷たい水に気の引き締まる内蔵洗いの日々。
明日は週末。
予約もちらほら。
新年会でも開いてくださいな。
お待ちしております。

入荷

2013-12-11 10:06:13 | ホルモン・肉
今週も今日から「黒豚内臓」をお出しできます。



今週のはオスだから、



コブクロはついていないが、かわりに直腸の出口付近に黒く固い棒のようなものがついています。
今夜、常連N氏と試食しますかな。

そして、忘年会、まだまだ受け付け中です。

HPのお得なクーポンを使ってご予約ください。

それでは、

(一昨日、腰を痛めましたが、これから可燃物をトラック2台分焼却にいきます。もちろん腰バンドをして。)

黒豚のコブクロ

2013-12-05 08:54:31 | ホルモン・肉
毎週火曜日夕方に黒豚の内臓が入る。
早ければその日の夜の部、通常は深夜処理して翌日から提供している。

黒豚は肉もうまいが、内臓も負けず劣らずうまい。
常連さん方が水曜日に集中するのも肯ける。

シロモツは脂が充分ついてオイシイ。
確か記憶では(あくまで不確かな記憶)黒豚の出荷は通常のもの(6ヶ月標準)より少し大きくなってからだと思うので、体も成長しているだろうし、エサや育て方(これも不確かな記憶だと、この生産者は野飼いもして健康に育てているはずだ)も違う。
腸も元気だが脂もしっかりついて、下処理していると特に大腸は脂の融点が低く、手にしっとりとまつわりついてくる。
水洗いしていながら、おいしそうだねとつぶやいている訳である。

小腸はしっかりしっとり、大腸は脂が花のように舞い、圧巻の直腸は、先ずは大きい。
一般豚の倍はあろうか。
そして厚みもあり、脂もしっかりして、うん、アバンギャルドな直腸なのだ。

内臓は一頭セットで仕入れているので、この直腸には一般豚にはついていない「オマケ」がついている。
雄の場合は数㎝のしこしこしたもの。
なんだろうか、不勉強なワタシにはわからないが、先週、常連二氏と試食したところ、なかなかのイツモツだ!?

そして一昨日入ったのは雌。
直腸の出口で生殖器とつながっている。



二つに分かれ、ふにゃふにゃしているのは子豚らしいコブクロ(子宮)だ。
その一つになった先端は、、、
まぁ、そういうことだ。
開いて少し刻みを入れて焼くと、なかなかの食感である。



お掃除をするとこんな感じ。

おくの細いのがコブクロ。
手前が出口の臓器である。

毎週一頭、週によって雄がくるか雌がくるかはわからない。
その貴重なコブクロ。
「黒豚内臓セット」をご注文の一名様にお分けします。

今週、先週と来ていただいた地元公立大の畜産専攻の方なんかいかがでしょうか。
食べるのも勉強!?

いやいや、ホルモン好きのアナタもいかがでしょう。

ワタシも横で少しご相伴にあずかりたいと存じます!!


それでは。

PS:今日からランチメニューの一部変更です。ランチは11時半から14時まで。日曜日・定休日以外は営業です。11月は土曜日をお休みにしていましたが、12月から土曜日もランチ営業します。

巨大

2013-02-22 09:08:42 | ホルモン・肉
なるほど松園店はすごい!

昨日は店長お休みで、ワタクシ、代理で昼夜松園店勤務。

暇なら階下の事務所で山ほどある企画書を仕上げようと甘くみていたが、ランチは意外に初見参のグループも多く(肉以外のランチありますかというご婦人も大歓迎した)ラストまで離れることはできない。

花巻から友人も来店し、賑やかな松園店は、それでもなにかくつろげる空間だ。

夜も夜とて階下の住民家族達の予約で早くから仕事。

以外にも前日誘った大通店の常連N氏がバスでかけつけてくれ、近くの友人と待ち合わせ。

こうなりゃ、ワタシも企画仕事は徹夜で片づけることにしてテーブルにつく。



ご注文の「おまかせコース ひめかみ」のラストは「テッポー一本焼き」だなと厨房の冷蔵庫を開けてびっくり。

なんだこの巨大なテッポー(直腸)は!!



通常の3本分はあろうかという長さと重量。

母豚のか、それとも豚の品種が違うのか、それとも遠くアマゾンの奥からやってきた未知の豚なのか。

直腸検診7年目にして最大、それも他を引き離すレベルの大きさ。

食べ応えもあったし、身が厚くてうまいのなんの。

常連氏達と話も盛り上がり、楽しくくつろいだ松園の夜。

やっぱ、松園店が一番くつろげると確認。

尻に根が生える「ゆるさ」。


ビールをグラスで三杯いただいたが、閉店を過ぎれば待っているのは事務仕事。

なんとか徹夜はまぬがれ、疲れ果てた体は缶ビール一本で蒲団に倒れこんだ。


なにをそんなに企画していたかいって?

うん、内緒だが、そう3月、とびっきりの企画をね。

企画をチェックする時の心構えは一つ。
自分でも驚かなきゃ企画じゃない。
自分が客になって喜ばなきゃ企画じゃない。

今宵の巨大テッポーみたいな驚きをもつ、オイシイ企画が、さて、できあがったかな?