ホルモン屋徒然草~珍しホルブロだ

新米ホルモン屋の親爺の日々。ホルモンのこと、店の出来事、周辺の自然や話題。

5月雑感 末日によせて

2008-05-31 09:51:50 | 第1紀 をかしら屋
5月31日。
今日で五月も終わり。

初夏を思わせる好転が続いたゴールデンウィーク。
五月晴れとは良く言ったなあと思わせる天気が続いたあとは、少し肌寒さが残り、ストーブの再登場となった家も多いかと思う。

わたしごとで言えば、膝を壊して四苦八苦の月だった。
久しぶりに整形外科や鍼に通った。
一昨日あたりから不思議に痛みがなくなってきた。
ありがたい。
悪いことだけではない。
三日間のプチ断食や(私の「プチ」はなんとも情けないプチなのだが)、何年ぶりかの連続断酒日。
膝だけではなく疲弊した体にはそれなりの効果があったと思う。
そして、あらためて感心したのは、膝が悪くて歩き回る気がしなくなるということは、外で食べ物屋や本屋さんなどの店を眺めながらいらぬ金を使うことがないということだった。
財布の中身が減らないということは、まったくの庶民である私には素晴らしく素敵なことのように思えた。
これもたまにはいい。

店はというと、ゴールデンウィーク終了最終日の前までは順調満帆。
大通店はサラリーマンのいない祝日の営業に不安をもったが、幸い家族連れやお仲間さんの飲み会などでほどほどの混みように。
松園店は昨年同様、帰省組も迎えたファミリーで一杯。
前年を二割以上、上回る好成績だった。

そして、5月4日のグルージャ盛岡東北一部リーグ公式戦からはじめた屋外販売。
保健所の臨時営業許可も得て、テキヤさんみたいにあちこち店を出しながら、いろいろ勉強中。
これもまた楽し。

しかし、大通店のゴールデンウィーク終了後は寂しい限り。
いい訳ではないが、例年よりひどい落ち込みだと同業の方も、業者さんも嘆く。
確かに、毎夜、「夜回り」と称して痛い膝を抱えながら定点観測に大通・菜園の繁華街をうろつくのだが(これを毎日見ている奥さんへ、うろついているだけで店の中に入って飲んでいるわけではありません!!ウインドーショッピングみたいなもんです。おわかりかとは思うけど)、若者も少ないし、サラリーマンの元気な姿が見えない。
お酒の飲み方もおとなしいような気がしますし、滞店時間も長く、おおむね「次、次」というハシゴスタイルは影をひそめ、一軒長居でリーズナブルに飲むスタイルが定着しているような気がします。
もちろん、長いには最適な「をかしら屋」ですので、大歓迎ですが、当店のような食事中心の店より、二軒目・三軒目となるお酒中心の店の方が打撃は大きいようです。

ゴールデンウィーク前から手巻きチラシやDMをして、常連さんに企画告知した効果も松園店中心にしっかりあらわれていますし、やはり「なにかせねば」というより、「なにかしないと」打開できないのが実態じゃあないでしょうか。
大手チェーンの居酒屋さんはもちろん、地元のしっかりした名店でも、なれない従業員の方が寒さに震えながら割引チケットを配っています。

来月からはさっそくガソリンが170円くらいまであがるとのこと。
これがけっこうダメージの要因になりそうな気がします。
地方では、巷でささやかれる「ガソリン離れなんて」簡単にできないし、他のなにかを削ることになると思います。
なにより心理的影響がね。

さてさて、対策はといえば、初心にかえり店のメニュー、サービス、たたずまいを見直すこと。
そうそう、夏向けの「鍋」の開発がまだだ。
焼かない常連さん向けの一品料理の開発も。
和牛の「価格破壊」に向けた仕入の見直しや素材探しも。

まだまだやり足りないことが多い。
気持ちを切り換えて、前に進むとしますか。



・・・しかし、どうしようもないこともある訳で。
・・・少しつらい話はのちほど。

なんか投資家向けの月次報告みたいになってきました。
そういえば、銀行さん。
ほっといておくと、この人、何をするかわからんから、ときどき確認しに来た方がいいよ!!

労を惜しまない

2008-05-30 13:12:37 | 第1紀仕事のこと、食やマーケティングなど
昨夜、大先輩が来店した。
部下として彼の下で働いた時期がある。
業務の枠を超えがちな私を見守ってくれた方である。

「近頃のおまえのブログはおもしろくないな。おとなしい。」と指摘された。

その通りである。
店の名前を出している、いわゆる初期のブログの概念で書いているが、お読みになっている方も予想外に多くなり、表現も当たり障りのないところに落ち着いているのは意図的な部分であり、我ながらかすかすの文章になっているなと感じているところでもある。

「ゆるさ」というのは時代のはやりであり、当店の空間もある意味でそのゆったりまったりした時の漂いを提供したいという気持ちもある。

しかし、おまえの本質の一部はそうではないはずだといえばその通りであり、物事の確信をつく鋭い刺が持ち味なんだといえば、相当ほめ言葉であろうがその通りを自覚していた時期が長い。

しかし、未熟な鋭さを毎日の短い時間で表現するとなると難しい。
鋭さは危うさであり、そのまま書けば見苦しい乾いた文章になる。
鋭さを和らげることなく包み込む何らかの技術が必要であり、時間を置いた推敲が必要となる。

毎日は無理であるが、少しずつ取り戻して書いてみたい。
仕事のこと、過去のサラリーマン時代で得た糧なんかを、そして時には世相にちくりと。
相当偏った考え方の持ち主であるとも言われているので、たぶん鼻につくなと遠ざかる方もいらっしゃるかもしれないが、本質を少しあらわにしてみようかと思う。
ただし、ときどき。
ときどきしか、この手は書けません。
むかし一匹狼。いまはただの豚ですから。



「労を惜しまない」。
先ほどの先輩と同期の、これも大変お世話になり、迷惑をおかけした先輩がいる。
私がその職場に入った時は、すでに会社の中核であり、その後もその会社の新しい分野を次々に任されて、わりと、というより相当に古い体質の社内にあってたいへんご苦労された方である。

この方は、たいへんマメであった。
なにせ、動く。
上級職にありながら、どんな小さなしょうもない作業でも、自ら汗して動き回る。
いや、むしろ細かくて、汚れて、体力を消耗する、下働きな作業まで誰に指示することなく自ら動く。
なにか新しいことをはじめようとすると、自分の職域の範囲を狭めて防衛したがるサラリーマンやパートの方々は、冷やかな眼、迷惑そうな顔でおずおずととりかかる。
「今までの仕事で手がまわらないわ」とか、「やったことないから、わからな~い」とか、「なんでそんな事までしなけりゃあ、いけないんですか」とか逃げ回るのが普通のことであると思う。
 (普通であってはいけないんだけど、これが普通の態度だった。皆さんの、多くの方の。)

そんな時、彼は自らやる。
「きちんと説明して、部かを働かせるのが上司の役目だ」とか、「部下のモチベーションを高め、自ら実行させていくように育てるのが大事なんだ」とか、口先だけでいう動かない管理部門のお偉方や役員、それを助長するコンサルタントや専門書の多いこと。

しかし、事実はどうなんだろう。
やはり、私はどんな経営本より彼の行動の方が優れていると思う。
やりたくない人は、何をやってもやらないのだ。
少しまともな心を持っている人だけが、はじめは遠目で新しい作業を見ているのだが、やがて自分も動き始める。
動いて、その業務の内容や目的なんかもしだいに理解してくる。
そんなもんだと思う。
薄給で働く万人を口先だけで動かせるなんて書いている本はウソであると思う。
人を動かすのは人であり、優れた人、本当の人でない限り、人は動かない。

雨の中、テントを張り、ガスで焦げた寸胴をみがき、お客様ひとりひとりに笑顔で対応し、ごみを拾い、雪かきをし、コロッケを揚げ、皿を洗い、なれないトラックで休んだ部下の替わりに納品業務を行う。

夜、本社の仕事を終え、店舗のヘルプにまわる。
休日、催事や直営店の手伝いに。いや、ちょっと立ち寄ったんだけどなあといいながらマネキン販売をしたりする。
今日は一人パートが欠勤になっているはずだからね、などと気をつかい店に行く。

まわりの同僚や役員は、そんなことは彼の仕事ではない。
などと、口汚くしかめっ面する。

人を削り、予算を削り、売上未達をののしり、おまけに給料や役職手当を削ってまで利益とやらをあげたい輩が。
自分は毎日、定刻チョットすぎにタイムカードをうち、平日に接待ゴルフや宴会の梯子をし、どうでもいい書類の端から端まで何度も読み返してつまらぬ指摘をしながら社内電話をかけまくる。
そんな輩にだ。

ちょっと悪口が過ぎた。
でも、ついでに。

彼はタイムカード後や休日はマイカーで仕事をした。
新しい分野の部署に、たくさんの業務車両は配置されない。
これを、職務規定違反だという輩もいた。
そりゃあそうだ。マイカーで事故にでもあったらどうするのよと総務はいう。
世の中の会社規定集なんかもそうですよ。まったくその通り。

でも、夜遅く帰るのは自宅。直帰です。
もちろん業務車両がなけりゃあ、他の交通機関も無いんだからマイカーです。

当たり前のことだと、同期の大先輩もいう。
仕事があれば自分の車をだすのは当たり前だと、彼もいう。
自家用車の使用の場合は事前に届け出をして、ガソリン代を請求せよと規定集にはある。
彼も、同期の大先輩もそんな事はしなかった。
部下の請求伝票には判を押しながら。
「なあSよ(私のこと)。自分の車を使わなきゃいけないときは使うのが当たり前さ。俺は請求しないよ。別に、お給料もいただいているしさ。」って。
そうだと思った。
そして、自分もそれをならった。

異論は多いだろうし、それが正論だろう。

でも、正論っていったい何になるだろう。

人を動かすのは人である。正しい人である。魅力のある人である。
そういう人しか、人を動かせない。
そうでない人は、規則や給料や役職やなんかで動かしたふりをしているんだろう。
動いているのは先っちょで、人の心の先っちょだけで、あとはなんにも動かない。
動かないからまた規定を作ったり、指示書を作ったり、会議をしたりする。
動かすのは人だ。
規定集や管理本のテキストで動くのは先っちょだ。

こんなことを長いサラリーマン生活でならった。
二人の大先輩のおかげで、少しは身についた。

テーマの「労は惜しまない」まで辿り着かなかったが、ここで終わる。
少しだけ、ほんのちょっとだけ動けば、自ら動けば済むことができなくなったら、終わりなんだよね。
などといいながら、歩いて三歩の書棚まで資料を取りにいけないなまけものが、今ここにいる。

またまた鼻の頭に汗をかきながら、撮影終了 ~ 放送予定日6月2日(月)

2008-05-30 00:03:53 | 第1紀 をかしら屋
さてさて、本日(5月29日 木曜日)の午後、「をかしら屋盛岡大通店」に某局の撮影クルー来店。
あの非常にごきげんな民放局の収録である。

テーマは「ワンコインランチ」。
そうだよな~、今どき、街の真中で高い入居料を払いながら、500円でボリューム満点のランチを出す無謀な店は話題になるよ。

などと取材理由を聞かされながら収録に入りました。
レポーターは当店にも何度かいらしている大のホルモンファンの方。
おかげさまで撮影もスムースに。

ワンコインランチの、「コラ~麺」、「盛岡冷麺」、「ホルモン定食」と試食を鋏ながら進みました。

放送予定日はちょっとずれて、6月2日(月)の夕方の予定です。
お楽しみに。

とは言っても、撮影とわかりながらいつも通り深夜のアルコールをたっぷりと摂取したワタクシ。
朝からタマゴサンドとカップヌードルのミルクカレーとやらに納豆まで食べて。
ひょっとして、おたくのブラウン管(もしくは液晶、はたまたプラズマ?)からお腹がはみ出るかもしれませんがあしからず。
そして水分過剰摂取と対面恐怖症により、カメラの前で鼻の頭に汗ををかきはじめた私のアップは、目をそらしながら耳だけで聞いてください。
声だけは平静を保っている(はず?)んですが、やはり鼻の頭と顎の下は正直ものでした。
カメラの前で汗を拭くわけにもいかないし、この通りカメラ慣れしているので録画も一発OKで撮り直しもききません。
いや、まいった、まいった。

さてさて、撮影終了後は放送局のクルーも撮影した「ホルモン定食」で昼食。
先程まで、コラー麺、盛岡冷麺と少しずつのご試食でしたから、店側としてもちょっとねぎらいをこめて大盛に。
ホルモンファンのレポーター女史もいらっしゃるので、豚のオッパイやら牛の膵臓など変わりどころもサービスしました。

そしてそして、撮影で遅くなった当店の従業員の昼まかない。
こうなればやはり焼くしかない!!!



はは~、並べましたね。
「従業員教育の一環」として、店のメニューは全て喰わねばと、オッパイ(意外な味わいですよ)、膵臓(こりゃあ常連さんもはまるわけだ)、ハチノス(珍味だね、焼酎が欲しいね)、牛ホホ(おいしかった、やはり和牛のはいい)、牛ハツ(刺身で食いてえ)とここまでは勉強会の食材。これになぜか豚レバーと和牛カルビがたんまりとつく。
途中で帰られた撮影クルーもきっとびっくりしていったんじゃあないかな。

エンゲル係数の高い、「をかしら屋盛岡大通店」でした。

(写真左下にあるのが「野田の塩」。当店のT嬢のお気に入りです。これがなかなか内臓に合う。お試ししたいかたは遠慮なくいってください。隠しているわけではありませんが、普段は控えにまわっております。貴重品ですからね。で、いつもテーブルの上にあるのは韓国塩です。)

散髪+温泉+岩盤浴=1680円

2008-05-29 00:04:06 | 第1紀 生きる
明日はテレビ撮影。
別に私に出演依頼があるわけではないが、ここは店主としてPRせねばと意気込む。

しかし、意気込みはいいが腹は三日間の絶食のあとのただれた生活で元通りに、髪は伸び放題。
ここは、腹はしょうがないから髪の毛だけでもと、散髪へ。

考えあねくまま、「そうだ風呂付き散髪だ」と、お久しぶりの「喜盛の湯」へ。

散髪、1000円である。
安い。

安くて手軽で、アトピーには喜ばしい、散髪直後のお風呂付き(別料金)。
何事にもかえがたき絶好のロケーションである。
ほかは望まない。
望んではいけない。

が、鋏のたどたどしさよ。
シャカシャカではない、ばさっばさっ。
床屋の善し悪しの基準は、鋏を入れる回数とスピード。
タオルの枚数(アナタ、ニヤケテハイケナイ、トコヤノハナシノコトアルヨ)。
そして、お客様一人に対する店員の数である。
ワタシ、シャンプーの係。ワタシ、ひげそりの係。ワタシ、耳掻きの係。ワタシ、肩もみの係。ワタシ、店主が散髪の係。会計は、ワタシよ。みたいに。

まあ、しかし、多くを望んではいけない。
温泉にくっついて、安い。
ただそれだけを満足すればいい。

と、心配するほどでも無く、鋏の回数は極端に(おそらく私の散髪史のなかで最も)少なくたどたどしかったが、仕上がりはこの手の他の店よりまともだった。
最近は機械も優れていて、鋏の回数などで腕をはかれるもんじゃあないのかもしれない。
いや、なかなかのできである。ラインもスムースである。バランス感覚がいいのかな。
なんにせよ数日もすれば髪は伸び、ギザギザカットもほどよく包み込まれるのであるから気にすることは無い。

気持ちよく散髪を終わり、いよいよ風呂。
自動発券機には、ただいま岩盤欲100円!!とある。

こりゃあ、試してみなければ。
いつも入りたいんだけど、ケチなワタシには高すぎる別料金。
それが、今は(確か6月末まで)100円!!

入浴料とセットで680円。

先ずは最初にお風呂へ軽く。
そのあと、フロントで貸していただいた上下のウエアに着替え、ロングバスタオル(これ一家に一枚は欲しいね)を持ってエレベーターで一階上の「岩温浴健美汗房」へ。
結構広く、清潔感のある癒しの空間でタオルを敷いて寝そべるわけです。

汗がじとっと沸いてきて、キクナ~って感じ。
ただ、今日のワタシはちょっと体調が悪く、残念ながら20分くらいで出てしまいました。
(この次は、ゆっくりね。)
休憩の場所もかなり広くとってあり、この4階フロアーは「喜盛の湯」の隠れ部屋みたいに素敵な場所ですね。
時間無制限ですから、入って出て、また入ってちょっとお昼寝、起きて入って下で軽く食事、なんて感じもいいのかもしれません。

あとは、風呂。
温泉とあるが、まあまあいいでしょう。
いつものように、お外のお風呂:シルキーバスで泡に揺られながらゆったりし、これまたいつもながらの寒い洗い場で体をゴシゴシと。
なあに、町中にこんなに素敵な設備があるだけで大満足じゃあないですか。
散髪屋もまあまあ、温泉もまあまあ、広いサウナはこれはいい!!
今あることにとりあえずは大きな満足をして帰りましょう。

おっといけねえ。
開店時間を過ぎている。
なんと気ままなオーナーだと、従業員は気にもとめていないのだ。

PS:さて、あとで詳しく報告しますが、明日、暦上は今日、テレビの収録があり、明後日、金曜日の夕方、某局の「ごきげん」な番組で放送する予定です。お楽しみに。

まかないをバクバク喰っているうちは元気なことなんだと思う

2008-05-28 13:29:41 | 第1紀 をかしら屋
毎日、昼と夜のまかないが楽しみである。

今日は今日とて、夏に向けた「をかしら屋オリジナルギフト」の撮影と称して、「岩手山麓豚清美」のカルビとロース、それに辛味噌を混ぜこんだホルモンを「試食」。



あ~あ、「清美」のすがすがしいうまさ。
ほんのりと甘みが漂う、つくずくいい豚だ。
そして辛味噌で引き立つホルモンの脂。
絶品である。

「そうだ、そうだ」と従業員もうなずきながら、もりもりとまかないは進む。
こうやっておいしくいただいている限りは、私ら、健康だなあと納得しながら、箸は進む「をかしら屋」であった。

「ごはん、おかわりっ!!」

実は対人恐怖症なんです ~ 吃りと鼻の頭の汗について思う

2008-05-27 00:19:00 | 第1紀 生きる
対人恐怖症である。
間違いなくそうである。

先ずは吃る。
次に鼻の頭に汗をかく。
全身に汗をかき、脈拍が早くなる。
初めての人、特に偉そうな感じの人や、きれいなねえちゃんの前では、一層ひどくなる。

人前は嫌いである。
仏事や祝い事、会議、会合、パーティーなんぞ、できれば遠慮したい。
営業やサービス業なんて無理だ、と自分でも思っていたし、親戚縁者、同級生、友人も皆、そう思っていたはずである。
何の因果か、今はホルモン屋の親爺であり、カウンターなんぞこしらえたからお客様と相対することも多い。

初めて吃った場面を明確に覚えている。
小学校の西階段だ。
たぶん小学校の低学年、2年生か3年生の頃。
そこで、吃った。
次の言葉が出てこなかった。
なぜ、声が出ない。
ぽか~んとして、恥ずかしくて自嘲していた。
そんな光景が今でも鮮明に頭に残る。
  (以前も書いたかな?)
自分のことなのに、自分がいる光景が目に浮かぶのだから理屈に合わないのは承知だ。
でも、それが初めての吃りだ。

それから少年期はずっと吃っていた。
そんなにひどくはないと今では思えるのだが、その頃はずいぶんとこの事を重荷に思った。
幸い、いい時代でこの事によるいじめは無かった。
  (そもそも、いじめなんて言葉も無かった。今は、「イジメ」という言葉が現象を引き起こしている観もある。無責任に言葉を扱う時代だ。)

青年期になり、高校、大学、社会人と初対面の人と会う場が多くなり、やはり少なくなったとはいえ吃りの癖は気になった。
おまけにやや体重も増加したせいか、鼻の頭の汗も気になる。
自分に自信をなくす年齢でもあり、精神的にも不安な時期だったのだろう。

もちろん、この癖を無くしたいと思った。
ゆっくり話したり、吃りそうになると呼吸を整える術を覚えたりしながら、少しずつ直っていったのかもしれない。
もちろん、いまでもある。
鼻の汗っかきはしょっちゅうだ。
最近は顎の下までかく。

ネットでいろいろ調べると、ショッキングなことも書いてある。
「緊張するからどもるのではなく、どもるから緊張するのである」などとさりげなく書かれていたりすると、当方としては「痛い」。
「成人では0.8 - 1.2%、学齢期の子供で約1.2%、5歳までの子供では約5%が吃音者であるといわれる。」というから、わりと少ないのかな。

これから夏。
吃りは何とかごまかせても、汗っかきは直らない。
いやはや、偉そうな人、賢そうな人、きれいな女性、ややそうであって妙齢の女性なんかは私の前に現れないでほしい。
子供、おばちゃん、あんちゃん、普通のおじさんは歓迎。

なんていっている合間にお客様が帰る。
いつもの元気な「ありがとうございました」の、最初の「あ」の字が出ない。
心の中では絶妙のタイミングで「あ・・りがとうございました」というはずが、引き戸を明け暖簾をくぐりそうになるまで出ない。
私は、ずっと心の中で「あ・・・、あ・・・、あ・・・」と繰り返している。
出ないと思うと本当に出ない。
下を丸めて、唾液をためて、鼻から同時に息をはきながら、そ~れっと・・・・・。でない。

いや、やっとでた。
霞のような声で。
お客さんは、とうに階段を降りている。
従業員には見られたくないなと、さっとごまかして事務所に行く。
はあっとため息をつきながら、あたまグルグル。

まあ、しゃんめえと自分を突き放し、心の中で話題を切り換える。

どなたか、カウンター越しに金魚のように口をぱくぱくさせている姿を見たら、そっと視線を外してください。
たぶん、「い、い、い、(らっしゃいませ)」とか、「こ、こ、こ、(んにちは)」とか、「ど、ど、ど、(うもありがとうございました)」と言おうとしているはずです。

んん、ちと情けないが、これも私かと開き直れる歳になったのが幸いかな。

※吃音症については専門のサイトを参照にしてください。大なり小なり、今もそうであったり、少し直ったり、いろいろなかたがいらっしゃると思います。私は幸い本当に軽い方ですが、その軽さと心の引っ掛かりの重さに比例関係は必ずしも成り立たないような気がします。

そろそろ無くなるんでアレだが、白レバーなんていかがかな

2008-05-26 13:03:20 | ホルモン・肉
確かに珍味であろう。
白レバー。
鶏では良く聴く。
今回手に入ったのは牛の白レバーである。

まあ、牛も鶏も「白レバー」といえば、聞こえは悪いが脂肪肝の事だろうとたかをくくっていた。
しかしなんのその。
切り口は新鮮であるから、きりっと角が立つ。
色は「白」とはいうが、そうでもない。
いつもよりほんの少し薄めというのが本当の所。
まあ、見た目は少しがっかりだ。

しかしこの味わいは。
ねっとり、みっちり。
かといって時間が経った鮮度の悪いレバーとは一線を画す。
臭みなんて全くないのことあるよ。

ホルモン党の常連さん曰く、「昔のレバーの味だな~」。
うんっ!! その通り。
全くその通りなのである。
いわゆる記憶の中のレバー。

あとほんの少しある。
なかなか手に入らない。
私も始めての、牛の白レバー。

ただ同じ餌を同じ量、食べてもこうはならないという珍品。
お早めに。
できれば、今日にでも。
最後は私の口に・・・・、入る予定。

小雨、雑草、五月

2008-05-26 12:32:04 | 第1紀 自然・季節
暖かい小雨が降る。
庭の雑草は自由に伸びている。

雑草にも名前があろうが、私にはわからない。
わからないが小さいながらきれいな花を咲かせたりする。





たぶん、買い求めた花が畑からこぼれ落ちたのかもしれない。
そんなきれいな花たちだ。



コンフリーの紫の花。
強い草だ。
天ぷらが好きで、実家の裏庭から取ってきたが、増えた、増えた。
そして、最近では食用には適さないというおふれが。
なんでも肝臓疾患につながるとか。
おいしいのにと、ぶつくさ。
まあ、でもそういわれれば、そうするしかない。
でも、そんなことはなかろうとの心の奥の声も聞こえる。
大げさじゃないの???



テッセンの花も雨にうたれてしょぼくれている。
白い花がうつむいて、これはこれで可憐だ。
私も、小雨ならぬ洪水に巻き込まれてしょぼくれている。
しかし、可憐ではない。
たぶん。



少しでも雨が降っていれば小屋からでないポチだが、雨が上がると元気よく出てくる。
なんだかいつも不満そうな顔をして。
私を見れば、餌が欲しいと目で訴える。

そうか、ポチの生きがいは食べることか。
などと、勝手に創造する薄情な飼い主。
いつまでも子供のままのポチである。

時々、草を食む。
そして胃液を吐き出す。
好物の草もあり、バリバリ食べるのだが、やはりなんかの薬なのかもしれない。
犬が草を、薬草を食む。
そうか、オレモ食むとするか。

ちょいと気になっていた店で餅を喰う

2008-05-25 18:39:43 | 第1紀 食べる・飲む
日曜日の昼は相方と娘と外で昼食というのが最近の不文律。

今日は前からちょっと気になっていた店へ。

もうなくなったが、少し前までは「マルコー」、だいぶまえは「エンドーチェーン花巻店」、今はマンションの前にあるのがこの店。

道路から窓越しに店内が覗けるのだが、日曜日はけっこう混み合っている様子。
看板には「もち料理」とある。
いったいこの店で、日曜日の昼間から皆さん、お餅なぞ食べているのかしらんと興味津々。

で、今日はいずこへと相方の運転する車に乗ってから考えるイタリア人的発想の我が家。
  (イタリア人は走ってから考える。ドイツ人は走る前に考えるけど、考えてからもなかなか走らない?)

そうだ、今日は気になるこの店にということで来てみました。
11時半前でしたが暖簾は下がっている。
一番乗りではある。

暖簾を潜る。
広い店内。
テーブルが5つ。
奥に小上り座敷。
座卓が4つ。

手書きのお品書きがあちこちに。
う~ん、なかなか私好みの店内。

そばから、ラーメンから、定食から、もちろんお餅も。
迷いながらも、私は朝から胃袋が考えていた「カツ丼」へ。
娘は「つけ麺」。
相方は「ラーメン&チャーハンセット」。
・・バラバラだな。
そして、くるみ餅も注文。

待つこと二十分くらい。
けっこう待ちました。
なんせ注文がばらばらですので。

先ずはくるみ餅。
大振りで、しっかりしたお餅が三個。
くるみも上品。

あ~あ、しまった。
やはり「お餅」が看板の店。
定食のお雑煮が入ったセットにすれば良かったか。
胃袋が朝から「トンカツ」「トンカツ」というもんだから、つい「カツ丼」なんぞを。

とまもなく、娘のつけ麺が。
ありゃ~、魅力的。
ぶっとい麺がチョモランマ的に大きな丼に山盛り。
この姿だけでも10点満点。

さっそく、我が家のしきたりで、皆でつつく。
うん、もちもちした麺がいい。
うん、なにがどうあれ、二人前以上はあろう、この量が素晴らしい。

などといっていたら、次は相方の「ラーメン&チャーハンセット」。
ふ~ん。
ラーメンはこの地にありがちな「中華そば」風。
スープもあっさり。ちょっと行き過ぎのあっさり、薄味。
秀逸なのはチャーハン。
なんせボリュームがいい。
普通はこの値段(セット価格750円)では半チャーハン、はやりの店では「半チャーハン」という名の「四分の一」チャーハンが普通だと思うのだが、ここは「まんま」チャーハン。ばっちし一人前。
みんなで突っつく。
うん、ありきたりではあるが、馴染みの味のチャーハン。
うまい。

さあさあ、来ました。私のカツ丼。
おお、身も厚い。
ちょいと小型なのがおもしろくないが、まずまず、これも昔ながらのカツ丼。
いいんではないでしょうか。
小鉢、お新香も三種。
ここいらへんが、「食堂」の良さであります。

お品書きは、「ロコモコ風ハンバーグ定食」や一品香で有名な「サンマー麺」など、ありとあらゆる分野。
でも、娘のつけ麺みたいに、きっとここの主は研究熱心なんだろう。

古いけど新しい。
交歓の持てるお店でしたね。
な~んにも考えたくない時は、こういうお店が手持ちに一軒あれば助かる。
そんな感じのお店でした。
マル。

・・・・そうそう、名前は「かね山」です。

白詰草(シロツメクサ)、紫詰草(ムラサキツメクサ)

2008-05-24 00:06:45 | 第1紀 自然・季節
自宅の庭先に白詰草と紫詰草が。
伸び放題にしていたミツバ(今はクローバーというのか、ミツバというと野菜売場のやたら茎の長い食用のものとなるらしい)が花を持った。



そういえば、今年は一度しか見なかったリンゴの花。
小さいころ、実家の周りはリンゴ畑が多く、「ミツバ」が敷きつめられるように生えていた。
この季節、ミツバの花のみから蜜蜂みたいに蜜をチュウチュウ吸うのが楽しみだった(気がする)。(まあ、昔からリンゴの除虫剤はすごかったのだが)

女の子はミツバでブーケを作ったっけな。
ミツバというと、リンゴ畑と、蜜を吸った時の青臭い葉っぱの匂いにまみれたさわやかでかすかな甘さと、雨上がりと(なぜ?)、ブーケの女の子の笑い顔が思い出される。
のどかでいい年頃だった。

そして、鉄線も何輪かさいて、おもいのほか花を楽しむことができた。

また花巻に帰るのは明後日。
まだ咲いているのだろうか。







PS:常連の皆様へ。週末だというのに、給料日後だというのに、す・い・て・い・ま・す。牛の白レバーも入りました。黒ホッピーも入りました。どうぞ、「をかしら屋」をお忘れ無く。お待ちしております。