あれは,あれで良いのかなPART2

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プライスレス,お金をかけない安全性

2005年11月19日 23時56分36秒 | 偽造設計問題
千葉県にある姉歯建設設計事務所が構造計算書を偽造して設計書を作成し,それに基づいて21件の建物が竣工または工事が実施されたようです。

国土交通省の報告

ここだけかなあ?

姉歯建設設計事務所が非常のけしからんことは改めて言うまでもありません。いろいろ弁明をしていますが,建物は人の命を預かる重要な物(衣食住というくらいですから)なのですから,忙しかったとか施工業者が無茶を言ってきたとかなどは全く言い訳にはなりません
ただ,気になるのは,検査業者の検査をスルーしていた,ということです。この検査業者もこの偽造は見抜けなかったといいますが,では何を検査しているというのでしょうか。もちろん,巧妙に偽造された代物なので,そうは簡単に見抜けなかったのかもしれませんが,例えば検算とかは検査では行わないのでしょうか。
おそらく,検査で見抜けなかった理由の根底にあるのは,「システム絶対」神話ではないでしょうか。つまり,コンピュータ処理された物はすべて正しい,という発想です。今回の構造書の計算も,信頼されたプログラムが計算したものであるということで提出されています。その結果,おそらく「あのプログラムが計算したものだから大丈夫だろう」という前提で,軽く流してしまったのではないのでしょうか。
とすると,おそらくこの設計会社以外でも,実はまだまだ多くの業者で似たようなことを行っているのではないでしょうか

もっというと,建物建築以外の分野でも,このような偽造と検査の見落としがあるのではないのでしょうか。例えば,牛肉の産地偽造なども似たような問題といえるでしょう。特に,役所関係の事業は検査がアバウトなところも多く,しかもコンピュータが処理した計算結果などを検算しないで検査済証を発行してしまう等という可能性も考えられます。
今一度,しっかりとチェックする必要があるでしょう。

一方で,実際のところ,チェック機関に人を配置できないことも事実です。以前,JR西日本の安全施設の不備を国土交通省が十分指摘できなかったという点が問題となりましたが,今回の問題も全く同じことがいえます。
人の生命の安全を図るためには,チェック機関に対する人員増が必要となります。
もちろん,人を増やすだけではなく,チェックする意味を十分理解して,その体制を整える必要があることはいうまでもありません。
公務員の人減らしが行われるようですが,往々にして施策に関係ない部署から人が削られます。このようなチェック機関の人員が削減されてしまうと,今後もっともっとこのような問題が発生するでしょう。
民間企業も役所も安全性の確保にこそ,十分にお金をかけてほしいものです。

それよりも,私たちは,今後何を信じて建物を購入すればよいのでしょうか?大手建設業者が作っているといっても,俄に信用できません。
とりあえずの自衛手段としては,「大地震が終わってからマンションを買う」ということしかないのかなあ,と思います。

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