地震の影響をもろに食らった柏崎・刈羽原発ですが,放射能漏れ水を流したり,廃棄物が入ったバケツが倒れていたなど,次々と問題点が発覚しはじめてきました。
原発直下に断層か、建設の前提に疑問 中越沖地震(朝日新聞) - goo ニュース
本当の問題はなんだろう?
以前の記事「原発の災害対策は十分だったか?」において,私は「災害時の消火対策」について問題点を提起しました。また,この中で,原発の構造的安全性を説明しました。
ここで誤解のないようにいいますが,あの記事は別に原発絶対安全と言っているのではなく,今回の地震で原子炉が崩壊しなかったことから,少なくとも同じレベルの地震には耐えられる構造になっていると説明したに過ぎません。また,あの記事の趣旨は,「議論の混同は止めよう」ということを言いたかったのです。
ところが,案の定,議論の混同が始まりました。そこで,改めて考えてみましょう。
1 施設の場所の安全性はどうだったのか
ここへきて,「場所の安全性」の議論が出始めました。すなわち,原発の下に断層が生じたこと,そんなところに作った東京電力の甘さが指摘されはじめてきました。
しかし,原発建設時には,活断層が近くにあることは認識していたものの,直下には断層がないことはボーリング調査などで確認しています。
とすると,後からできた断層を予測することは不可能といっても過言ではありません。
もし,建設後も断層が絶対でない場所を探すのであれば,少なくとも日本国内で原発を建設することはできないでしょう。
もちろん,建設調査の信憑性,妥当性を検証することは非常に重要なことですが,予測困難なことまで押しつけるのは,一休さんの将軍様くらい無茶な要求です。
2 施設自体の安全性はどうだったのか
ところが,原発はとにかく非常に危険なリスクを抱えた建物です。だから,想定外のことが発生した場合に「仕方ない」では済まされない面があります。
そこで,原発自体の構造的耐久性について検証する必要があります。その中で,「断層ができても耐えられる設計,構造なのか」という点をしっかり検証するのです。
ちなみに,その他構造上の問題として,「横揺れ,縦揺れへの対応シミュレーション」,「外からの耐火性」,「万一放射能漏れが発生した場合のヒュールシステム」などが考えられます。
3 災害発生後の人的物的制はどうだったか
実は,この部分が今回の災害において一番問題となるとところです。
災害の認識,初期対応,情報の提供など人力で行う部分について,今回の対応が迅速かつ適正といえるかどうか,問題があるとしたらどの手順なのか,などをしっかり検証する必要があります。
4 電気は足りるか
原発が必要な最大の理由,それは「エアコン」です。
今年の夏を乗り切れるかどうかは,エアコンの使い方にかかってきます。やはり,改めて節電が求められますね。
はっきりいうと,今回の災害,人的体制の甘さが大きな問題を招いてしまったといえます。建物の安全性を議論することももちろん大事ですが,一番の要素である「人的体制」についても視野において考えるべきです。当然,建物自体の問題とは別に考えるべきです。この議論をまぜこぜにすると,「単なる不要論」に化けてしまいます。不要論を展開するならば,一つずつ問題点を整理することが大切です。
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本当の問題はなんだろう?
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ここで誤解のないようにいいますが,あの記事は別に原発絶対安全と言っているのではなく,今回の地震で原子炉が崩壊しなかったことから,少なくとも同じレベルの地震には耐えられる構造になっていると説明したに過ぎません。また,あの記事の趣旨は,「議論の混同は止めよう」ということを言いたかったのです。
ところが,案の定,議論の混同が始まりました。そこで,改めて考えてみましょう。
1 施設の場所の安全性はどうだったのか
ここへきて,「場所の安全性」の議論が出始めました。すなわち,原発の下に断層が生じたこと,そんなところに作った東京電力の甘さが指摘されはじめてきました。
しかし,原発建設時には,活断層が近くにあることは認識していたものの,直下には断層がないことはボーリング調査などで確認しています。
とすると,後からできた断層を予測することは不可能といっても過言ではありません。
もし,建設後も断層が絶対でない場所を探すのであれば,少なくとも日本国内で原発を建設することはできないでしょう。
もちろん,建設調査の信憑性,妥当性を検証することは非常に重要なことですが,予測困難なことまで押しつけるのは,一休さんの将軍様くらい無茶な要求です。
2 施設自体の安全性はどうだったのか
ところが,原発はとにかく非常に危険なリスクを抱えた建物です。だから,想定外のことが発生した場合に「仕方ない」では済まされない面があります。
そこで,原発自体の構造的耐久性について検証する必要があります。その中で,「断層ができても耐えられる設計,構造なのか」という点をしっかり検証するのです。
ちなみに,その他構造上の問題として,「横揺れ,縦揺れへの対応シミュレーション」,「外からの耐火性」,「万一放射能漏れが発生した場合のヒュールシステム」などが考えられます。
3 災害発生後の人的物的制はどうだったか
実は,この部分が今回の災害において一番問題となるとところです。
災害の認識,初期対応,情報の提供など人力で行う部分について,今回の対応が迅速かつ適正といえるかどうか,問題があるとしたらどの手順なのか,などをしっかり検証する必要があります。
4 電気は足りるか
原発が必要な最大の理由,それは「エアコン」です。
今年の夏を乗り切れるかどうかは,エアコンの使い方にかかってきます。やはり,改めて節電が求められますね。
はっきりいうと,今回の災害,人的体制の甘さが大きな問題を招いてしまったといえます。建物の安全性を議論することももちろん大事ですが,一番の要素である「人的体制」についても視野において考えるべきです。当然,建物自体の問題とは別に考えるべきです。この議論をまぜこぜにすると,「単なる不要論」に化けてしまいます。不要論を展開するならば,一つずつ問題点を整理することが大切です。
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