ホルモン屋徒然草~珍しホルブロだ

新米ホルモン屋の親爺の日々。ホルモンのこと、店の出来事、周辺の自然や話題。

いつか書こうと思っていた床屋の事

2007-07-31 07:18:58 | 第1紀 生きる
月曜日は「をかしら屋」の定休日。

なぜ、「月曜日」?
建前はこうだ。
「をかしら屋」に入荷する豚内蔵。
基本的に前日と蓄を配達していただいている。
もちろん、運良く当日と蓄分が入荷する場合もあるが、配送の荷分けとか彼らの受発注システムを考えると、良く毎日、前日と蓄分を選り分けてくれると感謝している。
店が近くにあれば、当日の朝と蓄のものを、毎朝引き取りにいけば理想的であるし、現に近くの有名なホルモン屋さんはそうしている。
で、月曜日に配送を頼めば金曜日と蓄分が来ることになり、その時点で三日たつ。
だから、月曜日を「をかしら屋」の定休日にしている。
近くの老舗の寿司屋さんは、さんざ定休日をかえて試したらしいが、水曜日定休が最も売上にいいらしい。
確かに、月曜日は学校の代休もあるし、意外に飲み助も家庭に二日間も閉じ込められたあとの月曜日は外で飲みたくなるのだ。
まあ、しかし私と従業員のからだ的には、「土日ジャンボ」的な混みようの後に休めるのは、本来の意味の「休息日」で安息できる事がありがたい。

月曜日定休の職業は、もちろん床屋、パーマ屋(古いか!!)。ゴルフ場は月曜日はセルフでキャディーさんは休みという所も多い。昔は三越が月曜定休だった。

で、年に三・四回しかいかない床屋が月曜日定休である。
でも、最近はやりのディスカウント床屋(とは言わないか)は理容美容衛生組合なんかのしばりがないせいか月曜日も営業している。
その通り髪には無頓着だから安い事幸いに最近はその手の店に行く。

いや、下手くそである(失礼)。
何事も、安さとスピードが信条であるから、とりあえず頭の格好になれば客も満足なのである。
実は今日も行ったのだが・・。
前回は揉み上げの長さが左右違っていた。しかたないので自分で切り揃えた。
今日は、まだこれまでと比べるとましであった。
すぐさま温泉に行って髪を洗ったが、まあ何日かすれば髪も伸び、いいあんばいに雑を隠してくれるべ。
なんといっても、自信なさそうな店員。
そして最近の機械を使って髪をいじるのだから、はさみの回数が本当に少ない。
これでうまく調髪できるわけが無い。
いや、今日の担当はひげそりはうまかった。アトピーの私にとっては、あたるかあたらないかの剃刀がありがたい。顔のアールに沿ってスーッと通ってくれればいいのだ。もちろん、剃刀が髭にあたるとあとがややこしくなるから、床屋に行く前にきれいに髭を剃っていくのはアトピーの常識であり、私も長い間、顔橇なしで散髪をお願いしていた。

さて、床屋の善し悪しは、はさみの回数とタオルの本数であるという。

この言葉通りの記憶がある。
いまでも鮮明にその散髪の事を記憶している。
ときどき、夢だったのかもしれないと思う事も。

十年ほど前の事だと思う。
Uターンして帰って、出張か妻の関係で仙台に行った時の事。
いや、それより何年か前、まだ東京に勤務していたころの仙台出張か。

時間があり、髪が伸びていた。
何かのパーティーか大事な打ち合わせの前だったのかもしれない。
でなければ、外出先で床屋に行く事は無いのだから。
(アトピーの私は、床屋のあとは必ず自分で再度、顔を洗い直す必要がある。だから、自宅にかえり風呂に入れる夕方に行く場合が多いのだ)

知らない床屋へ入るのはなかなか勇気が要る事だ。
食べ物屋や飲み屋なら長年の嗅覚が聴くが。
こういうときはブランドを信じる。
意を決して、仙台駅前の一流としホテルの地下にある床屋の重厚な扉を開けた。
なるほど、店の中はホテルらしくクラシックな中世風の作り、絨毯も厚い。
待つ事なく、丁寧な男性の案内で三つ並べられた大振りのしっかりした椅子へ。

「どのようになさいますか。」。
声は女性。鏡から彼女を見ると、若いしっとりした女の子だった。
するするすると鋏がすべる。
細かい動き。鋏の動きが早い。まるで一本一本を丁寧にカットしているよう。
滑らかな動き。そして、止まらない。風にふんわり流されるように鋏の意思を感じないまま進んでいく。
若いから一元客用に練習かと思っていたがどうやら違う。
若い彼女がまるでスター、花形のように、男性三名!!が助手としてまわりを囲み彼女を助ける。
まるでフレンチレストランのように笑顔を絶やさず客の私を暖かく見守る。

洗髪。ひげそり。
何本ものタオルが惜しみなく使われる。
一カ所を拭き取れば、すぐ次のタオル。汚れたタオルはすぐかえられる。後ろに控えた男性の手に次のタオルが用意される。

こうして三人の男性を従えた若い女性による散髪ショーは終わった。

終始、緊張し、かつ夢心地だった。
なぜか薄笑いが。「こんな所にいていいんだろうか。」と、恥ずかし笑いで。

会計は5000円くらいだったか。
高い?
いや。確かにそのころは3000円くらいが相場だったけど、この散髪の5000円は全く高いとは感じなかった。

夢心地の気持ちのまま、さらさらになった髪を風に揺らしホテルを去った。

そして、今も残る記憶。
そして、今日の散髪。右から左まで、鋏が7回くらいしか、ばさっばさっと。まさかと思ったけど、鋏が入ったのはこれだけ。あとは新型バリカンでした。

夢よ、もう一度。

キジの親子

2007-07-30 16:41:14 | 第1紀 生きる
月曜日は「をかしら屋」の定休日。

昨夜は雨の中の花火(盛岡・松園地区のお祭りだとか、「をかしら屋」にはお誘いがなかった・・・、新参者、外様ですから)を、お客様はテラスから、私は厨房の定位置の窓から思う存分楽しみ、週一度の花巻へ帰ってからは選挙報道番組をかじっていました。

で、遅い朝、用事で車を出した途端、前をゆっくり歩いている小動物は・・・、小さなキジである。
そして、横を見るとわが子の危なげな歩行を見守る母鶏が・・。




写真は2003年2月ころの我が家の庭である。
キジのつがいが毎朝庭を散歩し、お手製のスズメの餌箱においてある残りご飯や野菜クズを失敬していく。
こちらも、ならばと気をつかい、大きめの餌を台に置いていた。その風景である。

雄が先についばみ、後を追って雌が来た。
このころの星が丘の自宅周辺は、キジの鳴き声がよく聴こえた。
キジの散歩道である。

そして、今もときどき遠くからあの独特の鳴き声が聴こえるのだが、庭を通る姿はここしばらくない。
でも、やはりいるんだ。
元気な姿を見てうれしいけど、キジさん、道路の横断にはくれぐれもお気をつけを。




「人それぞれに好みあり」 開高健

2007-07-29 09:09:23 | 第1紀 をかしら屋
菊谷 匡祐 著 実業乃日本社 刊
開高健が喰った!!」を読了。

著者が開高健と行った40店の店と、開高のたべっぷり、おしゃべり(うんちく)がのっています。
首都圏中心に、いわゆる高級店だけでなく街に潜む銘店も含まれ、開高ファンのみならず美食家にもいいガイドブックにもなります。
開高の愛する店、一品の選定理由がそのエピソードとともにとても好ましく描かれています。

この中で何店か、私も行ったことがあります。
四谷にある中華の「嘉賓」。初めてであった「おこげ」が最高でした。パリッとしたおこげに、野菜の餡掛けがのるときのあの音。まさしく、「音」も「蒸気」も味のうちでしたね。
何度も通い、今も私のカレーの№1店である「新宿中村屋」。銀座「資生堂パーラー」。おでんの「お多幸」。有楽町のガード沿いにある中華「慶楽」、何人かでランチを一品ずつ選びまわし食べました。腹一杯、ぜいたくの「出雲蕎麦本店、探しましたね。ハヤシライス発祥の丸善本店屋上の「マルゼン」。大阪の同期生に連れて行かれた「たこ梅」、サエズリやコロを初めて喰った。
開高ほど饒舌に澱みなく言葉で伝えることはできないが、確かにどの店も記憶と舌に残る店だった。

「Chacun a son gout」(仏語ですので aの上に’、uの上に^がつきます)
「人それぞれに好みあり」。
気取らない開高がたびたび使ったこの言葉。
いいですね。

「をかしら屋」の豚たち

2007-07-29 09:08:36 | 第1紀 をかしら屋
「をかしら屋」には、たくさんの豚たちがいます。
お子さまも、結構いい年の「お嬢様」たちも、この豚さん達を喜んでみてくださいます。
「これっ、欲しい」と酔眼でおねだりする、「昔お嬢」も。
だめ、だめ、当店のお宝ですから。
どんどん増えていきますよ、豚さん達。



入口に豚さん達、勢ぞろい。

http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/65/ad/8a7d177872198455334fb4b2c816b66d.jpg

子牛さん、子豚さん。



従兄弟からいただいたお手製の犬?さん達。



いわて短角牛。



これは豚の粒(頭)。コラー麺のだしの素です。

生ビールの達人のいる店

2007-07-28 08:50:37 | 第1紀 をかしら屋


はっはっ、「をかしら屋」は「生ビールの達人のいる店」になりました。

「達人」はうちの姫たち二名。
先日、ぶじに「キリンドラフトマスターズスクール」を卒業したわけです。

実は私もかつて受講したんですが、良かったのはテイスティングの試験だけ。全問正解でした。後は泡に流して・・・・というか、注いでも注いでも泡だらけ。今もそうですのでお客様は私に「生ビール、一丁!!」などというとえらい目にあいますよ。決して原価を下げる意味で泡だらけにするわけではないのですが・・・。

で彼女達、受講してからは、ビールを注ぐ時の姿勢や目つき、ジョッキーの洗い方、閉店後のサーバーのメンテナンス、見違えるように。そして、泡立ちも最高。

暑くなりました。ぜひ「生ビールの達人のいる」をかしら屋でうまいビールをぐびっとやってください。

PS:キリンビールさんは月に一回、サービスの女性がサーバーのメンテナンスに来てくださいます。前の店のサントリーさんの時は、仙台から三月に一度。私の友人は「ドライ」ですが、「最近来ないんだよね~」って言ってましたっけ。
キリンさんは支店長はじめ部長さんも担当の方もメンテナンスサービスの女性の方も食べに来てくださいます。お店のことを大事にしてくださる姿勢をありがたく思っています。
(キリンさん、「ハートランド」を仕入れましたから、このブログを見ていたらハートランドのグラスを少しください。銀河離宮で飲んだこのグラスはとても飲み心地が良かったですよ。)

「梅花音」&「キリン ハートランド」入荷

2007-07-28 08:31:05 | 第1紀 をかしら屋
前にお知らせしたように、あさ開の「梅花音」が入荷。
梅を日本酒でつけたしゃれた味です。
クラッシュアイスできりっといきたいですね。



そして、キリンの「ハートランド」。
ようやく入荷しました。
個人的にはものすごく好きなビール。
テラスで風に吹かれながら、遠くの山並みでも見てぼーっとしながら飲む。つまみなしで、ビールの味わいだけで充分。・・みたいな飲み方ですかね。
このビール。ビール自体にも、私的にも「想い」があります。(私的は・・前のブログで見つけてください)




PERNOD ペルノ

2007-07-27 14:27:01 | 第1紀 食べる・飲む
PERNOD 
ペルノ。
フランス ペルノ社 (販売:ペルノ・リカール・ジャパン社)



薬草リキュールである。
アニスなど15種類のハーブを使用しているという。
発売中止となった、「アブサン」の代用品としても有名。

瓶に入っている時は無色透明。
しかし、水を加えるとグラスのなかで白濁色に変化する。
不思議。
ハーブの香りが強い。
胃腸に良さそう。
でも、小さいグラスで1~2杯が適量か。

食前酒というけど、一次会で飲みすぎた後の口直しに最高ではないか。

癖が強い、アクが強い、好みが分かれる。
この「癖」を愛する人が飲む酒だ。

「梅花音(うめかのん)」入荷

2007-07-26 08:20:32 | 第1紀 をかしら屋
梅酒が人気だ。
と、当店の常連さんが言う。

それでは早速仕入れましょうと。
常連さん推薦の、あさ開「梅花音」を仕入れる。

梅を日本酒で漬け込んでいる。
一本目は、やはりその常連さん。
お流れを頂く。
当たり口がすっきりさわやかだ。香りもいい。
皆で頂く。ちょうど来ていた嫁と娘もいただく。
きわめて好評。

して、現在、在庫一本あり。
焼肉にあうかって。
ナンコツとか塩ガツあたりでやってみては。
あるいは麦香豚ロースとかいわちく純情牛リブロースとかで。ワインと同じようにあうはずです。

お試しあれ。

あ~、つまらない「規格」

2007-07-25 08:36:24 | 第1紀 食べる・飲む
「人類は麺類だ」と言い放ったのは日清食品のカップヌードルのCMだったか。
そう、私も実は麺類である。

夏の朝は、当然、素麺。
秋の朝も、当然、素麺。
冬の朝も、部屋の中は暑いから、当然、冷たい素麺。
春は春で、朝から素麺。

家族にふるまう得意料理はパスタ。
昼の外食はラーメン、冷麺、うどん、坦々麺、蕎麦。
夜の仕上げも、また素麺。
ダイエットにはもちろんスープ春雨。
っと。

家で食べる素麺は、乾麺。
いろいろな地方の、様々なブランドのものを試す。
しかし、常用食であるから、スーパーの安いものに手が伸びる。
つまらぬものも多い。
なかには、同じブランドの素麺と冷麦、うどんが同じ味だったり・・・。

つまらぬ、つまらぬ。
日本の伝統食、素麺、冷麦、うどんがただの「太さ」を基準に名付けられているとは。

***引用***

乾めん類品質表示基準
制定平成12年12月19日農林水産省告示第1639号
改正平成16年6月18日農林水産省告示第1192号
改正平成16年10月7日農林水産省告示第1821号

第4条名称、原材料名及び内容量の表示に際しては、製造業者等は、次の各号に規定するところに
よらなければならない。
(1) 名称
加工食品品質表示基準第4条第1項第1号本文の規定にかかわらず、次に定めるところにより
記載すること。
ア干しそばにあっては「干しそば」又は「そば」と記載すること。
イ手延べ干しめん以外の干しめんにあっては「干しめん」と記載すること。ただし、長径を1.7mm以上に成形したものにあっては「干しうどん」又は「うどん」と、長径を1.3mm以上1.7mm未満に成形したものにあっては「干しひやむぎ」、「ひやむぎ」又は「細うどん」と、長径を1.3mm未満に成形したものにあっては「干しそうめん」又は「そうめん」と、幅を4.5mm以上とし、かつ、厚さを2.0mm未満の帯状に成形したものにあっては「干しひらめん」、「ひらめん」、「きしめん」又は「ひもかわ」と記載することができる。

****  *****

つまらぬ。お上が決めたものは、つまらぬ。

ソーセージにあっても同様である。

これもJAS法。

(wikiより抜粋)
直径20mm未満の物をウィンナーソーセージ
20mm以上36mm未満の物がフランクフルトソーセージ
36mm以上はボロニアソーセージ
となりその名称が発祥や製法と関係ない場合もある。

また、羊の腸で詰めた物をウィンナーソーセージ
豚の腸で詰めたものをフランクフルトソーセージ
牛の腸で詰めた物をボロニアソーセージと定義する。

つまらぬ。つまらぬ。
これが障害で、ソーセージの開発が前に進まないこともあった。

最初の会社の飲料開発担当だった時も、同じく。
ブリックスを基準にした100%果汁の考え方。戦前の法律がそのまま生き残っている。

つまらぬ。つまらぬ。
だいたい、「規格」って言葉が私には、つまらぬ。

体型も「規格外」だからって?
この~。
発想も、発言も、行動も、飲み方も喰い方もうんこの量も、確かに「規格外」ですわ、私。

トマトは強い

2007-07-24 14:32:26 | 第1紀 自然・季節
前のブログで、トマトの葉を間引きし、切ったその葉を土に植えると、また育つという話を書いた。

で、この写真。
「をかしら屋」の酒棚の上に、ガラス瓶にさしたトマトの茎である。



先週、おもいついてさしたのだけれど、もう根が茎から伸びている。
トマトは強い。
切ってさすだけで値がはる。やがて花が咲き、実もなる。
紫陽花も同じだ。あまり土や環境を選ばず、力強く生き残る。
そして、翌年になると落ちたトマトの実から種が残り生え出てくる。

おいしいトマトを作るには、水を与えすぎてはいけないと言われた。
味のよい、うまみが凝縮された真っ赤なトマトは、少し土が乾燥している間に成熟する。
一般に、野菜は少し痛めつけた方がいいのだ。
それが自然だから。
私のように、暇にまかせ、日に何度も水やりするからひ弱で水っぽいものしか出来ないのだ、と。

難しいな、私には。
もっとも、花巻の雑草畑になりつつある野菜畑のトマトやキュウリ、ナスなんかは、伸びるに任せているのだけれど。

「をかしら屋」の水耕栽培トマト。覗きにきてください。

PS:写真のガラス瓶は山田酒店のロビンフッド(津志田)で100円で購入したもの。
うしろのポットスチールは、ニッカ小樽工場で購入したものです。もちろん中身はとっくの昔に空に。確か工場限定発売品だったような。この小樽工場、酒好きのあなたは絶対見るべきです。飲みに行くべきです。私は二回いきました。また行きたい。