【お知らせ】
大通店のランチですが、昨日3日(月)~明日5日(水)までお休みします。
申し訳ございません。
夜の部は通常営業です。
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毎年来る一区切りの日。
今年は確実に足元に注意しながら明日を見定めて進もうと漠然と思った。
しかし、物事やなんかは事前予告なく突然訪問するもので、いい事・悪い事という区切りではなく、ありうるものとして全身で受け止めるしかない。
自分の事、相手の事、関係するみんなの事、姿は見えないけど自分の行動や考え方でちょっぴりでも関与する可能性のある方、そんな枠の中で自分の出来る力の範囲を見定めながら時という流れにゆだねられて進む。
力を蓄えるために少し縮こまる事も必要かなと思いました。
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さて、昨夜は薫煙の日。
先週から漬け込んでいた「自家製ベーコン」を仕上げました。
行程を簡単に書きましょう。
原料肉の下処理
塩漬1(塩のみの水だし)
塩漬2(塩と調味液で)
ここまでで約一週間、今回は少し長かった
この間、時々水だしや肉の配置換えなどを行う
そして昨日の作業
塩抜き
乾燥
薫煙
静置
包装
調味液やチップの香り付けなど毎回趣向をこらして楽しい作業となります。
それでは少し昨日の様子を写真付きで。
ベーコンづくりの華はやはり薫煙行程。
いつも厨房内で時間をかけて行います。
スモーカーは大きいホームセンターなんかでチップとともに売っています。
ホームセンターも春に向かいキャンプ用品売場を拡充し始めましたので、覗いてみてください。
紙製のものもありますが、耐久性も考えるとこのタイプがオススメです。
折り畳み式でキャンプ場に持っていくのも楽ちんです。
コツはいろいろ。
先ず、チップ。
木屑ですが木の種類、屑か固めたものかなど選択肢は意外にあります。
今回はサクラがなかったのでヒッコリー。
少し穏やかかな、やはり日本人的にはサクラが相性が良いように思います。
そして、ワタシはこのチップに何種かおまじないをかけますが、それは秘密という事で。
次に、原料肉を吊るすのですが、この配置が微妙に仕上がりに関わってきます。
今回は豚バラ2キログラムを8つに切り分けたのですが、結果的には間違いが二つありました。
まず、スモーカー内のゆとり(煙のまわり、仕上がりにより配置換えが必要)がこの重量ではぎりぎり。
そして、ぶら下げる長さが合わない。
結果的には少し短く切って、切れ端は中の網ふたつに乗っけました。(正解でした)
で、一番の困難な、かつ楽しい課題は煙の量と庫内温度。
もっと実務的に言うと火の管理。
煙が出なきゃ、色も味もでないし、勢いがいいとあっというまにチップに火がつき豚肉も焦げる。
なかなか目が離せないし、この仕上がりようが気になってついつい扉を開け庫内温度を下げてしまう。
なかなか難しいもので、火がつかないぎりぎりの加減を想いだしながら2時間弱、格闘しました。
営業中ですので、ちょっと目を離した間に庫内が火事になっていた事もあまたあります。
慎重になりすぎて色も味もおもしろくもなんともないのができたりすることも。
で、昨夜の出来上がりは・・
どうかなと小さく切り分けたものをカウンターで煙りにまかれていた常連N氏とテイスティングすると、うん、いいではないか。
さらに網であぶると、いや~、なかなか。
という事で、出来ました。
欠品が一週間ほど続きましたが、今日から再開。
毎週タクシーで来られる常連さんも「来週は楽しみにしているからな」と言っていましたが、どうぞ、いらしてください。
当店らしい、少し「普通」のベーコンとは違う、個性的な風味のベーコンが出来ましたよ。
ベーコンは保存食品ですから、家庭用とくらべ塩気も少し強いと思いますが、網で軽くあぶるとオイシイの何の。
ガスレンジの下のオーブンでは同時に「ノンフライ鶏唐揚げ」も製造中。
味・色づきは大好評の「オリジナル漬け込み 鶏唐揚げ」のまま、フライヤーでなく高温オーブンで調理していますので少しばかりヘルシーでもあります。
いつになく、ホルモン・焼肉屋の匂いでなく、ベーコンと唐揚げのいい香りに包まれた大通店。
次はレバーや豚タンの薫煙もトライしてみたいと思います。
そして、今年中に自家製ソーセージもね!
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さて、個人的に毎年迎える桃の節句の記念日は、こんな感じで年甲斐もなく真面目に過ごしました。
(ベーコン製造のあとは、豚内蔵セット2頭処理、各パーツの下処理・仕上げなど25時まで休む間もなく熱中、月曜日で遅くの来客も少なかったですし・・)
花巻の自宅のイブ(前夜祭)は、記念日ごとに厳しくなる相方による訓示も無く、暖かく好きなもので囲んでくれました。
それは、いつものことながら先ずは泡(今年のは値段はとびっきり安かったが、それでも贅沢に思えました)。
カジキのお刺身、鶏唐揚げ、イモサラダ、カキフライ、あとはなんだっけ??
そして翌朝に素麺にとろろと大根おろし、前夜出し忘れたイチゴとパイナップルの入ったフルーツサラダ、ピザ。
相方も忙しさに疲れているから、娘が生まれてからはじめて(かな?)雛人形も飾らなかったのですが、それなりに覚悟していたよりは暖かさに包まれた記念日で、ちょうど気分の優れていた母からも「それはおめでとうございます。フグフグナニヤラ。」と、そのたぶん訓示だろう「フグフグナニヤラ」の中身はわからなかったのですが、久しぶりに母の「生」の声を聞いた気がします。
日付変更線を過ぎた深夜25時半、事務所に帰還。
先程の出来立てベーコンで、この夜ばかりはと贅沢に卵3個使ったベーコンエッグを肴に、立ち寄ったマルイチで「そうだ今夜はコレにしよう」とカゴに入れたカンパリを、最初はロックで、二杯目からはレッドグレープフルーツと炭酸で割って呑みました。
感慨にふけようと思っても、その感慨とやらが浮かんでこないのが寂しい年寄りは、赤い液体の薬効でまもなくぐっすりと眠りの世界に引き込まれました。
だから、今年は足元に注意しながら明日を見定めて着実に生きていくのです。